どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年8月8日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮 辛ダレ豚骨 こってり味」の実食レビューです。
ラーメン激戦区の人気店「暖暮」監修によるカップラーメン第4弾は「味濃いめ」「油多め」の “こってり味” を大盛りサイズで商品化!! はたして2年前のリベンジなるか——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮 辛ダレ豚骨 こってり味
ラーメン暖暮(だんぼ)とは、福岡県筑紫野市二日市中央2丁目に本店を置く “とんこつラーメン専門店” で、2000年(平成12年)3月4日に創業するや否や、その約2年後にFBS(福岡放送)主催の「九州ラーメン総選挙」で1位を獲得した実力の持ち主。暖暮という個性的な名前は、創業当時から変わらない “皆さまの暮らしに、ホッと一息つける暖かな一杯を。” との想いに由来しています。
今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮 辛ダレ豚骨 こってり味」は、暖暮の常連客が選ぶ人気オーダー「味濃いめ」「油多め」の “こってり味” を再現したカップラーメンで、大阪府吹田市のエースコックが誇る「スーパーカップ1.5倍」とコラボレーション。エースコック×暖暮の共同開発商品は通算4度目になるのですが、これまでの変遷が独特なので、すこし歴史を振り返ってみましょう。
暖暮のカップラーメンが初めて発売されたのは、現在を遡ること5年弱、2017年(平成29年)10月30日。第1弾は縦型ビッグの「全国ラーメン店マップ 福岡編 ラーメン暖暮 辛ダレ豚骨ラーメン」からスタートしたので、ブランドは「スーパーカップ1.5倍」ではありませんでした。
ひとつのブランドから有名店監修のカップラーメンがリリースされた場合、第2弾も同じメーカーとのコラボであれば、続編も同じブランドから出るのが基本的なパターンとなっているところ、第1弾の発売から3年弱の月日が流れた2020年(令和2年)7月20日、暖暮のカップラーメン第2弾として「スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮監修 辛ダレ豚骨ラーメン※1」を市場に投下したエースコック。
第2弾では容器を縦型ビッグから大盛りバケツ型に切り替え、フタ上には店舗で使える “替え玉1杯 無料券” を付けるなど、装いを新たに登場したのですが、エースコックの「スーパーカップ1.5倍」といえば大味に仕上がる傾向が仇となり、このブログでは及第点と評価したことを覚えています。
しかし、翌2021年(令和3年)8月9日発売の第3弾「全国ラーメン店マップ 福岡編 ラーメン暖暮 辛ダレ豚骨ラーメン 濃口※2」では、再び容器が縦型ビッグに戻り “常連客が選ぶ通な味わい” の「こってり味」を再現。こちらは★5の高評価を叩き出しているのですが、再び「スーパーカップ1.5倍」に切り替わった2022年の夏——。
イメージとしては「第2弾(2020年7月発売品)」と「第3弾(2021年8月発売品)」の中間に位置している感じの第4弾なので、やや不安を覚える展開ではあるものの、昨年発売品が真っ直ぐ大盛りバケツ型になっているのであれば、華麗なるリベンジにも期待できる展開。
前回・前々回と同様に、フタの一部が日本国内の「ラーメン暖暮」各店で使える “替え玉1杯 無料券”[通常価格150円(税込)有効期限:2023年8月7日まで]になっているので、開封の際は注意してください。それでは、内容物のチェックに入ります。
※1 スーパーカップ1.5倍×ラーメン暖暮がコラボ「辛ダレ豚骨ラーメン」をカップ麺で再現!! 店舗で使える “替え玉無料券” 付き
※2 九州ラーメン総選挙1位【暖暮】監修 “常連客が選ぶ通な味わい” 辛ダレ豚骨「濃口」をカップ麺で再現!!
