どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年12月25日(火)新発売のカップ麺、日清食品「桃花源 担担麺」の実食レビューです。
熊本ホテルキャッスル「中国四川料理 桃花源」の料理人・斉藤隆士氏が監修したカップラーメン!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
桃花源のカップ麺「担担麺」
日清食品が製造する「桃花源」のカップ麺(担担麺)は、これまでにも何度か発売されており、年に1回くらいミニストップで見かけていたのですが、私は今回が初めての実食になります。おかしいな、たしか2回くらい買った記憶はあるんだけど‥w
「桃花源」(とうかげん)とは、熊本市にある熊本ホテルキャッスル地階に本店を構え、東京銀座の銀座グランドテル内にも店舗がある本格四川料理のお店。実際のメニューにも「担担麺(タンタンミェヌ)」があり、お店のメニューには「ゴマ味噌辛子そば」という補足説明が書いてありました。
パッケージの側面にも写真が載っている監修者の斉藤隆士(さいとう たかし)氏は、日本における “四川料理の父” といわれた陳建民氏の弟子で、 “料理の鉄人” と呼ばれた息子の陳建一氏を託されたほどの愛弟子。わずか33歳で熊本ホテルキャッスル「桃花源」の中国料理長となり、全国の中国料理界に影響を与えている調理人兼熊本ホテルキャッスル代表取締役社長です。
「担担麺」(本来の漢字で書くと「擔擔麪」‥読めないし書けないw)は、日本だとスープありが定番なので、わざわざ汁のない担担麺は “汁なし担担麺” などと言い直されたりするのですが、もともとは汁のない麺料理。広島のご当地麺にもなっている日本でアレンジされた汁なし担担麺は、いわば先祖返りみたいなものですね。
発祥は中国の四川省‥1841年頃に陳包包という男性が考案したとされ、天秤棒に道具や材料を提げて “担いで売り歩いていた” ことから「担担麺」という呼び名が付きました。なので、ときどき見かける土へんの「坦々麺」は間違い。日本でも定番の四川料理・麻婆豆腐と同じく、陳建民氏が日本人の味覚に合わせ、スープありでアレンジしたのが日本でオーソドックスな担担麺です。
カップ麺の製造は日清食品、コンビニではミニストップでの販売がメインになるのですが、イオングループ限定商品なので、発注があればイオンリテールやウエルシアなど、イオングループのスーパーやドラッグストアでも取り扱いがあると日清食品の方に教えていただきました。
タテ型カップ麺でも本格的な日清食品、そして技術と粋、思想が織りなす四川料理の真髄を極めたとされる中国四川料理店「桃花源」とのタイアップ商品なので、かなり期待できそうですね。それでは、開封して中身を確認してみましょう。
開封
まずは別添の「特製油」をフタの上から取り外さないといけないのですが、外装フィルムを破いた瞬間から独特の香りが漂ってきます。豚脂と香辛料かな? たとえば「蒙古タンメン中本」のカップラーメンとか、日清食品が製造するタテ型ビッグ製品で本格的な時、けっこう共通して感じる香りかもしれません。
しかし、実際に開封するとジャンクな表情は一変。芝麻醤(ねりごま)や豚脂を思わせる本格的で重心の低い香りが飛び込んできて、早くもスープに対する期待値が跳ね上がってしまうほど、かなり濃厚そうな香りが漂ってきました。その中でも、とりわけ酸味を感じる香りが印象的です。香りは嗅覚、酸味は味覚ですけど、おそらく言いたいことは伝わっていると信じていますw
でも、原材料名に「醸造酢」の文字はありません。おかしいな、これは確かに酸味系なんだけど‥発酵調味料? それから大量の粉末スープに埋もれていますが、担担麺で定番の青梗菜や肉具材も多めに入っていました。こと酸味が絶妙な担担麺に弱い私なので、背後を取られないように気を付けなければいけません。
製品情報・購入価格
