どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月10日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン 柚子胡椒推し」の実食レビューです。
いつもの「焼豚ラーメン」とは異なる魅力を発信「推し」シリーズ第4弾は “ありそうでなかった” 焼豚ブランド史上初の柚子胡椒を搭載!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
焼豚ラーメン 柚子胡椒推し
焼豚(やきぶた)ラーメンとは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造を生業としているサンポー食品のブランドで、同社の絶対的エースといっても過言ではない存在。その源流に位置する「九州とんこつ味」は、1978年(昭和53年)8月発売のロングセラーで、多くの媒体で九州のソウルフードと紹介されるほどファンの多い商品です。
今回の新商品「焼豚ラーメン 柚子胡椒推し」は、焼豚ラーメンの新たな魅力や食べ方を発信する「推し」シリーズ第4弾の新作で、九州の定番調味料である柚子胡椒を別添した、いつもの「九州とんこつ味」とは異なるテイストの変わり種。焼豚ラーメン・柚子胡椒ともに畑は違えど九州を発祥とする名物ですが、その2つを組み合わせた商品は意外にも前例がありません。
「焼豚ラーメン」の推しシリーズ第1弾「黒こしょう推し」が発売されたのは、2021年(令和3年)2月22日と最近の話。サンポー食品に勤めている社員の家族が「焼豚ラーメン」に黒胡椒を入れてみたら美味しかった、という体験談から商品化に繋がり、その約2ヶ月後となる4月12日に第2弾「ペペロンチーノ推し」を市場に投下。
「ペペロンチーノ推し」については、2020年(令和2年)4月13日発売の「焼豚ラーメン ペペロンチーノ味」(同年2月25日に発売された「スパイシーインドカレー味」に続く世界シリーズ第2弾)をベースにしたフレーバーだったので、純然たる新作ではなかったのですが、2021年10月11日に第3弾「こってり豚骨推し」を発売するなど、コンスタントに新商品を展開していました。
しかし、前回の「こってり豚骨推し」以降、新商品のリリースが滞っていたので、もしや廃盤に‥‥? などと心配していたのですが、1年の空白を経て復活した推しシリーズ。注目すべき「推しポイント」は3つあり、1つ目は柚子胡椒ペーストの別添。粉末の柚子胡椒ではなくペースト状で、なおかつ後入れ仕様から、特有の爽やかな香りと辛味がリアルに伝わってくる仕組みとなっています。
念のため柚子胡椒(ゆずこしょう、ゆずごしょう)とは、柚子の皮を剥いて細かく刻んだ後、生の青唐辛子と食塩を摺り合わせた万能調味料の総称で、いわゆるペッパー(pepper)は入りません。発祥の地は大分県日田市(前津江村・上津江村)あるいは福岡県(英彦山の周辺)という説もあり、唐辛子のことを胡椒(こしょう)と呼ぶ風習に由来し「柚子胡椒」という呼び名が定着しました。
そして2つ目の推しポイントは、サンポー食品が長年にわたり追求し続けている豚骨スープ。原材料を見る限り、いつもの「九州とんこつ味」と同じ配合ではないので、ちゃんと柚子胡椒ペーストに合わせて調整しているのも “こだわり” のポイント。前述のように柚子胡椒を別添した「焼豚ラーメン」は過去に類を見ないため、ありそうでなかった新鮮味を感じる展開です。
最後に3つ目の推しポイントは、焼豚ラーメンのアイデンティティとなっているハート型の焼豚。これにはサンポー食品の “心を込めて作りました” という真摯な想いが込められており、この焼豚が柚子胡椒と抜群に合うのだとか。これから鍋が美味しい季節、柚子胡椒の需要も急激に高まりを見せるため、時期的にも的確なタイミング。はたして焼豚ラーメン×柚子胡椒の相性とは‥‥
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「粉末スープ」に、後入れ「柚子胡椒」の計3種。これまでにヤオコー限定の「九州だし仕立て 柚子胡椒うどん」や、博多鶏ソバ華味鳥(はなみどり)の看板メニューを再現した「博多華味鳥監修 博多極上鶏白湯ソバ」などを展開しているため、柚子胡椒ペースト別添の事例はありますが、豚骨スープに合わせるのは初めてかもしれません。
麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、お湯を注ぐ前から漂ってくる芳ばしさが印象的。もちろん本格さでいえば乾麺やノンフライ麺に劣りますけど、この芳ばしさは油揚げ麺でしか出せないので、カップラーメンならではのステータス。湯戻し時間は熱湯3分なので、いつもの「焼豚ラーメン 九州とんこつ味」と同じ条件です。
メーカー希望小売価格は214円(税別)に設定されているため、2022年10月現在の標準どんぶり型(レギュラーサイズ)における平均的な値段。サンポー食品の変わり種は九州を出た途端にエンカウント率が低下するため、売ってない地域も多いかとは思いますが、コンビニではローソン、スーパーではイトーヨーカドーなどのセブン&アイ系列が意欲的に取り扱っているようですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:焼豚ラーメン 柚子胡椒推し 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:85g(めん65g) 商品コード:4901773101405(JAN) |
発売日:2022年10月10日(月) 実食日:2022年10月16日(日) 発売地域:全国 希望小売価格:214円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末スープ・かやく・あといれ柚子胡椒) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、柚子胡椒、食塩、チキンエキス、粉末油脂、糖類、香辛料、デキストリン、ごま、ねぎチップ、しょうゆ、たん白加水分解物、植物油脂、魚介エキス)、かやく(焼豚)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、乳化剤、pH調整剤、酒精、増粘多糖類、クチナシ色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、フラボノイド色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
実食開始
別添の小袋は「焼豚」と「粉末スープ」のみ先入れで、麺の上に “焼豚をあけてから粉末スープの順に入れる” のがポイント。サンポー食品のカップラーメンは、基本的に粉末スープの量が多いため、それを溶かしやすくするための重要な項目です。容器側面の調理方法にも書いてあるので、調理の際は留意してください。
お湯を注ぐときは粉末スープを狙い、それを溶かしながら、ゆっくりと。注ぎ終わったらフタをして、調理方法には “3分後、「あといれ柚子胡椒」を入れよくかきまぜてお召し上がりください” と記載されているのですが、粉末スープ単体での味を確かめるために、ひとまず焼豚の上にトッピングしました。
しかし、公式は柚子胡椒を味変的に使うのではなく、スープに馴染ませることを推奨しているので、豚骨スープと柚子胡椒の一体感にも注目しつつ「めん」「スープ・柚子胡椒」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(85g)あたり |
カロリー:379kcal たん白質:9.2g 脂 質:16.7g 炭水化物:48.0g 食塩相当量:5.6g (めん・かやく:1.8g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.26mg ビタミンB2:0.23mg カルシウム:202mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安心と信頼のサンポー品質
サンポー食品のカップラーメンに使われる油揚げ麺には、大きく分けて熱湯60秒、熱湯90秒、熱湯2分、熱湯3分、熱湯5分(ちゃんぽん、うどん)のパターンがあり、それぞれスープに合わせて使い分けています。もっとも標準的な熱湯3分の油揚げ麺は、22番の切刃(溝巾1.4mm)で切り出され、加水率は低く、食べ始めのコリっとした歯応えと歯切れのよさが印象的。
