どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年11月3日(火)新発売のカップ麺、サンヨー食品「世界の山ちゃん監修 幻の手羽先風味ラーメン」の実食レビューです。
年間500万本以上売れる “幻の手羽先” をローソン限定のカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
世界の山ちゃん 幻の手羽先風味ラーメン
世界の山ちゃん(せかいのやまちゃん)とは、手羽先の唐揚げ「幻の手羽先」を目玉商品としている名古屋発祥の居酒屋で、創業は1981年(昭和56年)6月14日。
創業者の故・山本重雄(やまもと しげお)氏が名古屋市中区新栄に1号店「串かつ・やきとり やまちゃん」を立ち上げ、日本国内のみならず香港・タイ・台湾・マレーシアにて海外進出も成功させた実力派。現在は “大人の山ちゃん” がコンセプトの「尾張名古屋の台所 山」や「ら〜めん やどがり屋」などを展開している株式会社エスワイフードを運営母体とし、様々なジャンルの企業間コラボを意欲的に展開しています。
今回の新商品「世界の山ちゃん監修 幻の手羽先風味ラーメン」は、世界の山ちゃんが誇る “幻の手羽先” をサンヨー食品(サッポロ一番)がカップラーメンにアレンジした数量限定の変わり種で、2020年3月23日に発売された湯切りタイプ「世界の山ちゃん監修 幻の手羽先風味焼そば」の続編に該当するカップ麺。
サンヨー食品とコラボした前回のカップ麺は、販路を問わないNB(ナショナルブランド)商品だったのに対し、今回は「世界の山ちゃん」と深い繋がりを保っている “ローソンでしか買えない” コンビニ限定のPB(プライベートブランド)商品として、全国のローソン店舗を対象にリリースされました。
「世界の山ちゃん」が誇る大人気商品 “幻の手羽先” は、もともと海上自衛隊の調理班だった山ちゃん(創業者・山本重雄氏)が考案した “山ちゃん風手羽先” が前身で、1963年(昭和38年)創業の「元祖手羽先唐揚 風来坊(ふうらいぼう)」にインスパイアされた商品というのは有名な話。
まだ山ちゃん(山本重雄氏)が海上自衛隊の調理班に配属されていた頃、実業家であり “キャバレー王” の異名を持つ福富太郎(ふくとみ たろう)其の人が著した本『あなたも1億円貯められる』で焼鳥屋が儲かることを知った山ちゃんは、21歳で海上自衛隊を除隊。
その後、商売のイロハを学ぶため、名古屋の居酒屋「栄太郎(えいたろう)」と「村さ来(むらさき)」で1年ずつ働き、鶏の味付けや焼き方などを学んだそうです。
当時の名古屋では「風来坊」の味付けを真似た手羽先の唐揚げを出す店が多く、その流れと本で得た “焼鳥屋は儲かる” という確信から、24歳で4坪13席の1号店「串かつ・やきとり やまちゃん」をオープン。
そこで考案された “山ちゃん風手羽先” は、元祖「風来坊」のタレよりも甘みを抑え、胡椒などの香辛料を強めに効かせているスパイシーな味付けを特徴とし、1号店の開業から3年間、山ちゃん1人の切り盛りで1,000万円の現金が手元に残るほどの実力店に成長。
1984年に個人経営から有限会社「世界のやまちゃん」を組織することになり、1995年にフランチャイズ化させ、1997年に創業者の山ちゃんをモデルにした現在のイメージキャラクター “鳥男” が登場。2003年9月の関東進出以降、破竹の勢いで店舗を拡大し、現場の居酒屋店主から外食産業経営者に上り詰めた風雲児として期待を集めていた2016年8月21日午前7時54分、山ちゃん(59)は解離性大動脈瘤のため此の世を去りました。
しかし、現在も「山ちゃん」の人気は衰えることを知らず、2013年9月3日(火)に発売されたローソンとのコラボ第1弾「からあげクン 世界の山ちゃん監修 幻の手羽先風味」を皮切りに、弁当・おにぎり・焼きそば・サラダなど、2020年11月現在にかけて9種類のオリジナル商品を展開しているため、なんとも印象的なデザインのマスコットキャラクター “鳥男” に見覚えのある方も多いでしょう。
なかでも世界の山ちゃんが監修した「からあげクン 幻の手羽先風味」は、歴代からあげクン史上もっとも売れた人気No.1フレーバーとしても知られ、これまでに何度も再販された実力派。そんな “幻の手羽先風味” をカップ麺に落とし込んだ世界の山ちゃん監修シリーズ初のカップラーメンであり、なおかつパッケージには「辛い!」「うまい!」「もう一杯!」とあるため、中毒性の高さと辛さレベルに注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」1袋。容器側面には念のため “本製品は「世界の山ちゃん 幻の手羽先」の味わいをイメージしたカップめんです” に続き “幻の手羽先を使用した製品ではありません” との免責事項を記載しているのですが、パッケージの雰囲気とインパクトは申し分ありません。
そのため具材に手羽先が入っているわけではないのですが、そこそこ大きな味付鶏肉そぼろを筆頭に、赤ピーマンが彩りを添え、膨張率の高いキャベツをトッピング。メインの味付鶏肉そぼろは見るからに量が多いですし、漠然と唐揚げやフライドチキンを想起させるスパイシーな香りが漂ってくる開封直後——
ローソンと世界の山ちゃんがコラボした商品は、主に中部地区* のローソン店舗に向けて開発された商品が多かったので、人気の「からあげクン」くらいしか全国的に出回らないイメージが強かったのですが、今回のカップ麺は前述のように全国のローソンが取り扱いの対象店舗。ローソン標準価格は215円(税込232円)となっているため、2020年11月現在の縦型ビッグ製品における平均的な値段設定です。
* 愛知県、静岡県、岐阜県、三重県(一部店舗を除く)、富山県、石川県、福井県(一部店舗を除く)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:世界の山ちゃん監修 幻の手羽先風味ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場(A) 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4901734041542(JAN) |
