どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年4月18日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」の実食レビューです。
鶏油量1.5倍で本家(オリジナル)超え!? スーパーカップMAXのド定番「鶏ガラ醤油」が湯切りタイプのカップ焼きそばに転生した結果——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップ麺の牽引役として重要な位置を占めるブランドで、現・エースコック代表取締役の村岡寛(むらおか ひろし)社長が発起人。まだ村岡社長がマーケティング部に所属していた頃、社内の反対意見を押し切りながら「スーパーカップ」の開発に取り組み、結果として爆発的なヒットを記録しました。
今回の新商品「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」は、ラノベやソシャゲ、アニメなど、多方面で注目されている異世界転生ブームを背景に、既存の「スーパーカップMAX(マックス)しょうゆラーメン(鶏ガラ醤油)」を湯切りタイプのカップ焼きそばにアレンジした新作で、なんとも発想がエースコックらしいというか、遊び心満載な企画。
異世界転生モノとは、平凡な現代人や勇者だった人物が “不慮の事故で異世界に転生し、チート級の能力を得て新たな人生をスタートする” すでに様式美といっても過言ではないテンプレートを採用した作品の総称で、なろう系* の代表格『Re:ゼロから始める異世界生活』(リゼロ)や『転生したらスライムだった件』(転スラ)などが有名どころ。*小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた一連の作品群
ひとつの特徴として『(この世界はもう俺が救って富と権力を手に入れたし、女騎士や女魔王と城で楽しく暮らしてるから、俺以外の勇者は)もう異世界に来ないでください。』や『元勇者のおっさん、転生して宿屋を手伝う〜勇者に選ばれ親孝行できなかった俺は、アイテムとステータスを引き継ぎ、過去へ戻って実家の宿屋を繁盛させる』など、異様に長いタイトルの作品が多いことも挙げられます。
別に「スーパーカップ」が異世界に転生したわけではないけれど、ほぼパッケージは同じデザインのまま、既存の「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」(2021年9 月27日発売品)を湯切りタイプにアレンジするだけでは飽き足らず、即席カップめん業界の商品としては初となる “転生” というワードまで使い、ネット民からの支持とバズを狙ってきたエースコック‥‥好きw
さらに「スーパーカップ」の中でも不動の人気を誇る「スーパーカップ1.5倍 豚キムチラーメン」(2022年3月21日発売品)も湯切りタイプの「スーパーカップ豚キムチラーメンが転生したら焼そばになった」に転生させ、両商品ともにエースコックのカップ焼きそばタイプでは初となる “THE のどごし麺” を搭載するなど、一見すると単純なようで何気に初めての試みが多い企画。
冒頭でも触れたように、今回の「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」では既存の「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」対比1.5倍の鶏油(ちーゆ)を使用しているのもポイントで、異世界転生モノを意識してか “本家(オリジナル)を超えてしまったな‥‥” と、台詞じみたコメントで魅力を訴求しています。
もちろん他にもカップ焼きそば用に調整しているポイントがあると思うので、既存の味を再現する方向で商品化しているのか、それともチート級の能力(スキル)を授けられた状態で転生しているのか、念のため本家「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」の内容物から確認し、転生後の「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」と比較しながら違いや共通点を解説しますね。
※余談ですが、2017年(平成29年)6月5日に当時の「スーパーカップ1.5倍 しょうゆラーメン」を汁なしアレンジした「スーパーカップ 大盛りしょうゆ焼そば」を発売していたエースコック。正直それがイマイチだったので、ちょっと身構えてます‥‥w
開封
「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と「粉末スープ」に、後入れ「液体スープ」の計3種。容器のサイズは140×140×105mmの大盛りバケツ型で、材質は紙を使用しています。ちなみに2021年9月27日のリニューアルでは “THE のどごし麺” に合わせてスープを改良し、なおかつスープの湯量も増やすことで調理後の満足感をアップさせました。
片や「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と後入れ「調味たれ」の計2種で、本家よりも身軽な装備。こちらも容器のサイズは140×140×105mmとエースコックが公表しているのですが、材質はPS樹脂(ポリスチレン)で、並べてみると約2mmほど身長が縮んでいます。
メーカー希望小売価格は本家・転生後ともに210円(税別)で、販売店は限定されていないNB(ナショナルブランド)商品。私の行動圏内にあるローカルスーパーでの販売価格を例に挙げると、本家は基本的に159円で販売されており、新作の「転生したら焼そばになった」は変わり種のため149円と若干ながら安めの設定でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった 製造者:エースコック株式会社 製造所:W・関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:113g(めん90g) 商品コード:4901071235666(JAN) |
発売日:2022年04月18日(月) 実食日:2022年04月21日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:149円(税込) 希望小売価格:210円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(調味たれ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、たれ(しょうゆ、植物油脂、豚脂、鶏油、糖類、チキンエキス、発酵調味料、香辛料、食塩、オニオンエキス、酵母エキス、魚介調味料)、かやく(味付豚肉、コーン、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、カラメル色素、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘剤(キサンタンガム)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
『スーパーカップMAX しょうゆラーメン』栄養成分表示[1食(119g)あたり]カロリー 522kcal(めん・かやく 439kcal / スープ 83kcal)、たんぱく質 10.2g、脂質 20.7g、炭水化物 73.7g、食塩相当量 7.2g(めん・かやく 2.6g / スープ 4.6g)、ビタミンB1 0.47mg、ビタミンB2 0.53mg、カルシウム 340mg(製造所:関西滝野工場) |
まずは本家「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」の調理直後、スーパーカップといえば具材のボリューム感に難ありなイメージが強いのに対し、大きめの四角いチャーシューで貧弱な印象を抱かせない転生前。液体スープをから漂ってくる鶏油の芳ばしい香りから、食べ応えを重視した大盛りバケツ型なのに安っぽさは控えめ。
『スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった』栄養成分表示[1食(113g)あたり]カロリー 494kcal、たんぱく質 8.7g、脂質 20.7g、炭水化物 68.3g、食塩相当量 4.4g、ビタミンB1 0.38mg、ビタミンB2 0.43mg、カルシウム 322mg(製造所:関西滝野工場) |
次に「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」の調理直後‥‥ええ、この簡素な仕上がりについては想像していましたけど、気になったのは混ぜにくさ。というのもタッパのある大盛りバケツ型かつ底面がフラットではない「スーパーカップ1.5倍」で定番の容器なので、麺にタレが絡みにくいのはデメリット。
しかし、転生後の香りも本家よろしく鶏油が芳醇で、オリジナルの「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」が好きな方の期待を裏切らない展開ではあるものの、はたして転生モノ特有といっても過言ではないチート級のスキルが備わっているのかどうか、引き続き本家との違いに注目しつつ「めん」「たれ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と総評は「スーパーカップしょうゆラーメンが転生したら焼そばになった」の感想に基づきます。 |
めん
原材料は完全に一致するけど共通の麺じゃない‥‥?
