どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月3日(月)新発売のカップ麺、エースコック「タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」の実食レビューです。
手軽なタテ型カップからピリッと辛い「ごまラー油」を効かせた「わかめラーメン」の新作「ピリ辛わかめラーメン」新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
わかめラーメン ピリ辛ごまラー油仕立て
「わかめラーメン」とは、1983年(昭和58年)6月に誕生したエースコックのロングセラーブランドで、2019年現在も主力となっているブランドの一つ。当時、エースコックのマーケティング部に与えられた “業績を牽引(けんいん)する力強いヒット商品を作る” という命題をクリアすべく、試行錯誤を重ねて開発されました。
通年販売されているレギュラー商品は標準どんぶり型で展開されていますが、今回はタテ型ビッグ(タテロング)のスポット商品。わかめラーメンの期間限定・タテ型ビッグ製品は、基本的に希望小売価格205円(税別)に設定されていたところ、2019年6月に施行された価格改定によって「税別220円」に値上げされています。
スーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアでの実売価格は区々(まちまち)ではあるものの、希望小売価格の差額はプラス15円。今回のカップ麺はコンビニの「ファミリーマート」で購入しているのですが、値上げ前の実売価格は税込216円だったのに対し、「税込232円」に改定され、なんと “16円も値上がり” していました(2019年6月6日現在)。
それは今回の「タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」や「ファミリーマート」に限った話ではなく、おもな販売経路をコンビニに定めているタテ型ビッグ製品とコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)すべてに該当するため、今後このスタイルをコンビニで買うと税込232円が平均的な実売価格になります‥‥と、嘆いたところで受け入れるしかないんですけどね。
そんな世知辛い現状ですが、今回のテーマは「ピリ辛」ごまラー油仕立て。そういえば前にも「わかめラーメン」の変わり種でピリ辛ごまラー油系のアレンジ版(どんぶり型)があったような‥‥と、もやもやしながら思い出したのが「わかめラーメン うま辛しょうゆ」。2017年8月21日に「わかめラーメン ごま・しょうゆ」と「ごま・みそ」が “わかめ20%増量” にリニューアルされた際、新たに「うま辛しょうゆ」がリリースされていました。
それは愛知県蒲郡市に本社を置く享保10年(1725年)創業の老舗、「竹本油脂」が製造する業界初の無添加ごまラー油「純正胡麻ラー油」をカップ麺に使用した企業間コラボ商品だったんですけど、結果的な仕上がりは可も無く不可も無しというか、既存の「ごま・しょうゆ」のスパイスと胡麻ラー油を入れ替えただけ――みたいな。おいしかったんですけどね。
そして今回の新商品「タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」の発売から約2ヶ月前となる2019年4月8日、同ブランドから「わかめ油そば ピリ辛ごまラー油仕立て」という油そばアレンジ版の汁なしカップ麺がリリースされていたのですが、テーマの “ピリ辛ごまラー油仕立て” は共通のポイント。
その「わかめ油そば ピリ辛ごまラー油仕立て」の味自体に問題は感じなかったんですけど、肝心のピリ辛ごまラー油は “ぜんぜん辛くなかった” ので(ほんとにピリ辛以下だった)、タテロング版の辛さレベルにも注目です。びっくり辛口かもしれないし、うん。
開封
別添の小袋は調味油ではなく「液体スープ」が1袋、あいかわらずフタの上ではなく容器の中に入っています。それによって小袋が粉末スープまみれになっているのは軽くストレスなんですけど、ふりかけではなく液体スープや調味油だった場合、接着剤を気にせずフタの上で温められるのは利点ですね。ちょっとプラマイゼロ感ありますけどw
開封時に視認できる具材は乾燥わかめ、コーン、メンマ。どんぶり型の通常商品「わかめラーメン ごま・しょうゆ」と同じ定番のラインナップとなっているのですが、わかめラーメンは期間限定の変わり種になるとメンマが身を引くパターンが多かったりするので、何気にメンマの存在は嬉しいポイントですし、わかめも乾燥状態で写真の量ですから、けっこう多めに入っています。
ちなみに先ほど開封前、コンビニでの実売価格は税込232円になったと書きましたが、地元のローカルスーパーでは税込170円で販売されていました。しかし、そのローカルスーパーは新作カップ麺に強く、今回と同じ縦型ビッグ系は税込149円~159円が基本だったので、やはりスーパーなどでも平均10~20円くらい値上がりしているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場・W(兵庫県加東市河高字黒石1816-175) 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4901071246341(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年06月03日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ・タテロング大盛サイズ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、植物油脂、食塩、砂糖、デキストリン、香辛料、魚介エキス、でん粉、酵母エキス、魚醤、香味油、ニボシペースト、カツオ風味調味料、ポーク調味料)、かやく(わかめ、ごま、コーン、メンマ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、カラメル色素、かんすい、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、微粒二酸化ケイ素、増粘多糖類、酸味料、ビタミンB2、甘味料(スクラロース)、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・かに・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・かに・大豆・鶏肉・豚肉・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
