どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月19日(木)販売開始の冷凍麺、宅麺.com「麺処 晴 濃厚そば」の実食レビューです。
濃厚! 強烈!! 濃密!!! “セメント系” のカリスマ的存在「麺処 晴」の貴重な限定メニューが宅麺.comに登場!
お店や味の特徴を詳しく解説、実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コストパフォーマンスも含めた上で総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺処 晴 濃厚そば
「麺処 晴(めんどころ はる)」とは、東京都台東区下谷に本店を構える人気店で、創業は2012年7月7日。中でも尋常ないほど大量の煮干しを炊き出した数量限定メニュー「濃厚そば」は、その見た目と濃厚なテイストから “セメント系” と称され、煮干しが持つ苦味やエグみまでも遠慮なく打ち出している、都内屈指の一杯なのだとか——
今回の一杯は、そんな「麺処 晴」の貴重な数量限定メニューを “そのまま冷凍した” 商品で、ネット通販サイト「宅麺.com」から取り寄せたもの。冷凍した商品を解凍して食べるかたちになるのですが、実際に店舗でも提供しているスープや麺、具材などをストレートに冷凍しているため、いわゆる再現モノの冷凍食品とは違う “本物” が自宅で食べられる画期的なシステム。
話を戻しまして——「麺処 晴」が提供している「濃厚そば」の特徴は、とにかくスープの煮干しが強烈にニボいこと。常識を覆すほど大量の煮干しを使っているらしく、上質な苦味と煮干し特有の癖が食欲を刺激してくると同時に動物系の出汁(だし)も重心が低いため、けっして一辺倒のスープではないと多くのマニアを唸らせるほどの評判。
その「濃厚そば」に使用される煮干しは、鯵(あじ)や背黒(せぐろイワシ)、白口(白い煮干)、平子(マイワシ)、稀に烏賊(いか)などを日替わりで使い分けているらしく、毎朝どんな煮干しを使っているのか店主がTwitterの公式アカウントで告知。なお、食べログの備考欄には “烏賊は上級者向けなので、初訪問時等は要注意” といった注意書きもありました。
「麺処 晴」の店主・大城弘樹は、千葉県鎌ヶ谷市馬込沢にある「つけ麺 目黒屋」の出身で、2017年・2018年・2019年と3年連続で「食べログ百名店」に選出された実力の持ち主。さらに2020年1月10日現在の食べログ評価は★3.90(口コミ件数551)、さらにラーメンデータベースでも97.184ポイント(レビュー件数802)と軒並み高評価。
手元の「濃厚そば」に使われている煮干しの種類について、宅麺.comに掲載されている製品情報にも付属の紙面(説明書)にも書かれていないのですが、とりあえず原材料名に烏賊の文字はありません。店主のTwitterと販売開始日から察するに、おそらく「鯵背黒白」「鯵背黒2種白」「鯵背黒白2種」「鯵背黒2種白2種」いずれかのパターンが予想されます。
ちなみに「麺処 晴 濃厚そば」(ID:1243)は、2019年末から2020年始にかけて発表された「年末年始のラーメン祭 2019-2020」第1弾の商品で、同日に発売された「G麺7 年越しそばもどき」はレビュー済み。他にも「拉麺 大公」「らぁ麺屋 飯田商店」「亀戸煮干中華蕎麦つきひ」と豪華な顔触れなのですが、いずれも “数量限定・期間限定” とのこと。
中でも「麺処 晴」は購入倍率のハードルが高く、宅麺.comの在庫あり商品が更新される時間を狙ってリロードを繰り返し、よっしゃ購入ボタンが出た! と思いきや1食あたりの注文数は1人2個までの数量限定で、なおかつ再入荷4分後には入荷待ち‥‥w レビュー後にリンクを貼っておきますが、ブックマークして後日15時55分くらいに再チェックするといいかもしれません(小声)。