本家の「THEのどごし麺」は、2020年8月31日発売品より採用されている油揚げ麺で、形状は丸刃。喉元を刺激しながら通り過ぎる絶妙な “のどごし” も然る事乍ら、シゲキ的な噛み応えを実現した “コシ” の強さも魅力的。調理前の麺量は「スーパーカップ1.5倍」(めん90g)よりも多い特盛100gで、発売30周年を迎えた2018年9月25日のリニューアルを機に増量されました。
転生後の油揚げ麺も「THEのどごし麺」で、なるほど喉元を刺激しながら通り過ぎる “のどごし” は本家と共通する項目になりますが、調理前の色合いは本家よりも黄色みが弱く、すこし厚みを削っているようなイメージ。食べ始めのコシが本家と比較して弱かったのと、歯切れについては本家以上に軽快だったので、汁なし用に調整した印象を受けます。
ちなみに調理前の麺量は「スーパーカップ1.5倍」と同じ90gで、容器のサイズから一見すると大盛りに思えるのですが、湯切りタイプでの90gはレギュラーサイズ。カップ焼きそばにおける大盛りサイズは130gというのが現在のディファクトスタンダードなので、野郎好みのスーパーカップとは対極に位置する女性向けの「焼そばモッチッチ」(めん85g)と比較した場合、わずか5gしか変わりません。
たれ
本家を踏襲しながら丸みを帯びた味
本家の添付調味料は「粉末スープ」と「液体スープ」の合わせ技で、鶏ガラ醤油の文字通り、動物系は鶏が軸。そこにオニオンやガーリックなどの香味野菜を強めに効かせているところがエースコックらしく、胡椒のアクセントも明確で、液体しょうゆ特有のコクとキレで力強さを打ち出しながら、ふわっと鼻に抜ける鶏油の芳ばしさも印象的。
さらに魚介調味料や発酵調味料で複雑さを出しつつ、ハクサイの旨みを隠し味に使っているのも見どころで、しょうゆが尖りすぎないようにフワッ、と包み込んでくれる糖類の甘さも絶妙な加減。久しぶりに食べましたけど、あいかわらずクセになる味ですね。
転生後の「調味だれ」も本家の骨組みを踏襲しているのですが、隠し味の白菜は前世に置き忘れてきたらしく、液体しょうゆの存在感と糖類の甘さを強めに効かせ、やや胡椒の量を控えた感じのテイスト。鶏油の使用量は1.5倍ということで、油そばレベルにギットギトではないものの、カップ焼きそばとしてはオイリーな仕上がり。
カップ焼きそば用に調整された部分もありますが、既存の味を崩さずに再現する方向で商品化しているため、飛び抜けた個性やスキルは授かっていません。転生したら勇者や魔王になっていたわけではなく、ちょっとヤンチャなパリピがモテる優等生に変わった感じだったので、本家よりも食べやすかったです。
かやく
転生したら具材が貧弱になった件
本家の具材は豚バラ系の四角いチャーシューをメインに、メンマ、ねぎ、コーンと彩りがよく、特別に量が多いわけではないけれど、一際に目を引く四角いチャーシューのおかげで寂しくありません。
転生後も装飾品(コーン、ねぎ)は据え置きで、わりと重要な位置を占めていたメンマは前世に置き忘れたらしく、中核を担っていた主役級のメインは4枚のモブキャラに変わっていた件。それも本家の四角いチャーシューを刻んだのではなく、燻製感のないベーコンみたいな味付豚肉に変わっていました。もともとスーパーカップといえば具材に頼りないイメージしかないので、まぁこんなもんでしょう。
総評
本家と比べて転生後の鶏油量1.5倍は恩恵になりますが、俺TUEEE!!!! みたいに劇的なスキルを備えているわけではなく、堅実に努力を重ねた上で慎重に転生した感じというか、ちょっと近寄り難い雰囲気のガテン系だった前世から細身のイケメンに生まれ変わった感じというか、うん。この例えは分かりにくいですかねw
とりあえず転生前の原型を失うような異世界転移ではなかったものの、カップ焼きそばに転生することで食べやすくなっていたので、普段は量的に「スーパーカップ」を敬遠している女性の方でも「焼そばモッチッチ」がクリアできるのであれば攻略可能な一杯。こってり濃い味でも優しさを感じる重さだったので、おそらく想像以上に食べやすいと思います【author・taka :a(大石敬之)】