どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年3月24日(火)新発売のコンビニ限定カップ麺、エースコック「豚とろ監修豚骨ラーメン」の実食レビューです。
並んででも食べたい鹿児島のラーメン店「豚とろ」渾身の一杯がローソン名店シリーズのカップラーメンに!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
豚とろ監修豚骨ラーメン
今回のカップ麺「豚とろ監修豚骨ラーメン」は、鹿児島ラーメン豚とろ(とんとろ)及びエースコックの共同開発商品で、ローソン専売のカップラーメンとして展開。鹿児島ラーメン豚とろとは、屋号にもなっている豚の希少部位・豚トロを使った至福の “自家製豚とろチャーシュー” が名物のラーメン店で、創業は2003年(平成15年)。
「豚とろ」の創業者であり、運営会社「有限会社 豚とろラーメン」の代表取締役・中里優士(なかざと ゆうじ)さんは、天文館の外れにある人気店「ラーメン小金太」出身で、鹿児島市山之口町に「鹿児島ラーメン豚とろ本店」を開業したのが当時26歳の頃。ラーメン業界に入り、わずか10ヶ月という早さで自分の店を持ちました。
ラーメン小金太での経験を活かしつつ、独学でラーメンを研究し、行き着いたのは1頭の豚から200、300グラムしかとれない “豚とろ” という希少部位。厳選した豚のトロ肉を使用したチャーシューは、余計な脂を取り除き、丁寧に下処理してから加工するため、実際にチャーシューとして使用されるのは60%ほど。
ちなみに豚トロは豚の頬から肩、首(ネック)周りに位置する肉を指し、豚(pig・pork)のトロでPトロ(ぴーとろ)とも呼ばれているのですが、農林水産省が定めている “食肉小売品質基準” に含まれていないため、実は豚の内臓肉(もつ)に分類されています。以前に残留農薬の懸念が問題視されましたが、チェックの厳しい国産豚であれば基本的に問題ありません。
その下処理した豚トロを麺とスープのバランスを考えて調合したタレに漬け、じっくり煮込むこと12時間——独自に考案した火加減で煮込まれた豚とろチャーシューは、箸で持ち上げることが困難なほど柔らかく、ほろほろとした極上の舌触りが話題になり、観光客をはじめ行列のできる有名店に成長しました。で、ちょっと面白いのがヒットのターニングポイント。
開業当初は店主の友人が店に屯(たむろ)している状態で、いつも大勢の人が店の中で飲みながら騒いでいたらしく、ちょっとラーメンを食べに寄った一般客がすぐに店の中に入れないこともしばしば。その光景こそ “まさに行列のできるラーメン店” で、MBC南日本放送のローカル番組『どーんと鹿児島(どんかご)』にピックアップされてから本格的な繁忙期に突入します。
名物の豚とろチャーシューもさることながら、スープは鹿児島豚と鶏ガラにカツオ等の旨味をブレンドしたハイブリッド型で、麺は基本的に中太ストレート麺を使用しているのですが、替え玉のみ博多とんこつラーメンよろしく細めのストレート麺が提供されるのも「豚とろ」の特徴としてあげられるポイントの一つ。
今回のカップラーメンは利便性も意識しているタテ型なので、残念ながら “本商品には豚トロは使用しておりません” と容器の側面にも記載されているのですが、実店舗の「豚とろラーメン」にもトッピングされているフライドオニオン入り。監修者の店主曰く、カップめん化にあたり “もっともスープの味にこだわった” とのことなので、そこが今回の見所です。
開封
さて、別添の小袋は「液体スープ」と「ふりかけ」の合計2袋、最初から容器の中に入っています。ちなみに2015年9月頃、エースコックが「鹿児島ラーメン 豚とろ 中里優士監修 豚骨醤油ラーメン」というローソン限定の縦型カップ麺をリリースしていて、さらに遡ること2011年にノンフライ麺・どんぶり型のローソン限定カップ麺「天文館 鹿児島ラーメン 豚とろ」を発売していたので、実は今回が初のタイアップではありません。
最初から入っている具材は焼豚、キクラゲ、ねぎとシンプルな構成で、豚とろチャーシューではなくチップ状の肉具材が入っているのですが、最近はエンカウント率が下がってきたスポンジ食感の “程良く味付けした肉そぼろ” じゃないだけ好印象。また2015年発売品の具材はキクラゲ、玉ねぎ、ねぎだったので、新たに肉具材が採用されているのは嬉しいポイント。
しかし、ちょっと気になるのがローソンの販売価格。2020年3月現在、縦型ビッグのメーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入した場合の税込価格は232円が平均的な販売価格となっているのに対し、今回の「豚とろ監修豚骨ラーメン」のローソン標準価格は税込248円なので、ちょっと高めの値段設定です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:豚とろ監修豚骨ラーメン 製造者:エースコック株式会社 東京工場 製造所:埼玉県川越市大字今福461-1(K) 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901071288426(JAN) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm |
発売日:2020年03月24日(火) 実食日:2020年03月26日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:248円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ(タテロング) 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖、しょうゆ)、スープ(ポーク調味料、しょうゆ、乳化油脂、植物油脂、カツオ風味調味料、たん白加水分解物、でん粉、ポークコラーゲン、香味油、ガーリックペースト、酵母エキス、シイタケエキス、全卵粉)、かやく(焼豚、キクラゲ、ごま、揚げ玉ねぎ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、酒精、炭酸カルシウム、香料、カラメル色素、重曹、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は白っぽい見た目の油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。鹿児島の豚骨ラーメンは博多の豚骨ラーメンほど加水率の低い細麺を採用しているわけではないですし、実店舗の麺も特別に細いわけではないため、オーソドックスなサイズ感で正解。調理前からエースコック特有の油揚げ麺臭が目立っているのですが、おおむね許容範囲です。
