どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年1月21日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん やみつき屋 四川式 汁なし担々麺」の実食レビューです。
毎年恒例の「やみつき屋 汁なし担々麺」から「四川式」の新作登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
やみつき屋 四川式 汁なし担々麺
これまで何度も発売されている東洋水産(マルちゃん)の「やみつき屋 汁なし担々麺」ですが、2019年最新作のテーマは「四川式」ということで、花椒(ホアジャオ)の痺れとラー油(唐辛子)の辛さを意識しているようです。そもそも担担麺は四川料理なので、タイトルが日本式寿司みたいなことになってるんですけどw これまでと比較して刺激アップバージョンのイメージでしょうか。
「やみつき屋」とは、 “味濃いめ” をキーワードに “やみつきになるラーメン” をコンセプトとしているシリーズで、最も古いシリーズ第1弾の商品は、2006年5月1日に発売された「マルちゃん やみつき屋 辛味噌ラーメン」という丼型のカップラーメンでした。現在の東洋水産代表取締役社長は今村将也氏ですが、現代表取締役会長・堤殷(つつみ ただす)氏が社長の時代ですね。
シリーズ発売当初は “スープと具にこだわりを持たせる” というコンセプトでしたが、2008年頃からCVSユーザーが高価格帯に求めるスープの作り込みに応え、 “味濃いめ” と “油多め” を意識。そして近年のブランドコンセプトは「 “味濃いめ” をキーワードに “やみつきになるラーメン” 」となっているのですが、2014年2月10日に「やみつき屋 汁なし担々麺」の初版がリリースされました。
それから毎年1月・2月頃に発売されている季節の定番商品なので、同シリーズの汁なし担担麺は今年で6年目になるのですが、ちょうど1年前の同時期にあたる2018年1月15日(月)にも発売されています。前回と比較して大きく異なるのは、「四川式」を強調していることと、完成図のイメージ写真に写っている具材が “キャベツからメンマに変わり肉具材が増えている” というのが目立ったリニューアルポイント。
ノンフライ麺だったり油揚げ麺(フライ麺)だったり、どんぶり型だったりタテ型だったり、スープありのカップラーメンから今回のようなカップ焼そばタイプの汁なし商品まで、多種多様な製品スタイルから一貫性はありません。そのようにスタイルが自由なので題材の縛りがない、というのもブランドの魅力で、以前は豚骨ラーメンも頑張っていたのですが、ここ最近は縦型ビッグの辛味噌ラーメンと今回の汁なし担々麺のイメージが強いですね。
ちなみにカップラーメンとしても馴染みのある「担担麺」という食べ物は、もともと汁なしの麺料理で、それを “日本における四川料理の父” といわれた陳建民氏が、汁物を好む日本人の食嗜好に合わせてスープ入りにアレンジし、それが世に広まったことで現在の主流となっているラーメン式の汁あり担担麺が一般的なスタイルとして定着しました。
余談ですが「坦々麺」(※土偏)は当て字なので、ご注意ください(「担担」は成都方言で天秤棒を意味し、道具や麺を “担いで売り歩いていた” という起源があるので「担担」です)。それでは、カップ麺を開封して中身を確認してみましょう。
開封
小袋の構成は、けっこう量が多めの「液体スープ」と比較して少なめの「粉末スープ」(どちらも後入れ)、そして「かやく」の計3種類が別添されています。液体スープはフタの上で温めるようにと書いてあるので、待っている間に温めましょう。念のため外装フィルムの隅々まで確認してみましたが、「※辛い食べ物が苦手な方は――」という類いの注意書きはありませんでした。
麺は油揚げ麺(フライ麺)で、くすんだ色合い。調理前の段階から精製ラードの芳ばしさを顕著に感じるのですが、これも東洋水産が手掛けるカップ焼そばの特徴です。熱湯5分の角刃ちぢれ麺で、かなりワイルドなゴツいオーラを放っているのですが、パッケージのデザインやコンセプトを思うとプラスに作用してくれそうですね。
東洋水産が販売しているスポット商品(数量・期間限定)のカップ麺は、グループ会社の「酒悦株式会社(房総工場)」で製造されている場合も多いのですが、今回は群馬県館林市赤生田本町にある自社工場(関東工場)製造でした。
