どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年5月13日(月)新発売、エースコックのカップ麺「THE裏ご当地 札幌黒醤油ラーメン」(271円+税)の実食レビューです。
通のみぞ知る裏ご当地ラーメンの味わいを再現!? みそラーメンの聖地として全国的な知名度を誇る “札幌の裏定番„ をカップラーメンとして商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
THE裏ご当地 札幌黒醤油ラーメン
THE裏ご当地(ザ・うらごとうち)とは、普遍的な人気を誇る「表」の有名ご当地ラーメンではなく、通のみぞ知る「裏」ご当地ラーメン(裏メニュー)に着目した新シリーズ‥‥いや、製造者のエースコックは新ブランドを積極的に立ち上げては自然消滅、立ち上げては自然消滅を繰り返しているメーカーなので、シリーズ化されるのかどうかについては現段階、断言できない状態なんですけれども——
今回の新商品「THE裏ご当地 札幌黒醤油ラーメン」は、通のみぞ知る “札幌の裏ご当地ラーメン„ をモデルした一杯で、札幌で有名なラーメンといえば圧倒的に味噌(表)のイメージが強いところ、こちらは たまり醤油や黒マー油を加えた漆黒のスープに、ガツンとニンニクを効かせた 黒醤油ラーメン(裏)の魅力を再現。元ネタは札幌ブラック(いそのかづお)かな?
エースコックの “ご当地„ ブランドといえば、2024年(令和6年)4月1日に「飲み干す一杯」のスピンオフとして独立した「ご当地の一杯」が台頭で、ほかにも通年販売商品として「うまさぎっしり新潟」シリーズや「勝浦タンタンメン」を展開。さらにスポット商品まで引き合いに出すと、表ご当地の再現については枚挙に遑(いとま)がありません。
また東北で愛されている「カレーヌードル」(同社の即席カップめん第1号で、業界初のカレー味)や「シュリンプヌードル」に、北海道でしか売ってない「大吉 焼豚しょうゆ」や「全国ラーメン店マップ 苫小牧編 味の大王 元祖カレーラーメン」など、販売エリアを限定した “ご当地のカップめん„ にも力を入れているのですが、裏ご当地にスポットを当ててきたのは初めての試み。
はたして前述のように一発屋で終わるのか、それとも「飲み干す一杯」ご当地シリーズあらため「ご当地の一杯」の変わり種みたいな立ち位置をイメージしたプロトタイプなのか、現時点では分かりませんけど、おそらくモデルと思われる「札幌ブラック」とは、北海道札幌市中央区で22時〜翌朝6時のみ営業しているラーメン店「いそのかづお」の看板商品。
ほかに「塩」や「白味噌」「辛味噌」も提供しているのですが、それらは “1日出るか、出ないか…人気の無いメニュー„ らしく、さらに “当店は「札幌ブラック」以外は全く人気がありません„ と明記するなど、いろいろツッコミどころも多いのですがw さておき「札幌ブラック」は たまり醤油を使用したコクのあるスープに、マー油でアクセントを加えた ことを特徴としています。
まさにエースコックが訴求している「THE裏ご当地 札幌黒醤油ラーメン」の特徴と一致する内容で、舞台も札幌。さては「いそのかづお」に監修のオファーを出してみたけど蹴られたか? などと、おもわず勘繰ってしまったのですが、まったく意識していないとは言い切れないでしょう。
ちなみにセブン-イレブンのレンジ麺やアイランド食品の箱入りラーメン、さらに藤原製麺の袋麺(乾麺)や生ラーメンなんかも監修している「いそのかづお」ですが、過去に即席カップめんを監修した記録は見当たらないため、お店の意向がコラボに至らなかった原因かもしれません。いや勝手な憶測ですよw
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「調味油」のみ‥‥ではありません。稀に例外もありますけど、エースコックの縦型カップでフタの上に小袋が別添されていた場合、もうひとつの小袋が容器の中に入っているパターンが恒例で、この商品も例に漏れず。
フタを開けると「液体スープ」の小袋が入っているので、こいつも事前に取り出します。たまり醤油とニンニクを訴求している商品なので、最終的な印象は大きく変わってくるかと思いますが、この時点でエースコックの揚げ油に由来する特有のニオイが強く、それが吉と出るか凶と出るか。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)なので、2024年5月現在の縦型ビッグ製品における事実上の標準ど真ん中。筆者はコンビニで購入しましたが、スーパーやドラッグストアなど、販売店を限定していないNB(ナショナルブランド)商品のカップラーメンです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:THE裏ご当地 札幌黒醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816−175) 内容量:94g(めん70g) 商品コード:4901071404390(JAN) |
発売日:2024年05月13日(月) 実食日:2024年05月18日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:271円(税別) 購入価格:292円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、食塩、植物油脂、豚脂、ポークエキス、香味油、ポーク調味料、でん粉、オニオンペースト、香味調味料、砂糖、ガーリックペースト、たん白加水分解物、胡椒、ガーリックパウダー、オニオン調味料、粉末しょうゆ、しょうゆ加工品、酵母エキス、ニボシパウダー、魚醤、ジンジャーパウダー)、かやく(焼豚、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(カンゾウ)、フラボノイド色素、微粒二酸化ケイ素、増粘多糖類、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
