どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年1月12日(火)新発売のカップ麺、エースコック「成都正宗担々麺 つじ田 ごま香る正宗担々麺」の実食レビューです。
“味から絆へ” 濃厚つけめん文化の先駆者「めん徳 二代目 つじ田」の新業態「成都正宗担々麺 つじ田」がコンビニ限定・ローソン名店シリーズのカップラーメンを監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
つじ田 ごま香る正宗担々麺
つじ田(つじた)とは、東京のビジネス街を中心に店舗を集中させるドミナント戦略(特定のエリアに経営資源を集中させて市場の独占を狙う経営戦略)で成功を収めた東京屈指の名店で、すだちや原了郭の黒七味で味の変化を楽しむ独自の “つけ麺流儀” を提唱した「めん徳 二代目 つじ田」を筆頭に、現在は群雄割拠のラーメン・つけめん業界を牽引する存在として知られる濃厚豚骨魚介つけ麺のパイオニア。
今回の新商品「つじ田監修 ごま香る正宗担々麺」は、つじ田グループ(株式会社H.I.T WORLD)が展開する担々麺専門店「成都正宗担々麺(せいとまさむねたんたんめん)つじ田」とエースコック株式会社の共同開発商品で、コンビニの中でもローソンでしか買えないPBカップ麺として企画されたもの。2016年(平成28年)からコラボを続けているエースコック×つじ田ですが、特定のコンビニ限定商品は初の試みです。
つじ田の公式ウェブサイト内にある「つじ田の歴史」には “2005年神田御茶ノ水でオープンして以来、味へ圧倒的なこだわりで東京のつけ麺文化を牽引” とあり、2005年(平成17年)7月22日にオープンした2号店「めん徳 二代目 つじ田 神田御茶ノ水店」が本店のように扱われているのですが、2003年(平成15年)2月5日に創業した東京都千代田区平河町の「めん徳 二代目 つじ田 麹町店」が1号店。
なぜ「つじ田」が屋号に “二代目” を掲げているのか、その理由を調べてみたところ、1986年(昭和61年)12月に閉店した高円寺の「旭川ラーメン めん徳」にルーツを持つとの情報に着地。つじ田グループの創業者・辻田雄大(つじた たけひろ)氏は、初代めん徳で味を指導していたフレンチのシェフに教えを請い、その経緯から「二代目 めん徳」を名乗っているそうです。
もともとは8席の小規模な店からスタートした「つじ田」は、近年のラーメン店にしては珍しく、原則として限定ラーメンを出さない方針で、ほとんどラーメンイベントに出店することもありません。しかし、濃厚豚骨魚介つけ麺を売りにしている「二代目 めん徳」を筆頭に、味噌らーめん専門店「味噌の章」や担々麺専門店「成都政宗担々麺」など、専門分野のセカンドブランドを展開しているのも人気の秘訣。
2019年5月31日、残念ながら煮干し専門店「奥の院」は閉店しましたが、天丼専門店「金子半之助」とコラボした「日本橋海鮮丼 つじ半」を手掛けるなど、様々な分野で活躍している人気店。前述のようにエースコックとは2016年5月30日発売のカップラーメン「つじ田監修 魚介豚骨らーめん」からタイアップを続けており、販路を問わない全チャネル販売のNB(ナショナルブランド)商品を定期的にリリースしてきました。
近年、エースコックの “ご当店系” シリーズ「一度は食べたい名店の味」より、二代目めん徳・味噌の章・奥の院・成都正宗担々麺の再現カップ麺を展開してきたつじ田。なかでも成都正宗担々麺のカップ麺は、2018年1月29日「一度は食べたい名店の味 つじ田 ごま香る正宗担々麺」と2019年10月21日「(同)成都式汁なし担々麺」を発売しているため、今回のPB商品でエースコックと「成都正宗担々麺」のコラボは3回目。
お店の担々麺には「成都式」と「正宗式」の2種類あり、成都式は “麻辣のストレートな辛味とキレ” を、正宗式は “胡麻の芳香な香りに旨味とコク” を特徴とし、今回のカップ麺がテーマにしているのは後者。正宗式は日本人向けのマイルドな味わいを特徴としているようですが、パッケージには「痺れる辛さ」とあるので、胡麻の芳香な香りとコクもさることながら、唐辛子の辛さと花椒(ホアジャオ)の痺れにも注目です。
※ちなみに「成都」は担々麺の本場であり、中国語で「正宗」は “正統” を意味する言葉なので、成都式と正宗式は厳密にいうと同じような意味合いになってしまうのですが、日本の担担麺専門店では成都式と正宗式を呼び分けている店が多く「成都正宗担々麺 つじ田」の場合 “日本式での正統派” という理由から、日本式のほうを「正宗」としているそうです。
