どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年9月16日(月)新発売、日清食品のカップ麺「ラーメン山岡家 醤油ラーメン」(328円+税)の実食レビューです。
SNSやYouTubeでも賛否両論!? ガツンときて、クセになる。熱狂的なファンが多いことで知られる「山岡家」監修のカップラーメンをマニアが食べてみた結果‥‥。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ラーメン山岡家 醤油ラーメン
ラーメン山岡家(やまおかや)とは、現在を遡ること35年以上、1989年(昭和55年)2月に設立された有限会社・丸千代商事(東京都江戸川区中央1丁目15番24号)にルーツを持ち、当初は弁当のFC事業を生業としていましたが、近隣に弁当屋の出店が相次ぎ、他店競合が激化。このままではいかんと他の業態を模索し始め、茨城県牛久市に1軒のラーメン屋さんがオープンします。
それが「ラーメン山岡家」の記念すべき1号店となる現「牛久店」で、1988年(昭和63年)9月の開業以来、お客様のニーズに応えるため、年中無休の24時間営業をスタート。1992年(平成4年)5月には創業者・山岡 正(ただし)その人が憧れた札幌への上陸を果たし “ガツンときて、クセになる„ 濃厚な味わいで多くのリピーターを獲得。現在は全国に177店舗を展開するなど、大成功を収めるに至りました。
そんな「ラーメン山岡家」監修のカップラーメンといえば、茨城県結城郡に本社を置き「ニュータッチ」や「凄麺」「手緒里庵」などのブランドを展開しているヤマダイのイメージが強く、また「サッポロ一番」ことサンヨー食品も過去に同店監修のカップラーメンを開発しているのですが、まさかの日清食品に鞍替えということで、SNSもザワついているのが本商品。
山岡家(や)というネーミングに、ほうれん草や海苔をトッピングしたラーメンのビジュアルから、一部では家系(いえけい)ラーメンと間違われることもあるようですけど、まったくの別物。家系ラーメンは豚骨と鶏ガラからスープを取るのに対し、山岡家は水と豚骨だけを丸3日、じっくりと煮込み続けてスープを取っているのが特徴で、家系ラーメンに必須とされる鶏油(ちーゆ)も使用していません。
このページでレビューする「ラーメン山岡家 醤油ラーメン」は、同店の看板メニューである「醤油ラーメン」の味わいを再現したカップラーメンで、パッケージに “ガツンときて、クセになる„ とのキャッチフレーズを印刷しているように、豚骨を丸3日かけて煮込んだ際のクセになるニオイまで再現している様子。
さすがに局地的なスーパーマーケット、ドラッグストアなどで販売されている留型(とめがた)までは把握し切れていませんが、念のため日清食品のデータベースを調べてみたところ、過去に「ラーメン山岡家」とコラボした記録は残っていなかったので、NB(ナショナルブランド)商品としてのコラボレーションは初の試み。
先に触れておきますと、私は「ラーメン山岡家」のマニアではなく、かれこれ10年以上 “即席カップめん„ をレビューし続けているマニアなので、そういった立場からの見解になりますが、SNSやYouTubeでの感想を調べてみると「ラーメン山岡家」が好きな方からの厳しいコメントが散見されている現在。同時に絶賛の意見も目に入りましたけど、すこしドキドキしています。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」「粉末スープ」「焼きのり」の計4パック構成で、これだけ見ると家系ラーメンさながらのラインナップなのですが、日清食品の通年商品を例に挙げると、海苔のサイズは「日清麺NIPPON 横浜家系とんこつ醤油ラーメン」に搭載されている大きな海苔(3枚入り)よりも目に見えて小さめ。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。即席カップめん業界では、ほぼ例外なくフライ麺(油揚げ麺)よりもノンフライ麺のほうが本格的なので、乾燥方法だけ見るとポジティブに思えるのですが、問題は日清食品のノンフライ麺であること。業界最大手のメーカーなのに、ほぐれにくさが改善されていない商品が多いため、ここが一つの大きな懸念。
またメーカー希望小売価格も注目すべき部分で、先ほど引き合いに出した「日清麺NIPPON 横浜家系とんこつ醤油ラーメン」だと285円(税別)なのに対し、こちらは328円(税別)と余裕で高価格帯に位置する商品。スーパーマーケットやドラッグストアも販売店に含まれますが、コンビニで購入した場合の税込価格は1食あたり354.24円なので、コストパフォーマンスにも注目しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ラーメン山岡家 醤油ラーメン 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:117g(めん70g) 商品コード:4902105286265(JAN) |
発売日:2024年09月16日(月) 実食日:2024年09月28日(土) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:328円(税別) 購入価格:278円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・焼きのり) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキン調味料、植物性たん白)、スープ(しょうゆ、ポークエキス、豚脂、植物油脂、糖類、食塩、ポーク調味料、小麦粉)、かやく(チャーシュー、ほうれん草、のり)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、乳化剤、かんすい、リン酸Ca、カラメル色素、pH調整剤、香料、カロチノイド色素、ソルビトール、アルギニン、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容はチャーシュー、ほうれん草とシンプルの極み。ラインナップとしては悪くないと思いますが、後述する「焼きのり」の別添を加味しても、328円(税別)の商品にしてはチャーシューのサイズが小さく、ほうれん草の量も多いとはいえません。
