どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月4日(月)新発売のカップ麺、ヤマダイ「ニュータッチ 凄麺 冬の塩らーめん(15代目)」の実食レビューです。
“寒い冬に美味しい塩らーめん” を——「凄麺」が送る期間限定 “冬の風物詩” 2019年は「白菜」と「にんにく」が決め手!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
凄麺 冬の塩らーめん 2019
「凄麺(すごめん)」とは、うまいヌードル “ニュータッチ” ことヤマダイ株式会社が誇るノンフライ麺ブランドで、2001年10月29日に第1弾「凄麺これが煮玉子らーめん」を発売。バリエーション豊富な定番の人気ご当地シリーズをはじめ、ゆでたての旨さを再現した麺に定評のある「凄麺」より、今年も期間限定「冬の塩らーめん」がリリースされました。
「冬の塩らーめん(ふゆのしおらーめん)」とは、「凄麺」の発足から2年後となる2003年に始まった冬季限定商品で、初代の商品名は “冬の塩らーめん” ではなく「冬の塩らぁめん」という表記で発売。初代は「濃厚背脂塩味」をコンセプトにしていて、冬だからこそ身体を芯まで温めてくれる背脂たっぷりの塩ラーメンとして登場します。
たしか当時の販売価格は278円(2019年11月現在でいうところの税込300円クラス)、もちろん油で揚げない熱風乾燥のノンフライ麺を使用していたのですが、なんと驚きの503kcalというハイカロリー商品。背脂たっぷりのレトルト調理品に焼豚、メンマと王道のトッピングを揃え、沖縄の塩 “シママース” を使用していました。
こってりとデビューを飾った「冬の塩らぁめん」は、翌2004年の2代目「冬の塩らーめん」から現在の表記に統一。以降は2005年、2006年、2007年、2008年——と、毎年の恒例行事になっていたのですが、2014年に発売された12代目で一時中断。2015年と2017年の冬は休み、通算「15代目」となる2019年の冬は「たっぷりの白菜」と「にんにくの旨味」をピックアップしています。
2003年の初代から2012年の10代目まで、オホーツクの塩や柚子を使ってみたり、香ばしい炙り風味のスープをテーマにしてみたり、白湯スープに切り替えてみたり、話題の塩麹を使用したりとマイナーチェンジを繰り返しながら、ずっと「濃厚背脂塩味」を副題に掲げていたところ、2013年の11代目より「背脂塩味」と “濃厚” の文字が無くなって、宮古島の雪塩をアピール。
2014年の12代目も「背脂塩味」というサブタイトルでしたが、初めて “おろし生姜(しょうが)” を別添したパターンが出現。ひとつ飛んで2016年の13代目も別添おろし生姜付きでしたが、サブタイトルなしで新たに “白菜” を導入し、麺も熱湯5分の太麺から熱湯4分の中細麺に変わります。そして2018年の14代目では、生姜から “別添おろしにんにく” に変わるなど、地味に大きな変動を見せている冬の塩。
前回発売品の2018年・14代目「冬の塩らーめん」では白菜がカットされていたのですが、スープは生おろしニンニクの破壊力でパワーアップ。再び背脂が強化され、ゴジベリーとも呼ばれているスーパーフード「クコの実」をトッピングするなど、13代目とは違ったベクトルからアピールしてきた個性派でした。
そして今回の2019年・15代目は、イメージ的に13代目に近そうな雰囲気。14代目と比較してパッケージに背脂の文字がなく、カロリーも452kcalから357kcalと “95kcalも下がっている” ので、そこが不安なポイントです[※2018年発売品の詳細は「凄麺 冬の塩らーめん(14代目)」の記事をご参考ください]。
開封
さて、レギュラーサイズの「凄麺」にはフタ裏に “フタの裏ばなし” という文字通りの裏話が印刷されていて、今回は「No.冬 – 1」(「冬の塩らーめん」の1話目という意味)。「凄麺シリーズの冬の顔」というタイトルで、 “冬に食べたい塩らーめん” をコンセプトにしていることや15回目の発売など、上記で紹介した歴史を要約しているような内容でした。
