どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年8月23日(月)新発売、日清食品のカップ麺「汁なし豚ラ王」の実食レビューです。
ヤサイ、アブラ、ニンニクで背徳の極み——。日清の二郎インスパイア系「豚ラ王」にファン待望の汁なしアレンジついに降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
汁なし豚ラ王
日清ラ王(にっしんらおう)とは、日清食品が製造・販売している即席カップめん及び袋入りインスタントラーメンのブランドで、1992年(平成4年)9月21日に新発売。当初は “まったく新しい生タイプのインスタントラーメン” として登場しましたが、2010年(平成22年)10月4日発売品以降、新開発の「3層太ストレートノンフライ麺」を搭載し、現在は “その時代の王道の味” に進化し続けています。
その時代の王道の味といえば、変化の波が大きいラーメン業界において、今もっとも注目されているといっても過言ではないのが「二郎系」「二郎インスパイア系」と呼ばれるジャンル。それはトレンドが色濃く反映される即席カップめん業界にも多大な影響を及ぼし、関連する新作がコンスタントに開発されているのですが、その時代の王道を追求する「ラ王」にも波及したのは言うまでもありません。
今回の新商品「日清 汁なし豚ラ王」は、近年のラーメン業界でも注目を集めている “汁なし” に着目した新作で、それを日清の二郎インスパイア系「豚ラ王」流にアレンジした一杯。2020年1月13日に発売された初代「豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」を皮切りに、これまで「キムチ」や「辛豚ラ王」といったバリエーションを展開してきましたが、湯切りタイプの汁なしカップ麺はシリーズ初の試み。
豚ラ王(ぶたらおう)とは、群雄割拠のラーメン業界で唯一無二のポジションを確立した「ラーメン二郎 三田本店」及び同店の直接的な系譜に連なる “二郎系” と、それに強く影響された “インスパイア系” に該当するラーメンをモデルに生まれたシリーズで、記念すべき第1弾「ヤサイ、アブラ、ニンニク」がリリースされた当時、あまりに強烈なインパクトと再現度の高さからネット民も騒然。
「豚ラ王」シリーズ専用に開発された “踊る極太麺” は、切刃番手・12番(溝巾2.5mm)の極太ノンフライ麺で、二郎インスパイア店御用達の “ごわごわ・わしわし” とした食感を打ち出すために、きちんと加水率も低めに調節。初代のスープは王道で、微乳化系の醤油豚骨味をベースにし、生おろしニンニクのキレを強めに効かせつつ、あの豚臭いニオイや口に残る化学調味料の雑味まで忠実に再現。
極め付きに小さな背脂の粒と食塩をブレンドした “アブラ増し袋” の中身を温めずにトッピングする仕様を採用し、これまでのカップ麺にはない臨場感とインパクトを打ち出すなど、開発担当者の中にジロリアン(「ラーメン二郎」を愛してやまないマニア)の影を感じるような仕上がりで、その衝撃と背徳感に筆者も舌を巻きました。
かくして二郎インスパイア系を模したカップ麺の最高峰として、多数のメディアやSNSでも話題をさらった「豚ラ王」という革命児。しかしながら2020年8月24日発売の第2弾「豚ラ王 キムチ」では一変して二郎インスパイア系から離れ、直近だと2021年8月2日発売の第3弾「辛豚ラ王」も王道から離れた変わり種のフレーバーとなっていたのですが‥‥
第3弾の登場から間髪を容れずに現れた第4弾「汁なし豚ラ王」のパッケージには “ヤサイ、アブラ、ニンニク” とあるように、2020年1月13日発売の初代「豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」及び2021年1月4日発売の「二代目」を直球で汁なしアレンジしたようなファーストインプレッション。またシリーズ初の湯切りタイプということで、湧き上がる期待が抑えられません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「かやく」に、後入れの「液体たれ」と「アブラ増し袋」の合計4袋。構成としてはカップラーメンの「ヤサイ、アブラ、ニンニク」や「辛豚ラ王」と同じなのですが、比較して液体たれ(スープ)の量が少ないのと、アブラ増し袋のカラーリングが反転しているため、特にアブラ増し袋の色が変わっているのが気になるところ。
麺は「日清ラ王」史上もっとも太いウェーブ麺で、その威風堂々たるビジュアルから、従来の “踊る極太麺” と同じノンフライ麺‥‥いや、それとも汁なし専用に調整済みでしょうか。たとえば東洋水産の「マルちゃん正麺」がシリーズ初の汁なしカップ麺を出したとき、わざわざ湯切りタイプ専用のノンフライ麺を開発するのに2年以上の歳月を費やしていましたが、日清食品の「豚ラ王」はどうでしょう。
ちなみにメーカー希望小売価格は368円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は397円とカップ麺らしからぬ値段になるのですが、これについては2020年1月発売のシリーズ第1弾から変わりません。ただ、カップラーメンの「ヤサイ、アブラ、ニンニク」はコンビニで買っても惜しくないと思えたので、それ相応の完成度が今回の汁なし版にも求められます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清 汁なし豚ラ王 製造者:日清食品株式会社 製造所:A・関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:135g(めん90g) 商品コード:4902105268209(JAN) |