かやく以外の小袋は後入れなので、それを空けてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら “めんを軽くほぐし„ と、調理方法に書いてあるのですが、きましたよ‥‥ほぐれねぇw いや、頑張ったらほぐれますけどね。なんで頑張らにゃいかんのだと()
ややクセのある豚脂と醤油の香りも強かったので、そこは印象的に思えたポイントになりますが、ほぐれにくいノンフライ麺と具材の頼りなさは値段的に大きなネック。それでも希望小売価格相応の満足感が得られるのかどうか、ここから先は「めん」「スープ」「かやく」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(117g)あたり |
カロリー:420kcal たん白質:11.4g 脂 質:14.3g 炭水化物:61.5g 食塩相当量:7.5g (めん・かやく:2.5g) (スープ:5.4g) ビタミンB1:0.26mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:311mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:420kcal(めん・かやく:282kcal)(スープ:138kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
これはアカン
実店舗の「醤油ラーメン」に使われている麺は、自慢の豚骨スープに合うように設計された太めのストレート麺で、芯が強く、小麦の香りがする低加水の非熟成麺とのこと。それをイメージしている本商品のノンフライ麺も比較的に加水率が低く、小麦の香りもスープに干渉しない程度に漂ってくるのですが、よくも悪くも日清食品らしいベクトルで、新鮮味はありません。
なかでもプリプリとした食感は、いかにも日清食品らしいと思える特徴で、揚げ油に由来する風味が皆無に等しいところは全体の本格さを高めることに寄与しているけれど、如何せん戻りの悪さに伴うストレスはナンセンス。こちらが気を使ってほぐせばバラバラになりますが、最後まで部分的な戻りムラが否めない設計で、サービス精神に欠ける仕上がり。
日清食品の公式ウェブサイト(製品情報、ニュースリリース)に “新開発„ などの訴求は記載されていないため、既存のパターンを流用しているのだと思いますが、前述のメーカー希望小売価格を思うと納得できる品質ではありません。またスープを弾くタイプの麺肌だったので、日清食品の誠意が足りないように感じました。
スープ
豚骨感は印象的
先に「粉末スープ」を舐めてみたところ、骨っぽさを演出する成分を使っていましたが、いかにもカップラーメンらしい旨み成分で固めてあったので、かなり人工的。とはいえ「粉末スープ」の配合量は少なかったのと、反対に「液体スープ」の量はフタの上で温め切れないほど多かったので、前者については下支えに過ぎません。
続けて「液体スープ」を加えてみたところ、クセのある豚脂の香りと醤油感も分かりやすく伝わってくるのですが、いわゆる二郎インスパイア系の液体スープや調味油に使われるタイプのオイルほど強烈なオイニーではなく、味覚に訴えかけてくる個性も香りのわりに控えめ。つまり、クセに関しては香料による演出が大きいフレームワークなのかなと。
また味覚として伝わってくる醤油感も香りのわりに弱く、しかしながら食塩の当たりは強いので、けっこうショッパめのテイストです。しかし、まったりと広がってくる豚骨の旨みと、丁寧な骨っぽさは特筆すべき水準に達していたので、その染み渡ってくる感覚と長めに続く余韻は印象に残りました。
かやく
褒める要素が見当たらなかった
実店舗のチャーシューは、肉本来の旨味が味わえる肩ロースを使用し、各店舗で肉塊をカットするところか仕込まれているようですが、今回のチャーシューは手軽さが売りの縦型カップに放り込まれていても安っぽいと思える品質で、味や食感もチープ。ちなみに分厚い焼豚が入っている「日清ラ王」のメーカー希望小売価格は285円(税別)ですから、もっと頑張れたんじゃないかと。
ほうれん草についても量が少なく、どうやったら風味こんなに抜ける? ってくらい味気ない具材で、焼き海苔も小さいのが2枚。チャーシュー、ほうれん草の品質を思うと「日清麺NIPPON 横浜家系とんこつ醤油ラーメン」の大きな海苔(3枚)を搭載してほしかったところ。前述のノンフライ麺とスープを天秤にかけてもコスト配分が意味不明だったので、それほど山岡家のロイヤリティが高かったのでしょうか。
総評
私は「ラーメン山岡家」のマニアではないと前述しましたが、お店の味こんなもんじゃないですよね? 逆に本物の「醤油ラーメン」を食べてみたい、そう思わされたところにはコラボの意義が垣間見えましたけど、メーカー希望小売価格を思うと手放しに楽しめない内容で、戻りが悪いノンフライ麺と具材のショボさは論外。
ちなみに単価までは把握していませんが、フタの裏に何かを印刷するのって地味に高いらしくて。おかげで特別感は出ますけど、こんなところにコストを費やしてる場合じゃないでしょコレ‥‥。山岡家のロイヤルティが異様に高かった場合、お店にも責任はあると思いますが、そうでないなら山岡家に失礼なんじゃないですかね。正直、値段相応の価値は見出せませんでした。ヤマダイ、出番ですよ。【author・taka :a(大石敬之)】