どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月11日(月)新発売、エースコックのカップ麺「一度は食べたい名店の味PREMIUM 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」の実食レビューです。
ミシュラン4年連続掲載店「八雲」監修のカップラーメンが満を持すPREMIUM(プレミアム)バージョンになって再登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
八雲監修 ワンタン麺 白醤油味(PREMIUM)
八雲(やくも)とは、東京都目黒区東山・池尻大橋で人気を博すラーメン店で、創業は1999年(平成11年)。店主の稲生田幹士(いなうだ かんじ)氏は、東京都杉並区浜田山の老舗「たんたん亭」出身で、権威ある世界的なレストランガイド『ミシュランガイド東京2018-2021』のビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)にも4年連続で選出された実力の持ち主。
「八雲」の看板メニューとして知られる「特製ワンタン麺」は、多くのラーメンマニアから “最高峰” と高く評価されている逸品で、同業者にも「自分には作れない」「完敗だ」と絶賛されるほど。雲呑(わんたん)に定評のある矢口渡の「中華soba いそべ」や稲荷町の「支那そば大和」を立ち上げた店主の修行先としても知られ、両店の評判からも「八雲」の力量が伝わってきます。
今回の新商品「一度は食べたい名店の味PREMIUM 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」は、白だし(白醤油ベース)の上品な味わいに、業界屈指のワンタンをトッピングした「八雲」の代表作「特製ワンタン麺(白)」の味わいを再現したカップラーメンで、大阪府吹田市に本社を置くエースコック株式会社と共同開発。
「一度は食べたい名店の味」とは、首都圏を中心に人気を博す名店から選りすぐり、その味わいを即席カップ麺で再現したシリーズで、2020年2月3日に「一度は食べたい名店の味 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」という「八雲」監修のカップ麺を発売しているのですが、同シリーズのハイエンドモデルに位置する「PREMIUM」での商品化は初の試み。
スタンダードな「一度は食べたい名店の味」と「PREMIUM」の間には大きな違いがあり、もっとも注目すべきは麺の種別。いつもの「一度は食べたい名店の味」には “油揚げめん” を採用しているのに対し、ハイエンドモデルの「PREMIUM」には “ノンフライめん” を搭載しているのが最大の特徴で、再現度を大幅に向上させているのがポイント。
しかし、2020年2月に発売された縦型ビッグの「一度は食べたい名店の味 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」も再現度が高く、当時 “本物の特製ワンタン麺(白)” と食べ比べてみたところ、麺の中心部に残る独特の食感やスープのフレームワークも本物の「特製ワンタン麺(白)」に忠実で、もちろんデフォルメされている部分はありましたが、想像以上の仕上がりに驚いたことを今でも覚えています。
とはいえ油揚げ麺の風味がスープに滲み出てきたり、メイン具材のワンタンは本物の足元にも及ばなかったり、簡便性の高い縦型ビッグ(タテロング)ならではの制約が否めなかったのも事実。せめて麺がノンフライだったら‥‥という思いがあったので、いつかの「PREMIUM」バージョンに期待していたところ、こんなにも早く実現するとは願ってもない展開。
本物の「特製ワンタン麺」にトッピングされている “肉ワンタン” と “海老ワンタン” は冗談抜きで絶品なので、さすがに乾燥具材の限界を感じることになりそうですが、パッケージには「たっぷりワンタン」の文字。すくなくともクオリティは上がっているハズなので、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が2袋に、後入れの「液体スープ」で合計3袋。ピンクの小袋にワンタンが3つ入っているのですが、青い小袋にもワンタンが3つ入っていたので、ワンタンの個数だけいえば本物の「特製ワンタン麺」と共通です。ただ、ワンタンそのものは汎用の雰囲気。
麺は熱風で乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。本物の「特製ワンタン麺(白)」には角断面のストレート中細麺を合わせているのに対し、今回のノンフライ麺は丸刃で切り出されているので、形状の再現は低いといわざるを得ないところ。
ちなみにメーカー希望小売価格は270円(税別)なので、縦型ビッグの「一度は食べたい名店の味」220円(税別)よりも圧倒的に高く、コンビニで購入した場合の税込価格は288円と “PREMIUM” な値段。しかし、お店の「特製ワンタン麺(白)」は1,100円(2021年10月現在)なので、再現度の高さによっては——。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味PREMIUM 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:107g(めん65g) 商品コード:4901071211851(JAN) |