開封
さて、内容物は「麺」「具入りスープ」「バラ海苔」と作り方などが記載されている説明書が1枚。お店の低温調理チャーシューは都内でも屈指のレベルと評判で、それが具入りスープの中に入っていたとしても、このスープは15分も湯煎して温めなければいけません。つまり調理後は変哲のない煮豚になっているかもしれないw というのが宅麺の弱点なのと——
宅麺では基本送料900円プラス注文数ごとの送料120円(梱包手数料?)が加算されるシステムとなっているため、今回の場合は本体価格1,100円+88円(外税8%)+配送料1,020円+102円(外税10%)で合計金額は税込2,310円と安くありません。※なお、沖縄は基本送料+1,000円、北海道は基本送料+500円が必要になります。
とはいえ近所の方とシェアして送料を分散、もしくは複数個買えば許容できない送料ではないですし、移動にかかる時間や行列に並ぶ必要もない=貴重な時間が買えると思えば悪くありません。それに、そもそも本店まで気軽に行けない距離に住んでいても本物が食べられる、というのが最大のメリットですね。
ちなみに販売者は宅麺.comですが、説明書にある製造者の欄には店主・大城弘樹氏の名前が記載され、その下にある住所「東京都台東区下谷1-11-7 リベール入谷 1F」は「麺処 晴」本店の所在地です。つまり、紛れもなく本店で製造されたもの。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺処 晴 濃厚そば(ID:1243) 製造者:大城弘樹 製造所:東京都台東区下谷1-11-7 リベール入谷 1F 内容量:395g(めん140g) 商品コード:4589695883519(JAN) |
発売日:2019年12月19日(木) 実食日:2020年01月10日(金) 発売地域:ネット通販サイト限定 取得店舗:宅麺.com 購入価格:2,310円(税込) 本体価格:1,100円(税別) |
麺の種類:冷凍麺 賞味期限:発送から40日後 保存方法:要冷凍 -15℃以下 調理時間:麺1分10秒〜2分30秒 / スープ湯煎15分 小袋構成:3袋(麺・具入りスープ・バラ海苔) 推奨具材:玉ねぎ粗みじん・青ネギ・ライス(追い飯) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】麺(小麦 食塩 かん水) 具入りスープ(チャーシュー、鶏ガラ、もみじ、煮干し、醤油、ラード、玉ねぎ、背脂、鶏油)具材(バラのり)(原材料の一部に小麦、豚肉、大豆を含む) |
実食開始
必要な道具は大きめの鍋2つ(麺用・スープ用)とザル、どんぶり、ハサミとなっていて、意外とハサミが重要なアイテム(温め終わったスープを開封する際に必須)。ちなみに麺の茹で時間は1分10秒〜2分30秒と短めの設定なんですけど、さすがに冷凍から1分10秒は厳しいような‥‥(ちなみに店主曰く “長めに茹でてもおいしく食べられます” とのこと)
なお、説明書にはオススメトッピングとして、玉ねぎ(粗みじん切り)、青ネギ、追い飯用のライスと記載されていたのですが、それらは同梱されていないため自分で用意する必要があります。特に “玉ねぎの粗みじんは必須” とのことなので、スープを湯煎している間に刻んでおき、温めたスープと茹でた麺を丼に移したら、付属のバラ海苔やオススメの具材をトッピングして出来上がり!
麺を茹でる時は可能な限り大きな鍋と大量の熱湯を用意すること、それから事前に丼も温めておくのもポイントです。さて、ほんとにスープがセメント色w ちなみにバラ海苔が多かったので、半分だけトッピングしました。それでは引き続き実際の煮干レベルに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。なお、今回の商品にカロリー等の記載はありません。 |
めん
パツンッというよりもザクッ!
