どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年11月23日(月)新発売のカップ麺、エースコック「一度は食べたい名店の味 ラーメン屋トイ・ボックス 黄金鶏油の鶏醤油ラーメン」の実食レビューです。
熱湯3分で行列回避!? 輝かしい受賞歴を保持しながらも進化を続ける “都内屈指のミシュラン掲載店” トイ・ボックスついにカップラーメンを監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
トイ・ボックス 黄金鶏油の鶏醤油ラーメン
ラーメン屋トイ・ボックス(らーめんや といぼっくす)とは、東京都荒川区東日暮里(三ノ輪橋)に店を構える行列必至のラーメン店で、兵庫県尼崎市に移転したラーメン業界のレジェンド「ラァメン家 69’N’ROLL ONE(ロックンロールワン / 現:ロックンビリーS1)」出身の店主・山上貴典(やまがみ たかのり)氏が2013年(平成25年)12月15日に開業。
今回のカップ麺「一度は食べたい名店の味 ラーメン屋トイ・ボックス 黄金鶏油の鶏醤油ラーメン」は、エースコックと「ラーメン屋 トイ・ボックス」の共同開発商品で、誰もが食べたいと思う名店の味を再現したエースコックの人気ご当店シリーズ「一度は食べたい名店の味」から新発売。数ある名店とタイアップしている同シリーズですが、トイ・ボックス監修のカップ麺は初の試みです。
トイ・ボックスを開業した山上店主は、3歳のときに祖母が作ってくれた「サッポロ一番 みそラーメン」にハマッてラーメンが好きになり、まだ「ラァメン家 69’N’ROLL ONE」が神奈川県相模原市にあった頃、現在の名立たる有名店主がリスペクトしてやまない “2号ラーメン” に衝撃を受け、修行することを決意。それが現在のトイ・ボックスで提供されている「醤油ラーメン」のルーツであり、それを再現したのが今回のカップ麺。
※2号ラーメン(にごうらーめん)とは、ラーメン界のロックスターこと現「ロックンビリーS1」の店主・嶋崎順一(しまざき じゅんいち)氏が実現した “比内地鶏と水だけ” のスープを特徴とする醤油ラーメンで、神奈川県足柄下郡湯河原町の「らぁ麺屋 飯田商店(店主:飯田翔太氏)」や埼玉県比企郡川島町の「中華そば 四つ葉(店主:岩本和人氏)」など、ラーメン業界の若き天才に影響を与えた逸品。
“鶏と水だけ” のパイオニア「2号ラーメン」に衝撃を受けた「トイ・ボックス」の山上店主は、相模原の「69’N’ROLL ONE」で修行を重ね、2013年12月15日に満を持す自身の店をオープン。お気に入りのオモチャ箱を開けるときと同じワクワク感を大切にしたい、お客様にも同じようにワクワクしてもらいたい‥‥そんな想いを込めて、自身の店を「トイボックス(おもちゃ箱)」と命名。
カップ麺のパッケージにも “東京屈指の醤油ラーメン” とあるように、その受賞歴は輝かしく——
- 2014-2020講談社『業界最高権威 TRY認定』
第15回 ラーメン大賞(2014-2015)
‥TRY新人賞部門「しょう油4位」「しお3位」「みそ2位」「汁なし5位」
第16回 TRYラーメン大賞(2015-2016)
‥名店部門「みそ10位」「汁なし8位」
第17回 ラーメン大賞(2016-2017)
‥名店部門「しょう油7位」「みそ8位」「汁なし7位」
第18回 ラーメン大賞(2017-2018)
‥名店部門「しょう油3位」「しお6位」「みそ6位」
第19回 ラーメン大賞(2018-2019)
‥名店部門「しょう油2位」「しお5位」「みそ4位」
第20回 ラーメン大賞(2019-2020)
‥名店部門「しょう油2位」「しお5位」「みそ3位」 - 2017-2020食べログ(カカクコムグループ)
ラーメン百名店「TOKYO 2017・2018・2019」選出
町屋・南千住×ラーメンランキング第2位(2020.11.28現在)
三ノ輪駅×ラーメンランキング第1位(2020.11.28現在) - 2015-2020ミシュランガイド東京・ビブグルマン
2015・2016・2017・2018・2019・2020
講談社発行『業界最高権威 TRY(Tokyo Ramen of the Year / 東京・ラーメン・オブ・ザ・イヤー)認定 ラーメン大賞 2014-2015』の新人賞部門にピックアップされて以降、同誌の名店部門では毎年かならず上位に食い込んでいるのですが、2015年から『ミシュランガイド東京』のビブルグマンに6年連続で選出されるなど、たしかな実力の持ち主。
