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ミシュラン6年連続掲載店「八雲」監修 “肉ワンタン麺 白だし” をカップ麺で再現!! 満を持してのリベンジなるか‥‥

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エースコック

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年2月13日(月)新発売、エースコックのカップ麺「ワンタン麺の最高峰の店 八雲の一杯 ワンタン麺 白醤油味」の実食レビューです。

あまりの美味しさで行列が絶えない東京・池尻大橋の名店「八雲」監修によるカップラーメンついに復活!! しかし、この “PREMIUM” な製品スタイルといえば——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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ワンタン麺の最高峰の店 八雲の一杯 ワンタン麺 白醤油味

八雲(やくも)とは、1999年(平成11年)9月の創業以来、現在は東京都目黒区東山3丁目・エビヤビル1階を拠点に “最高峰との呼び声が高いワンタン麺” で絶大な人気を博すラーメン店で、世界的な権威を持つグルメガイドブック『ミシュランガイド東京2018-2023』のビブグルマン(5,00円以下で価格以上の満足感が得られる料理)にも4年連続で選出されている目黒区きっての実力派。

「八雲」監修の一杯 “1年4ヶ月ぶり” に復活

今回の新商品「ワンタン麺の最高峰の店 八雲の一杯 ワンタン麺 白醤油味」は、ラーメンマニアからはもちろん、同業者からも高く評価されている東京屈指の名店「八雲」監修によるカップラーメンで、店主の稲生田幹士(いなうだ かんじ)その人が確立した “肉ワンタン麺 白だし” の味わいを再現。製造は大阪府吹田市に本社を置くエースコックで、以前にも2度のコラボ歴があるのですが‥‥。

まずはカップラーメンのモデルになった「肉ワンタン麺 白だし」について、すこし解説しておきます。先に “最高峰との呼び声が高い” と触れたように、毎日ひとつずつ手作業で包まれる「八雲」謹製の雲呑(ワンタン)は、餡・皮ともに文句が付け所がないほどに素晴らしく、しかしながら「八雲」の魅力はワンタンだけではありません。

もともとは発注ミスから生まれたそうですが、スープの取り方も独特で、動物系は “ガラや骨を一切使わない” 鶏肉と豚肉から取った清湯(ちんたん)に、乾物系は羅臼昆布・干し海老・干し椎茸を合わせ、魚介系は煮干し・鰹節・鯖節・うるめ節をブレンド。白の所以はタレの白醤油で、足りないキレを塩で補いつつ、味醂と砂糖で余分なカドを削り、ふわっと生姜の風味を効かせているのも見どころ。

画像は「特製ワンタン麺(白)」

稲生田店主は学生時代、服飾の専門学校に通っていたらしく、卒業後はアパレル業界に勤めていた時期もあったようですが、学生時代の先輩が営んでいた飲食店を手伝うことになり、その店がラーメンを始めたことを切っ掛けに進路を変更。当時は目黒の「支那ソバ かづ屋」に通っていたことから、その修行先である「たんたん亭」の門を叩き、2年の修行を経て「八雲」を開業します。

開業当初は目黒銀座商店街に店を構え、現在の黒だし(黒醤油ベース)をメインに提供していましたが、度重なる排水管の故障と行列に対する近隣からの苦情を理由に移転を決意。2005年(平成17年)8月27日から東京都目黒区大橋(オリエンタル青葉台2階)に拠点を移し、夜は「焼き鳥 夜雲」の屋号で二毛作営業にも取り組んでみたものの、2階という立地から以前よりも客足が遠退くことに——。

その打開策として登場したのが現在の白だし(白醤油ベース)で、瞬く間に話題の名店となり、2017年(平成29年)1月13日から現在の地で営業しています。そんな「八雲」とエースコックの関係は、2020年2月3日発売の「一度は食べたい名店の味 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」まで遡り、翌年10月11日に「同 PREMIUM 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」を発売しているのですが‥‥

