近年話題の “町中華” に着目【THE町中華】シリーズ第1弾は東京・谷中の老舗「一寸亭」のモヤシソバを再現!!

スポンサーリンク
サンヨー食品

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2021年2月22日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「THE町中華 一寸亭監修 もやしそば」の実食レビューです。

サッポロ一番で知られるサンヨー食品が近年話題の「町中華」をシリーズ化!! その記念すべき第1弾を監修した東京・谷中の老舗「一寸亭」とは——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

スポンサーリンク

THE町中華 一寸亭 もやしそば

THE 町中華(ザ・まちちゅうか)とは、昭和の懐かしい雰囲気を色濃く残している、中華料理が中心の大衆食堂=町中華に着目したシリーズで、古きよき老舗の中華料理店とタイアップ。たとえばラーメンやチャーハンを筆頭に、カレーライス、カツ丼、さらにはオムライスまで、様々なジャンルの料理を節操なく提供している印象が強い「町中華」ですが、いずれも “懐かしい雰囲気” と “安くて腹いっぱい” が共通の魅力。

話題の町中華に着目した新ブランド「THE町中華」

今回のカップ麺「THE町中華 一寸亭監修 もやしそば」は、1953年(昭和28年)11月に設立された即席めん業界の大手「サンヨー食品株式会社」と東京都台東区谷中3丁目に店を構える老舗「一寸亭」の共同開発商品で、お店の看板メニューである「モヤシソバ」の味わいを再現。サンヨー食品の子会社・エースコックも「THE中華」という自社ブランドを展開していますが、それと今回の「THE町中華」は関係ありません。

一寸亭とは、谷中銀座商店街にある老舗の中華料理店で、お店の名前は “いっすんてい” ではなく「ちょっとてい」が正しい読み方。その屋号が表しているように、ちょっと立ち寄ってもらえれば‥‥という創業者・大塚貞夫(おおつか さだお)氏の謙虚な姿勢から、1973年(昭和48年)カウンターわずか7席の店として「中国料理 一寸亭」をオープン。

初代店主が25歳の頃に開業した「中国料理 一寸亭」は、1988年(昭和63年)ひとつ路地を挟んで斜め向かいの現店舗に移転。女優・松嶋菜々子さんの出世作として知られるNHKの連続テレビ小説『ひまわり』(放送:1996年4月1日〜10月5日)の舞台にもなった有名店で、現在は創業者の息子・大塚真也氏が二代目店主として厨房に立ち、その腕を振るっています。

東京・谷中 昭和48年創業「一寸亭」概要

たとえば「町中華」でも定番の棒棒鶏(バンバンジー)や中華くらげ、焼餃子、水餃子、肉野菜炒め、ニラレバ炒め、麻婆豆腐、焼豚、トンカツ、カニ玉、酢豚、肉団子、エビのチリソースといった単菜・一品料理(合計31種類)のほか、ラーメン、ワンタンメン、ソース焼ソバ、上海焼ソバ、チャンポン、ウマニソバ、五目硬焼ソバ、五目ソバ、麻婆メン、特製辛いソバ、担々麺などの麺類だけで30種類以上。

加えてマニアからも高い評価を得ているチャーハンに、中華丼、天津丼、親子丼、カツ丼、焼肉丼、チキンライス、オムライス、カレーライスなどの御飯類が20種類、それと合わせる豚汁やワカメスープ、辛いスープ、玉子スープなどのスープ類が8種類、さらに中華腸詰やピータンといった珍味まで、常時100種類以上のメニューを用意しているのですが、その中でも麺類を頼む客の7割が注文する「モヤシソバ」に着目したサンヨー食品。

「一寸亭」で人気の名物「モヤシソバ」は、基本となる中華そば(しょうゆラーメン)の上に、たっぷりの餡(あん)をかけた逸品で、主役のモヤシは食感と見た目を考慮した「モヤシソバ」専用のモヤシを使用。具材はモヤシ、豚こま肉とシンプルな内容ですが、それぞれ高火力の中華鍋で炒めたあと、手早く餡掛けにして提供されるため、シャッキシャキのモヤシと最後までアツアツのスープに定評があります。