加えて2019年の15代目では、白菜を主役に味作りをしたと開発者のコメントもあり、大きめにカットした白菜をブロック状に詰め込むことで、細かくなることなく丼いっぱいに広がるように工夫した旨が紹介されています。2019年3月18日、凄麺ご当地シリーズの定番「奈良天理スタミナラーメン」の具材が “デカギリ白菜” にリニューアルしているため、もしかすると共通かもしれません。
別添の小袋は、「おろしにんにくペースト」「液体スープ」「かやく」の合計3袋で、パッケージのフタ上に描かれている小袋(にんにくペースト)のイラストと実際の小袋は同じデザイン。なかなか芸が細かい‥‥などと思いつつ、14代目に別添されていた「凄麺 ねぎみその逸品」と共通の小袋よりも小さいため、ややコスト調整的なマイナスイメージが無きにしも非ずでしょうか。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 凄麺 冬の塩らーめん 製造者:ヤマダイ株式会社 内容量:123g(めん65g) 商品コード:4903088014449(JANコード) 商品サイズ:縦175mm×横175mm×高さ78mm 発売日:2019年11月04日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(おろしにんにくペースト・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(動物油脂、食塩、ポークエキス、糖類、ニンニクペースト、クリーミングパウダー、香辛料、オニオンパウダー)、かやく(白菜、ニラ、唐辛子、ゼラチン、でん粉) / 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、酒精、かんすい、ソルビトール、環状オリゴ糖、酸化防止剤(ビタミンE)、ミョウバン、酸味料、クチナシ色素、香料、(一部に乳成分・小麦・大豆・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。 |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、やはりリニューアル後の「凄麺 奈良天理ラーメン」と同じようにフリーズドライ製法のFDブロックが入っていて、白菜だけでなくニラも入っています。それから細切りにされた人参に見える朱色の具材も一緒に固めてあるのですが、原材料名(かやく)は “白菜、ニラ、唐辛子、ゼラチン、でん粉” ということで赤唐辛子ですね。
凄麺もといニュータッチのカップ麺は、あるところにはあるけど売ってないところには “まったく売ってない” ことでも有名で、今回もしかり。販売店は全国のスーパーやドラッグストアと公式から発表されているのですが、コンビニやディスカウントストアにも売ってなかったので、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)で取り寄せました。
まだ今週発売されたばかりなのに、週の中頃には売り切れてしまったので、もしかすると一部の地域・店舗では入手困難なカップラーメンになるかもしれません(これまでのパターン的に、アズナスとかが狙い目かも)。それでは、スープと白菜の相性や14代目からの変化に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(123g)当たり
カロリー:357kcal |
※この記事に掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの際は、お手元の製品に表示されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
凄麺シリーズに使用されているノンフライ麺は、基本的に5種類前後の麺をベースにシリーズ間で使い分けていて、今回は定番ご当地シリーズの「仙台辛味噌ラーメン」や「札幌濃厚味噌ラーメン」、そして売り上げNo.1の逸品シリーズ代表「ねぎみその逸品」など、濃厚な味噌ラーメンで共用している熱湯5分のノンフライ太麺(65g)を採用しています。