2020年2月発売品 / 2021年10月発売品

2020年2月発売のTL(タテロング)版は、思っていた以上に麺の質感が近く、スープの味わいからも「八雲」の “白だし” に通じる魅力を感じたのですが、2021年10月発売のPREMIUMでは一変。引き続きスープの出来は悪くなかったものの、油揚げ麺からノンフライ麺に変わったことで再現度が極端に下がり、このブログでの評価は伸び悩みました。

かくしてコラボ第3弾となる「八雲の一杯」は「一度は食べたい名店の味」から脱却し‥‥というか、もう廃盤になってますよね、このシリーズ。兎にも角にも製品スタイルが前回発売品と同じ大判どんぶり型なので、1年4ヶ月前に総評の足を引っ張った麺の仕上がりを筆頭に、進化の度合いに注目です。

開封

小袋の構成は2021年10月発売品から変わっていない

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「液体スープ」の計3種。青い小袋にはワンタンのみ充填し、ピンクの小袋にはワンタンとメンマ、ネギを充填している、この構成は2021年10月発売の「一度は食べたい名店の味PREMIUM 八雲監修の一杯 ワンタン麺 白醤油味」から変わっていません。

麺も変更なしか‥‥?

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、店舗の「肉ワンタン麺 白だし」には角断面のストレート麺を合わせているのに対し、こちらは丸刃。油揚げ麺ほどスープに干渉してこないのはノンフライならではのメリットではあるものの、湯戻し時間や調理前の佇まいも2021年10月発売品に酷似しているため、嫌な予感が否めない展開。

さらにメーカー希望小売価格は318円(税別)に設定されているため、コンビニで購入した場合の税込価格は343円と文句なしでハイクラス系の一杯。ほかにスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなども販売店に含まれる、販路限定のカップラーメンではないけれど、300円を超えるメーカー希望小売価格は見過ごせません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:ワンタン麺の最高峰の店 八雲の一杯 ワンタン麺 白醤油味
製造者:エースコック株式会社
製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175)
内容量:109g(めん65g)
商品コード:4901071400439(JAN)
発売日:2023年02月13日(月)
実食日:2023年02月19日(日)
発売地域:全国
小売価格:318円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:480ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、卵白粉)、スープ(植物油脂、還元水飴、食塩、チキンエキス、しろしょうゆ、砂糖、鶏油、魚介エキス、ニボシパウダー、でん粉、香辛料、白だし、たん白加水分解物、カツオ調味料、香味油、コンブエキス)、かやく(ワンタン、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、乳化剤、香料、増粘多糖類、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、カロチノイド色素、くん液、ビタミンB2、酸味料、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

熱湯を注ぐときはワンタンの上を狙う

別添の「かやく」は2袋とも先入れで、ワンタンの数は計6個。直近にレビューした商品を例に挙げると、2022年10月24日に発売された「ワンタンメンの満月 魚介だし醤油味」と同じワンタンを——っていうか、メンマもネギも完全に共通ですよねコレ。ちなみに「ワンタンメンの満月」をレビューした際、かやくは★2(イマイチ)と評価したので、さらに不安が募る展開に‥‥w

スープの色なんか緑っぽくない?

別添の「液体スープ」は後入れなので、皮の繋ぎ目が戻りにくい “ワンタンの上を狙いつつ” ゆっくりと内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。

ワンタンの数は「一度は食べたい名店の味PREMIUM」時代から変わっていませんが、スープの表面に浮いていた黄金色の鶏油が目立たないので、そこも気になるところ。はたして従来品から進化しているのかどうかに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(109g)あたり
カロリー:379kcal
たん白質:10.1g
脂  質:8.9g
炭水化物:64.6g
食塩相当量:6.7g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:4.9g)
ビタミンB1:0.31mg
ビタミンB2:0.35mg
カルシウム:253mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:379kcal(めん・かやく:284kcal)(スープ:95kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