麺は丸刃でカットされた黄色味の強い油揚げ麺で、どんぶり型の麺よりも細めに切り出されています。また、定番商品を含め、このタイプの油揚げ麺はエースコック特有のニオイが気になったりもするのですが、今回は “ごまの香り” が強く、わかめの香りも相俟って、ほとんど調理前の油揚げ麺臭は気になりません。
あとは熱湯を注いでフタをしたら3分後、フタの上で温めておいた液体スープを投入し、よくかき混ぜたら完成です。写真では麺の下からも具材をサルベージして盛り付けているのですが、わかめの量w もちろん写真に写っているのは1食分の内容物のみを使用した状態で、このボリューム感。
あいかわらず凄まじい膨張率で、何気にコーンとメンマも寂しい量ではなく、掴みはバッチリですね。それでは、ピリ辛ごまラー油の辛さレベルや芳ばしい風味、またスープの味は本家を踏襲しているのかどうかにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)当たり
熱 量:369kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:369kcal(めん・かやく:318kcal)(スープ:51kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
適度な歯切れの良さがある、滑らかな丸刃のめんです。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」)
調理前は丸麺(断面が均等な麺)に見えたのですが、実際は軽い平打ち麺。そしてストレート麺ではないものの、比較的に縮れが弱く、どんぶり型の油揚げ麺よりも洗練された印象を受けます。それなりに油揚げ麺特有の風味も並行しますが、全面に主張してくるわけではなく、それはカップラーメンらしさを程よく演出してくれている役者的な存在で、イメージは悪くありません。
ちなみに前回のタテロング版わかめラーメンは、今回の「ピリ辛ごまラー油」から半年くらい前、2018年12月24日に発売された年末恒例の変わり種「タテロング わかめラーメン しじみだし・しょうゆ」で、わりと早い段階から麺の食感が柔らかめに変化していたんですけど、たぶん今回の麺も同じだと思います。
けっこう食べ始めの段階から柔らかめの食感で、それは中盤以降わかめに負けるくらい頼りないのですがw 逆に最新技術の粋を集めたような、コシが強くて湯伸びしにくい、超ハイクオリティなノンフライ麺ばりの麺だったら浮いていたかもしれません。「わかめ3.5倍」「わかめ7倍」とかになってきたら話は別ですけど、今回は主張の弱さがポジティブに思えました。
ピリ辛ごまラー油仕立てのスープ
鰹を中心とした魚介系のベースにオイスターの旨みを利かせた醤油スープです。ラー油の辛さと風味を加えることで、最後まで飽きのこない味に仕上げています。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」)
ぜんぜん辛くないとは言いませんが、きわめてピリ辛です。カプサイシン成分がゼロではないので、そりゃピリッとはきますけど、極度に辛い食べ物が苦手じゃなければ構える必要はありません。ごまラー油がスープの表面に浮かんでいる最初の何口かは辣油の存在を感じるものの、途中からは穏やか——しかし、味はバッチリです。
本家に記載されている「有機丸大豆醤油10%」の文字は原材料名にありませんが、別添の液体スープには醤油ベースのタレも仕込んであり、粉末スープだけでは出せない臨場感とフレッシュな醤油感を表現。さらにオイスターの旨味やニボシペースト、魚醤のアクセントなど、ちゃんと本家どんぶり型「ごま・しょうゆ」の基礎を受け継いでいます。
辛さに期待していると確実に肩透かしを食らうことなりますが、そもそも今回は辛さを追求した製品ではないですし、ごまラー油の胡麻油は香りがよく、けれども主張し過ぎない絶妙な加減。そして土台は確かな本家の血筋にあるため、磯の香り(わかめ)と喧嘩することもなく、どんぶり型の「ピリ辛しょうゆ」と違い好印象でした。
具材
磯の風味豊かなわかめ、風味の良いごま、色調の良いコーン、唐辛子、程良く味付けしたメンマを加えて仕上げました。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」)
上の写真に写っている具材はワカメ、コーン、メンマですが、けっこう胡麻も多めに入っていて、小さな唐辛子もチラホラと。その唐辛子は辛さが弱かったので、ほぼ飾りに過ぎませんでしたが、わかめラーメンに必須の胡麻は芳ばしく、小さいながらに風味と歯ごたえのいいメンマも好印象。「わかめラーメン」(しょうゆ味)を構築する上で、けっこうメンマも重要なポジションだと思っているのですが、バイプレイヤーですよね。
そして主役の大漁もとい大量わかめ、いやはや申し分ありません。あいかわらず他社のワカメと比較して肉厚で、軸に面した部分も多く、こりこりとした食感が高確率で楽しめます。あと、写真のように、なんとも “わかめらしい” 形の部分もあったりして、どんぶり型ほどではないものの、たっぷりわかめが好印象。
大量わかめでミネラルたっぷりなアイデンティティを打ち出し、さりげないコーンのアクセントも嬉しく、しょうゆ味の「わかめラーメン」に必要な項目はバッチリそろっています。わかめとピリ辛ごまラー油の相性が以前よりも合っていると感じたのですが、どんぶり型よりも口径の狭い縦型なので、その関係かもしれません。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
非の打ち所が見当たらない大量わかめのボリュームに、バイプレイヤーのメンマと彩りのいいコーン。麺はソフトな食感ですが、わかめの健康的なイメージとカップラーメンの背徳感をブレンドした「わかめラーメン」の魅力を打ち出す上では適切で、本家を踏襲しつつ「ピリ辛ごま油ラー油」の芳ばしさでオリジナリティと安定感を両立した一杯です。
味だけでいえば “ふつうに美味しいカップ麺” で、どんぶり型わかめラーメンを縦型にアレンジし、別添のスパイスをピリ辛ごまラー油と入れ替えたような、それこそ2017年のマルホン×わかめラーメン「ピリ辛しょうゆ」を縦型にしたような仕上がりだったんですけど、その当時に受けた無難な印象とは違いました。