製品名:桃花源 担担麺 製造者:日清食品 製造所:静岡工場(製造所固有記号[F]) 内容量:112g(めん80g) 発売日:2018年12月25日(火) JANコード:4902105248188 希望小売価格:198円(税別) 発売地域:全国(イオングループ限定) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:タテ型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、香辛料、たん白加水分解物)、スープ(豚脂、ごま、粉末しょうゆ、植物油脂、小麦粉、糖類、乳化油脂、ねりごま、でん粉、チキン調味料、香辛料、玉ねぎ、ピーナッツバター、発酵調味料、香味調味料、香味油、食塩)、かやく(チンゲン菜、味付肉そぼろ、ごま、味付豚ミンチ、赤ピーマン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸Ca、香料、増粘多糖類、かんすい、酸味料、セルロース、カロチノイド色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、(一部に小麦・卵・乳成分・落花生・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルギー表示】小麦・卵・乳成分・落花生・豚肉・鶏肉・大豆・ごま |
実食開始
調理方法には小袋を “温めてください” とも “温めないでください” とも書かれていませんが、お湯を入れてから待っている間の5分間、フタの上で温めたほうがいいかもしれません。ちなみに寒くなってくると頻繁に起きる現象なんですけど、今回は小袋が粘着剤をパッケージごと持って行ってくれたので、再接着することはありませんでした。見た目は悪いけど、かなりストレスフリー(笑)
別添の特製油は真っ赤で辛そうなオイルですが、直接舐めてみたところ花椒オイルでもなければ唐辛子の辛さもピリ辛程度。ごま油をミックスしたラー油系の成分だったので、別添の芝麻醤も入っていません。でも、やはり酸味を覚える香りが独特で、タテ型なのに風格があります。それに‥
見よ! このボリュームを! 青梗菜率が高めだけど、いやはや頼もしい。写真では綺麗に整えているのですが、しっかり混ぜても具材が行方不明になることはありませんし、青梗菜に関しては麺や肉具材を見せるために重ねているので、写真で見るよりも実質1.5倍以上。あ、粉末スープには粘性を高める成分が入っていたので、とろみが確認できるまで容器の底から念入りに混ぜてください。
それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(112g)当たり
カロリー:540kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:540kcal(めん・かやく:423kcal)(スープ:117kcal) |
めん
しなやかで真っ直ぐな平打ちのストレート麺で、すすり心地と喉越しがよく、ほぼほぼ縮れのない女性的な油揚げ麺です。ノンフライ麺とは違うんですけど、インスタント感の強い手軽なタテ型カップラーメンの油揚げ麺とは一線を画す存在で、加水率は低く、スパッと歯切れのいい食感が特徴的な低加水麺タイプ。
強いコシや粘り気のある弾力に期待していると物足りないかもしれませんが、しっかりレベルは高いですよ。ほぼ麺の表面は摩擦抵抗がなく、キメが均一に整っているような肌なんですけど、平打ちということでスープとの一体感は高く、イメージとしては中華麺というよりも和蕎麦に近い質感かもしれません。
もちろん蕎麦粉の香りはしませんし、かんすいが使われているので分類上れっきとした中華麺なんですけど、期間限定のカップ麺は特に有名店監修商品だと麺量70gも珍しくない昨今、タテ型カップの大盛り80gをキープしてくれているのも嬉しいですね。日清食品の「有名店シリーズ」御用達の麺なので、それを知っていると目新しいものではありませんが、さすがの高品質です。
スープ
