どうも、taka :aです。
本日の一杯は、南九州ファミリーマート限定のカップ麺、サンヨー食品(サッポロ一番)「 たけとら勝武士(かつぶし)らぁめん〈とんこつ〉」の実食レビューです。
鹿児島・指宿の有名店「TAKETORA(たけとら)」の嶽川純理氏が監修したカップラーメン、「たけとら勝武士らぁめん〈とんこつ〉」がリリースされました。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
たけとら勝武士らぁめん とんこつ
以前にもコメントをくださった匿名様より、「難点は地域限定らしいですが、、今週発売!?のサンヨー食品の鰹削り節on豚骨スープ、ノンフライ麺のカップ麺をよろしければ記事にしてください」との依頼が入りました。ぜ、ぜんぜん分からんw そんな情報、まったく掴んでいなかったのです‥
というわけでコメントが入ってから闇雲に検索していると9分後、まるで私が慌てているのを見通していたかのように「追伸、先程のサンヨー食品地域限定商品の詳細ですが、もしご興味ありましたら、taketora 勝武士らぁめん でご検索ください」。なんというタイミング‥ええ、ヒットしました。(※匿名様、ありがとうございます)
なるほど “鰹削り節on豚骨スープ” ですなコレは‥どうやら2017年にも発売されていたようで、前回から鰹節の量が25%アップしているのだとか。パッケージには「指宿鰹節」 “鹿児島県指宿市山川港加工鰹本枯節付き” とアピールされているのですが‥
「指宿鰹節」とは、2017年6月に “かつお節の原点かつ頂点” として新たに誕生した鰹節のブランドで、鰹節の最高級品「本枯節」の国内生産量約7割を占める高級鰹節の生産地「指宿(いぶすき)」だからこそ打ち出せたブランドだそうです。そういえば、こんなふうにドドーンと鰹節がのってる豚骨ラーメンなんて見たことないかも。
監修店の「たけとら(TAKETORA)」とは、鹿児島県指宿市のご当地ラーメン “勝武士ラーメン” などを提供しているお店として知名度が高く、2017年2月に開催された「鹿児島ラーメン王決定戦(第3回)」にて県民投票・本戦で見事優勝。ただ、優勝を飾ったのは「開聞岳(かいもんだけ)」というメニューみたいですね。
2018年2月の第4回決定戦では優勝を逃してしまったようですが、こうやって今年もカップ麺になったということは、かなり地元企業や県民の方からも愛されているのでしょう。ちなみに発売地域は鹿児島・宮崎県のファミリーマート405店舗(2018年10月末現在)、 “地産地消&タイアップ商品” として開発された数量限定のカップ麺なので、がっつりローカルです。
私は兵庫県在住なので、なんとか昔の伝を頼って入手することができました。情報を提供してくださった匿名様、一般の方なので名前は伏せますが宮崎の協力者様及び関係者各位、ほんとうにありがとうございます。でも、カップ麺の評価は贔屓して手を抜いたりませんよ。←
開封
別添の小袋は「液体スープ」「特製スープ(粉末スープ)」「かやく」「トッピング」の合計4袋構成で、 “かやく以外すべて後入れ” です。それぞれ各小袋の包装にも注意書きが記載されているのですが、お湯を入れる前にスープ類を入れると麺が戻らなくなる恐れがあるため、ご注意ください。
麺は透明感のある、やや透き通った見た目のノンフライ麺で、サンヨー食品の高価格帯カップ麺に見られる独特の風合い。最初の写真では小袋の色が干渉し、ずいぶんと黄色く見えますが、実際こっちの淡い色のほうが本物に近いです。油揚げ麺だと頼りない時も多かったりするサンヨー食品ですが、ノンフライ麺は基本的に安心。なんですけど‥
今回のカップ麺「たけとら勝武士らぁめん〈とんこつ〉」は、なんとファミリーマート通常価格が税込290円というカップ麺としては限界に近い値段設定なんです。発売日から11月26日(月)までの期間中、単品購入で売価10円引き、ファミマTカード会員は売価20円引きになるらしいのですが、それでもけっこうなお値段ですよね。
ちなみに製造所は「太平食品工業株式会社 本社工場」(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっているのですが、太平食品工業はサンヨー食品のグループ会社です。
製品情報・購入価格
製品名: たけとら勝武士らぁめん〈とんこつ〉 販売者:サンヨー食品 製造所:太平食品工業 内容量:108g(めん70g) 発売日:2018年11月16日(金) 実食日:2018年11月24日(土) JANコード:4901734036265 ファミリーマート通常価格:269円(税抜) 発売地域:南九州ファミリーマート限定 |
麺の種類:ノンフライ麺 容器の型:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 必要湯量:470ml 目安 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(特製スープ・液体スープ・かやく・トッピング) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、大豆食物繊維、粉末卵)、スープ(ポークエキス、豚脂、食塩、植物油脂、チキンエキス、米粉、糖類、調味油脂、しょうゆ、香味食用油、香辛料、クリーミングパウダー、酵母エキス)、かやく(キャベツ、かつお節、鶏・味付肉そぼろ、ごま、キクラゲ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、キサンタン)、酒精、かんすい、カラメル色素、レシチン、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉 |
実食開始