発売日:2021年10月11日(月) 実食日:2021年10月13日(水) 発売地域:全国 希望小売価格:270円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、卵白粉)、スープ(植物油脂、還元水飴、食塩、チキンエキス、しろしょうゆ、砂糖、鶏油、ニボシパウダー、ニボシエキス、でん粉、香辛料、白だし、たん白加水分解物、カツオ調味料、香味油、コンブエキス)、かやく(ワンタン、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、乳化剤、炭酸Ca、香料、増粘多糖類、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、カロチノイド色素、くん液、ビタミンB2、酸味料、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、けっこう香りが強く、スープの味にも干渉してきそうな予感。ちなみに本物の「特製ワンタン麺」には肉ワンタンとエビワンタンを3ヶずつ(ハーフでは各2ヶずつ)トッピングしているので、それに合わせてカップ麺のワンタンも餡を使い分けているのか、それとも既存の餡を使用しているのか‥‥
ひとまず別添の液体スープは後入れなので、その小袋をフタの上で温めながら待つこと5分。時間になったらノンフライ麺をほぐし、液体スープを入れ、よくかき混ぜたら出来上がり。容器はφ165×75mmの大判どんぶり型ですが、6個も入っているワンタンのおかげで具沢山な調理直後。
湯気から白醤油の存在が確認できる個性的な香りで、けっこう雰囲気は感じるものの、同時に具材の香りも強く、それについての懸念が否めない実食前。それに加えてエースコックのワンタンは、皮の繋ぎ目がパキッとすることも多かったので、その戻り具合にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(107g)あたり |
カロリー:371kcal たん白質:10.2g 脂 質:8.9g 炭水化物:62.5g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:1.8g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.40mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:320mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:371kcal(めん・かやく:271kcal)(スープ:100kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
なぜ、この麺を合わせたのか‥‥
お店の「特製ワンタン麺(白)」に使われている麺は、もともと大栄食品という製麺所から仕入れていたらしく、途中から菅野製麺所に切り替わっていたのですが、現在は三河屋製麺と共同開発した中細ストレート麺を使用。中心部に独特の芯を残す加水率の低い食感で、コリッとした硬さと弾けるような歯切れもさることながら、すこし長めに茹でると小麦本来の甘味が楽しめるのもポイント。
それを再現したノンフライ麺も加水率は低めに仕上げてあり、黄色みを抑えた白っぽい見た目も印象的ではあるものの、噛んだ時に跳ね返ってくる反発性が軽いというか、想像していた以上にソフトな弾力で、ふかふかした軽さが気になります。中心部に残るコリッとした歯応えも皆無に等しく、もはや本物と比較して逆のイメージを抱いてしまうほど。
前回の縦型ビッグに使われていた油揚げ麺と違い、場合によっては旨味にも雑味にもなる油揚げ麺ならではの要素を感じることはないけれど、歯応えの再現度においては前回の油揚げ麺に軍配という予想外の展開。早めにフタを開けても長めに待ってもフカフカした軽さが気になったので、ちょっと違うんじゃないのかな‥‥というモヤモヤが残りました。
スープ
スープは美味しい
というわけで、満を持すノンフライ麺の再現度は低いといわざるを得ない結果に終わったものの、スープについてはポジティブな出来栄え。日本のラーメンにしては珍しく、実際のスープに豚骨や鶏ガラなどの骨は不使用で、動物系は鶏肉や豚肉から出汁(だし)を取り、羅臼昆布や干し椎茸、干し海老などの乾物を重ね、魚介は煮干し・鰹節・鯖節・うるめ節をブレンド。
それを再現した今回の液体スープに干し椎茸は使用しておらず、干し海老の旨味についても意識されていませんが、きちんと白醤油や白だしを使っているのがポイントで、後味に残る余韻が本物のスープを彷彿とさせる味の組み方。ちょっと人工的なトロミが蛇足だったのと、還元水飴の甘さがワザとらしく思えたのですが、けっこう臨場感のある味わいで、雰囲気の再現度は低くありませんでした。
具材
使い回しの具材だけど悪くない
風味の強いメンマと歯触りの強い青葱は使い回しの具材で、スープに干渉してくる安っぽいネギの風味が気になったのですが、ひとつのカップラーメンに6個のワンタンを搭載した思い切りは素晴らしく、なかなかの食べ応え。2つの小袋に分けられていたワンタンは、皮・餡ともに共通で、おそらく同社の「ワンタンメンどんぶり」などに使われているワンタンと同じ具材。
ちょっと皮の繋ぎ目が硬い部分もありましたが、しばらくスープに沈めてケアしてやると、中盤以降は気になりません。さすがに餡の違う2種類のワンタンを使い分けているわけではなかったのですが、ピンクの小袋に入っていたワンタンには “メンマの香りが移っていた” ので、同じワンタンでも味に変化を感じたのは面白かったです。
総評
あいかわらずスープの完成度は高く、6個のワンタンにも食べ応えを感じたのですが、いかんせん再現度が低いノンフライ麺のチョイスが勿体無い。それでもスープとの相性が申し分なければ見逃せたものの、特別に悪いわけでもなければ特別な相乗効果もなく、そこだけが残念だったなと。
なまじ筆者の期待度が高かったことは認めますが、ノンフライ麺に問題を感じたこと、加えてメーカー希望小売価格も270円(税別)と高額なので、ちょっと厳し目に評価しました。前回と同じくスープの味は雰囲気を感じる仕上がりだったので、引き続き第3弾の開発にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】