どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年5月10日(月)新発売、明星食品のカップ麺「大砲ラーメン ラー油赤豚骨まぜそば」の実食レビューです。
今回も強烈に臭い!? 伝統的な久留米とんこつラーメンの老舗「大砲ラーメン」監修 “お店では食べられない” カップめん限定メニュー第4弾は「呼び戻しレッド」をアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
大砲ラーメン ラー油赤豚骨まぜそば
大砲ラーメン(たいほうらーめん)とは、福岡県久留米市・櫛原(くしわら)に本店を構える豚骨ラーメン専門店で、1953年(昭和28年)初代店主・香月昇(かつき のぼる)氏が久留米市明治通りに開業した一軒の屋台が前身。大砲ラーメンという名前の由来は、初代の “一旦こうと決めたら大砲の弾のように一直線に突き進む” 負けん気の強い、一本気な性格にちなんだもの。
今回の新商品「明星 大砲ラーメン ラー油赤豚骨まぜそば」は、東京都渋谷区に本社を置く明星食品株式会社と久留米の老舗とんこつラーメン専門店「大砲ラーメン」(株式会社大砲)の共同開発商品で、お店の一部店舗限定で提供している「呼び戻しレッド」を “お店では食べられない” カップ麺だけの限定メニューにアレンジ。昨年も「赤とんこつまぜそば」を発売していましたが、それとは仕様が異なります。
まずはカップ麺のモデルにもなっている「呼び戻しレッド」について、これは博多の玄関口・JR博多駅すぐそばにオープンした「久留米 大砲ラーメン KITTE博多店」(2016年4月21日開業 – 2021年4月30日閉店)の開業1周年を記念して開催された「KITTE博多1周年感謝祭」向けの限定メニューで、当初は2017年4月24日〜5月7日の14日間限定・数量限定で提供開始。
スープは大砲ラーメンを代表する呼び戻しスープ(二代目店主・香月均史氏が命名した “継ぎ足し式” の伝統技法)を軸に、ピリッと唐辛子の辛味を効かせたオリジナルテイストで、麺は定番メニューに使われるストレート麺ではなく縮れ麺を採用。トッピングはメンマの代わりにタケノコを合わせ、やわらかく煮込んだ角煮風の豚軟骨に、ほうれん草や輪切りの白ネギを添えるなど、個性的なラインナップで差別化を図りました。
その「KITTE博多店」は、2021年4月30日を最終営業日とし、卒業というかたちで閉店しましたが、もともと期間限定だった「呼び戻しレッド」は系列店の中でも特に若者が多く集まる「大砲ラーメン 天神今泉店」にて通年販売。それを再現したカップラーメンも過去に3回発売されており、2021年4月12日にリリースされた上記写真の縦型ビッグ「明星 大砲ラーメン 高菜赤とんこつ」が記憶に新しいところ。
また「明星 大砲ラーメン 赤とんこつまぜそば」という「呼び戻しレッド」がモデルの汁なしカップ麺を2020年2月3日に発売しているため、今回の「ラー油赤豚骨まぜそば」が初の試みではないのですが、2020年2月発売の「赤とんこつまぜそば」には “ザク切り高菜” を搭載していたのに対し、今回の「ラー油赤豚骨まぜそば」では “ラー油風味揚げ玉を強調している” というのが明確な差。
「ラー油風味揚げ玉」とは、明星食品のカップ麺にもなっている評判こってり系「昔ラーメン」の名物具材 “カリカリ豚脂” をヒントに作られた辛い揚げ玉で、今回のために新開発。パッケージの辛さレベルは5段階基準で中間の「3」と表示されているのですが、その横に “小さなお子様や辛みが苦手な方は注意してお召し上がりください” との注意事項を記載しているため、実際の辛さレベルが気になるところ。
ちなみに「大砲ラーメン」監修の汁なしカップ麺は、2018年9月24日発売(2019年7月29日と2021年1月25日に再販)の「とんこつまぜそば」を皮切りに、2020年2月3日発売の「赤とんこつまぜそば」並びに2020年10月19日発売の「ネギとんこつ味まぜそば」と続いているため、今回の「ラー油赤豚骨まぜそば」は汁なしアレンジ第6弾(再販された「とんこつまぜそば」を重複カウントすると第7弾*)の新作に該当します。
※昔ラーメンを再現した通年販売のカップ麺は、2021年3月8日(月)にリニューアル後、このブログでもレビューしているので、感想や評価などの詳細が気になる方は関連ページ「呼び戻しの元祖【大砲ラーメン】監修カップ麺『昔ラーメン』発売15年目のリニューアルで変わったこと」もあわせてご覧ください。*指摘があり、修正しました。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体ソース」と「ふりかけ」の合計2袋。2018年9月発売の「とんこつまぜそば」を筆頭に、大砲ラーメン監修の汁なしカップ麺は “とにかくニオイが強烈” なので、それが人を選ぶ要因になっているようですが、同時に他の商品にはない魅力を感じるポイント。