そんな「トイ・ボックス」開業当初は様々な食材を使ったラーメンで高評価を募っていたのですが、創業3周年を迎えた直後の2017年1月、スープの炊き方からメニューの構成をはじめ、その味付けも大胆にリニューアル。念願だった “鶏と水だけ” で旨みを抽出したスープに、7種類の醤油で味に厚みを与えた現在の「醤油ラーメン」を実現しました。
開封
その味わいを再現したのが今回のカップ麺「一度は食べたい名店の味 ラーメン屋トイ・ボックス 黄金鶏油の鶏醤油ラーメン」で、フタの上には “3分後(1)まず液体スープだけを入れてまぜ、(2)その後に調味油をかけてお食べください。調味油をかけたら混ぜないのが美味しさのポイント!” と「店主オススメの作り方」を記載。ちょっとした一手間ですが、これによって仕上がりが大幅に変わります。
はい、というわけで「液体スープ」と「調味油」合計2種類の小袋が別添されているのですが、最初から容器の中に入っているため、お湯を注ぐ前に取り出します。エースコックの縦型カップ麺に小袋が別添されている場合、高確率で容器の中に入っているため、フタの上で小袋を温めやすい(接着剤が再粘着しない)というメリットがある反面、あいかわらず粉末スープまみれなのはご愛嬌。
2020年11月現在、メーカー希望小売価格は税別220円ということで、縦型ビッグのカップラーメンにおける標準的な値段。一部の地域では売ってないかもしれませんが、コンビニでの税込価格は238円。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ファミリーマート」と「ミニストップ」での取り扱いを確認しており、首都圏の「セブンイレブン」でも取り扱われているようなので、販売店の参考にしてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味 ラーメン屋トイ・ボックス 黄金鶏油の鶏醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4901071247034(JAN) 商品サイズ:111×111×118mm |
発売日:2020年11月23日(月) 実食日:2020年11月28日(土) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:238円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白粉)、スープ(チキンエキス、しょうゆ、植物油脂、動物油脂、食塩、デキストリン、粉末しょうゆ、砂糖、トマトエキス、ポーク調味料)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、酒精、香料、かんすい、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
実店舗の醤油ラーメンには、日本で珍しいガリシア栗豚のロース肉を使い、スープに合わせて開発したというチャーシューをはじめ、定評のある穂先メンマと青ネギをトッピング。それをイメージした今回のカップ麺には汎用の味付豚肉に、メンマ、ねぎを組み合わせているため、質としては足元にも及ばないものの、あながち的外れな構成ではありません。
あとは熱湯を注いで3分間、別添の小袋(液体スープ、調味油)は後入れなので、どちらもフタの上にのせて温めたあと、液体スープを加えてから調味油を加えるのですが、店主オススメの食べ方にも記載されていたように “調味油を入れてからは混ぜない” のがポイント。その調味油を入れた途端、鶏油の芳ばしい香りが漂ってくる、かなり効果的な存在。
なお有名店監修のカップ麺が発売された場合、実店舗でも販売されるパターンは珍しくないのですが、今回のカップ麺は “トイ・ボックスの実店舗では買えない” ため、ご購入の際は注意してださい。それでは、土台の液体スープや麺の仕上がりにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:414kcal たん白質:9.5g 脂 質:20.0g 炭水化物:49.1g 食塩相当量:7.3g (めん・かやく:1.8g) (スープ:5.5g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.42mg カルシウム:242mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:414kcal(めん・かやく:328kcal)(スープ:86kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