製品情報・購入価格
製品名:マルちゃん やみつき屋 四川式 汁なし担々麺 販売者:東洋水産 製造所:関東工場(製造所固有記号[M1]) 内容量:144g(めん100g) 発売日:2019年01月21日(月) 実食日:2019年01月23日(水) JANコード:4901990362306 希望小売価格:210円(税抜) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:690ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、植物性たん白、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(植物油、香味油脂、米黒酢、チキンエキス、ねりごま、食塩、糖類、デキストリン、香辛料(唐辛子、花椒)、ごま、酵母エキス)、かやく(味付挽肉、味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、乳化剤、酒精、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC、ローズマリー抽出物)、増粘多糖類、パプリカ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルギー表示】えび・小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉 |
実食開始
どうやって移動したのかネギひとつだけ奥のほうに吹っ飛んでいるのですが、それはさておき「かやく」を麺の上にあけるとメンマがカランカランッ‥と乾いた音を軽快に奏でます。AD(エアドライ・熱風乾燥)じゃなくてFD(フリーズドライ・凍結乾燥)かな? 他社の乾燥メンマと比較して圧倒的に軽く、水分量が少ない印象で、当てるとカランッ‥って気持ちのいい音が鳴ります(笑)。
〈調理方法〉の5番目にも書いてあるのですが、お湯を注いで5分後に湯切りを行った後、「液体スープ」を先に入れて軽く混ぜ、それから「粉末スープ」を投入し、よく混ぜたら出来上がりです。必要なお湯の目安量は690mlと多いので、余裕を持って沸かしておきましょう。
さて、完成です。容器は四角い弁当型ですが、内側の四隅は丸くなっているので、かなり混ぜやすいですね。昨年発売品と比較して具材のバリエーションが増えている今回、その時点で前作との違いは明白なのですが、パッケージにも「花椒とラー油を利かせた、しびれる辛さがやみつきになる!」と書いてあるので、四川式=麻辣味(マーラーウェイ)の刺激レベルも意識しながら食べてみたいと思います。
1食(144g)当たり
カロリー:669kcal |
めん
コシの強い硬めの角麺。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」)
なんとも無骨でワイルドな油揚げ麺で、ゴワッとした存在感の強い食感が個性的。二郎系の再現カップ麺にも使えそうですね。食べ始めは歯応えのあるカタめの食感なんですけど、そんなに粘りはないというか、加水率は低めで歯切れがいいです。食べ始めは伸びのあるコシも適度に感じるのですが、基本的にゴワゴワわしわし食べ進める感じでイイですねコレ(笑)。
「上質」とか「上品」「洗練された――」みたいな言葉を当てはめようとすると、これほど似合わない麺も他にないというか、もう徹底的に完全無骨仕様。その男らしさが今回のタレ(スープ)と相性良好で、角刃でカットされた輪郭のある口当たりが強いタレに埋没することなく、しっかり自己主張を放っています。
だいぶ存在感のある縮れた太麺ですが、しっかりタレもコンセプト通り濃い味なので、いっさい麺が孤立する嫌いを見せません。それに期間限定商品の汁なしカップ麺はレギュラーサイズだと麺重量90g、大盛サイズだと130gになるのですが、平均と比較して今回ちょっと大盛りの100gなんです(「昔ながらのソース焼そば」などの定番商品レギュラーサイズと同じ量)。というわけで、かなり食べ応えがありました。
スープ(タレ)
チキンをベースに黒酢を合わせた旨味と酸味のあるスープに、ラー油と花椒油を利かせて、刺激的で華やかな風味を出しました。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」)
