どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月31日(火)新発売、エースコックのカップ麺「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」の実食レビューです。
東京拉麺×エースコックがコラボ “セブン-イレブン限定” で「ミニカップ ペペロンチーノ」を大盛りサイズにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
東京拉麺 ペペロンチーノBIG
東京拉麺(とうきょうらーめん)とは、1935年(昭和10年)4月の開業以来、現在は即席麺(ミニラーメン、お徳用ラーメン、ミニカップシリーズ)及び乾麺(ハト印シリーズ、鑁阿寺うどん、字降そうめん)の販売を生業としている栃木県足利市の企業で、なかでも社名を冠した4食入りの即席袋めん「東京拉麺」と駄菓子サイズの即席カップめん「ミニカップ」シリーズを主力商品としているのですが‥‥
今回の新商品「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」は、東京拉麺(TOKYO NOODLE)が誇るミニカップシリーズの人気No.1「ミニカップ ペペロンチーノ」を大盛りサイズにアレンジした “セブンイレブン限定” の汁なしカップ麺で、製造は大阪府吹田市に本社を構えるエースコック。発売されるや否や、TwitterなどのSNSを中心に発見報告が相次ぐなど、ネット上でも話題になっていました。
あらためまして「ミニカップ ペペロンチーノ」が初めて発売されたのは、現在を遡ること25年以上、1997年(平成9年)9月の話。お湯を切らずに添付の粉末スープを全量使えば「ラーメン風」に食べられるだけでなく、湯切りして粉末スープを半分使えば「パスタ風」になり、パスタ風では麺を食べ終えた後、残った粉末スープを容器に入れて熱湯を注ぐと “食後のスープも楽しめる” 画期的な一杯。
世界初のカップラーメンは、1971年(昭和46年)9月18日に発売された日清食品の「カップヌードル」である——という歴史は国民的に周知されていますが、1974年(昭和49年)5月に世界で初めて “ミニサイズのカップ麺” を発売したのは現・東京拉麺で、製造者の社名※ に由来する「しんちゃんラーメン」を筆頭に「うどん屋しちゃん」や「とんこつラーメン」ほか「焼そば」なども展開しています。
そんなミニカップシリーズの中でもNo.1の人気を誇るのが「ミニカップ ペペロンチーノ」で、小学館の『週刊少年サンデー』で連載が始まるや否や、熱狂的な支持を巻き起こした駄菓子コメディの金字塔『だがしかし』の第60かし[2015年(平成27年)12月18日発売の単行本4巻P30に収録]で紹介されたこともある、ミニカップシリーズの絶対的エースといっても過言ではない人気商品。
片やエースコックといえば、おやつカンパニーの「ベビースターラーメン」や「ブタメン」と何度もコラボしている即席めんメーカーなので、駄菓子の再現については他社よりも経験値を稼いでいるのですが、東京拉麺の「ミニカップシリーズ」とコラボしたことはありません。ただ、まったくの無関係とも言い切れないのがエースコック製造の即席カップめん「オキコラーメンBIG チキン味」の存在。
オキコラーメンの販売者は、敷島製パンからの技術提供を受け、Pascoブランドの商品なども製造・販売している沖縄の製パン会社・オキコですが、4食入りの「オキコラーメン」を製造しているのは新栄食品で、新栄食品は “しんちゃん” の由来にもなった東京拉麺の製造部。つまり、遠回しではあるものの、以前に「オキコラーメンBIG チキン味」の開発でエースコックと接触していることになります。
またセブン-イレブン限定のエースコック×駄菓子コラボ企画といえば、おやつカンパニーの「ブタメン」を巨大化させた「ブタメンBIG とんこつ味」及び汁なし版の「ブタメン焼そば」が好例で、今回の「ペペロンチーノBIG」も必然的というか、なるべくして実現したような流れ。はたして忠実に「ミニカップ ペペロンチーノ」の味わいを再現しているのか、それとも‥‥
※新栄食品株式会社は1950年(昭和25年)7月に発足した今泉製麺所を前身とする製造会社で、1977年(昭和52年)10月から現社名に変更しており、東京拉麺株式会社は1996年(平成8年)11月に設立された販売会社。しんちゃんラーメンのイメージキャラクターを務める “しんちゃん” は、新栄食品(しんえいしょくひん)の社名に由来し、漫画・アニメの『クレヨンしんちゃん』とは関係ありません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「麺ほぐし香味油」と「仕上げシーズニング」の計2種で、オリジナルの「ミニカップ ペペロンチーノ」は “ラーメン風” または〆(しめ)のスープも楽しめる “パスタ風” の2WAY仕様と前述しましたが、パッケージにもあるようにセブン限定の「ペペロンチーノBIG」は「湯切り専用」とのこと。
はたして湯切りなしでも食べられるのだろうか——という疑問については私の得意分野(?)なので、後日に試して紹介する予定なのですが、それはさておき麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。オリジナルの「ミニカップ ペペロンチーノ」は1食あたり36g(めん30g)なのに対し、BIGの内容量は102g(めん90g)なので、ほぼ3倍にボリュームアップしております。