実店舗の麺は、埼玉県新座市にある「村上朝日製麺所」(昭和45年1月創業・平成元年9月設立)の低加水ストレート麺を使用しているらしく、つまりは “この麺” も本店と同じ村上朝日製麺所の低加水麺ということ。ややド煮干し系のラーメンにしては太めに切り出されているように感じたのですが、スープの濃度を思えば納得のサイズです。
茹でる前は比較的に平打ちでしたが、茹で終わった後は正方形に近い角断面の形状で、なるほど低めの加水率。しかしながらパツンッ‥‥と切れるのではなくザクッ! とした力強い食感で、粘り気よりも歯切れの良さが際立っているのですが、同時に “低加水麺=伸びやすい” という常識を覆すような耐久力の高さも魅力的なポイント。
とんこつラーメンに合わせる丸刃の細ストレート麺でも面白そうだな‥‥とも思ったのですが、このサイズでも小麦の風味が煮干しの裏に回っていたので、それこそ極細低加水麺を合わせようものならバランスが崩壊していたかもしれません。ちなみに茹で時間は1分20秒で切り上げてみたところ、ぜんぜん問題なかったです(※ただし片手鍋だと再沸騰+20秒くらいがオススメ)。
スープ
痛風注意の煮干し感
さすがセメント系と呼ばれるだけのことはあって、その色合いも然る事乍ら味わいも強烈。思っていたよりも苦味は控えめだったんですけど、ファーストタッチで舌がキュッ‥‥となるくらい、想像していた以上に遠慮なくエグみを打ち出していて、あえて内臓も頭も取らずに丸ごと寸胴へ放り込んだような、ぶっちゃけ後味が生臭いほどニボい味。
動物系の土台は豚骨をベースにしているのかと思いきや、意外にも鶏ガラとモミジ(鶏の足)を軸にラードや豚の背脂で厚みを強化するスタイルのフレームワークとなっていて、動物系についてはスッキリとした印象を受けるほど。つまり獣臭をはじめ煮干しをマスキングする要素がなく、煮干しが白目をむいて襲い掛かってくるような荒々しさ。
そして説明書でも追い飯(残ったタレやスープに白ご飯を入れること)を推奨していたので、麺を食べ終えた後のスープに入れてみたところ、ヤバい‥‥さらに際立つアグレッシブな煮干しのインパクトたるや。温かい白ご飯を入れることでニボい味が復活するだけでなく、米の甘みと熱に炙り出された煮干しの癖やエグみがブーストしてビックリ。
一般的なラーメンと比較して、だいぶスープが少ないと感じたんですけど、まさに量より質というか、実際にゴクゴクと飲めるようなタイプでもなかったですし、ちょうど〆(しめ)に追い飯してベストな量でした。健康の観点から見ても、これだけでニボシの摂取量は1日の許容範囲を確実にオーバーするでしょうからね‥‥w
具材
玉ねぎも必須!
具入りスープに入っていたチャーシューの部位は豚バラ肉で、厚みは1cm〜7mm前後。15分しっかり湯煎してもパサついた食感は皆無に等しく、しかしながら適度に赤身特有の繊維質を残し、脂身の部分も弾力があります。さすがにレアチャーシューではありませんでしたが、もしかするとチャーシューだけ宅麺(冷凍)用に調整しているのかもしれません。
さらに多めのバラ海苔をスープに沈めてみると、磯の香りによる相乗効果の為せる業か、より一層に煮干しの癖が強くなり、こういう使い方もあるのかと勉強になりました。それ以外のトッピングは自分で用意しなければいけないのですが、とりあえず必須とされている玉ねぎはホントに必須。
前評判で煮干しが強いことはわかっていたので、わざと刻んだばかりの辛味が強い玉ねぎをトッピングしたのに‥‥甘い? というのも面白かったポイント。強烈な煮干しスープに沈めた粗みじん切りの玉ねぎは不思議と甘く、それなりに特有のキレを見せてはくるものの、辛味が煮干しに抑制されたのか独特の甘みを感じました。
なお、トッピング前の刻み玉ねぎ(余ってたやつ)を食後に食べてみたところ、めちゃくちゃ辛かったのでw やはりスープとの兼ね合いだったようです。玉ねぎは追い飯の時にもシャキシャキとした食感が楽しいので、ちょっと多めに準備しておくといいかもしれません。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
牙のある豚骨とニボシが火花を散らして鬩ぎ合うようなタイプではないものの、動物系やタレに使われている醤油の主張も控えめで、とにかくフロントに構えるのは煮干し。全力で煮干し。万が一にも今回の商品が人生初の煮干しラーメンになった場合、もはやトラウマになる危険性もあるので、煮干し耐性の低い方は絶対に下のボタンを押さないでください。
念のため宅麺の商品ページに飛ぶボタンを用意しましたが、煮干しの癖や生臭いエグみまで愛せるマニア専用です。とはいえ他にも二郎インスパイア系や激辛系、豚骨、醤油、味噌、鶏白湯と魅力的なラーメンが揃っているので、試しに覗いてみても損はないでしょう。なお、本文中でも「晴」は異様に購入倍率のハードルが高いと書きましたが、サイトの “更新直前” が狙い目ですよ。