結論:再現度は低い

2.0

「八雲」開業当初は、修行先の「たんたん亭」とも取引している東京都世田谷区の製麺所「大栄食品」から麺を取り寄せていたらしく、途中で東京都大田区の「菅野製麺所」に切り替え、現在は東京都東久留米市の「三河屋製麺」と共同開発した中細ストレート麺を使用しています。それは中心部に独特の芯を残す加水率低めの食感で、コリッとした噛み応えと弾けるような歯切れ感が印象的。

リフトした瞬間に悪い予感が的中

それをイメージしているハズのノンフライ麺は、食べ始めこそ歯切れの良さが楽しめるものの、八雲と三河屋製麺が共同開発した中細ストレート麺とは異なるベクトルの歯切れ感で、それ以上に致命的なのがフカフカとした軽さ。鼻に抜ける小麦は芳醇で、エースコック特有の油揚げ臭も気にならないのは嬉しい項目になりますが、お世辞にも再現度が高いとはいえません。

原材料名は「一度は食べたい名店の味PREMIUM」と完全に同じ構成で、実際の食感も然り。物価の高騰を受け、メーカー希望小売価格は270円(税別)から318円(税別)に値上がりしましたが、これといった劣化もなければ成長もなく、残念と評価せざるを得ませんでした。

スープ

動物系が後ろに下がり、魚介が前に出た

4.0

「一度は食べたい名店の味PREMIUM」と比較して、ニボシエキスの表記が魚介エキスに変わっているのですが、それを除くと原材料名の並びは完全に一致。ちょっとトロミが蛇足的だったり、還元水飴の甘さがワザとらしかたったり、それらに関しても大きく変わった様子はありません。

引き続き干し椎茸や干し海老は使用していないようですが、表面に浮かんでいた黄金色の鶏油は目に見えて減り、従来よりも煮干しを中心とする魚介の要素が強く浸透してくるようなイメージ。骨に由来するエキスの使用・不使用については公表されていませんが、きちんと白醤油や白だしを使っているのは再現度の高さに寄与するポイントです。ただ、ちょっと魚介が目立ち過ぎるかも。

かやく

改善の余地あり

2.0

前述のように「ワンタンメンの満月 魚介だし醤油味」と完全に同じ構成で、気にならない時期もありましたが、またもや戻りにくいワンタンの継ぎ目が致命的。調理方法のアドバイスに従って、ゆっくりと熱湯を注いでも皮の繋ぎ目がパキッと(部分的にはバキッと)したまま適切に戻らず、試しに麺の下にワンタンを忍ばせてみてもダメ。

ワンタンの中身

その頑固な皮に包まれている餡は、スナック的な風味の肉‥‥これ肉ですよね? 店舗の肉ワンタンからもワイルドな風味を感じるのですが、こちらはワイルドを通り越して雑味が強く、スープに干渉していたのが残念でした。

商品名には “ワンタン麺の最高峰” とありますけど、即席カップめん業界における “ワンタンの最高峰” といえば、やはり明星食品のノンフライワンタンが群を抜いて最強なので、いつか追い付いてほしいです。

総評

2.0

前回の「一度は食べたい名店の味PREMIUM」と比較して、ノンフライ麺の改善はなく、スープは動物系の要素が弱くなり、ワンタンは戻りムラが目立つなど、手放しに評価できる仕上がりではありません。やや厳し目に見たことは認めますが、メーカー希望小売価格の設定が318円(税別)と高額なので、もっと(エースコックに)頑張ってほしかった、というのが正直な意見。

かやくの項目でも触れたように、この業界でワンタンといえば明星食品のノンフライワンタンが最強なので、ワンタン麺の最高峰を再現するのであれば、それに匹敵するワンタンの開発を望みたいところ。製造ラインの関係でワンタンの新開発が難しいのであれば、せめて麺の方向性を修正した上で、またのリベンジに期待しています【author・taka :a(大石敬之)】

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