どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年3月6日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 パワフルテイスト レバニラ炒め味ラーメン」の実食レビューです。
スーパーカップ発売35周年記念で「レバニラ炒め」をカップラーメンにアレンジ!? 新開発のレバー風味ペースト付きで “活力みなぎるスタミナ感直撃” の新フレーバーを実現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップ1.5倍 パワフルテイスト レバニラ炒め味ラーメン
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップめんの牽引役として重要な位置を占めているブランドで、大阪府吹田市に本社を置くエースコックの主力商品。食べ応え抜群の大盛り麺と濃いめの味付けを特徴としているため、一部では敬遠されることもありますが、この道を切り拓いたパイオニアです。
今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 パワフルテイスト レバニラ炒め味ラーメン」は、中華料理店で人気のスタミナメニューである「レバニラ炒め」をコンセプトに開発された一杯で、いま即席カップめん業界でも注目されている町中華の看板っぽいデザインも印象的。なんですけど‥‥いったい誰が「レバニラ炒め」をカップラーメンにしようとか言い始めたんですかねw(天才か)
レバニラ炒めとは、文字通りレバーとニラを炒めた中華料理の総称で、漢字にすると牛のレバーを使ったレバニラ炒めは「韮菜炒牛肝」となり、豚のレバーを使ったレバニラ炒めは「韮菜炒猪肝」と書きます。日本に普及し始めたのは1960年(昭和35年)以降とされているため、比較的歴史が浅い中華料理なんですけど、さて “ニラレバ炒めとの違い” ご存知でしょうか。
たとえば「餃子の王将(京都王将)」のメニューには “ニラレバ炒め” と、その暖簾分け店として創業した「大阪王将」のメニューでは “レバニラ炒め” となっており、Googleの検索エンジンで検索したときのヒット数は圧倒的に「レバニラ炒め」のほうが多いのですが、前述の漢字を見ても分かるように本来は「ニラレバ炒め」が正しい表記になります。
なぜ「ニラレバ炒め」ではなく「レバニラ炒め」になったのか、その犯人は “西から昇ったおひさまが 東へ沈む” 理論を説いたバカボンのパパで、1971年(昭和46年)11月20日に日本テレビ系で放送された『天才バカボン』のTVアニメ第9回・第18話『ごちそうはレバニライタメなのだ』が発端。その後も好物は “レバニライタメ” だと主張を続け、日本に「レバニラ炒め」という呼び名が定着しました。
『天才バカボン』の影響力たるや、恐るべし——。というわけで、スーパーカップの商品名もニラレバではなく「レバニラ炒め味」となっているのですが、問題は “ラーメンとして成立しているのかどうか” ということ。一見すると‥‥いや、冷静に熟考してもキワモノとしか思えないんですけど、けっして突拍子もない展開ではありません。
2023年(令和5年)7月25日に発売35周年を迎える「スーパーカップ」の記念商品として、今年1月9日に7年ぶりの復活を遂げた「ギョーザパンチラーメン」然り、同時発売品の新フレーバー「テリヤキパンチラーメン」然り、ラーメンではない食べ物をカップラーメンに落とし込む企画は「レバニラ炒め味ラーメン」が初めての話ではなく、町中華ブームの背景も踏まえると、ある種の必然ともいえる流れ。
エースコックのレバー系といえば、豚レバーを配合した「MEGA豚(メガとん)どトンコツラーメン」の “どトンコツの素” だったり、鶏レバーパウダーを配合した「MEGA鶏 濃厚鶏そば」や「スーパーカップ1.5倍 鶏白湯の神 濃厚鶏白湯麺」だったり、それについての実績とノウハウも有しているのですが、はたして新開発の特製「レバー風味ペースト」の実力や如何に、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と「粉末スープ」に、後入れ「特製ペースト」の計3種。粉末スープの小袋は小さめですが、特製ペーストの小袋は想像していたよりも大きくて、なかなか頼もしいファーストインプレッション。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分と中途半端に思える設定ですが、それだけに “こだわり” を感じる部分。この時点でエースコック特有のニオイが強めに漂ってくるため、ある意味それも「スーパーカップ」が人を選ぶ要因になってはいるものの、同時に背徳感が魅力的な要素でもあります。
2023年3月現在「スーパーカップ1.5倍」の変わり種におけるメーカー希望小売価格は245円(税別)を標準的なラインとしているのに対し、今回は254円(税別)ということで、ちょっと高めの製品になりますが、それだけに新開発の「レバー風味ペースト」に対する期待値も高まってくる展開。それだけに “個人的な不安” もあるんですけど、それについては後述しますね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップ1.5倍 パワフルテイスト レバニラ炒め味ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:109g(めん90g) 商品コード:4901071400392(JAN) |
発売日:2023年03月06日(月) 実食日:2023年03月12日(日) 発売地域:全国 小売価格:254円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(粉末スープ・特製ペースト・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(食塩、ポークエキス、砂糖、香辛料、植物油脂、酵母エキス、乳化油脂、粉末しょうゆ、ポーク調味料、豚レバーエキス、鶏レバーパウダー、チキン調味料、たん白加水分解物、チキンエキス、オニオンパウダー)、かやく(ニラ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の「かやく」と「粉末スープ」は先入れで、スーパーカップ1.5倍の変わり種といえば、麺とスープに感けて具材が貧弱になりがち、みたいなイメージが強かったりするんですけど、メーカー希望小売価格が通常よりも高い理由はニラの多さにもあったのかと納得。粉末スープは昔ながらの素朴な香りで、レバーの存在感は皆無に等しいのですが‥‥