スープ類を入れる前に軽くノンフライ麺をほぐす必要があるんでるけど、熱湯5分きちんと守ればスムーズにほぐれました。その後、スープ類は粉末スープから溶かし、それから液体スープの順に入れると調理しやすいです。その際、粉末スープは写真のように集中投下すると混ぜにくいので、スープ表面の全体に満遍なく投入しましょう。
粉末スープが溶けたら液体スープを入れて、よくかき混ぜたら「指宿鰹節」をトッピングして完成です。
おお、ちゃんと山になりますね。それでは、実際に食べてみましょう。いきなり鰹節を攪拌(かくはん)するとベースの味がわからないので、鰹節攪拌前のスープ、攪拌後の変化や豚骨との相性に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の項目に分けて詳しく解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(108g)当たり
カロリー:426kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:426kcal(めん・かやく:308kcal)(スープ:118kcal) |
めん
サンヨー食品の大判どんぶり型カップに使用されるノンフライ麺は、比較的に密度が高い硬めの歯応えが多く、粘り気よりも中心部に少し芯を残すような食感と強い小麦の香りが特徴的なので、今回も同じタイプかと思いきや‥ちょっと意外、しっとり・もっちりした加水率の高い多加水系のノンフライ麺でした。
熱湯5分でスムーズにほぐれたと書きましたが、その時点で少し味見してみたところ、すでに芯はなく、小麦の風味は穏やかで豊か。食べ始めは適度な弾力が楽しめ、徐々に麺の表面がスープに馴染んでくる頃合いには中心部の粘り気が増してゆく、でも比較的に柔らかめの食感です。
ただ、その柔らかい物腰が今回の独創的な勝武士とんこつスープと相性がよく、むしろ後半のほうが美味しかったので、もし2回目に食べるなら次は7分くらい待とうかなぁ‥と思うほどでした。フライングするのはオススメしませんが、食感の変化によるスープとの一体感も意識しながら食べるとオツですよ。
スープ
もれなく豚骨臭は抑えられ、とてもクリーミーでマイルドな人を選ばないタイプの豚骨スープがベースになっているのですが、乳等を主要原料とする食品で強引にミルキーなスープに仕立て上げているのではなく、きちんと “丸みを帯びた豚骨の甘味” が表現されています。
甘味に関しては糖類、クリーミーな印象についてはクリーミングパウダーによる演出も手伝っているのですが、悪い意味で人工的な印象は与えません。ただ、けっこう体感的な塩気も強く、しっかりマイルドでありながら後味はピシッ、とキレがありました。で、「指宿鰹節」なんですけど‥
これちょっと卑怯なんじゃないですかねw いやぁ‥ものすごい変化ですよ。鰹節を攪拌する前のスープも素直に味わい深かったんですけど、税込290円にしてはフツーかなぁ‥から一変、なんじゃこのオリジナリティ。いや、最初かなり不安だったんですよ、豚骨スープに鰹オイルとか魚粉や出汁(だし)じゃなくて、雑煮よろしく「鰹節」をダイレクトにのっけても大丈夫なのかな、って。いいですねコレ(笑)
もともとスープは少しクリーミーな口当たりだったんですけど、きわめて自然なトロミでした。しかし、大量の鰹節が入ることでスープ全体が重くなるというか(テイストだけでなくウェイト的にも)、とろみが自然に増してゆき、マイルドに洗練されたスープの中でわずかに見られた旨味の隙間に滑り込み、なんのなんの違和感なくフィット。
もちろん体感的にはガツンとカツオが全面的に躍り出てくるのですが、けっして鰹節が一辺倒に幅を利かせるわけではありません。土台の豚骨はベーシックでシンプルながらも作り込みは丁寧なので、しっかり鰹を支えつつ、むしろ鰹の隙間やバックに見える豚骨感(特にマイルドな旨味)は鰹が入る前よりも大きく感じました。
かやく
具材の内容はキャベツ、かつお節、鶏・味付肉そぼろ、ごま、キクラゲ、ねぎとなっているのですが、鶏・味付肉そぼろは味付濃いめのジャンクな味わいで、サンヨー食品の製品によく見られる肉そぼろです。で、ちょっと少なめ。キクラゲはコリコリと食感のアクセントが嬉しかったんですけど、こちらもパッケージの半分以下でしょうか。
けっこうキャベツは多めに入っていて、ザクザクと食べ応えがあり、これについては素直に好印象。また、ごまの芳ばしいアクセントも今回の勝武士とんこつスープにベストマッチです。でもってスープの項目でも触れたように鰹節のインパクトは凄まじく、食べ応えのあるキャベツと麺・スープの満足感から具材に対しての大きな不満はありませんでした。
ちなみに勝武士らぁめん(味噌)には、納豆と温泉タマゴと本かれ節が入っているそうです。女性に人気のメニューなんですって。やばい、めっちゃ食べたい‥
総評
★★★★★★☆☆☆☆(6)
(標準は★3です)
実食前に評価は手を抜かないと書きましたけど、今回の「たけとら勝武士(かつぶし)らぁめん〈とんこつ〉」は、とても素晴らしいカップラーメンです。私は実店舗に行ったことがないので、再現度については評価できず申し訳ないのですが、ひとつのカップ麺としてのレベルが高く、税込290円という価格を加味しても★6で差し支えないと判断しました。
これは全国展開してほしい! 全国展開してほしいけど‥たぶんコストの関係や搬送などの事情から、これは “地域限定だからこそ” 打ち出せたクオリティなんでしょうね。もし全国展開したら、味のバランスが大きく変わってしまいそうな気がします。
クオリティの高い多加水ノンフライ麺、ネガティブとされるクセを抑えながらもマイルドでクリーミーな豚骨、そこに絶大なインパクトと唯一無二の個性を付与してくれたブランド鰹節「指宿鰹節」も然る事乍ら、すべての要素が絶妙に噛み合い、初めて食べる味なのに本能が受け入れてしまうような‥ちょっと感激しました。カップ麺や袋麺で、ちょっと無難だなぁ‥と感じた豚骨ラーメンがあったら、思いきって鰹節をトッピングしてアレンジすると新たな楽しみが増えそうですね。