サンポー食品が “かごしま国体” に向けて魅力を発信「焼豚ラーメン 鹿児島とんこつ」は燃ゆる感動の追い風になるか

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サンポー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年4月24日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン 鹿児島とんこつ」の実食レビューです。

九州が誇るロングセラーを “ご当地ラーメン風” にアレンジ!? 2023年の特別国民体育大会(燃ゆる感動かごしま国体)に向けて鹿児島ラーメンを再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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焼豚ラーメン 鹿児島とんこつ

焼豚(やきぶた)ラーメンとは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造を生業としているサンポー食品(SANPO FOODS Co.,Ltd.)の主力商品で、1978年(昭和53年)8月の発売以来、現在は九州におけるソウルフードとしてのポジションを確立。地元エリアでの市場占有率はもちろん、県外にも数多くの固定ファンを抱えています。

ポークエキスのとんこつ原材料中、黒豚とんこつを50%使用

今回の新商品「焼豚ラーメン 鹿児島とんこつ」は、九州で長年に亘り愛されている「焼豚ラーメン」を “ご当地ラーメン風” にアレンジした一杯で、2023年10月開催予定の国体に向けて盛り上がっている鹿児島のラーメンをイメージ。豚骨と鶏ガラに野菜をブレンドしたスープには、黒豚とんこつエキスを配合するなど、いつもの「九州とんこつ味」とは一線を画しているのですが、初の試みではありません。

2023年4月現在の「焼豚ラーメン」は、絶対的エースの「九州とんこつ味」を筆頭に、湯戻し時間60秒のバリ細麺を特徴とする「焼豚ラーメン 長浜とんこつ」ほか、マー油(焦がしニンニク油)とローストガーリックが香る「焼豚ラーメン黒 熊本とんこつ」を通年販売しており、数量・期間限定のスポット商品だと県外のラーメンをモチーフにすることも珍しい話ではなく‥‥

たとえば直近だと2022年4月25日に「焼豚ラーメン 和歌山豚骨しょうゆ」を発売していたり、もう少し遡ると2020年10月12日に「焼豚ラーメン 横浜家系とんこつ醤油」を発売していたり、さらに遡ると2019年8月26日に「焼豚ラーメン 宮崎辛麺」を発売していたり、基本は即席カップめんの伝統的なスタイルを守りながら、けっこう変わり種にも積極的なブランド。

2019年8月発売品 → 2023年4月発売品

実は「焼豚ラーメン 宮崎辛麺」の発売と同日、豚骨のコクと野菜の甘味を軸に、鹿児島ラーメンを象徴する焦がしネギを別添した「焼豚ラーメン 鹿児島黒豚とんこつ」をリリースしているため、2023年4月発売の「焼豚ラーメン 鹿児島とんこつ」は “二代目” といっても過言ではない‥‥というか、確実に二代目なんですけど、気になるポイントが2つあります。

ひとつは黒豚エキスの産地で、パッケージにもある “黒豚とんこつを50%使用” という訴求とパーセンテージは共通する項目になるのですが、初代には「鹿児島県産黒豚エキス」を使用していたのに対し、二代目のパッケージやニュースリリースから鹿児島県産の文字が消えていること。そして、もうひとつは開封口の「焦がしねぎチップ付き」の文字が「-・入り」に変わっているところも興味深い部分。

2019年8月発売の「焼豚ラーメン 鹿児島黒豚とんこつ」はレビューできなかったので、このブログに詳細な情報は残っていませんが、ブランドのアイデンティティとなっているハート型の「焼豚」に、多めの「粉末スープ」と「調味油」を別添している、三種の神器といっても過言ではない定番の構成+焦がしネギを個包装の「あといれかやく」として別添していました。

パッケージのデザインは2019年8月発売品を踏襲

いつもの油揚げ麺に新鮮味を感じることはなかったけれど、初代「焼豚ラーメン 鹿児島黒豚とんこつ」は想像以上に焦がしネギの存在感が強く、レビューしていたら確実に高く評価していた(★5以上は堅かった)ので、期待しながらの実食です。

