どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年7月23日(火)新発売、セブンイレブン「とみ田監修 濃厚豚骨魚介冷し焼豚つけ麺」の実食レビューです。
千葉・松戸の名店「中華蕎麦とみ田」店主・富田治氏が監修する夏の “冷やしつけ麺” がパワーアップして今年も登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コスパも含めて総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
中華蕎麦とみ田 冷やしつけ麺 2019
「中華蕎麦 とみ田(ちゅうかそば とみた)」とは、千葉県松戸市にある行列の絶えない人気ラーメン店で、創業は2006年6月5日。セブンイレブンに行くと「銘店紀行」シリーズの定番カップラーメンや数量限定の汁なしカップ麺「豚骨魚介まぜそば」など、同店監修の人気商品が多くの店舗で取り揃えられています。
今回の新商品「濃厚豚骨魚介 冷し焼豚つけ麺」は、毎年夏季限定で販売されている「冷しつけ麺」の再販で、冷やし焼豚つけ麺ではなく “冷し焼豚つけ麺” が正式な商品名。今年は富田治氏が開発した粉の配合と麺の形状を見直すことでコシのある三層麺に改良し、焼豚の部位はロース肉で2枚もトッピングしているのですが、昨年よりも自然な焼きの香りがプラスされ、さらに美味しくなっているとのこと。
今年は6月12日に “セブンのジェネリック二郎” こと二郎インスパイア系のレンジ麺「中華蕎麦とみ田監修 豚ラーメン(豚骨醤油)」をリニューアル、さらに7月9日から同店監修シリーズ初となる冷凍食品「セブンプレミアムゴールド 中華蕎麦とみ田 つけめん」をセブンの最上級ブランドから展開しているのですが、冷凍食品の販売スケジュールは以下のとおり(7月26日現在)。
07月16日(火)東京都(一部除く)
07月22日(火)東京一部、神奈川県、埼玉県
08月06日(火)栃木県、茨城県、群馬県
08月13日(火)その他全国
というわけで冷凍つけ麺は全国発売まで時間を要するのですが、今回のチルド商品「濃厚豚骨魚介冷し焼豚つけ麺」は7月16日に本店のある松戸市のセブンイレブンにて先行販売開始。その後、7月17日に販路を千葉県全域に広げ、先行発売から1週間後の7月23日には全国発売解禁となりました(※けれども残念ながら沖縄県では売ってないそうです)。
製造者は同店監修の「豚ラーメン」と同じ「(株)武蔵野 京都工場」で、ちょっと面白いのが製品の名称。たとえばカップ麺の場合 “即席カップめん” と表示されているのですが、「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン」の名称は “ゆで中華麺” と記載されているのに対し、今回の冷やしつけ麺「濃厚豚骨魚介冷し焼豚つけ麺」の名称は “弁当” となっています。
あらためまして「弁当(べんとう)」とは、中国南宋時代(1127年 – 1279年)に「好都合」「便利なこと」を意味していた俗語「便當」が語源といわれ、日本では “外出先で食事するために持ち歩く食品の総称” として定着している単語。ついついコンビニ弁当や寿司折などのイメージが強かったので、なるほど冷やしつけ麺も弁当の一つに該当するのか——と、思わず納得しました。
“ゆで中華麺” の「豚ラーメン」は、2019年6月12日のブラッシュアップから通年商品のレギュラー入りを果たし、「濃厚豚骨魚介冷し焼豚つけ麺」は夏季限定商品となっているのですが、二郎系を意識していた「豚ラーメン」のジャンクなスープは中毒性が高く、分厚いブタ(チャーシュー)も素晴らしかった反面、どうも麺の “うどん” っぽい印象が気になって‥‥
どちらも製造所は同じ「(株)武蔵野 京都工場」なので、ちょっと不安が並行している実食前の現在、麺の違いも意識しながらレビューしたいと思います。同店監修「豚ラーメン」の評価や詳しい感想、製品情報などが気になる方は、「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」のレビュー記事をご参考ください。
開封
容器は2段重ねになっていて、上段の透明なプラ容器(PET)に茹で麺やトッピングが入っているのですが、セブンイレブンの公式ウェブサイトに掲載されているイメージ写真どおりですね。茹で中華麺の上には柚子皮がトッピングされた大きいチャーシューが2枚、そして味付メンマ2本と輪切りの白ネギは麺と具材の間に透明なフィルムを挟んで仕切られていました。
作り方に “ちょこ” と表記されている下段の黒いプラ容器(PP)には液体スープの袋が入っていて、上段の具材を下段の黒い容器に移し、スープを “よく振ってから” 入れてくださいとのこと。また、上段の透明な容器は耐熱容器ではなく、お湯を入れたり電子レンジ加熱はダメらしいのですが、黒いほうは耐熱容器なので、食後に熱湯を入れて「スープ割り」も楽しめます。