パッケージの写真はカップ麺の調理後イメージ

ときにエスビー食品株式会社(S&B)も「町中華シリーズ」を展開しており、その中にも「一寸亭」が監修した「町中華 チャーハンの素」という商品が存在するのですが、おそらく「一寸亭」監修のカップラーメンは今回が初めて。ただし、有名店が監修したサンヨー食品の縦型ビッグ製品は “麺の仕上がりに難あり” のパターンが多いので、そこが評価のターニングポイントになるかもしれません。

開封

別添の小袋は1種類

今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。ちょうど開封口にも “カップの底までよく混ぜてお召し上がりください” と書かれているように、とろみ成分が含まれているようなので、しっかり念入りに混ぜるのが作り方のポイント(※これ、かなり重要)

そこそこモヤシは多め

具材は主役のモヤシを筆頭に、お店の「モヤシソバ」に入っている豚肉は不使用で、代わりに味付鶏肉そぼろと青葱をトッピング。つまり、味付鶏肉そぼろと青葱はカップ麺のオリジナルになりますが、そこそこモヤシの量は多めに入っていたので、ひとまず開封直後の雰囲気は悪くありません。

メーカー希望小売価格は220円(税別)で、販売店は全国のスーパーやドラッグストアなども対象となっているようですが、新商品に強いコンビニで購入した場合、2021年2月現在の税込価格は232円が標準売価。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」と「ファミリーマート」での取り扱いを確認したので、販売店の際になさってください。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:THE町中華 一寸亭監修 もやしそば
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:W・太平食品工業株式会社 関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)
内容量:92g(めん70g)
商品コード:4901734041870(JAN)
商品サイズ:φ112×118(mm)
発売日:2021年02月22日(月)
実食日:2021年02月24日(水)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:430ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(食塩、しょうゆ、植物油脂、糖類、チキンエキス、豚脂、ポークエキス、香辛料、香味油、発酵調味料、酵母エキス)、かやく(もやし、味付鶏肉そぼろ、ねぎ)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、トレハロース、かんすい、レシチン、酸味料、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

麺は油揚げ麺を採用

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。けっこう油揚げ麺特有のニオイは強く、強めの縮れが施されているため、あまり洗練されたファーストインプレッションではありません。おそらく新規に開発した麺ではない、ほかの商品にも使い回しているような印象を受けますが、町中華を象徴するイメージに “古きよき” がありますので、汎用の油揚げ麺がプラスに作用する可能性も——。

けっこう “それっぽい” 雰囲気

などと考えながら、熱湯を注いで3分後。最初はスープの粘度が低く、想像以上にサラッとしていたので、大丈夫か‥‥? と、引き続き混ぜること40秒くらい、やっとこさスープの粘度が高くなってきたことを実感。とりあえず粉末スープを完全に溶かすために、最短でも1分くらいは根気よく混ぜ続けるたほうが安全かもしれません、

なお販売者はサンヨー食品株式会社なのに、製造所は奈良県大和郡にある太平食品工業株式会社の関西工場となっているのですが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き町中華らしい安心感と臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(92g)あたり
カロリー:411kcal
たん白質:7.8g
脂  質:17.2g
炭水化物:56.2g
食塩相当量:6.6g
(めん・かやく:2.2g)
   (スープ:4.4g)
ビタミンB1:0.34mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:222mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:411kcal(めん・かやく:330kcal)(スープ:81kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

最初はカタめ、後半はヤワめ

4.0

実店舗の「モヤシソバ」に使われている麺は、東京都台東区元浅草の製麺所「浅草開化楼(あさくさかいかろう)」から取り寄せている中太麺で、モヤシを炒めてから麺が茹で上がると同時に餡が仕上がるよう緻密に計算。餡掛けの雰囲気に合うように、やや柔らかめの茹で加減で、シャキシャキとしたモヤシの食感を引き立てるフレームワーク。

