どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年2月8日(月)順次リニューアル発売、セブンプレミアムゴールドのカップ麺「すみれ 札幌濃厚みそ」の実食レビューです。
札幌みそラーメンの大御所「すみれ」の濃厚な味わいを再現したカップラーメン “シリーズ史上最上級” のスープにリニューアル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
すみれ 札幌濃厚みそ 2021
「すみれ」とは、北海道札幌市豊平区中の島に本店を構える老舗の味噌ラーメン専門店で、創業は1964年(昭和39年)8月2日。すみれを立ち上げた初代店主・村中明子(むらなか あけこ)さんは、まだ札幌で淡麗系のラーメンが好まれていた頃、当時のトレンドと逆行する濃厚な味噌ラーメンを考案し、現在の札幌みそラーメン界における礎を築きました。
今回のカップ麺「すみれ 札幌濃厚みそ」は、有限会社すみれ屋フーズとセブン&アイグループ及び日清食品株式会社の共同開発商品で、セブンプレミアム(SEVEN&i PREMIUM)の中でも最上級に位置する「セブンプレミアム ゴールド」の通年商品。パッケージにあった “日清名店仕込み” のロゴは消えましたが、2000年(平成12年)4月18日に発売された「日清名店仕込み すみれ みそ」の後身に当たる存在です。
「日清名店仕込み」とは、セブン-イレブン・ジャパンと日清食品の共同開発ブランドで、2000年4月に初代「札幌すみれ みそ」と「博多一風堂(いっぷうどう)赤丸新味」を市場に投下するや否や、発売わずか2ヶ月で500万食(2品計)を記録。それは名店再現系のカップ麺における高級路線の金字塔を打ち立てた、現在も続く日清名店シリーズの草分けといっても過言ではありません。
その後、2001年(平成13年)5月15日、北海道は旭川の本格派「山頭火(さんとうか)とんこつ塩」をラインナップに加え、2012年(平成24年)11月13日より “セブンゴールド(セブンプレミアム ゴールド)初のカップラーメン” としてリニューアル。以降「すみれ」「一風堂」「山頭火」を御三家とし、全国のセブンイレブンをはじめ、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、そごう・西武、シェルガーデンに定着します。
2021年3月14日現在、まだ「山頭火 旭川とんこつ塩」に動きはないのですが、2021年2月8日より「すみれ」と「一風堂」のカップラーメンは順次リニューアルを開始。どちらもテコ入れ後のパッケージに “日清名店仕込み” の文字はなく、しかしながら “シリーズ史上最上級” のスープを謳い、右上半分にはシックな黒を、左下半分には調理後のイメージ写真を起用した、より重厚感のあるデザインに刷新。
>>「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」2021年版 実食レビュー
先に「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」のカップラーメンをリニューアル前と比較してみたところ、具材のラインナップは変わっておらず、しかしながらセブンイレブンでの販売価格は258円(税込278円)から278円(税込300円)に値上げされていたのですが、なるほどスープの豚骨感に一段と磨きがかかり、ほぐれにくかったノンフライ麺も改良されるなど、たしかなブラッシュアップを感じました。
その「一風堂」と同じ日にリニューアルされた「すみれ」のカップ麺ですが、どちらも一部の地域から順次リニューアル販売という形式を取っていたので、店舗によっては入荷が遅れている様子。2021年3月14日現在、セブン-イレブン・ジャパンの公式ウェブサイトによると、山形県・東京都・神奈川県の一部店舗ではリニューアル前の商品を取り扱っているようですが、それも時間の問題かと思います。
ちなみに「すみれ 札幌濃厚味噌」の最終リニューアルは、2018年5月28日の話。当時のリニューアルでは、キャッチフレーズを “この味、まさに店味。” から “この味、さらに店味。” に変更し、スープにおける炒め油の旨みをアップさせていたのですが、2021年発売品の変更点は「すみれシリーズ史上最上級スープ」のほか「麺の湯戻し時間も変わっている」ため、その違いも気になるところ——。
開封
