どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月4日(月)新発売、ヤマダイのカップ麺「手緒里うどん けんちんうどん」の実食レビューです。
ライバルは凄麺の逸品!? 磨き上げた手緒里の技法と国産小麦100%で作りあげた “ノンフライうどん” で乾麺のブランドをカップめん化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
手緒里うどん けんちんうどん
ヤマダイとは、茨城県結城郡に本社を置き、即席カップめん(ニュータッチ、凄麺、ヴィーガンヌードル、手緒里庵、Soup de Pasta)及び乾めん(手緒里めん)の製造・販売を生業としている食品メーカーで、1948年(昭和23年)10月に創業した大久保製麺の後身。1972年(昭和47年)8月からスナックめんの製造に着手しており、実は “世界で2番目にカップ焼きそばを製造した企業” でもあります。
今回の新商品「手緒里(ており)うどん けんちんうどん」は、フリーズドライ(FD、真空凍結乾燥法)で加工した、即席カップめん業界では珍しい茨城県産のレンコンを筆頭に、6種の具材が入っているカップうどんで、ヤマダイが磨き上げた手緒里の技法を駆使し、国産小麦100%で作りあげた “ノンフライめん” を搭載しているのですが、同社を代表する「凄麺(すごめん)」ブランドの新作ではりません。
手緒里うどんとは、1980年(昭和55年)3月1日の発売以来、ヤマダイ独自の多加水製法と長時間熟成乾燥によって作られている乾めんで、2023年9月現在は「手緒里うどん」「手緒里ひやむぎ(夏季限定)」「手緒里そうめん」「手緒里紫峰そば」計4品を「手緒里めんシリーズ」とし、北関東エリアを中心に販売されています。
このページでレビューする「手緒里うどん けんちんうどん」は、発売43年以上の歴史を誇る “手緒里うどんの美味しさを再現したノンフライうどん” をコンセプトに掲げており、ヤマダイのノンフライめんブランドといえば前述の「凄麺」が代表的ですが、同社の公式ウェブサイトを見ると「手緒里うどん けんちんうどん」は「手緒里めんシリーズ」のブランドサイトに掲載されている、というのが興味深い点。
ヤマダイが製造する “ノンフライうどん” といえば、ちょうど1年前の同時期となる、2022年9月12日に “10年以上の開発期間を費やして完成させた” カップうどん「凄麺 肉汁うどんの逸品」を発売しており、その続編となる「凄麺 旨だしうどんの逸品」を「手緒里うどん けんちんうどん」の発売と同時にリリースしているのですが、大きく異なるのは販売エリアの違い。
凄麺の逸品シリーズにカテゴライズされている「旨だしうどんの逸品」の販売店は “全国のスーパーマーケット、ドラックストア等” となっているのに対し、手緒里めんシリーズの「手緒里うどん けんちんうどん」は “関東エリアのスーパーマーケット、ドラックストア等で期間限定品として新発売” となっているため、後者の取扱店は全国区ではありません。ただ‥‥
私、兵庫県の片田舎に住んでいるのですが、ふつうに買えちゃったんですよね。そういえば、東日本エリア限定のカップラーメン「ニュータッチ 吉山商店 焙煎ごまみそらーめん」(2023年9月18日に “コラボ第4弾” 新発売)も行動圏内のウエルシアが積極的に入荷する傾向があるので、営業が贔屓にしているとか、問屋さんに熱狂的なファンがいるとか、なにか見えないチカラが働いているのかも——。
ちなみに余談なんですけど、今回のパッケージにも表示されている、手緒里めんシリーズ恒例の「ゆうきつむぎの郷」について。ヤマダイの本社所在地でもある茨城県結城郡では、日本が誇る伝統的工芸品であり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている絹織物「結城紬(ゆうきつむぎ)」が名産として有名なので、それに由来しているのでしょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「液体スープ」の計3袋で、かやくに茨城県産のレンコンを使用。ちなみにパッケージで訴求されている “茨城をたべよう” とは、茨城のおいしい食材の魅力を広めるための合言葉で、この商品にも専用のロゴマークを印刷し、地元食材の使用をアピールしています。茨城県ってレンコンの生産量日本一なんですね、知らなかった。
めんは国産小麦を100%使用した、コシとつるみのあるノンフライうどんで、調理前の見た目は昨年の「凄麺 肉汁うどんの逸品」と似ています。ただ、同日発売の「凄麺 旨だしうどんの逸品」に関するニュースリリースには “昨年初めて発売し、お客さまに大好評をいただいた凄麺のノンフライうどんを、食感・ボリュームともに改良しました。” との記載があるため、まったく同じ仕様ではない様子。
先に「凄麺」ブランドではないと記述しましたが、メーカー希望小売価格は255円(税別)なので、2023年9月現在の「凄麺 逸品シリーズ」や「同 ご当地シリーズ」における各商品と同じ値段。ニュースリリースには “関東エリアのスーパーマーケット、ドラックストア等で-・” との記載があることから、関東エリアでもコンビニには売ってないかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:手緒里うどん けんちんうどん 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:116g(めん65g) 商品コード:4903088016733(JAN) |
発売日:2023年09月04日(月) 実食日:2023年09月10日(日) 発売地域:関東 取得店舗:スーパー(※兵庫県) 小売価格:255円(税別) 購入価格:235円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、糖類、食塩、動物油脂、鰹節エキス、野菜エキス、昆布エキス、ポークエキス、たん白加水分解物、植物油脂、シイタケエキス、シイタケ粉末、香辛料、酵母エキス)(国内製造)、かやく(サトイモ、味付油揚げ、ねぎ、豆腐、ニンジン、レンコン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、乳化剤、カラメル色素、香料、増粘剤(キサンタン)、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・ごま・大豆・豚肉を含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。 |
実食開始
2種の「かやく」は両方とも先入れで、片方には味付油揚げ・ねぎ・豆腐・ニンジンを、もう片方にはサトイモ・レンコンを充填。ちなみに昨年12月5日にも「手緒里うどんカップ けんちんうどん」を関東エリア限定で発売しているため、今回は “二代目” に該当するのですが、茨城県産のレンコンを搭載するために、前回発売品には使っていたゴボウと入れ替えた様子。
添付調味料は後入れなので、かやく2種をあけてから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。たっぷりの具材も然る事乍ら、ふんわり漂ってくる根菜の香りが “けんちん” らしさをブーストしてくる、期待値が高いファーストインプレッション。
ヤマダイのノンフライうどんには絶対的な信頼を置いている筆者なんですけれども、凄麺のニュースリリースを見る限り、手緒里うどんカップの仕様も変わった可能性が高いため、そういった部分にも注目しつつ「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(116g)あたり |
カロリー:327kcal たん白質:9.0g 脂 質:3.4g 炭水化物:65.2g 食塩相当量:7.3g (めん・かやく:1.3g) (スープ:6.0g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
またレベルあがった!?