開封

小袋が1つ減った

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「粉末スープ」に、後入れ「調味油」の計3パックで、いつもの「焼豚ラーメン」らしい構成ではあるものの、決め手となる焦がしネギは粉末スープの小袋に同梱するスタイルに変わっています。ちょっと寂しい変更点ではあるものの、資材コストが絶賛右肩上がりの近年なので、致し方なかったのかもしれません。

いつもの中細めん

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。カップ麺とは製造工程が異なる棒状ラーメンだと話は変わってきますけど、サンポー食品は麺を揚げる用の油にラードを配合しているため、独特の芳ばしさが魅力的。本格さを極めるのであれば、もちろんノンフライ麺がベストではあるものの、カップラーメンだからこそのスナック感も捨て難い魅力ですからね。

ちなみにメーカー希望小売価格は214円(税別)なので、いつもの「焼豚ラーメン」と同じ設定なのですが、サンポー食品も同業他社の例に漏れず、2023年6月1日(木)出荷分からの価格改定により「焼豚ラーメン」シリーズ(レギュラーサイズ各種)の希望小売価格を236円(税別)に値上げします。こればかりは仕方ないので、我々消費者は受け入れるしかありません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:焼豚ラーメン 鹿児島とんこつ
製造者:サンポー食品株式会社
製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230)
内容量:84g(めん65g)
商品コード:4901773101689(JAN)
発売日:2023年04月24日(月)
実食日:2023年04月28日(金)
発売地域:全国
小売価格:214円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:標準どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:340ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:3袋(焼豚・粉末スープ・調味油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、豚脂、食塩、チキンエキス、香辛料、しょうゆ、野菜エキス、焦がしねぎチップ、たん白加水分解物、ねぎチップ、植物油脂)、かやく(焼豚)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、pH調整剤、増粘剤(キサンタン)、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。

実食開始

お、けっこう芳ばしい

別添の小袋は「焼豚」と「粉末スープ」のみ先入れで、焦がしネギは個包装になっていませんが、粉末スープを開封した途端に特有の匂いが漂ってきます。ちなみにサンポー食品のカップ麺は、ほぼ例外なく粉末スープの量が多いため、それを溶かしやすくするために “焼豚を麺の上に乗せてから粉末スープを入れる” というのが調理の際に重要なポイント。

シンプルだけどアイデンティティは明白

別添のオイルは後入れなので、ゆっくりと粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと3分。時間になったらフタを開け、温めておいた「調味油」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。焦がしネギは先入れの仕様に変わってしまいましたが、特有の芳ばしさは調理後も優しく健在で、香りのファーストインプレッションは悪くありません。

いつもの “九州とんこつ味” よろしく生タイプの紅生姜などは別添されていないため、やや寂しく気持ちもありますけど、はたして鹿児島ご当地の臨場感は楽しめるのか、引き続き焦がしネギの存在感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(84g)あたり
カロリー:412kcal
たん白質:9.2g
脂  質:21.2g
炭水化物:46.1g
食塩相当量:4.8g
(めん・かやく:1.2g)
   (スープ:3.6g)
ビタミンB1:0.34mg
ビタミンB2:0.32mg
カルシウム:138mg
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

いつもの油揚げ麺です

5.0

鹿児島ラーメンに使われる麺は、切刃番手18〜22番(溝巾1.67〜1.36mm)の中細麺が伝統的で、形状は角断面のストレート。対して今回の油揚げ麺は、おそらく定番の「焼豚ラーメン」と同じなので、だとすれば切刃番手は22番。そのためサイズ感こそ共通するものの、縮れが強めの形状から、そこまで再現度は追求していません。しかし、いい意味でサンポー食品らしさはフルスロットル。