というわけで、まずは従来品「すみれ 札幌濃厚味噌」の内容物から解説。リニューアル前の小袋構成は、先入れの「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」の合計3袋。麺は黄色味の強い “熱湯4分” のノンフライ麺で、2021年3月8日発売の数量限定商品「すみれ 黒胡麻味噌」には縦型ビッグの容器を採用していましたが、セブンゴールドの通年商品は大判どんぶり型の容器を採用した本気モード。
リニューアル後の小袋も先入れの「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」なので、小袋の構成は変わっていませんが、液体スープと粉末スープの小袋はリニューアル前よりも若干ながら薄めの色。また “熱湯5分” のノンフライ麺を使用しているのも興味深く、パッケージの商品名が「札幌濃厚味噌」から「札幌濃厚みそ」に変わっているのもリニューアル前後のマイナーチェンジ。
販売店はコンビニのセブンイレブンをはじめ、セブン&アイグループのGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)各店も対象となっているのですが、前述の「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」と同じように、店頭表示価格を258円(税込278円)から278円(税込300円)に値上げしているのも大きな変化。とはいえ近年、高級志向のカップラーメンをコンビニで購入した場合、値段が税込300円前後になることも珍しくありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム ゴールド すみれ 札幌濃厚みそ 製造者:日清食品株式会社 製造所:A・関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:143g(めん80g) 商品コード:4902105265291(JAN) |
発売日:2021年02月08日(月) 実食日:2021年03月14日(日) 発売地域:全国 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 購入価格:300円(税込) 販売価格:278円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキン調味料)、スープ(みそ、オニオン調味油、ポークエキス、豚脂、香辛料、糖類、香味油、ごま、しょうゆ、小麦粉、チキンエキス、酵母エキス、食塩、みそ調味油、乳化油脂、植物油脂)、かやく(味付肉そぼろ、味付メンマ、ねぎ、フライドオニオン)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、加工でん粉、カラメル色素、香料、かんすい、リン酸Ca、カロチノイド色素、セルロース、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
【リニューアル前】栄養成分表示:カロリー 559kcal(めん・かやく 362kcal / スープ 197kcal)、たんぱく質 14.8g、脂質 24.6g、炭水化物 69.5g(糖質 64.6g / 食物繊維 4.9g)、食塩相当量 7.7g(めん・かやく 1.9g / スープ 5.8g)、ビタミンB1 1.82mg、ビタミンB2 0.42mg、カルシウム 204mg |
さて、まずはリニューアル前の調理直後。スープが冷めにくいように‥‥と、たっぷり浮かべられたラードの層が極寒の地・北海道は札幌の味噌ラーメンらしく、そこに映える黄色い麺の色合いも雰囲気を高めてくれるポイント。さらに多めの具材も嬉しい反面、熱湯4分しっかり待ってもノンフライ麺がほぐれにくく、これについては以前から気になっていました。
【リニューアル後】栄養成分表示:カロリー 564kcal(めん・かやく 364kcal / スープ 200kcal)、たんぱく質 14.8g、脂質 24.8g、炭水化物 73.2g(糖質 67.8g / 食物繊維 5.4g)、食塩相当量 7.5g(めん・かやく 2.7g / スープ 4.8g)、ビタミンB1 0.48mg、ビタミンB2 0.41mg、カルシウム 178mg |
対するリニューアル後の「すみれ 札幌濃厚みそ」もスープにおけるオイルの量は多く、そこに黄色味の強いノンフライ麺が映えているのですが、スープの色は違います。それが何を意味しているのかについては後述するとして、明らかに麺が “ほぐれやすくなった” のは改良点。見た感じ具材の量も構成も変わっておらず、あとは麺とスープの違いのみ。