後入れの特製ペースト(レバー風味ペースト)は見た目が強烈で、ちょっとショッキングな感じになってるんですけどw 調理の際は熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製ペースト」を温めながら待つこと4分。時間になったら「特製ペースト」を入れ “よくかきまぜてお召し上がりください” となっているため、しっかり溶かすのが正しい作り方。
ちなみに余談ですが “私は加熱した牛のレバーが苦手” なので、なまじ再現度が高いと苦戦することになるんですけど‥‥w はたしてレバニラ炒めの雰囲気が楽しめるのか、引き続き再現度と臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(109g)あたり |
カロリー:441kcal たん白質:9.2g 脂 質:13.7g 炭水化物:70.1g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:1.6g) (スープ:5.3g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.51mg カルシウム:315mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:441kcal(めん・かやく:391kcal)(スープ:50kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと孤立気味
大盛りカップ麺のパイオニアである「スーパーカップ」といえば、一に食べ応え、二に食べ応え、三, 四がなくてじゃないですけど、質より量で喰わせる的なイメージが無きにしも非ずかと思います。けれども今回は縮れのない形状からも伝わってくるように、量が多いだけの安っぽい質感ではありません。
かなり表面は滑らかで、するんと滑り込んでくる口当たりと喉越しが心地よく、たしかな反発性を備えながらも粘りは控えめ。どちらかといえばモチモチ感よりも歯切れに振っているというか、噛み切ったときに内側から弾けるような食感が印象に残ります。ただ、ちょっとスープを弾きがちなのが玉に瑕。
もうすこしサイズが細いと孤立感も気にならなかったと思うのですが、麺を弾きがちな肌と縮れの弱い形状が相俟って、その結果としてスープの乗りが悪く、麺が独り歩きしているような感覚に。丸刃ではなく角刃で切り出した平打ち麺だったら、あるいはスープの系統が「長崎ちゃんぽん」だとしたら違和感なく噛み合っていたかも、みたいなタイプでした。
スープ
特製ペーストは混ぜないでチビチビ拾うのがいいかも
まずは粉末スープだの状態で味を確認してみたところ、やはり味覚に訴えかけてくるレバーの存在感は皆無に等しく、きわめて普遍的な粉末しょうゆ味のスープというか、これが苦手な方は少ないんじゃないですかね。そもそもカップラーメンとか嫌いだから(ぷいっ)だとしたら話も変わってきますけど、古き良きインスタントラーメンの粉末スープに通じる素朴さと刺激を感じます。で、問題は特製ペースト。
「レバー風味ペースト」の原材料は、豚レバーエキスと豚レバーパウダーをメインに据えているため、加熱した牛レバー特有の風味を感じることはありません。またペースト状に加工されていることから、加熱したレバー特有の舌触りも皆無です。ただ、体感的には完全に “鶏レバーペースト” なので、レバニラ炒めといえばのレバー(牛・豚)っぽさは扨措きというか、うん。
鶏のレバ刺しとまではいいませんけど、鶏レバーのコンフィ(フランスの調理方法で、食材をオイルに浸し、低温で加熱したもの)をペースト状に加工したような、うん。とりあえずレバニラ炒めのレバ感ではないw あと、ちびちび舐めながら日本酒くいっとイケるくらい、けっこう塩っぱいです。それなりにレバーの癖も強かったので、苦手な方は(そもそも買わないと思いますけど)注意してください。
※先に “私は加熱した牛のレバーが苦手” と前述しましたが、鶏と豚のレバーは嫌いではありません。
かやく
ニラは好印象。ニラは
前述のように「スーパーカップ」の変わり種は具材のボリューム感に欠ける印象が強いため、その基準で見るとニラの量けっこう頑張ってるなー、などと感じたんですけど、すこし高めのメーカー希望小売価格を思えばトントンでしょうか。そのニラは風味がよく、全体のスタミナ感を底上げすることに寄与していました。しかし、例によって例の如く肉そぼろ、テメーはダメだ。
エースコックの肉そぼろはアタリとハズレの差が激しくて、今回は後者。食感はスポンジみたいだし、肉の旨みも楽しめないし、もちろんレバーっぽさも感じられません。もやしもレバニラ炒めで定番の食材なので、それも入っていると嬉しかったんですけど、レバー風味ペーストも具材と思えば‥‥ですかね。あ、チラホラと入っていた唐辛子は辛くなかったです。
総評
レバニラ炒めといえば鶏のレバーだろ! という方のセオリーを否定するつもりはないですけど、レバニラ炒めといえば牛、あるいは豚のレバーを想起される方が大多数を占めていると思います。しかし、レバーにおけるイニシアチブを握っているのは完全に鶏だったので、レバニラ炒め傍に置くと味は悪くなかったものの、食後に残ったのは鶏レバーの風味と舌が痺れるほどの強烈な塩気。
ただ、新開発の「レバー風味ペースト」は面白いですよ。レバニラ炒めのイメージとは違ったし、異様に塩っぱかったけどw ポテンシャルの高さに大きな伸び代を感じました。企画としても面白かったので、引き続き作戦は「ガンガンいこうぜ」でお願いします【author・taka :a(大石敬之)】