販売エリアは全国に拡大されましたが、豚ラーメンと同じくセブンイレブンのオリジナル商品(コンビニ限定)なので、セブン&アイ系列でもスーパーマーケット店舗のイトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなどのIYグループでは売ってないそうです。値段は210円(税込550円)、実売価格は豚ラーメンと変わりません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:とみ田監修 濃厚豚骨魚介 冷し焼豚つけ麺 製造者:株式会社 武蔵野 京都工場 製造所:京都府八幡市戸津水戸城55 内容量:-(記載なし) 商品コード:2091659301127 発売日:2019年07月23日(火) |
麺の種類:ゆで中華麺(かんすい使用) 容器材質:プラ(上段PET / 下段PP) 小袋構成:2袋(スープ・ほぐし水) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】ゆで中華麺、豚肉チャーシュー、ねぎ、味付メンマ、ゆず皮、加工澱粉、かんすい、ダイズ多糖類、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、着色料(カラメル、カロチノイド)、乳化剤、糊料(キサンタン)、香料、酸味料、(原材料の一部に卵・小麦・鶏肉・さば・ゼラチンを含む)/ 〈添付スープ〉ガラスープ、チキンエキス、しょうゆ、砂糖、食用植物油脂、香味油、混合削りぶし粉末(さばぶし、いわし煮干し)、りんご酢、かつおエキス、かぼす果汁、食塩、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工澱粉)、酸化防止剤(V.E)、(原材料の一部に小麦・豚肉を含む)/〈添付ほぐし水〉水 |
【アレルゲン情報】卵・小麦・鶏肉・豚肉・さば・大豆・ゼラチン(※本品製造工場では、そばを含む製品を生産しています) |
実食開始
具材を下段の黒い容器に移した後、添付の「麺用ほぐし水」を麺に満遍なくかけるのですが、スープと麺用ほぐし水の販売者は「ベンダーサービス株式会社」。この会社は大手・小売企業へ容器・食材などの原材料供給や需要・トレーサビリティ管理・開発・マーケティングなどのサービスを行っている機能提供型の会社で、セブンイレブンの冷たい麺類とも頻繁に関わっています。
今回の新商品には “麺の量に関する表示がなかった” ので、麺用ほぐし水を入れる前に容器の重さを引き、デジタルスケールで計測してみた結果、茹で上げ後となる麺の重さは「270.05g」と表示されました。実店舗の「つけそば」は茹でる前の麺量が並300gなので、比較すると結果的に半分くらいの量になりますが、同店監修の豚ラーメン(めん200g)よりも70g多いですね。
今回は必要な物すべて(箸以外)容器の中に入っているので、カップ麺のように水・電気・ガスなどを消費することなく食べられます。ちなみに麺用ほぐし水とスープの「賞味期限」は購入した日から約1ヶ月半~2ヶ月ほど先になっていたのに対し、本体(麺・具材)は10度以下の要冷蔵商品で、「消費期限」はセブンイレブン店舗に入荷した瞬間に押さえても “長くて2日後の同時刻” くらい。
今年7月11日から沖縄にもセブンイレブンが進出しましたが、保存可能な時間の関係で安全性を優先すると輸送が難しい、というのも理由の一つかもしれません。それでは、麺の仕上がりやスープの濃度に注目しつつ、「めん」「スープ(つけ汁)」「具材」の特徴を解説し、総合力を判定します。
栄養成分表示:1包装当たり
カロリー:617kcal(熱量 / エネルギー) |
食塩相当量:5.334g(推定値) (計算式 “ナトリウム2100mg×2.54÷1000” ) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
どうしても状況としては “冷蔵庫から取り出した茹で置きの麺を水でほぐした状態” に他ならないので、実際に茹で上げて直後に冷水でキュッ‥と締めた食感を完璧に再現できているとは言いがたく、最初はスープを使わずに麺だけ食べてみたところ、pH調整剤の酸味や雑味が気になりました。しかし、豚ラーメンの時に感じた茹で置きの格安うどんみたいなチープさは驚くほど気になりません。
お店の麺には日本製粉と共同開発した「心の味」という国産小麦100%の小麦粉を使い、その特注粉に全粒粉を配合した極太自家製麺となっているのですが、今回の茹で中華麺にも全粒粉と思われる粒が視認できます。それが顕著に主張してくることはなかったけれど、ほぐれにくさも気にならず、つけ汁に潜らせた後は雑味も陰に隠れ、角刃でカットされたコシのある太麺は濃厚なスープとのパワーバランスもバッチリ。
