どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年7月8日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン こってり豚骨推し(3代目)」(236円+税)の実食レビューです。
とんこつのプロがファンに捧げる渾身の一杯「推しシリーズ」第7弾は大好評の「こってり豚骨推し」をブラッシュアップ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
焼豚ラーメン こってり豚骨推し 2024
推しシリーズとは、サンポー食品が誇る「焼豚ラーメン」の派生品で、2021年(令和3年)2月22日発売の「黒こしょう推し」を皮切りに、第2弾「ペペロンチーノ推し」(2021年4月)、第3弾「こってり豚骨推し」(2021年10月)、第4弾「柚子胡椒推し」(2022年10月)、第5弾「こってり豚骨推し」(2022年11月)、第6弾「特製ラー油推し」(2024年5月)と続いている人気企画。
サンポー食品に勤務している社員のアレンジレシピが事の発端で、そこから着想を得てシリーズ化されているのですが、過去に2度リリースされている「こってり豚骨推し」だけは特別な扱い。このページでレビューする「こってり豚骨推し」は、シリーズ第7弾にして “3代目„ に該当する商品で、さらにこってり感アップ! というのがリニューアルポイント。
シリーズ第3弾の初代「こってり豚骨推し」は、日夜豚骨ラーメンを研究している、サンポー食品の開発者が “豚骨特有の濃厚感や芳醇な香り、こってりとした炊き出し感など、豚骨本来の魅力„ を追求した一杯で、いつもの「焼豚ラーメン(九州とんこつ味)」と比較して1.5倍ないし2倍ほどのオイルを別添していたのと、ふんわり残る豚骨の甘みが印象的でした。
その1年後に現れた2代目「こってり豚骨推し」は、従来品よりも豚骨の太さと豚脂の香りが際立ち、余韻も長く続くなど、たしかな進化を実感。このブログでは初代、2代目ともに高評価を叩き出しているのですが、3代目となる今年は “ポークパウダーの種類を増やす„ など、さらにパワーアップして再登場ということで、かなり期待しながらの実食です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「粉末スープ」に、後入れ「調味油」の計3パックで、この構成は例年通り。いつもの「焼豚ラーメン」には別添されている紅生姜は入っていませんが、後にも先にも豚骨に全振りした商品なので、あえて豚骨に干渉する要素を省いていることが伝わってくるフレームワーク。
麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。スープに合わせて複数のフライ麺を保有しているサンポー食品ですが、その中でもオーソドックスなサイズなので、おそらく通常の「焼豚ラーメン」と同じ麺を使っているのだと思います。ごく稀にノンフライ麺を使った商品もリリースしていますが、フライ麺こそサンポー食品の真骨頂ですよ。
ちなみにメーカー希望小売価格は236円(税別)なので、通常の「焼豚ラーメン」と同じ値段。サンポー食品の新商品は、九州を出ると途端にエンカウント率が低下するため、希望小売価格よりも売ってない問題のほうが深刻なんですけどw 最近では都内での取り扱いも増えてきたみたいですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:焼豚ラーメン こってり豚骨推し 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:佐賀県三養基郡基山町長野230 内容量:85g(めん60g) 商品コード:4901773102181(JAN) |
発売日:2024年07月08日(月) 実食日:2024年07月12日(金) 発売地域:全国 小売価格:236円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末スープ・調味油・焼豚) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(豚脂、ポークエキス、食塩、ポテトパウダー、しょうゆ、たん白加水分解物、ねぎ、植物油脂)、かやく(焼豚)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘剤(キサンタン)、乳化剤、かんすい、pH調整剤、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は「焼豚」と「粉末スープ」も先入れで、ご覧の通り粉末スープの量が尋常じゃないサンポー食品のカップラーメン。容器は標準サイズなのに、スープの量は大盛り用かよってくらい多いので、それを適切に溶かすために “小袋は「焼豚」「粉末スープ」の順に„ あけるのがポイント。これ、絶対に守ってください。