開封
さて、フタの上に貼り付けてある別添の小袋は「調味油」が1袋。他社の縦型カップ麺では珍しくない‥‥というか、きわめてオーソドックスな状態なんですけど、エースコックの縦型カップ麺は “最初から容器の中に小袋が入っている” パターンが標準なので、今回のようにフタの上に小袋が貼り付けてある例は多くありません。しかし——
安心してください、入ってますよ。というわけで、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「調味油」と最初から容器の中に入っている「特製ペースト」で合計2袋。両方とも食べる直前に加える後入れなので、調理の際は留意してください(お湯を入れる前に小袋の中身を加えると、麺が適切に戻らない場合があります)。
ローソン標準価格は220円(税込238円)なので、2021年1月現在における縦型ビッグのNB商品と同じライン。コンビニの中でもローソンでしか売ってない販路限定商品ですが、全国のローソンが販売店の対象となっているため、意欲的に取り扱われていると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:成都正宗担々麺 つじ田 ごま香る正宗担々麺 製造者:エースコック株式会社 製造所:K=東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4901071288921(JAN) |
発売日:2021年01月12日(火) 実食日:2021年01月13日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:238円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(特製ペースト・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、しょうゆ、砂糖)、スープ(ねりごま、植物油脂、食塩、ポークエキス、粉末みそ、動物油脂、おからパウダー、香辛料、香味油、砂糖、ポーク調味料、ごま加工品、たん白加水分解物、酵母エキス、ごまパウダー、香味調味料、でん粉、豆板醤、全卵粉)、かやく(ごま、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、もやし)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、かんすい、増粘多糖類、香辛料抽出物、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、カロチノイド色素、カラメル色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK、アドバンテーム)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。目視できる具材は、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、もやしの3種類で、あまり具沢山な内容とはいえません。けれどもエースコックの縦型カップ麺には “いびつな形の粗悪な肉そぼろ” が常連なのに、今回は見た感じ “まともな肉そぼろ” なので、これについては好印象。
後は熱湯を注いで3分間、待っている間に特製ペーストと調味油の小袋をフタの上にのせて温めて、時間になったら粉末スープを溶かし、小袋の中身を加えて混ぜたら出来上がり‥‥なんですけど、想像以上に胡麻の量が多くてビックリw 撮影のために特殊な調理方法で分別していますが、煎り胡麻だけで麺が隠れるほどの勢いで、エースコックの特化型カップ麺「MEGAゴマ」に匹敵するインパクトを感じました。
ちなみにローソンが力を入れている有名店監修の「ラーメン横丁(RAMEN YOKOCHO)」より、成都正宗担々麺つじ田のレンジ麺「つじ田監修 痺れる辛さ 担々麺」も同時発売となっているのですが、近畿エリアを除くローソン店舗限定商品だったので、筆者の住んでいる地域では購入できませんでした。よりにもよってピンポイントに近畿エリアのみ圏外って‥‥w