ちなみにセブンイレブンのカップ麺を監修している「すみれ」は村中家の三男・伸宜(のぶよし)氏が1988年(昭和63年)に創業した店で、北海道札幌市南区澄川に本店を構える「純連(じゅんれん)」は村中家の長男・教愛(のりよし)氏が母の事業を引き継いで営業している店。前者の「すみれ」は日清食品と、後者の「純連」はサンヨー食品(サッポロ一番)と手を組んで、通年販売のカップラーメンを展開している現在——。
その違いについては後日、あらためて記事にするとして、引き続き「すみれ」監修のカップ麺(日清食品×セブン&アイ)におけるリニューアル前後の違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、総評はリニューアル後の「すみれ 札幌濃厚みそ」に基づきます。 |
めん
大幅にブラッシュアップ
リニューアル前のノンフライ麺(熱湯4分)は、縮れの強い平打ち麺で、やや加水率は低く、サイズは中太。実店舗で使われている麺は、2017年に切り替えた「西山製麺」の特製33丸(すみれ)麺で、生地に卵を練り込んでいるのですが、ノンフライ麺に卵粉などは使用されておらず、形状も別物。食べ始めには適度なコシを感じますが、じきに歯切れのよさが目立ち、風味に熟成感はなく、やはり久々に食べても戻りムラが気になりました。
同じくリニューアル後のノンフライ麺にも卵粉は練り込まれておらず、原材料もチキンエキスの表記がチキン調味料に変わったくらいかと思いきや、なんのなんの。部分的に発生していた戻りムラが気にならなくなったことに加え、明らかに幅も狭く、その分だけ厚みが増しているような印象。おかげでリニューアル前の麺よりもコシが強くなり、なおかつ耐久性についても大幅に向上しています。
またコシの強さもさることながら、プリッと弾むような歯切れのよさにも磨きがかかり、従来の麺よりも臨場感のある仕上がりにリニューアル。パッケージで麺についての変更点はアピールされていませんが、きもち小麦の風味にも熟成感が生まれるなど、前述の「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」と同じく大きな進化を感じました。
スープ
スープの味も大幅に変化
リニューアル前のスープは調理後に湯気が立たないくらい、たっぷりと表面に浮かぶオイルの層が頼もしく、それも豚脂(ラード)を中心とした動物油脂を使用しているため、植物油では出せない重厚感が魅力。タレは一度焼いた白味噌を彷彿とさせる芳ばしい風味を軸に、そっと赤味噌のキレを重ね、それを引き立てる生姜やニンニクなどの香味野菜、加えて擂り胡麻や和山椒のスパイス感も絶妙なフレームワーク。
実店舗のスープには、豚骨のみを約6時間ほど煮込んだ動物系の清湯(チンタン)に、別の寸胴で炊いた魚介の出汁(だし)を合わせているのですが、それを再現したカップ麺のスープで感じる動物系は豚骨白湯(パイタン)で、しかしながら重心の低い、ぽってりとしたコクと旨みは素直に魅力。ほぼほぼ魚介の要素は目立っていませんが、実に本格的な味わいで、有名店監修ならではの臨場感を醸しています。
対してリニューアル後のスープは従来よりも赤味噌の風味が強く、とろみ成分や糖類の甘さに加え、化学調味料の刺激など、リニューアル前のスープよりもインスタント感が目立つ、けっこう人工的な味わいにシフト。表面に浮かぶオイルの量も減っていたので、従来のナチュラルな方向性にあるスープに魅力を感じたのですが、それはさておき他にもチキンエキスを新たに追加するなど、大きな変化が生じていました。
具材
リニューアルに伴う変更なし
リニューアル前の具材は、醤油と胡椒で味付けした肉ミンチに、メンマ、斜め切りのネギ、玉ねぎ(フライドオニオン)の4種類。札幌みそラーメンを象徴する “もやしは入っていない” というのが残念なポイントではあるものの、肉ミンチの量は多く、少量とはいえ濃厚なスープにフィットする玉ねぎの甘みと食感も効果的。
リニューアル後も具材の構成は変わっておらず、肉ミンチも同じ味付けで、そろそろ「もやし」の導入も検討してほしいところではあるものの、それについては次回のリニューアルに期待でしょうか。
総評
リニューアル前の「すみれ 札幌濃厚味噌」と比較して、大きなリニューアルポイントは2つあり、ノンフライ麺の変化については好印象。反対に “すみれシリーズ史上最上級” を謳うスープは人工的な要素が強くなったので、そこが引っ掛かるテコ入れでした。
しかし、結果的に「おいしい」か「まずい」かでいえば前者。値段も税込300円に値上がりしているため、安い商品ではないけれど、こってり濃厚な味噌ラーメンが食べたい気分のとき、最寄りのセブンイレブンまで買いに行く価値はあるかと思います(author・taka :a)