かやくは “程良く味付けした焼豚、メンマ、色調の良いねぎ„ の組み合わせで、いかにも縦型カップらしい構成というか、これといって特徴的な具材は入っていません。麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。その香りにつきましては、前述の通りです。
別添の小袋は後入れなので、それらを取ってから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「調味油」を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」と「調味油」を入れ “スープが溶け残らないように、カップの底から„ よくかき混ぜたら出来上がり。なるほど、黒い(語彙力)。
調理後も引き続きエースコック特有の油揚げ麺臭を伴いますが、それに負けじとニンニクも強く、醤油の輪郭もハッキリと。かなり個性的なファーストインプレッションだったので、引き続き味覚に訴えかけてくる個性にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:389kcal たん白質:8.1g 脂 質:14.9g 炭水化物:55.6g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:1.5g) (スープ:4.9g) ビタミンB1:0.53mg ビタミンB2:0.43mg カルシウム:274mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:389kcal(めん・かやく:312kcal)(スープ:77kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
目が飛び出るほど高品質なわけじゃないけれど‥‥
たとえば「渾身の逸品 特製中華そば」(2023年10月23日発売品)や「タテロング 飲み干す一杯 鶏とん濃厚味噌ラーメン 大盛り」(2024年1月22日発売品)に搭載されていた “多加水真空仕立て麺„ だと嬉しかったんですけど、パッケージやニュースリリースにも “多加水真空仕立て麺„ の訴求はなく、体感的にも然り。ただ、クオリティが低いわけではありません。
真空仕立て麺とは裏腹に、ふかふかとした気泡が多めに残っている、油揚げ麺らしいタイプの弾力ではあるけれど、もちもち感と粘りを大切にした作り。やや旧世代チックな印象が否めない質感だったので、新進気鋭の驚きだったり、エースコックのイノベーションが垣間見えたり、そういったサプライズこそなかったけれど、それだけにエモかったりして。
エースコックの揚げ油に由来する特有のニオイについては調理後も遠慮なく、常に並行してくるような状態ですが、後述するスープとの相性は悪くありません。また有名店監修の期待値というかバイアスがなかったことも功を奏し、いい意味でカップラーメンらしいと思える取り合わせでした。
スープ
札幌のイメージを覆す味わい
まずは別添の小袋を入れる前の味を確認してみたところ、生おろしニンニクとは異なる攻撃性になりますが、この時点でガーリックパウダーの主張が強く、たとえばパッケージを確認せずに試食していたら「ふむふむ、なるほど。これは二郎インスパイア系の商品ですな?」などと得意げにジャッジしちゃいそうな下地。
続けて「液体スープ」を投入したところ、全体の色が見るからに黒く変貌するのですが、まだマー油(焦がしニンニク油)のアクセントは感じません。しかし、たまり醤油の存在感は凄まじく、フレッシュで輪郭が整ったキレのある風味も然る事乍ら、後味をキュッと引き締めてくれる酸味が大幅に臨場感を底上げ。
オニオンペーストとガーリックペーストのコンボで香味野菜の存在感もグッと増し、前述の臨場感をブーストさせる魚醤の使い方もワザありで、ふわっと煮干しが涼しい顔で泳いでいる、いやはや縦型ビッグの製品とは思えないほど本格的でビックリ。
ぶっちゃけ「液体スープ」だけの状態でも★5即決だったんですけど、ここに強烈な個性を付け加えてくれるのが「調味油」という名のマー油で、豚脂のコクとホロ苦い芳ばしさで独創的な味わいに。とんこつラーメンにマー油の組み合わせは鉄板ですが、たまり醤油の存在を強く感じるスープにマー油のトッピングは珍しく、しかしながら喧嘩する素振りは見せないマッチングの高さにも驚きました。
かやく
ここだけ引っこ抜くと「来来亭」
正方形にカットされているチップ状の焼豚は、燻製感のないベーコンみたいな肉具材で、ちょっと歯応えが強いハムみたいな。これといって高級感のあるアイテムではないけれど、例のスポンジみたいな肉そぼろとは雲泥の差で好印象。メンマも歯触りが強く、ほどよい風味が前述の黒醤油スープにマッチ。
ネギは熱風乾燥ならではの食感で、ジャキジャキとした繊維質が常に主張してくるのですが、それも含めて悪くありません。ちなみに既存の定番商品を例に挙げると、ファミマルの「来来亭 背脂しょうゆラーメン」と同じなので、使い回しの構成になりますが、それを踏まえてもネガティブではなかったです(いそのかづおインスパイアで「キクラゲ」を入れたほうがインパクトあったかな、とは思いましたけど)。
総評
やはりモデルは高確率で「いそのかづお」の代名詞といっても過言ではない「札幌ブラック」だと思いますけど、それはさておき “たまり醤油„ の存在感は凄まじく、そこに “マー油„ の組み合わせは「札幌の裏定番」を語るに相応しい仕上がりで、しっかりと記憶に残る個性的な一杯。
札幌なのに味噌じゃないの!? という意外性から、それが漠然としたイメージだとしても “通のみぞ知る、札幌の裏定番„ があるんだなと思えたことも高評価に繋がったポイント。まだ「THE裏ご当地」のシリーズ展開を検討している段階なのであれば、ぜひとも続けていただきたいです。【author・taka :a(大石敬之)】