というわけでカップ麺とレンジ麺の食べ比べは叶わなかったのですが、引き続き胡麻の存在感と痺れる辛さに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:452kcal たん白質:12.0g 脂 質:21.7g 炭水化物:52.2g 食塩相当量:4.8g (めん・かやく:1.4g) (スープ:3.4g) ビタミンB1:0.68mg ビタミンB2:0.48mg カルシウム:313mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:452kcal(めん・かやく:341kcal)(スープ:111kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
独特の弾力が印象的
「成都正宗担々麺 つじ田」実店舗の「正宗担々麺」に使われている麺は、三河屋製麺と共同開発した中細麺で、やや加水率を低めに設定しているのがポイント。縮れは弱く、適度な粉っぽさと歯切れの良さを特徴とするストレート麺で、スープとの一体感が高いとの評判。
対する今回のカップ麺に使われている油揚げ麺は、角刃で切り出された角断面の中細麺で、やや白っぽい見た目も印象的。加水率は低めの設定ですが、中心部に感じるクニッとした独特の歯応えが面白く、その弾力は食べ終わる頃になっても楽しめます。
そこそこ縮れが目立つので、お店の麺とは異なる形状ではあるものの、まったく印象は悪くありません。油揚げ麺特有の芳ばしい風味も不躾に主張してくることはなく、むしろ油揚げ麺のコクと甘みが今回の担々スープと好相性だったので、ネガティブどころか素直に好印象な組み合わせでした。
スープ
けっこう辛いぞw
最初から入っていた粉末スープは甘く、ほんのり花椒の香りを感じるのですが、ほとんど痺れは目立ちません。そこに別添の「特製ペースト」を加えると、中身は練り胡麻が主体だったので、粉末スープでは出せないコクを打ち出し、なおかつ炒め野菜の芳ばしい風味が臨場感を高めてくれるのもポイント。
とにかく土台はクリーミーかつ濃厚な方向性にあるため、唐辛子の辛さも花椒の痺れも目立っていませんが、別添の「調味油」を加えてビックリ‥‥
パッケージには辛さに対する警告文が見当たらなかったので、唐辛子の辛さはピリ辛程度かと思いきや、なんのなんの。けっこう辛いw 本気の激辛カップ麺ほどではないけれど、辛さレベルは一般的に見ても余裕で「辛口」のラインには到達しているため、辛い食べ物が苦手な方にはオススメできないレベル。
さらに花椒の痺れも大幅に強化されますが、唐辛子の辣味(らつみ)が優勢で、パッケージに注意書きがあってもおかしくないレベルの鮮烈な辛さには驚きました。しかし、土台の練り胡麻が濃厚さの指針を間違えていないため、ただ辛いだけのスープではありません。
表面は鮮烈な辛さと痺れを打ち出しつつ、その奥で構える重心の低い練り胡麻のコクに魅力を感じるフレームワークにより、とてもハイレベルなスープだと感じました。
具材
ゴマがすごい
鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、もやしは少量で、新開発の具材でもないのですが、もやしは小さいながらにシャキシャキとした歯触りが心地よく、鶏・豚味付肉そぼろも粗悪なスポンジ食感ではありません。近年のエースコックも他社の例に漏れず、フェイクミート(大豆加工品)を導入するようになりましたが、少量とはいえ良質な肉そぼろが嬉しいラインナップ。
さらに煎り胡麻(いりごま)が “具材の一つとしてカウントできるほど大量に入っている” のもポイントで、常に口の中で弾ける存在感の強さから、もはや “ごま香る” どころのレベルではありません。鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、もやしだけ見ると寂しい内容ですが、煎り胡麻のインパクトで物足りなさは払拭されました。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
やはり2018年1月29日発売のNB商品「一度は食べたい名店の味 つじ田 ごま香る正宗担々麺」の延長線上にあったので、ほとんど再販にちかい内容なのですが、担々麺に強いエースコックと担々麺専門店のノウハウが遺憾無く詰まっている名作です。コンビニの中でもローソンでしか買えないPB商品ですが、これで税込238円なら安いとさえ思えるくらい、緻密に計算されたスープとゴマのインパクトには脱帽せざるを得ません。
セブンイレブンで販売されているエースコック製造の「セブンプレミアム スープが決め手 担々麺」に通じるところもありますが、成都正宗担々麺つじ田監修のもと、より本格的な縦型ビッグにブラッシュアップしたようなイメージで、かなりハイレベルな一杯に仕上がっていました。辛い食べ物が苦手な方にはオススメできない辛さではあるものの、担担麺が好きなら一度は試すべき価値のある逸品です(author・taka :a)