四川料理の真髄! といえば麻辣*(マーラー)の刺激に期待してしまうのですが、花椒は香り付け、唐辛子の刺激も極端に苦手でなければ辛い食べ物が不得意な方でも安心して楽しめる辛さレベルだと思います。お菓子のカラムーチョくらい? カラムーチョも辛すぎて無理! だったら少し辛いかも‥
唐辛子の刺激はピリ辛、花椒(ホアジャオ)も香り付けのアクセントに過ぎなかったので、刺激的な部分については少し物足りなくも感じてしまったのですが、胡麻(ゴマ)は濃厚です。芝麻醤は粉末スープに仕込まれていて、どっしりと豚脂を中心にスープの重心は低く、確かな旨味から粘度の高さも不自然ではありません。
また、大量の粒ごま・すりごまがポイントで、麺を食べている時にもスープを飲んでいる時にも常に粒ごまのプチッとした芳ばしい食感と風味、すりごまのザラついた舌触りまで楽しめます。ピーナッツバターの隠し味が芝麻醤を押し上げ、玉ねぎの旨味が余韻に広がり、ほんのりとした出所不明の酸味が本格感を高めている、大量の胡麻と玄妙な酸味が特に見所ですね。
かやく
とにかくインパクトがあったのは大量の青梗菜(ちんげんさい)で、軸の分厚い部分が惜しげも無く入っており、独特の甘さも強く、ほんのり酸味の効いた濃厚ごま担担スープとベストマッチ。桃花源の担担麺は青梗菜ではなくほうれん草だったと思うんですけど、カップ麺としては実に満足感の高い具材です。
赤ピーマンはクコの実だと面白かったんですけど(税別230円くらいになりそうですが‥w)、おそらくスープの方向性から唐辛子は面接落ちしたのでしょう。お店の担担麺も辛くないとの評判・クチコミが多いですし、スープの項目で触れた大量の胡麻も具材の一部と言っても過言ではありません。(※実際に原材料名では「スープ」の項にも「かやく」の項にも「ごま」の文字があります)
メインの肉具材は写真の向かって左側にある濃い色の肉具材が味付肉そぼろ、その隣に配置している味付豚ミンチ(4個)がオマケ程度に入っているのですが、味付肉そぼろは濃いめの味付けで食べ応えがあり、味付豚ミンチは味付け控えめな謎肉(ダイスミンチ)みたいな具材で食感の違いが楽しめます。どちらもカップ麺的な具材ですけど、そこまで強烈にジャンクではないですよ。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
【高評価! クリーミーで繊細なのに濃厚】
お店の味と瓜二つではないように思いますが、けっこう雰囲気は近いのではないでしょうか。麺は日清食品らしいストレート平打ち油揚げ麺、スープは酸味のアクセントが記憶に残る濃厚ごまクリーミーな担担味、具材は赤ピーマンを除いて典型的な担担麺の初期設定なんですけど、さすが定期的に発売されるだけのことはある、文句なしの上出来ですよ。
数年前に発売されていた桃花源のカップ麺には縮れた油揚げ麺が使用されていたようですが、日清食品の「有名店シリーズ」で培われてきた低加水ストレート麺が採用されていますし、とにかく胡麻が濃厚なスープに酸味のアクセントが気になる方は試す価値のあるハイレベルなカップ麺です。
斉藤社長が薦める「特製ピリ辛雑炊」
温かいご飯または冷たいご飯を電子レンジで温め、残ったスープに入れて「雑炊風」にすると、最後までより美味しく召し上がっていただけます。
斉藤社長が薦めるカップ麺のアレンジレシピがフタの裏に書かれていたのですが、いわゆる「白飯どぼん」「追い飯(おいめし)」「禁断の味‥」などと呼ばれる美味しい食べ方ですね。記事を書いている間にスープが冷めてしまったので、別の容器に移して白ご飯を投入、ラップをかけて電子レンジで温めました。ええ、当たり前に美味しいですw
おそらく冷やご飯を入れてはダメな理由は、スープの豚脂が固まってしまうからでしょう。もし余裕があれば白ご飯、カップ麺のスープ、溶き卵を合わせてラップをしたら500Wの電子レンジで1分30秒ほど加熱、食べる直前に揉み海苔+ごま油が激ウマです。カップ麺を売っている店はコンビニのミニストップが手堅いので、よかったら〆のアレンジも試してみてください。