通年販売されている「焼豚ラーメン」の麺重量は72gなのに対し、今回は65gと若干ながら少なめですが、数量・期間限定の変わり種では頻繁に起こり得ること。小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白という原材料名の構成は「焼豚ラーメン」と共通する内容で、体感的にも劇的な差は生じていません。
麺量の違いによる吸水率の差だったり、スープのpHだったり、室温だったり、そういった部分で食感の差が生じることはありますが、おそらく今回は「焼豚ラーメン」で定番の油揚げ麺という認識で問題なく、柚子胡椒との相性も問題なし。柚子胡椒の清涼感とラードの風味は対極に思える場所に位置していますけど、それも上手く噛み合っていたので、なんの違和感もなく食べられました。
スープ・柚子胡椒
いつもの「九州とんこつ味」ではない
複数のポークエキスを組み合わせ、その脇をチキンエキスが支えていたり、実は隠し味に魚介エキスを使用していたり、いつもの「九州とんこつ味」と共通する部分もありますが、ホエイパウダーや乳等を主要原料とする食品は不使用で、柚子胡椒との兼ね合いかブラックペッパーのアクセントは弱く、塩気も控えめ。
主軸の豚骨エキスも普段の「九州とんこつ味」と比較して丸みを帯びている、まろやかなテイストで、柚子胡椒を馴染ませたら成立するような設計です。残念ながら豚脂100%の調味油は別添されていないため、そこは寂しいポイントになりますが、柚子胡椒ペーストのインパクトは凄まじく、絶大な存在感。
小袋のデザインと味わいから察するに、おそらく「博多華味鳥監修 博多極上鶏白湯ソバ」の柚子胡椒と共通で、とにかくリアル。柚子と青唐辛子の清涼感も然る事乍ら、ちょっと強めの塩気に至るまで、このまま水炊きや刺身に使っても違和感を覚えないレベル。増粘剤かな? ペースト特有の粘性を伴うため、そこだけは不自然な要素になりますけど、スープに溶けた後は気になりません。
粉末スープ単体では弱いと感じたので、柚子胡椒ペースト(全量)を全体に馴染ませてみたところ、笑っちゃうくらい柚子胡椒味になってしまったのですが、おかげで「推し」の打ち出し方については申し分ない‥‥というか、よくぞここまで推し切りましたねw
豚骨エキスの配合や香辛料の加減など、いつもの「九州とんこつ味」よりも柔らかいスープが功を奏し、柚子胡椒の鋭い部分と豚骨の丸い部分が上手く噛み合っていたところも印象に残りました。というわけで柚子胡椒ありきの骨組みですが、だいぶ濃いめの味に仕上がるので、まずは柚子胡椒ペーストを半量ほどスープに溶かし、それから自分好みの濃さに調節しながら食べるのがベストです。
かやく
アイデンティティは表現しているけど及第点
粉末スープが入っている小袋に少量のネギとゴマが同梱されていましたが、具材というよりも薬味なので、具材らしい具材は焼豚のみ。これは通年販売の「焼豚ラーメン」と共通で、前述のようにサンポー食品の “心を込めて作りました” という想いが込められています。
もともとが濃いめの味付けなので、焼豚に柚子胡椒を直接のせた場合、塩気の観点から見て味が濃すぎるように感じたのですが、柚子と青唐辛子の清涼感は相性ばっちり。半量の柚子胡椒ペーストを溶かしたスープに潜らせてみると程よい塩梅だったので、これも新たな発見になりました。
カップラーメンらしい味わいの麺とスープに、リアルな紅生姜を組み合わせたギャップに定評がある「焼豚ラーメン」なので、リアルな柚子胡椒ペーストも違和感なく取り込めたのだと思います。
総評
麺は熱湯3分の「焼豚ラーメン」で定番のテンプレで、まろやかな味わいのスープも柚子胡椒ペーストとの相性を計算した調合。推しポイントの柚子胡椒ペーストは全量入れると塩気が強過ぎると感じたのですが、自分好みに調節できるので、少しずつ使えばネガティブに作用することはありません。
サンポー食品が得意とする調味油は別添されていないのと、具材らしい具材はハート型の焼豚だけだったので、すこし総評から差し引いているのですが、カップラーメンど真ん中の豚骨ラーメンとリアルな柚子胡椒のマリアージュは一見の価値あり。いつもの「焼豚ラーメン」に柚子胡椒をトッピングしただけのアレンジではなかったので、その特別感を楽しんでみてください【author・taka :a(大石敬之)】