発売日:2020年11月3日(火) 実食日:2020年11月5日(木) 発売地域:全国(数量・期間限定) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:232円(税込) ローソン標準価格:215円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、やまいも粉)、スープ(糖類、チキンエキス、食塩、しょうゆ、香辛料、鶏脂、植物油脂、チキンパウダー、粉末酒、みそ、豚脂、酵母エキス、発酵調味料、たん白加水分解物、デキストリン)、かやく(味付鶏肉そぼろ、キャベツ、ピーマン、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、カラメル色素、炭酸カルシウム、香料、増粘剤(キサンタン)、かんすい、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準3分となっているのですが、この白っぽい見た目に加えて “やまいも粉を練り込んでいる” のが注目すべきポイント。やまいも粉を使用したサンヨー食品の油揚げ麺といえば、言わずと知れた「サッポロ一番 塩らーめん」に使われている油揚げ麺の特徴なので、おそらく同じ流れを汲んだ麺と思われます。
あとは熱湯を注いで5分間、待っている間にフタの上で「仕上げの小袋」を温めて、食べる直前に小袋の中身を加えて混ぜたら出来上がり。パッと見て「世界の山ちゃん」らしさはないものの、思っていた以上にキャベツの量が多く、味付鶏肉そぼろの量も申し分ありません。さて、あとは「幻の手羽先」の風味を再現できているのかどうか——
なお販売者はサンヨー食品株式会社なのに対し、製造所は太平食品工業株式会社の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4 / 製造所固有記号A)となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、念のため辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:459kcal たん白質:9.7g 脂 質:20.3g 炭水化物:59.3g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.0g) ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.58mg カルシウム:235mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:459kcal(めん・かやく:360kcal)(スープ:99kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もうちょい何とかならなかったのか‥‥
熱湯3分の油揚げ麺は、丸刃で切り出された断面の丸い中細ちぢれ麺で、黄色味を抑えた色合い。やまいも粉をブレンドしているからといって、別に山芋の味がするわけではないのですが、ふんわり奥から上がってくる優しい甘みや鼻を抜ける独特の香りなど、同社が誇るサッポロ一番の「塩らーめん」に通じるところがあります。ただ、それ以上に芳ばしさが強め。
あくまで今回は「世界の山ちゃん」を代表する “幻の手羽先” をイメージした風味のカップラーメンであり、なおかつ同グループに所属する「ら〜めん やどがり屋」やコラボ店「一番軒+世界の山ちゃん 小牧店」といったラーメン店とのタイアップ商品ではないので、再現度の高さ云々が評価に響くことはないのですが、如何せん食感に持久力がありません。
伸びて柔らかくなった麺は、すこぶるスープとの一体感が高く、伸び切った麺の食感さえ許容できるなら問題ないかとは思いますが、ぴったり時間を守ってもコシは控えめで、逆にフライングするとサクサクした食感が目立つ旧世代。とはいえ超ハイクオリティなノンフライ麺を使ってしまったら、それはそれで浮いてしまいそうではあるものの、もうすこし耐久性も意識してほしかったです。
スープ
仕上げの小袋が効果的
動物系はチキンエキスとチキンパウダーを軸に、けっこうスナック的なテイストで、たしかにペッパーを中心とした香辛料の刺激を感じるものの、そこまで香辛料を全面的に主張させた味ではありません。パッケージに「辛い!」とあったので、もうちょっと刺激的な路線で攻めてくるかと思いきや、胡椒のアクセントも唐辛子の刺激も想像以上に大人しく、ちょっと拍子抜け。
とはいえ胡椒のアクセントはスパイシーな印象を与えるだけの存在感を放ち、粉末スープは醤油を軸に味噌のコクを重ねた濃いめの味付けで、胡椒とは違うピリピリとした化学調味料の刺激も並行します。
さらに仕上げの小袋を加えた瞬間、香味野菜から抽出したと思われる香味油の風味が独特で、粉末スープだけでは出せないコクを演出。はたして “幻の手羽先風味” かと聞かれた場合、遠からず近からずのところはあるものの、単純に味は悪くありませんでした。
※容器の底にスパイスが溜まりがちだったので、容器の底から定期的に混ぜ合わせてください。
具材
量・質ともに上出来!!
具材はキャベツだけで麺を覆い尽くせそうなボリューム感が頼もしく、みずみずしいキャベツの食感が食べ応えに寄与。ネギは汎用の青ネギなので、特筆すべき要素はないものの、赤ピーマンは彩りを添えてくれるだけでなく、独特の風味がアクセントに効果的。
メインの味付鶏肉そぼろはスパイシーな味付けで、手羽先感こそ皆無に等しい具材ですが、量・質ともに申し分ありません。かなりインスタント感の強い素材ではあるものの、スープとの相性もよく、印象は悪くありませんでした。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
そもそもカップ麺と手羽先では土俵が違うので、幻の手羽先風味を忠実に再現した商品とはいえず、正直ちょっと途中から何味か分からなくなってしまったんですけどw たしかにスパイシーかつ独特なテイストは、これまでのカップラーメンになかったタイプ。
麺は改良の余地ありだと感じた反面、しっかりと具材に力を入れていたので、具材のボリューム感は素直に好印象でした。上記の本文でも触れたように、けっこうスパイスが容器の底に溜まってしまうので、容器の底から定期的に混ぜ合わせてください(author・taka :a)