どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年8月19日(月)新発売、エースコックのカップ麺「わかめラーメン 薫るTHEごましょうゆ」(236円+税)の実食レビューです。
新作の主役はゴマ!? 発売当初から「わかめラーメン」を支え続けているバイプレイヤーの特徴を最大限に引き立たせた “薫る„ 新フレーバー登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
わかめラーメン 薫るTHEごましょうゆ
わかめラーメンとは、1983年(昭和58年)6月の発売以来、エースコックの代表的なブランドとなったロングセラーで、現在は「スーパーカップ」や「スープはるさめ」「飲み干す一杯」「ワンタンメン」らと同社を支えている看板商品の一つ。その開発当初、業界では “わかめ入りのラーメンなんか売れるか„ と低く評価されていた路線を突き止め、現在に至る唯一無二のポジションを築き上げました。
このページでレビューする「わかめラーメン 薫(かお)るTHEごましょうゆ」は、わかめラーメンの基本理念でもある「健康志向」を理由に、発売当初から使い続けている「ごま」の魅力を追求した一杯で、ごま足りてました? などと、それをアホみたいに使った商品は3年前にレビューしているのですが、今回は数に物を言わせた新作ではありません。
そういうインパクトに感けた偏差値の低い商品も大好物なんですけど、さておき注目すべきは “一番搾りのごま油の芳醇な風味„ というパッケージの訴求。いりこや鰹の出汁(だし)を効かせた醤油味のスープに、オイスターの旨みを加え、ごま油の華やかな風味を効かせている、どちらかというと賢げで上品な雰囲気を醸している本商品。
ちなみに “一番搾り„ の「ごま油」とは、文字通り一度の圧搾によって抽出できた部分のみを指し、その抽出量は原材料に占める割合の35%ほど。それだけでは足りないため、二番搾り〜三番搾りで取れた油分を混ぜたり、ガソリンにも含まれている石油系の化学溶剤(ヘキサン)を使用して99%の油分を抽出(その後、脱臭のため200℃以上に加熱)したり、そういった商品もあるので、一番搾りは貴重です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と、後入れ「液体スープ」の組み合わせで、わかめラーメンといえばのスパイスは別添されていません。ただ、同時発売品に「薫るTHEスパイスしょうゆ」が存在するため、ゴマはコッチ、スパイスはアッチの役割分担制。
麺は油で揚げているため、エースコックの揚げ油に由来するニオイが漂ってくるのですが、これも「わかめラーメン」においては魅力の一つ。しかしながら原材料名を比較してみたところ、オリジナルの油揚げ麺には使われている「たん白加水分解物」を省いているため、まったく同じ仕様ではありません。
ちなみにメーカー希望小売価格は236円(税別)なので、いつもの「わかめラーメン」と同じ値段。コンビニでの税込価格は254円に固定されますが、スーパーやドラッグストアだとスポット商品のほうが安いパターンも珍しくないので、そっちから狙うのがオススメです(そもそもコンビニでの取り扱いのほうがレア? かもしれませんが)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:わかめラーメン 薫るTHEごましょうゆ 製造者:エースコック株式会社 製造所:兵庫工場(兵庫県たつの市神岡町東觜崎308) 内容量:92g(めん60g) 商品コード:4901071405007(JAN) |
発売日:2024年08月19日(月) 実食日:2024年08月20日(火) 発売地域:全国 小売価格:236円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、砂糖、ごま油、食塩、発酵調味料、たん白加水分解物、魚介エキス、酵母エキス、ガーリックペースト、香味油)、かやく(ごま、わかめ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、カラメル色素、かんすい、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、酸味料、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は「わかめ」と「ごま」のみ。メンマとコーンは入っていないので、バリエーションに乏しい印象は否めないけれど、ごまの量は多くてビックリ。とはいえ “ごま4倍„ を経験している身からすると、もうちょい多くても——などと思いながら、熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。