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく入り粉末スープ」に、後入れ「特製ペースト」の計2種で、2020年7月の「スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮監修 辛ダレ豚骨ラーメン」と同じ構成。特製ペーストが辛ダレなのは間違いないでしょうけれど、はたしてどうなるか。
麺は油で揚げたフライ麺で、縦型ビッグのときには熱湯2分の麺を使用していましたが、2年前のスーパーカップ×暖暮と同じく待ち時間は熱湯3分。原材料名も完全に一致するため、同じ麺である可能性が高いです。ただ、調理前の見た目は微妙に違うような気も——。
メーカー希望小売価格は245円(税別)なので、2022年8月現在の大盛りカップ麺における標準的な値段ではあるものの、たとえば既存する「スーパーカップ1.5倍 しょうゆラーメン / みそラーメン / とんこつラーメン / 新・豚キムチラーメン / 新・野菜タンメン」の222円(税別)と比較した場合、若干ながら高めの設定になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮 辛ダレ豚骨 こってり味 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:119g(めん90g) 商品コード:4901071235789(JAN) |
発売日:2022年08月08日(月) 実食日:2022年08月12日(金) 発売地域:全国 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS)・胴巻き紙 湯量目安:550ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(かやく入り粉末スープ・特製ペースト) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白)、かやく入りスープ(ポークエキス、乳化油脂、食塩、味付豚肉、ポーク調味料、ごま、たん白加水分解物、酵母エキス、香辛料、ねぎ、キクラゲ、ポークコラーゲン、オニオンパウダー、植物油脂)、特製ペースト(植物油脂、豚脂、豆板醤、みそ、香辛料、しょうゆ、ポーク調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、ソルビット、増粘多糖類、重曹、酒精、かんすい、香料、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、カラメル色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の「かやく入り粉末スープ」は先入れで、文字通り中に具材が同梱されている、つまりは小袋の数を減らしてコストを抑えているのですが、なんのこれしき粉末スープめっちゃいい香りw あきらかにタイプとしてはスナック的なので、本物とは異なる香りのベクトルではあるものの、ポークエキスに由来する芳ばしさが印象に残ります。
もうひとつの別添「特製ペースト」は食べる直前に加える仕様なので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で後入れの小袋を温めながら待つこと3分。容器側面の作り方では “フタをして3分で「特製ペースト」を入れ、よくかきまぜてお召し上がりください” となっているのですが、ひとまず粉末スープを完全に溶かし、特製ペーストは混ぜない状態でパシャッと。
特製ペーストが辛ダレなのは2年前と共通するフレームワークなのですが、燻製感のないベーコンのような風味と食感の肉具材が “リアルなタイプに変わっている” ため、これについては大きな変化。もちろんスープの味も変わっているはずなので、引き続き2年越しの進化に期待しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(119g)あたり |
カロリー:569kcal たん白質:12.7g 脂 質:30.6g 炭水化物:60.6g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:2.4g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.42mg ビタミンB2:0.56mg カルシウム:401mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:569kcal(めん・かやく:431kcal)(スープ:138kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
どうした‥‥?
九州の豚骨ラーメンをイメージした麺にしては太めのサイズ感になりますが、噛むと内側からパツッと弾ける歯切れの心地よさは印象的。ただ、それ以上にエースコックの油揚げ麺に有り勝ちな “特有のニオイ” が強めに主張してくるのと、酸化したような雑味が目立っているため、風味に関しては致命的。
もしかすると個体差かと不安に思い、あらためて別の個体を実食してみたところ、それでも気になって‥‥。もともとエースコックの油揚げ麺臭は主張が強い部類に入るものの、後述するスープの構成も相俟って、とんこつの魅力よりもネガティブなニオイが目立つ始末。
ある意味、このニオイも「スーパーカップ1.5倍」らしい魅力といえなくもないけれど、有名店が監修している商品にとっては蛇足でしかありません。昨年の縦型ビッグ(全国ラーメン店マップ)では “暖暮のカップめん史上もっとも優秀かもしれない” と評価していたのですが、残念なことに昨年・一昨年よりも明らかに退化しています。
スープ
こっちにも問題ありか‥‥
エースコックは自社のニュースリリースで “複数種の厳選したポークエキスを使用し、ニンニクや生姜等の香味野菜をバランスよく配合したコクのある豚骨スープです。” と訴求しているのですが、お店の「自家炊きトンコツスープ」を彷彿とさせる骨っぽさだったり、炊き出し感だったり、そういった臨場感は覚えません。
——いや、たとえばノンフライ麺を使用していた場合、それなりの “こだわり” が感じられるのかもしれないけれど、如何せん油揚げ麺の風味が邪魔をしてくるし、とろみの加減も不自然だし、イマイチといわざるを得ない味。
「特製ペースト」は、日本の味噌と豆板醤を軸に、豚の旨みと唐辛子の辛さを適度に効かせた辛ダレで、辛味の度合いはピリ辛の範囲内。また2年前の「特製ペースト」に使っていた “還元水飴” と “食塩” は使わずに、豚脂の比率を高めるなど、きちんと “こってり味”(味濃いめ・油多め)に寄せる工夫が凝らされています。
ただ、これをピンポイントで麺に絡めても、スープ全体に馴染ませても、常に油揚げ麺臭が全体を支配していたので、ちょっと何がしたいのか分かりませんでした。
かやく
スーパーカップ的には及第点かもだけど‥‥
コリコリとした細切りのキクラゲに、シャキシャキとした熱風乾燥のネギについては2年前と共通ですが、メインの味付豚肉は例の気が抜けたベーコンっぽい具材から「(コンビニ限定)スーパーカップ1.5倍 ブタキムラーメン」と同等の豚肉に変わっているため、これについては好印象。ただ、画像の通り量が多いとはいえません。
通常よりも深く焙煎したという、風味のいいゴマについては無条件で好印象ではあったものの、なにはともあれ油揚げ麺臭が気になって気になって、具材の改良だけではカバーしきれていませんでした。
総評
2年前の「スーパーカップ1.5倍 ラーメン暖暮監修 辛ダレ豚骨ラーメン」と比較して、なるほど「特製ペースト」については “味濃いめ・油多め” によっていると感じたのですが、如何せん油揚げ麺の存在感が不躾でいけません。
油揚げ麺そのものに関する問題も然る事乍ら、それを支えきれなかったスープにも問題があると感じたので、ちょっと厳しく評価しています。昨年の縦型ビッグは総合力の高い一杯だったのと、これまでの流れ的に来年は「全国ラーメン店マップ」から出してください【author・taka :a(大石敬之)】