もともと凄麺シリーズの麺は平均60gに設定されていましたが、凄麺ユーザーから “せっかく美味しいのに凄麺の麺量が少ない” という声が寄せられ、数年前に「太麺」を「65g」に増量。角刃でカットされた存在感の強い縮れ麺で、まさに濃厚な味噌ラーメンにピッタリな、ブリンッと弾けるコシの強さが特徴的な太麺です。ええ、今回は「塩」なんですけどね。
別添のニンニクを入れる前のスープだと、やや麺勝ちしているような印象を受けますが、おろしニンニク投入後のスープを思えば太麺も悪くありません。あえての中細ストレート麺でも面白かったような気もしますが、クリアなスープにゴリゴリの太麺というのも一興で、意外とありそうでなかった新鮮味を覚えました。
スープ
同社をはじめ、2019年は透明な豚骨スープ(とんこつ清湯)が新ブームの兆しを見せており、今回その延長線上にあるようなイメージです。まさに百聞は一見に如かずの白く濁ったスープなので、完全なる清湯(ちんたん)ではないのですが、「凄麺 熟炊き博多とんこつ」のように白濁した白湯(ぱいたん)スープではありません。——あ、でも大阪の “ライト豚骨” に近いかも。
原材料中もっとも多く使用されているのは「動物油脂」となっているのですが、2019年の15代目は背脂系統ばっさりカット。口当たりは歴代もっとも軽く、かなりアッサリとしたテイストに仕上がっていて、こってり感は楽しめません。けれどもアレルゲン表示に鶏肉の文字がなかったように、スープの動物系は豚100%で、骨っぽさを抑えながら豚の出汁(だし)を丁寧に抽出したような味わい。
それでも麺の太さを思うとライトすぎるような‥‥と、そんな不満を捩じ伏せてくれるのが別添おろしニンニクです。小袋は小さくなっていましたが、全体の雰囲気を変える分には不足ありません。中身は「ねぎみその逸品」に別添されているペースト状のニンニクと同じなので、かなり強烈なニンニク臭が漂います。頼もしいw
タレは「塩らーめん」らしく、例年と同じようにキリッと輪郭のある塩味。おろしニンニクは市販のチューブタイプを想像していただければ “それ” なので、にんにくのキレと同時に食塩のキレもアップします。ただ、同時に塩の甘みや旨味も並行するため、ただの塩っぱい塩味ではありませんでした。
かやく
いやいや——さすが白菜を軸に開発したというだけあって、とにかく今回の白菜は尋常じゃなくスゴいです。これまでにもフリーズドライ製法の白菜は何度も口にしてきましたが、ほとんどが軸の部分を1.5cm角くらいにカットしたものが採用されていたのに対し、その3倍ないし4倍くらい大きな白菜がゴロゴロ入っていて、なおかつ “葉の部分” までリアル。
通常、しわしわになっている葉先の部分は飾りに過ぎない——もとい飾りにもならないところ、今回は軸の部分とは違う葉先の風味までリアルに再現。そして軸の部分は “史上もっとも分厚い白菜” といっても過言ではなく、食感がクタクタになってしまいがちなFDブロックなのにシャッキシャキで、おろしニンニクを解いた後のスープと白菜の優しい風味が相性抜群。
ニラは白菜とニンニクの陰に隠れていましたが、さりげなくスープのスタミナ感をサポート。赤唐辛子はパッケージほど鮮やかな色ではなく、しかしながら何気にピリッと辛かったので、寒い冬に嬉しいアクセントでした。この構成から、やはり2019年3月リニューアル後の「凄麺 奈良天理ラーメン」と同じFDブロックと思われます。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
前回の14代目から15代目に代変わりした今回、個性的だったクコの実はカットされ、さらに背脂やチャーシューも廃止。動物系だった14代目から白菜推しの草食系に変わったので、こってり冬待ちしていた方にとっては寂しい変更かもしれません。ただ、最近のリニューアル傾向を見ると、資材の高騰やらでヤマダイも苦しそうですし、止むを得ない線路変更だったのかなと。
それに背脂はなくなってもペースト状のニンニクは継続、汎用のチャーシューよりもインパクトを感じた分厚い白菜など、きちんと見所のある良品でした。とりあえず2019年は具材の「白菜」を軸に組み立てられていたので、今回はそれを素直に楽しみ、16代目ではレトルト調理品の「大粒背脂」を使ったゴリゴリの動物系に期待したいですね。