あとは粉末スープを狙いながら、ゆっくりと内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと3分。時間になったらフタを開け「調味油」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。かやくは1枚の焼豚と少量のネギだけなので、それについての賑やかさこそないけれど、まともに湯気が立たないレベルのオイル量と芳ばしさは圧巻。
香りのファーストインプレッションは、ほぼほぼ先代から変化しておらず、調理後のビジュアルも然り。若干ながら粘度が高くなったような気がしないでもないけれど、はたして体感的な “こってり感„ も増しているのかどうか、引き続き前回発売品からの進化に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(85g)あたり |
カロリー:429kcal たん白質:9.2g 脂 質:23.7g 炭水化物:44.7g 食塩相当量:4.3g (めん・かやく:1.3g) (スープ:3.0g) カルシウム:301mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつものフライ麺です
サンポー食品のフライ麺には、大きく分けて「熱湯60秒」「熱湯90秒」「熱湯2分」「熱湯3分」「熱湯5分」のパターンが存在し、それぞれの切刃番手(30mm幅の麺帯から何本に切り分けるのかを表す規格)は、熱湯60秒=26番、熱湯90秒=26番、熱湯2分=26番、熱湯3分=22番、熱湯5分=ちゃんぽん16番、うどん10番となっているのですが、今回のフライ麺はオーソドックスど真ん中。
大盛りバケツ型では伸びにくいように配合を変更するなど、細かい調整も施されているのですが、標準どんぶり型で熱湯3分のフライ麺は基本的に「焼豚ラーメン」と同じモノ。スープのpH(水素イオン濃度)や増粘剤の量で食感が変わることもありますが、揚げ油のラードに由来する芳ばしさだったり、食べ始めのコリッとした歯応えだったり、いずれも健在。
たとえば日清食品の「カップヌードル」に、まるか食品の「ペヤングやきそば」など、それらと同様にスープ・ソースの味が変わっても新鮮味は得られませんが、サンポー食品のフライ麺は豚骨スープに合わせた設計なので、後述するスープとの相性は申し分なく、逆にノンフライ麺だったら合わなかっただろうなと。この系統からしか摂取できない、カップラーメンらしい魅力が詰まった麺です。
スープ
すんばらしい
ポテトパウダーでザラついた舌触りを演出していたり、増粘剤(キサンタン)で粘度を高めていたり、豚骨感の指標は甘さに向いていたり、前回発売品からの共通点は多く、とんこつ味のカップラーメンにしては珍しく “まさかの糖類や香辛料を微塵も使用していない„ こだわりも受け継がれているのですが、ポークパウダーの種類を増やした影響か比較的に骨密度が高めの味わい。
久留米の伝統技法(呼び戻し)を彷彿とさせる熟成感だったり、骨髄や血に由来する生臭さだったり、そういった人を選ぶ要素は徹底的に取り除かれているのですが、しっかりクリーミーな味わいで、しかしながら乳等を主要原料とする食品に頼ったミルキーさとは違う、とことん骨を煮込み続けたような臨場感を再現。
ぶっちゃけ「粉末スープ」単体だとインパクトに欠けるテイストになりますが、そこに多めの「調味油」が加わった途端、老舗のヤンチャな油膜を思わせる芳ばしさが鼻に抜け、全体のコクも大幅に加速。メーカーの “パワーアップ„ という表現は、私いつも半分くらい疑ってるんですけどw これは紛う方なくパワーアップ。けっこうハードルを上げて挑んだのですが、なんのこれしき素晴らしかったです。
かやく
シンプルイズベストの鑑みたいな構成だけど‥‥
画像にも写っている通り、かやくは薄めの焼豚と、粉末スープに同梱されていたネギのみで、ここだけ見ると値段相応とは評価できません。しかし、心を込めて作りました-・との想いが込められているハート型の焼豚は「焼豚ラーメン」を象徴するアイテムで、ごちゃごちゃと賑やかではないからこそ、スープの豚骨感に集中できたのも事実。ただ、欲を言えば「海苔」が欲しかったです。ご検討をw
総評
というわけで、しっかり2代目のステータスを継承しつつ、純粋に骨密度を高めていた「こってり豚骨推し」3代目。呼び戻しのように年月を重ねて熟成感が増したというよりも、従来の製法は変えずに骨の量をガツンと増やしたような、特有のクセを抑えながらも骨っぽく、まろやかな味わいは一つの完成形にあると感じました。
さらに骨っぽさを強めてほしいとか、呼び戻しのエッセンスも3割ほどブレンドしてほしいとか、海苔を別添してほしいとか、個人的なリクエストはありますけど、すでに完成形の域に達しちゃってますからね。ちょい足しアレンジが売りのシリーズ的に、またこれ感が否めないところはありますが、引き続き定期的にリリースしてほしい名作です。【author・taka :a(大石敬之)】