まず麻辣(花椒・唐辛子)の刺激ですが、大したことありません。四川式になったからといって刺激が特別に増したわけではなく、レベルでいえば中辛くらい? 四川料理店なんかで炎マーク5段階のうち炎2(標準)とか‥イメージですけどw よっぽど苦手じゃなかったら、ヒーハー騒ぐほどではないと思います。で、味はガツンと濃い味なんですけど、食塩相当量は4.8gと一般的なレギュラーサイズのソース焼そばよりも種類によっては控えめ。ただ、液体スープの量がスゴい‥‥
通常、カップ焼そば用の容器は底面の中央が凸型に軽く盛り上がっているのですが、ほぼ底面全体を埋め尽くすほどの量は珍しく、一口目から唇テッカテカになる超オイリーな仕上がり。なんですけど、この油分は豚脂などの動物油脂ではなく植物油なので、めちゃくちゃ油っぽいけど「油そば」ほど重たくはありません(容器に残った油分が動物油脂なら濁って凝固しますが、ほぼ今回の油脂は冷えても凝固しません)。
かなりオイリーな口当たりでインパクト抜群ではあるものの、それに切り込むように黒酢の酸味が効いていて、これがまた絶妙なんです。ほんとに。しかも黒酢らしい熟成感とコクのある酸味が本格的さを演出している、ちょっと油揚げ麺なのが勿体無いくらい本格的なテイストでした。担担麺といえばの芝麻醤(ねりごま)もグッと効いていたし、あえて豚よりも軽い鶏をベースにしているのも計算ですよね、これ。
かやく
味付挽肉、味付豚肉、メンマ、ねぎ。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」)
これまで海老が入っていた時期もあったのですが(2014年・2015年)、それは以降は基本的にキャベツと挽肉だったの対し、今年はメンマに味付豚肉入りという気合の入れよう。ただ、味付豚肉の質感が想像していたイメージと違っていて、リアルな肉の繊維質が楽しめるリアル系の味付豚肉ではなく、チャーシュー用に甘辛く味付けした豚肉の塊を厚めに四角くカットしているような雰囲気。
ただ、逆にそれが中華っぽいというか、ぜんぜん印象は悪くありませんでした。挽肉はランダムなサイズで大きい個体が多く、中には1cm超えの大物も入っていて、スパイシーな味付けと肉の旨味でガツンと食べ応えあり。最初は盛り付けながら少ないかな‥? などと思っていたのですが、ぜんぜん寂しくなかったし、麺を食べ終えてから底に残っている挽肉をガサッと食べる至福のひととき‥‥もちろん追い飯用に置いておくのも手ですよ。
メンマは繊維質が強めでシャキッと歯応えがあり、本物のメンマみたいにナチュラルな食感ではないのですが、明白な存在感と特有の風味が箸休めにいいですね。こってりとしたタレの中でインターバルになっていたキャベツはリストラされてしまいましたが、むしろ “こってりに振り切った感” が清々しく(かなり全体はオイリーだけどw)結果オーライでした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
いやぁ‥かなり美味しいですね。うん、かなり美味しいです。四川式になったからといって辛さや痺れに特化しているわけではなかったのですが、どこにも激辛とは書いてありませんし、それでいて刺激レベルは強烈な油脂に負けないくらいのメリハリはあったので、四川料理の汁なし担々麺らしい雰囲気もあり、ちょうどいいバランスだと感じました。
中でも黒酢の酸味が秀逸で、強烈なインパクトを放っている油脂が植物性ということもあり、強烈なのにクドすぎない計算され尽くされたバランスも絶妙で、なるほど “やみつき” になりますね。加水率の低い無骨な太麺も食べ応えがあってよかったけど、これはノンフライ麺での開発もぜひ検討していただきたいです。可能であれば低加水ノンフライ麺で、300円くらいになってもいいからレトルト具材の搾菜(ザーサイ)とか入れて‥たぶん最強。
と、それはさておき痺れる辛さの麻辣味や黒酢のアクセントが絶妙とはいえ超絶オイリーなので、ある意味けっこう人を選ぶカップ麺になるのですが、インパクト絶大なのに大味ではない、ぜひともオススメしたい逸品です。おそらく麺を食べ終えた時にタレが残っていると思うのですが、追い飯(ライス投入)すると抜群に美味しかったので、いけそうな方は白ご飯スタンバイで挑みましょう。