別添の小袋は液体スープ・ふりかけともに後入れで、お湯を注いでから待っている間、液体スープはフタの上にのせて温めます。かなり粉末スープに含まれているトロミ成分が強かったので、溶け残りがないよう念入りに混ぜてください。で、とろみの強さもさることながらスープの色ですよ‥‥想像を超える豚骨醤油感w
たしかに再現元の “豚とろラーメン” も純白の豚骨スープではないのですが、あきらかに2011年と2015年の再現カップ麺よりも醤油の存在感が強く、いわゆる豚骨ラーメンとは裏腹なビジュアルに驚きました。というわけで、醤油感と豚骨の兼ね合いに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:429kcal たん白質:9.5g 脂 質:19.5g 炭水化物:53.8g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:2.1g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.38mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:209mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:429kcal(めん・かやく:340kcal)(スープ:89kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度はさておきハイクオリティ
見た目は角刃でカットされた縮れの強いヌードル系の平打ち麺で、実に頼りなさそうというか、悪い意味でインスタント感の強いタイプに思える油揚げ麺を使っています。しかし、ノンフライ麺のように繊細な麺ではないものの、意外に油揚げ麺特有の風味は穏やかで、粘り気のある弾力とコシが長時間続く高品質な仕上がり。
麺の中心部にはクニッとした独特のコシがあって、最初は反発性のある弾力で押し返してくるのですが、同時に内側から弾けるような歯切れの良さが心地よく、ちょっと意外なクオリティの高さ。お店の再現度を引き合いに出した場合、妥協すべき点は多いかと思いますが、縦型カップ麺に使われる油揚げ麺の中では余裕で上位に位置します。
熱湯3分しっかり待って、いったん粉末スープを溶かしてから液体スープを入れて、また混ぜて——などしている間に30~50秒ほど経過しますが、それでも部分的な戻りムラが若干ながら気になったので、とりあえずフライングは厳禁。むしろ液体スープを溶かし終えてから1分ほど休ませるくらいがベストだと感じたので、よかったら参考にしてください。
スープ
豚骨×醤油×鰹が拮抗
かなり粉末スープの粘度は高く、さすがに箸が立つほど非常識な高粘度スープではないものの、ぽってりとした口当たり。それこそ最近ぜんぜん見なくなったエースコックの “どろ系” カップ麺「極どろ」に匹敵する勢いで、あまりナチュラルな粘度とはいえないのですが、最終的にトロミの強さは嫌味ではありません。
事前の粉末スープは強烈なトロミ成分に加えてポーク系の旨味もあり、とんこつ特有のクセや純度の高い香りこそ楽しめないものの、これはこれで悪くないと思える下地。あくまで粉末スープは土台を構築することに徹しているため、塩とんこつ系の味ではなく、タレの要素が不在の状態では締まらないのですが、液体スープを入れた途端に変貌します。
液体スープの中身はタレとアブラが入っていて、タレの味を端的に例えるとチャーシューダレに鰹節の旨味を効かせた甘濃い和風だし醤油みたいなイメージ。商品名こそ「豚骨ラーメン」となっていますが、実際のジャンルは和風とんこつ醤油ラーメンで、かなり鰹の風味が強く、事前情報がなかったら「‥‥!?」みたいな。
でも濃いめの鰹さえ大丈夫ならハマれると思いますし、珍しさもあいまって記憶に残るスープになると思いますよ。
具材
フライドオニオン効果的
焼豚、キクラゲ、ネギは他のカップラーメンでも頻繁に見かける素材なので、特に感動するようなクオリティではないのですが、とろみの強い濃厚なスープにキクラゲの食感が心地よく、前回の2015年発売品には別添されていなかったフライドオニオン(揚げ玉ねぎ)が実に効果的。スープ単体でも独特の味でしたが、フライドオニオンの芳ばしい甘みが絶妙にフィットします。
2011年に発売されたノンフライ麺・どんぶり型の「天文館 鹿児島ラーメン 豚とろ」にはレトルト調理品の “とろけるチャーシュー(トントロ)” が入っていたのですが、今回の焼豚は気の抜けたベーコンみたいな食感。とはいえ前述したスポンジ肉そぼろよりも断然マシですし、フライドオニオンが効果的だったので、特に不満は感じませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
たとえば魚介豚骨醤油といえば通称 “またおま系” と呼ばれるジャンルが有名ですが、それとはまったくタイプが違うため、もし純粋な豚骨ラーメンやマタオマ系をイメージしていたら確実にギャップを感じることになります。しかし、強烈なトロミが不自然に思えないくらい旨味が膨よかだったのと、カップ麺でもありそうでないタイプだったので、とりあえず試してみても損はありません。
2020年3月現在、NB(ナショナルブランド)の縦型ビッグよりも税込16円高い値段設定で、なおかつ基本的に値引きなしのコンビニ限定商品ですが、総合力の高い一杯だと思います。強めの鰹だし醤油と豚骨のハイブリッド型スープに揚げ玉ねぎのアクセントが気になる方は、最寄りのローソンをチェックしてみてください。