麺は油で揚げたフライめん(油揚げ麺)で、極太麺サイズではないけれど、湯戻し時間は熱湯5分と長めの設定。従来の「とんこつまぜそば」と「赤とんこつまぜそば」に使われていた麺は酷似した内容で、前回の「ネギとんこつ味まぜそば」から仕様が変わり、今回の麺は後者に似た雰囲気となっているのですが、果たして仕上がりや如何に。
ちなみに「とんこつまぜそば」と「赤とんこつまぜそば」が商品化された際、実店舗でも期間限定でリアル版を提供していたのですが、2021年5月12日現在「ラー油赤豚骨まぜそば」リアル版の提供に関する情報は入っておらず、お店の公式アカウント(Twitter・facebook)からも特に発表はありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 大砲ラーメン ラー油赤豚骨まぜそば 販売者:明星食品株式会社 製造所:R・東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:164g(めん130g) 商品コード:4902881451581(JAN) |
発売日:2021年05月10日(月) 実食日:2021年05月12日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:248円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:770ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体ソース・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、ソース)、ソース(豚脂、しょうゆ、糖類、香味油、食塩、ポークエキス、たん白加水分解物、香辛料、香味調味料)、ふりかけ(オニオン入り揚げ玉、ごま、紅しょうが、糖類、香辛料、ねぎ、食塩、のり、デキストリン、たん白加水分解物、発酵調味料、しょうゆ、植物油脂)、かやく(キャベツ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、香料、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、カラメル色素、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、ムラサキイモ色素、ベニバナ黄色素、(一部に乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、卵・えび・かにを含む製品を生産しています。原材料の海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
2種類の小袋は両方とも後入れで、最初から入っている具材はキャベツのみ。これは前回の「ネギとんこつ味まぜそば」から変わっておらず、2020年2月の「赤とんこつまぜそば」で印象的だった “ザク切り高菜” がカットされたのは寂しいところ。しかし、ふりかけの内容量は多く、それも新開発の「ラー油風味揚玉」だけではありません。
メインのラー油風味揚玉(オニオン入り揚げ玉)を筆頭に、ごま、紅しょうが、のり、ねぎと調理後は賑やかで、液体ソースを加えた瞬間に漂ってくる “例の豚臭いニオイ” が頼もしい調理直後。前回の「ネギとんこつ味まぜそば」で効果的だったネギ油の香りは強くない(というか、ほとんど感じない)ため、香りのインパクトがダイレクトに伝わってきました。
ちなみにコンビニでの税込価格は248円が相場、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ミニストップ」での取り扱いを確認しており、九州の「セブンイレブン」でも販売されているようなので、販売店の参考にしてください。それでは、辛さレベル3の威力にも注目しつつ「めん」「ソース」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(164g)あたり |