スープとの相性はよい

それを再現した今回の油揚げ麺は、念のため1分以上まぜ続けた後も若干の芯を残す硬めの歯応えで、しかしながら後半は軽めの食感。加水率も低めに設定されている分、粘りのある弾力よりも歯切れの良さが魅力となっているのですが、それだけにモヤシのシャキシャキとした食感が目立つのは実際の「モヤシソバ」と共通のポイント。

その軽い食感もさることながら、芳醇な小麦の香りよりも油揚げ麺特有の芳ばしさを手前に感じるため、必然的にインスタント感も強めになりますが、スープとの相性は悪くありません。むしろ油揚げ麺の風味と後述する素朴な味わいのスープは相性がよく、とろみのあるスープが絡みやすい平打ち麺という形状も含め、いい取り合わせだと感じました。サンヨー食品の油揚げ麺って、基本的に餡掛け風のスープと相性がいいのかもしれない。

スープ

漠然と懐かしい味わい

5.0

粉末スープはポークとチキンの旨みを軸に、醤油の風味は袋麺「サッポロ一番 しょうゆ味」に通じるテイスト。それが実店舗の「モヤシソバ」を象徴するポイントではないのですが、どこか漠然と懐かしい “町中華” の雰囲気を演出する上で効果的。とろみは全体に回るので、中華そば+餡掛けの組み合わせとは異なりますが、生姜やニンニク、玉ねぎなどの香味野菜に、化学調味料の効かせ方は、なるほど “それっぽい” イメージ。

炒め野菜の風味に注目

そこに加わる「仕上げの小袋」がキーマンで、ほんのり芳ばしい胡麻油の香りもさることながら、もやしを中心とする炒め野菜の風味が実に効果的。これについては具材の乾燥もやしで打ち出せない項目で、全体の臨場感を底上げしてくれます。職業柄「サッポロ一番 しょうゆ味」のイメージに引っ張られてしまったのですが、とろみと炒め野菜の風味によって、漠然と下町の大衆中華を彷彿とさせるような味に仕上がっていると感じました。

具材

鶏肉そぼろも侮れない

4.0

実際の「モヤシソバ」に使われているモヤシは、富士食品工業(JTグループ)が誇る衛生管理を徹底した世界最大級のもやし工場「日光工場」で生産されたブランドもやし “分福もやし” のみ使っているのが特徴で、サイズは極太。対するカップ麺のモヤシは汎用の乾燥具材となっているため、たとえば東洋水産のバリシャキもやし(レトルト調理品)のような魅力はないけれど、きちんとシャキシャキした食感が楽しめます。

スパイシーでウマい

また実食前は “味付鶏肉そぼろかぁ‥‥” などと思っていたのですが、生姜と胡椒(ブラックペッパー、ホワイトペッパー)が強めのスパイシーな味付けで、なかなかどうして侮れない。そこまで量は多くないけれど、サイズのわりに存在感は強く、ふと口に飛び込んできたときの効果は抜群。もやしも風味が強めだったので、思いのほか不満を感じることはありませんでした。

総評

4.5

よくも悪くも麺と具材はサンヨー食品らしく、それについては妥協しなければいけないポイントになりますが、仕上げの小袋から漂う炒め野菜の風味は効果的。また油揚げ麺の方向性しかり、スープの素朴な味わいは「町中華」の雰囲気に通じるところがありました。

あわよくばノンフライ麺を使用した大判どんぶり型で再現してほしいところはあるものの、新ブランド「THE町中華」の着眼点には需要を感じたので、ポテンシャルは高いのではないかと。ただ、引き続き麺の仕様と具材のボリュームが明暗を分けそうなので、たとえば同社の「和ラー」に匹敵する油揚げ麺の開発など、そういったところが今後の課題になりそうです(author・taka :a)

タイトルとURLをコピーしました