食べ始めの歯応えが印象的
以前の実店舗では龍製麺(東京・渋谷の路地裏にある「中華そば すずらん」)の自家製麺を使い、全粒粉も練り込んでいたようですが、現在の「トイ・ボックス」で提供されている “醤油ラーメン” の麺は「中華そば 四つ葉」とも提携している製麺所「大成食品」の特注麺で、全粒粉は練り込まれておらず、加水率は中くらい。形状は平打ちのストレートで、柔らかめに茹で上げているのもポイントです。
対する今回のカップ麺に使われている油揚げ麺は、白っぽい見た目の中細麺で、形状は丸刃で切り出されているのですが、縮れのないストレート麺を採用。やや加水率は低く、食べ始めのコリッとした歯応えが印象的で、粘りのある弾力よりも歯応えと歯切れの良さを重要視しているような食感から、実店舗で使われている麺の特徴とは異なる印象を受けるものの、クオリティの低い麺ではありません。
エースコックの油揚げ麺は独特の風味を伴うため、よく “エースコック(特にスーパーカップ)の麺は苦手” という意見も耳にするのですが、表面に浮かぶ鶏油の芳ばしさが油揚げ麺のネガティブな部分を適度にマスキング。ただし、フライングすると麺のスナック感がマイナスに働いてしまうので、かならず熱湯3分ぴったり守ってから食べ始めてください。
スープ
醤油のキレと鶏油の共演に注目
2017年1月以降のスープは、2種類の鶏ガラ(川俣シャモ、おおいた冠地どり)と3種類の丸鶏(山水地鶏、会津地鶏、名古屋コーチン)を水だけで6時間炊き、鶏と水の比率は約4:5、ガラと丸鶏は3:2の比率。醤油ダレには4種の濃口醤油(産地:群馬・兵庫・和歌山・小豆島)と1種類の薄口醤油(産地:兵庫)に加え、2種の再仕込み醤油(産地:埼玉・兵庫)を使い、少量の酒・みりん・りんご酢なども合わせているとのこと。
対する今回のスープは原材料名が “チキンエキス、しょうゆ、植物油脂、動物油脂、食塩、デキストリン、粉末しょうゆ、砂糖、トマトエキス、ポーク調味料” となっているように、とうぜん鶏と水だけではないのですが、いつも複雑なエースコックのスープとは違う、とてもシンプルな構成。その味わいもシンプルに仕上がっているのですが、じわじわと込み上げてくる旨みから、物足りない印象は与えません。
さらに実店舗でも仕上げにかけられる鶏油には、鶏と水だけで炊き上げたスープを一晩ねかせ、その上に溜まった脂を取り除いたものを使用しているらしく、ボンジリや脂身、内臓脂肪などをプラスして抽出しているのが特徴で、それをイメージした今回の調味油も実に効果的。
土台のスープは香味野菜と化学調味料に由来するピリピリとした刺激を伴うため、そこが良くも悪くもエースコックらしかったりするのですが、液体しょうゆ特有のコクとキレに、芳醇な鶏油の香りと香味野菜の旨味が後引く味わいを演出。ほのかに漂うトマトエキスの隠し味も注目したいポイントで、素朴な飽きの来ないテイストから、つい飲み干したくなる味わい深いスープです。
具材
具材は及第点
あながち構成としては的外れではないと書きましたが、味付豚肉、メンマ、青ネギ、それぞれ汎用の具材なので、まったく新鮮味はないですし、量も少なめ。ただし、小さいながらもコリコリとした食感のメンマは歯応えがよく、素朴な風味が鶏油の効いたスープにベストマッチ。
味付豚肉は気の抜けたベーコンみたいな食感なので、お店のガリシア栗豚とは比べ物にならない存在ですが、エースコックが多用してくるスポンジ食感の肉そぼろよりは断然マシ。さすがに具材は上出来といえないものの、調味油(鶏油)にインパクトがあったので、正直そこまで気になりませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
簡便性も重視しなければいけないコンビニ向けの縦型ビッグ製品なので、具材の構成やボリューム感の乏しさに、スープの雑味など、カップラーメンだからと妥協しなければいけない点もありますが、総合力の低い一杯ではありません。
可能であればノンフライ麺を採用したPREMIUM(プレミアム)版でも食べてみたいところではあるものの、インスタントラーメンも好きな店主が監修した一杯ということで、いい意味でカップ麺らしい仕上がりでした。ちなみに「トイ・ボックス」の店主曰く “お湯を入れる前に白ネギを、食べる直前に青ネギを入れる” のもオススメらしいので、ちょい足しアレンジも試してみてください(author・taka :a)