いいよね〜

食べ始めのコリッとした歯応えだったり、じゅわっと滲み出るラードの風味だったり、どこか懐かしい油揚げ麺で、しかしなら時代に置いてけぼり的な古臭さは感じない‥‥という点については世代もあるかと思いますけど、40代以上なら漠然と落ち着くような、Z世代にはエモいと感じてもらえるような、これぞ昔ながらの普遍的な魅力を守り続けています。

ただ、同じ油揚げ麺でも微妙に感じ方が変わってくるところが油揚げ麺の面白いところ。それは室温や気温など、調理時のシチュエーションやスープのpH(水素イオン濃度)にも左右されるのですが、いつもの「焼豚ラーメン」と比較してコリッとした歯応えが強く、ラードの芳ばしさも強めに感じたので、なんだか妙に噛み締めてしまいました。

スープ

サンポー食品 7:3 鹿児島ラーメン

5.0

地元で古くから愛されている鹿児島ラーメンのスープは、豚骨+鶏ガラ+野菜の組み合わせを基本とし、あまり煮立たせない半濁の色合いが特徴となっているため、サンポー食品のニュースリリースにも “豚骨と鶏ガラをベースに野菜エキスをブレンドしたあっさりとしたスープが特長” と記載されているのですが、なんのこれしきサンポー食品の我が強いw(もちろん、いい意味で)

たしかに野菜エキスの下支えは感じるし、チキンエキスも併用しているのですが、それ以上に黒豚エキス配合のポークエキスが強く、一般的にネガティブとされる豚骨臭や獣臭は抑えながらも旨みは濃密で、いつもの「九州とんこつ味」より骨太と感じたほど。たしかに “こってり” ではなく、しかしながら “あっさり” の一言では片付けられない、むしろ味としては濃いめの部類に入ります。

サンポー食品といえばの調味油も見どころ

そこに加える「調味油」は、豚脂を中心に据えた動物油脂なので、引き続きニオイは控えめですが、ほどよく “こってり” をプラスしてくれるアイテム。焦がしネギは見た目ほど主張してこないため、やはり別添のほうが‥‥などと鹿児島ラーメン側から物足りなく思った節もありますけど、豚骨の存在感については申し分なく、そこにサンポー食品のプライドを感じました。

あと、香辛料(こしょう)のアクセントが強く、その配合や効かせた方が漠然と「焼豚ラーメン」っぽかったので、オリジナルのファンに対する配慮だったのかもしれません。——あ、ちなみに黒豚エキスの産地なんですけど、関係者曰く今回も “鹿児島県産黒豚エキス使用” とのことでした。もっと大々的にアピールすればいいのに。笑

かやく

焼豚ラーメンだけに許されたトッピング

4.0

青ネギと焦がしネギは粉末スープに同梱されているため、実質的な具材は焼豚のみ。即席めんマニアの第一人者でもある某即席斎が “そら豆に見える” などと例えていたので、それ以来それに見えてなんか困ってるんですけどw それはさておきハート型の理由はサンポー食品の「心を込めてつくりました」という想いが込められているから。

何気に食べ応えあるんですよね

かなり薄っぺらい形状ですが、画像の通り面積があること、加えて味付けも濃いめなので、けっこう食べ応えありますよ。ただ、願わくば焦がしネギを別添してほしかったです。

総評

4.0

焦がしネギが別添ではなくなったので、従来品よりもインパクトが弱く、そこだけが寂しいポイントに思えたのですが、なんのこれしき残念な一杯ではありません。鹿児島ラーメンらしさを取り入れつつ、その概念を覆すような豚骨の太さだったり、コショーの効かせ方だったり、ハート型の焼豚だったり、ラードが芳ばしい油揚げ麺だったり。

いい意味で「焼豚ラーメン」らしいノスタルジックさが味わい深く、低評価はつけられませんでした。サンポー食品の商品は地元でのシェア率が高い反面、九州エリアを出た途端に販売店が激減するため売ってない地域も多いかとは思いますが、これから国体に向けた熊本フェアなど、いわゆる物産展でエンカウントするかもしれないので、見かけたら試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】

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