もっちり系の多加水麺ほど粘り気はありませんが、麺の加水率は高く、さすがカップ麺に使われている油揚げ麺とは比較できないほどの重量感には嫉妬を覚えるほど。ただ、今回はスープが冷める心配もなければ麺だけ食べると少し雑味が気になったので、蕎麦のように少量ずつ浸すのではなく、いったんスープにドボンと浸し、たっぷりと麺にスープを纏わせて一緒に啜り上げるのがベストだと感じました。
スープ(つけ汁)
まず結論からいいますと、味については文句の付け所が見当たりません。重量感のある太麺を相手にしなければいけないので、カエシの醤油や食塩のダイレクトな塩気で味の帳尻を合わせていないか不安に思っていたのですが、なんのなんの。むしろ醤油は丸く、完全に豚骨が主体のマイルドな豚骨魚介スープに仕上がっていて、まったりとミルキーにとろける豚骨の旨味が口いっぱいに広がります。
写真ではエッジの効いたスープに見えるかもしれませんが、実際の味わいは乳化感の強い穏やかなスープで、しかしながら薄味ではありません。かなり濃厚なテイストなのに本質は繊細で、豚骨の純度は高いのにネガティブな臭みは皆無に等しく、ほんのちょっと魚粉には鯖(サバ)の癖を残し、醤油や食塩などの調味料よりも鯖節・煮干・鰹エキスの魚介で味を調えているような組み立て方。
さらに具材が入ることで微妙に味も複雑になるのですが、柚子皮を入れる前からスープ自体にもリンゴ酢やカボスの果汁が仕込んであって、その巧妙な酸味のアクセントと無駄のない甘味のグラデーションがスープの濃度を引き立てている、まさに非の打ち所がない完成度。もはや税込550円の味ではなく、こんなに動物系の旨味が強いのに “冷やしても動物油脂の凝固やザラつきが気にならなかった” ことにも感激しました。
で、スープ割りも間違いありませんが、残ったスープに白ご飯を入れみたらヤバかったです。ほんとにヤバかった。スープ割りや追い飯して残さず完食した場合、1食の食塩相当量は約5.3gと低い数値ではありません。けれどもカップ麺の「中華蕎麦とみ田 豚骨魚介まぜそば」を完食すると食塩相当量は7.0gですし、特別な制限さえなければ1食くらい白ご飯ぶちこんでも大丈夫です。
具材
大きな焼豚の下に薄い焼豚が2枚入っていたので、枚数としては3枚も入っていたのですが、上の焼豚と厚みを比較すると下は半分以下の薄切り。というわけで上の1枚を基準の1とするならば、焼豚の実質的な枚数は1.5枚程度です。実は念の為に2回実食したんですけど、2つめに食べた商品も下の焼豚は半分くらい薄めにカットしてありました。
しかし、じっくりと火を通したロース焼豚は冷えた状態でも肉質が柔らかく、周りからは脂身特有の甘味が感じられ、味付けも塩っぱくありません。むしろ味付け自体は控えめで、焼きの香りも自然ですし、きちんと濃厚なつけ汁に入れることが計算されています。逆にメンマは甘辛く、少し濃いめの味付けでした。というわけで、メンマは麺を食べ終えた後の追い飯用に取っておくのも作戦です。
柚子皮は乾燥ではなく大きめにカットされた生タイプだからこそのリアリティがあり、柑橘系の甘酸っぱい清涼感と柚子皮特有のホロ苦いアクセントが効いていて、「またおま系」と揶揄できない——いや、むしろ敬意を表して “またおま系の極み” と称したくなる最高のマリアージュ。さらに食塩とは違う抜けのいい白ネギのシャープなキレも効果的だったんですけど、あえて言うなら海苔もあると嬉しかったですね。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6+)
麺については茹で置き特有の限界を感じますし、2枚目のチャーシューは薄めにカットされていましたが、スープは実に素晴らしく、コンビニラーメンもここまできたか‥‥と驚きました。おそらくカップ麺でも同じ値段設定で開発すれば、けっこうスープは面白い勝負してくれそうですけど、それはさておき「とみ田監修 濃厚豚骨魚介冷し焼豚つけ麺」は “たった550円” と思える素晴らしい一杯です。
もちろん豚骨や魚介系のラーメン・つけ麺が苦手な方にはオススメできませんが、文字どおり濃厚豚骨魚介系(豚骨寄り)の王道を地で行くスタイルなので、つけ麺に興味はあるけど食べたことはない、まだ専門店で注文するのはちょっと——というビギナーの方でも今回の冷やしつけ麺で雰囲気が掴めますよ。
そして〆の追い飯が許される方は、ぜひ残ったスープに温かい白ご飯を入れてみてください。冷やしよりも魚介の風味が豊かになるので、また違った表情が楽しめますし、誰でも簡単にできる2度おいしい食べ方です。原料や売れ行きの関係で前後するかもしれませんが、2019年夏の販売期間は8月末で製造終了(終売)を予定しているため、お買い逃しのないように。