カロリー:723kcal たん白質:11.7g 脂 質:30.1g 炭水化物:101.3g 食塩相当量:6.6g ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:194mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
表面はソフトで芯のある弾力が魅力
丸刃で切り出された平打ち麺で、けっこう縮れは強く、調理前は白っぽい見た目でしたが、しれっと隠し味にソースを使っているのもポイント。かといって麺から明確にソースの味が漂ってくるわけではなく、あくまでも隠し味に過ぎない存在ではあるものの、すくなからずソースとの一体感を高めることに寄与しているのは間違いありません。
やや表面はソフトな弾力で、口当たりも優しく、ほぼほぼ暴力的な要素はない、とても滑らかなファーストインプレッション。しかし、歯で押し込んだあとに返ってくる反発性が心地よく、中心にかけて適度な弾力があり、濃厚なタレに埋没しないだけの存在感は確保。量も調理前の段階で130gと大盛りなので、レギュラーサイズにはない食べ応えが得られます。
お店で提供している定番の麺(加水率の低いストレート麺)とも「呼び戻しレッド」に使われている麺とも違う、あえて油揚げ麺らしさを残したような仕上がりになりますが、今回はカップ麺だけの限定メニュー。故に再現度が高い・低いという項目が評価の足を引っ張ることはないですし、きちんと熱湯5分で食べごろなのも好印象。ソースとの相性もよかったので、特に引っ掛かるところはありませんでした。
ソース
「赤とんこつまぜそば」の系譜にある
原材料は「豚脂、しょうゆ、糖類、香味油、食塩、ポークエキス、たん白加水分解物、香辛料、香味調味料」とシンプルで、最終的に余るほどではないものの、たっぷりの油が暴力的。それも動物油脂の豚脂(ラード)を主体としているため、植物油脂では出せないコクと力強さがあり、いい意味で “豚臭い” 大砲ラーメン監修まぜそば特有のニオイを放ちます。初見だと人を選びますが、慣れるとクセになる香り。
その強烈な個性に負けないくらい、濃口しょうゆベースのタレも強く、ローストしたガーリックのアクセントも効果的。お店の “呼び戻し” とは異なるベクトルにあるものの、香りをはじめ「豚」を感じるには申し分なく、辛さレベルもピリ辛以上、辛口未満と絶妙な加減。前々回の「赤とんこつまぜそば」に近い内容で、オイルに由来する豚臭い香りを筆頭に、シリーズの例に盛れないパンチを打ち出していました。
かやく・ふりかけ
ふりかけのアシストがナイス
キャベツは同社の「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズなどにも入っている汎用の具材なので、特に語ることもないのですが‥‥w そこそこサイズが大きく、そこそこ多いのも好印象。この商品では唯一といっても過言ではない “みずみずしい部分” だったので、意識的に食べるとオアシスというか、うん(※思い返してみれば重要な存在だった)。
ふりかけの原材料名は「オニオン入り揚げ玉、ごま、紅しょうが、糖類、香辛料、ねぎ、食塩、のり、デキストリン、たん白加水分解物、発酵調味料、しょうゆ、植物油脂」と複雑ですが、おそらくオニオン入り揚げ玉を “ラー油風味” に味付けするための調味料も記載しているので、実質的なラインナップは「ラー油風味揚玉」「ごま」「紅生姜」「ねぎ」「刻み海苔」の計5種類。
ラー油風味揚玉は、後入れのならではのサクサクとした食感に、単体で味を確認したらピリッと辛く、ベースのオニオンに由来する芳ばしい甘みも印象的。それに加えて煎り胡麻のパンチ、紅生姜の酸味、刻み海苔や乾燥ねぎの風味も強烈なソースを引き立ててくれる、いっさいの無駄を感じない精鋭たち。クセの強いソースに大盛り麺を合わせた商品ですが、ふりかけの尽力により、最後まで飽きずに食べられました。
総評
例によって例の如く “豚臭い” それも部屋に残るレベルの香りが人を選ぶ要因になるので、汁なしアレンジ第1弾の「とんこつまぜそば」や前々回の「赤とんこつまぜそば」で面食らった方にはオススメできない商品ではあるものの、そんな人を選ぶ香りこそが「大砲ラーメン」監修の魅力。
総合力は “ザク切り高菜” を加えた「赤とんこつまぜそば」のほうが上だと感じたので、個人的に高菜のカットが寂しく思えたのですが、新開発の “ラー油風味揚玉” によるジャンクなアクセントも面白く、結果的な印象としては悪くありませんでした。おそらく今後も続編が開発されるハズなので、引き続き同店監修のカップラーメンにはないインパクトで楽しませてほしいシリーズです【author・taka :a(大石敬之)】