時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。さすが「わかめラーメン」らしく海藻のインパクトは申し分ないけれど、煎り胡麻に由来する香りも強く、それを上品に包み込んでいる胡麻油が個性的。ただ、ほんとに上品な加減だったので、これが吉と出るか凶と出るか。
とはいえパッケージのデザインからして上品ですから、それを思うと雰囲気的には悪くないファーストインプレッション。引き続き “一番搾り„ だからこその上品さやゴマの存在感にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:353kcal たん白質:8.6g 脂 質:15.7g 炭水化物:45.9g (糖 質:42.6g) (食物繊維:3.3g) 食塩相当量:5.8g (めん・かやく:1.9g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:336mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:353kcal(めん・かやく:300kcal)(スープ:53kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いい意味で「ふつう」
エースコックの揚げ油に由来する特有のニオイは伴いますが、後述する液体スープ(ごま油)との兼ね合いもあり、オリジナルの「わかめラーメン」よりも穏やか。とはいえ「わかめラーメン」においては必須といっても過言ではない風味なので、もしもノンフライ麺だったら‥‥なるほど、だからノンフライ麺の「わかめラーメン」は短期間で姿を消したのかもしれない。
加水率は特別に高いわけでも低いわけでもなく、食べ始めには適度な歯応えを感じるのですが、わりと早い段階から柔らかめの質感に。縦型カップに使われる細麺ほど儚くはないけれど、いかにも油揚げ麺らしいというか、いまさら目立つ要素を感じないというか、いってしまえば「ふつう」なんですけど、その気取らない主張が功を奏しているパターン。
むしろ折り返し地点を過ぎた頃、あきらかに食感が緩んできたよな、ってくらいの段階からゴマのプチプチとした食感だったり、弾けるような芳ばしさだったり、わかめの口当たりや食感だったり、そういった要素が目立ってくるので、たとえば「スーパーカップ1.5倍」よろしく屈強な油揚げ麺ではなかったことに好感が抱けました。
スープ
ごま油の使用も然る事乍ら土台も違う
どのように頑張っても具材のゴマが侵入してくるので、それを100%避けるのは無理に等しいかと思いますが、液体スープそのものに派手さはありません。ただ、思いのほかイリコとカツオの主張が強く、隠し味にオイスターとガーリックペーストを使用してはいるけれど、方向性としては蕎麦つゆにルーツを感じるような味わい。
新商品ではケガを恐れずに “やりすぎる„ 傾向があるエースコックなので、またアホみたいに大量のゴマ油を使用しているのかと思いきや、なるほど一番搾りらしく純度の高い油を繊細に、それでいてハッと分かる絶妙なラインで効かせている、エースコックらしからぬ上品さに——などと書いたら怒られそうですけどw しっかり個性を付けながら、落ち着いた佇まいに仕上がっております。
かやく
シンプルに特化
いくら脇役にスポットを当てているとはいえ、ブランドは「わかめラーメン」ですから、わかめの存在感はもちろんのこと、ゴマもスゴい。スープの項目でも触れましたが、常に口の中に飛び込んでくるし、何気に容器の底にも溜まっているので、最後の一口まで主張を緩めません(むしろ最後がピークまである)。
いつもの「わかめラーメン」に入っているメンマやコーンは不使用で、スパイスの別添もないけれど、ゴマのインパクトで物足りなさを感じることはありませんでした。さらに「すりごま」も——いや、それだと一番搾りの魅力がボヤけそうですね。
総評
いつもの「わかめラーメン」こそ至高!! であれば、油揚げ麺の質感だったり、出汁が強めのスープだったり、ごま油のアクセントだったり、具材のラインナップだったり、いろいろと言いたいことはあるでしょうけれど、異なるアプローチで「ごま」の魅力を打ち出しながら、一辺倒にはさせないオトナのバランスは見事。
39周年〜40周年記念で矢継ぎ早に飛ばされた、あの新商品たちほどのインパクトはないので、ちょっとコレはバズんねぇだろうな‥‥って感じの新作にも思えますけどw 隠れた名作というか、いいんじゃないですかね。総評は及第点としていますが、肩肘張らずに食べられる良品なので、個人的にはオススメです。【author・taka :a(大石敬之)】