現時点、2023年9月発売の「凄麺 旨だしうどんの逸品」はレビューしていないため、それとの比較はできないのですが、昨年の「凄麺 肉汁うどんの逸品」を思い返してみると、比較的に “透明度が増している” イメージ。それと同時に “ふっくら感も増している” ような、劇的な変化ではないけれど、ある程度の違いを感じます。ただ、あいかわらずリアルすぎて、完成度の高さは引くレベル‥‥w
表面は “ふっくら” とした口当たりのファーストインプレッションから入り、それでいて内部の密度は高く、とんでもないコシの強さ。豊かに香る小麦感もナチュラルで、もちろん揚げ油に由来する特有のニオイも気になりません。しかも、その食感と風味のベクトルは、お湯を注いで待っただけとは思えない、もはや鍋で茹で上げた「乾めん」に匹敵する次元。この技術力、もはや怖い——。
逆に “いつまで経っても不自然なほど伸びない” ので、そこがノンフライであることを裏付ける要因にもなっているのですが、これだけ頑丈なのに熱湯5分ぴったりでストレスなくほぐれるのも高く評価すべきポイント。ノンフライめんに発生しがちな戻りムラも皆無に等しく、あらためて舌を巻きました。正直、こんな代物を255円(税別)の商品に搭載されてしまったら、諸々の基準が狂いますw
つゆ
そつなくキメてます
ベースになっているのは関東風の味付けで、濃口しょうゆのコクを粋に効かせているのですが、同時に糖類の甘さも適度に強く、しょうゆの攻撃性を適度にヤスリがけ。出汁(だし)は濃いめに取った鰹節の旨み(イノシン酸)を中心に、昆布(グルタミン酸)を上品に泳がせ、さらに椎茸(グアニル酸)で “うま味の相乗効果” を図っている、それらのバランスは繊細でありながら、骨格は太めの作り。
具材としてのゴボウは入っていませんが、それっぽい風味が楽しめるところも面白く、根菜を炒めたような風味とゴマ油の芳ばしさが「けんちん汁」の雰囲気を底上げ。さらに豚肉の旨みも重ねることで全体の厚みを増しながら、ほんのすこしピリッとくる赤唐辛子の絶妙なアクセントも効果的。うどんに寄せてデフォルメしてはいるものの、それっぽい臨場感は充分に伝わってきました。
かやく
蓮根が個性的(ある意味、里芋も)
そこそこ大きめのサトイモは、ホクホクでもないし、ネットリでもないし、なんというか不思議な食感だったんですけどw 茨城県産のレンコンはガチめのシャリッと感がリアル。刻み揚げの食感と風味もナチュラルで、豆腐も雰囲気の底上げに寄与。ニンジンのサイズは小さめですが、意識すると根菜ならではの甘みと若干の苦味が大人っぽくてイイですね。
さらに、レンコンの個性的な存在感も然る事乍ら、大きめにカットされたネギは甘みが強く、レンコンに負けず劣らずの勢いで印象に残りました。ゴボウの撤退は大きな痛手に思えますけど、それについてはスープの仕込みでフォローできていたし、めんとスープの完成度を加味すれば、充分すぎる内容といえるでしょう。
総評
このブログでは初めて取り上げた「手緒里うどん けんちんうどん」ですが、二代目に該当する2023年9月発売品。けんちん汁といえばのゴボウは省かれてしまったけれど、それについては液体スープでカバーしつつ、新たに採用された茨城県産のレンコンは個性的で、例のノンフライうどんは別に反則じゃないけど反則なんじゃないですかねw
公式が発表している販売ルートは “関東エリア限定” なので、それ以外の地域では売ってない確率のほうが高いと思いますが、販売期間内であればヤマダイの公式通販サイトでも購入は可能。またエリア限定商品なだけに “お土産” としての需要も高いので、見かけた際は積極的に試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】