発売日:2021年08月23日(月) 実食日:2021年08月26日(木) 発売地域:全国 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:354円(税込) 希望小売価格:368円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:八角型・湯切りタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:470ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体たれ・アブラ増し袋・焼豚・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス)、たれ(豚脂、しょうゆ、ポークエキス、香辛料(にんにく)、もやし調味油、糖類、香味油、たん白加水分解物、香味調味料、食塩)、かやく(キャベツ、チャーシュー)/ 加工でん粉、酒精、調味料(アミノ酸等)、リン酸Ca、増粘剤(アラビアガム、加工でん粉)、かんすい、香料、カラメル色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、炭酸Mg、香辛料抽出物、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「焼豚」と「かやく」のみ先入れで、おそらく焼豚もキャベツもシリーズ通して同じモノ。カップラーメンには入っていた粒状の乾燥ニンニクが省かれているのは、湯切りの際に流れ出てしまうので、カットせざるを得なかったのでしょう。つまり、それを別添の “アブラ増し袋” で補っているのでしょうか‥‥
などと考えながら、お湯を内側の線まで注ぎ、待っている間にフタの上で「液体たれ」の小袋を温めるのですが、毎度おなじみ “アブラ増し袋は温めないでください” となっているので、かならず守っておきたいポイント。あとは湯切り後に「液体たれ」を馴染ませて、仕上げに「アブラ増し袋」の中身をトッピングしたら出来上がり。
ちなみに容器はカップラーメン用ではなく、底面をフラットに仕上げた汁なし専用の容器だったので、まぜやすさに配慮した設計でした。さて、見た目は初代「ヤサイ、アブラ、ニンニク」を汁なし化したような雰囲気ですが、けっこう香りのベクトルは違ったので、それとの違いや共通点にも注目しつつ「めん」「たれ・アブラ増し袋」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(135g)あたり |
カロリー:566kcal たん白質:11.4g 脂 質:24.6g 炭水化物:74.7g 食塩相当量:5.7g ビタミンB1:0.27mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:220mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく汁あり用と同じ麺
原材料名に記載されている「小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス」は、従来のカップラーメンに使われていた “踊る極太麺” と並びまで完全に同じ内容で、もしかすると微調整している可能性もありますが、ほぼほぼ体感的に同じノンフライ麺という認識で問題ありません。湯切りタイプでも滞りなく戻るのと、あいかわらずの臨場感を実現。
二郎インスパイア系のラーメンを提供している店では、麺にオーションと呼ばれる日清製粉の強力粉(灰分0.52±0.04%の2等粉)を使う傾向があり、サイズは極太でも加水率は低く、わしわしと食べたくなる無骨さが魅力。さすがにカップ麺で店内に充満する2等粉特有のニオイまでは再現できていませんが、現在のカップめん業界において、これ以上に臨場感のあるノンフライ麺はないでしょう。
すこし粉っぽい部分もありましたが、ある意味それも無骨さを象徴してくれる要素の一つであり、例の “ごわごわ・わしわし” とした魅力が楽しめます。それとカップラーメンでの麺量は80gだったのに、汁なしでの麺量は90gに増えていたので、そこも嬉しいポイントでした。
たれ・アブラ増し袋
背徳感ばっちり
別添の「液体たれ」は、カップラーメンでの醤油とんこつ味と違い、ちょっと焼肉のタレっぽいというか、そっち系のテイスト。比較的に醤油感はマイルドで、カップラーメンのスープで魅力だと感じた豚臭さも弱く、二郎インスパイア系としてはマイルドで優等生な印象を受けました。しかし、ニンニクのキレは鋭く、そこに「アブラ増し袋」を加えると、二郎インスパイアらしい背徳感がイッキに加速。
やはり今回も背脂と食塩をブレンドしていたので、たっぷり入ったアブラの背徳感だけでなく、塩気もキリッと強くなり、なおかつニンニクの存在感もブラッシュアップ。最初は白く凝固していますが、すこし混ぜると麺の熱で透明度が上がり、ひとくち啜れば唇もギットギトの不健康感が楽しめます。
アブラ増し袋の中身がダイレクトに絡んでいるところを食べた場合、けっこう塩気もストレートに伝わってくるのですが、全体に馴染ませるとキレを残しつつも強すぎない塩梅。踊る極太麺と大量のキャベツに対し、ベースのタレだけではギリギリの量ですが、アブラ増し袋の中身を全体に馴染ませることで完成するバランスだったので、見た目のインパクトを楽しんだ後、しっかり混ぜ合わせてください。
具材
たっぷりキャベツと業界きっての厚切り焼豚
二郎インスパイア系で定番のモヤシは入っていませんが、おたま1杯分ほどあるキャベツが頼もしく、ちょっと塩気が強いアブラを中和してくれる野菜の甘みがオアシスで、物足りなさを感じることはありません。また豚(ぶた)と呼ばれる巨大な肉の塊ほどではないけれど、日清食品が誇る大判焼豚は食べ応えがあり、量・質ともに乾燥の肉具材ではトップクラス。
そこそこ厚みもありますし、甘味を帯びた脂身の部分は噛むとジューシーで、きちんと側面に焼き目が付けられているのもポイント。おそらく「豚ラ王」もとい「日清ラ王」シリーズ共通の焼豚なので、まったく新鮮味はないけれど、今後も使い回していただきたいアイテムです。
総評
もうちょっと「液体たれ」に豚臭いインパクトがあれば‥‥などと思った反面、ごわごわ・わしわし系のノンフライ麺は従来の「踊る極太麺」と酷似した内容で、湯切りタイプでも問題なく成立。さらに定評のある「アブラ増し袋」のインパクトも継承されており、メーカー希望小売価格を踏まえても良品だと感じました。
もちろん作り方の手順通りに食べても美味しいのですが、電子レンジで加熱した「もやし」に「ごま油」と「塩こしょう」で味を調えてみたり、もっとシンプルに「ラー油」を加えてピリ辛にしてみたり、まぜそばライクに「ベビースターラーメン」や「卵黄」をトッピングしてみたり、ちょい足しアレンジのポテンシャルも高いので、一度は試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】