販売店はセブンイレブン限定なので、他社のコンビニはもちろん、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、セブン&アイのGMSでも取り扱いはない様子。販売価格は198円(税込213.84円)なので、めちゃくちゃ安いわけではないけれど、駄菓子サイズの「ミニカップ ペペロンチーノ」がビッグカップで食べられる、その夢が叶う商品と思えば妥当でしょうか。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:東京拉麺 ペペロンチーノBIG 製造者:エースコック株式会社 製造所:兵庫工場(兵庫県たつの市神岡町東觜崎308) 内容量:102g(めん90g) 商品コード:4901071241704(JAN) |
発売日:2023年01月31日(火) 実食日:2023年02月02日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:198円(税別) 購入価格:213円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:690ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(麺ほぐし油・仕上げシーズニング) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、ソース)、添付調味料(植物油脂、砂糖、豚脂、食塩、ガーリックパウダー、ポークエキス、唐辛子、胡椒、たん白加水分解物、バジル、パセリ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
前述のように「ペペロンチーノBIG」は湯切り専用なので、お湯を注いでから3分後に戻し湯を捨てた後、別添の「麺ほぐし香味油」と「仕上げシーズニング」を混ぜ合わせるのですが、外装フィルムとフタ上の調理方法にもあるように “麺ほぐし油を絡ませてから仕上げシーズニングを満遍なく馴染ませる” のがポイント。
ラーメン風に食べることを想定していない仕様から、麺ほぐし香味油・仕上げシーズニングともに全量使い、ムラなく混ぜ合わせたら完成です。ええ、まさに「ブタメンBIG」や「ブタメン焼そば」に勝るとも劣らない、かやくらしいアイテムを一切排除した潔さは再現度を高めることに寄与している部分。
ちなみに内容量の差に比例して、カロリーは463kcalとオリジナル(155kcal)の約3倍、さらに脂質や炭水化物の値も約3倍にアップしているペペロンチーノBIG。はたして麺の仕上がりや味についての再現度も高いのか、引き続きオリジナル(パスタ風)との共通点や違いに注目しつつ「めん」「麺ほぐし油・仕上げシーズニング」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:463kcal たん白質:8.0g 脂 質:17.7g 炭水化物:67.9g 食塩相当量:4.4g ビタミンB1:0.46mg ビタミンB2:0.47mg カルシウム:314mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度は低い
オリジナルの「ミニカップ ペペロンチーノ」に使われているのは、細めに切り出された油揚げ麺で、原材料名は「小麦粉(国内製造)、食用油脂(パーム油、ラード)、食塩」とシンプル。なかでもラードに由来する芳ばしさが印象的で、本物のラーメンともパスタとも異なるベクトルを歩んでいるのですが、そのチープでジャンクな部分に駄菓子ならではの魅力が詰まっています。
片や「ペペロンチーノBIG」にも油で揚げた麺を使っているのですが、揚げ油にラードを配合していないことに加え、醤油やソースで下味を施すなど、エースコックならではのデフォルメが目立つ仕様。エースコックならではといえば、特有のニオイが目立って主張してくることはなかったものの、いい意味で歯切れの悪いモチモチとした食感で、お世辞にも再現度が高いとはいえません。
しかし、それが悪いわけではなく、油揚げ麺としてのクオリティは高いので、再現性を度外視して評価するのであれば、もうひとつ星をプラスしたいレベル。さらに、後述する仕上げシーズニングとの相性もバッチリでした。ちなみに汁なしカップ麺での大盛りは130gが基本、めん90gは湯切りタイプのレギュラーサイズに該当するため、即席カップめん業界の規格では標準的な麺量です。
麺ほぐし油・仕上げシーズニング
程よくデフォルメ
「ミニカップ ペペロンチーノ」にオイル系の小袋は別添されていないため、麺ほぐし香味油はBIG専用のアイテムになるのですが、これが効果的。ほんのり色付いたオイルにガーリックの風味が添加してあったので、駄菓子のベクトルからは遠ざかってしまいますけど、こってり感とペペロンチーノらしさを演出する上で効果的。
片や仕上げシーズニングはジャンクに振り切った味付けで、本物のペペロンチーノよりも駄菓子寄り。本家に使われている赤ピーマンは不使用で、代わりに唐辛子を追加するなど、エースコック側のアレンジを感じるテイストではあるものの、おつまみになる感じのジャンクさだったり、強めのガーリックだったり、あながち的外れではありません。
唐辛子のピリッとしたアクセントはBIGのオリジナルで、乾燥バジルとパセリの風味も本家の “パスタ風” 以上と違いは感じるものの、きちんと味の方向性は踏襲しつつ、より大人向けの味わいに仕上がっていました。
総評
オリジナルの「ミニカップ ペペロンチーノ」と比較して、もっちりとした麺の仕様を筆頭に、麺ほぐし香味油の別添や気持ち大人向けの味付けなど、本家との明確な違いを感じる部分もありましたが、なんのこれしきイメージは悪くありません。
東京拉麺が定めた味の方向性を尊重しつつ、エースコックらしい食べ応えを両立した、いいとこ取りのコラボに思えました。以前から「ミニカップ ペペロンチーノ」を知っている方はもちろん、量と味的にビールのアテなんかにもサイコーなタイプだったので、気になっている方は早めに最寄りのセブンイレブンをチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】