どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月10日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 札幌らーめん信玄 コク味噌味」の実食レビューです。
ラーメン激戦区・札幌で行列が絶えない人気店「らーめん信玄」監修シリーズに “コラボ史上初となるノンフライ麺を搭載したカップラーメン” ついに登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
札幌らーめん信玄 コク味噌味
らーめん信玄(しんげん)とは、有限会社センゴクが経営しているラーメン店で、創業は1998年(平成10年)8月。現在も北海道石狩市花川南1条1丁目に「花川本店」を置いていますが、2000年(平成12年)2月にオープンした同市中央区南6条西8丁目の「南6条店」を旗艦とし、札幌屈指の繁華街・すすきの中心部から少し離れた位置にありながら、常に多くの人で賑わっている札幌屈指の名店です。
今回の新商品「明星 札幌らーめん信玄 コク味噌味」は、らーめん信玄の代名詞といっても過言ではない「信州(コク味噌)」を再現したカップラーメンで、製造者は東京都渋谷区千駄ケ谷に本社を構える明星食品。これまでに4度、らーめん信玄監修のカップ麺を展開している明星食品ですが、大判どんぶり型での商品化は前例がありません。
明星×らーめん信玄といえば、2019年(平成31年)2月11日発売の「明星 札幌らーめん信玄 コクみそ味」を皮切りに、2020年(令和2年)3月9日と2021年(令和3年)1月4日にも同じ商品名のカップラーメンを市場に投下。続けて同年9月6日には「明星 ひとり〆ラー鍋 信玄監修 札幌味噌鍋」という “〆のラーメンがうまいひとり鍋の素” を発売するなど、即席カップめん以外の商品も展開。
その後も昨年11月15日に “幻のテイクアウトメニュー” を再現した汁なしカップ麺「明星 札幌らーめん信玄監修 コク味噌まぜそば」を発売したり、2022年(令和4年)以降は3月14日に「明星 サラダが超絶うまい 冷やしまぜそば 信玄監修ごま味噌味」を、8月15日に「明星 野菜が超絶うまい 鍋ラーメン 信玄監修 札幌味噌味」を発売とコンスタントに新作をリリースしています。
なかでも「らーめん信玄」のカップラーメンといえば、コンビニで重宝される縦型ビッグの容器が基本。過去に発売された「コクみそ味」3品すべて例に漏れず、縦型ビッグの容器を採用し、油で揚げたフライ麺を搭載していました。しかし、今回の「コク味噌味」は、発売4年目にして初となる大判どんぶり型の容器に身を包み、なおかつノンフライ麺を搭載した本気モード。
モデルになっている「信州(コク味噌)」は、白みそ仕立ての人気メニューで、他にも「越後(辛味噌)」「信州(コク味噌)」「土佐(あっさり塩)」「播磨(こってり塩)」「尾張(あっさり醤油)」「水戸(こってり醤油)」や花川限定「蝦夷(こがし背脂醤油)」など、日本の旧国名(古称)を冠する個性的な商品を展開しているのですが、その中で注文率No.1を誇るのが信州(コク味噌)。
スープの動物系は豚骨をベースに、煮干しや数種類の野菜を加え、じっくり煮込むこと50時間。それでいて澱みのない清湯(ちんたん)に仕上げているのがポイントで、見るからに濃厚そうな見た目のスープでありながら、前述のように味の決め手となるタレは白みそを基調とし、なまらまろやか(とてもまろやか)な味わいを特徴としています。
このブログで「コク味噌まぜそば」は及第点に星ひとつプラスと評価しているのですが、2019年2月発売の「コクみそ味(初代)」と2021年1月発売の「コクみそ味(三代目)」は高く評価しているため、否が応でも期待が高まる展開。はたして正当な進化を遂げているのかどうか、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「粉末スープ」さらに「あとのせかやく」の計4種。明星食品のニュースリリースには “豚骨に白味噌を加えたコクととろみのある粉末スープと、白味噌をたっぷり加え、ロースト玉ねぎを加え野菜の甘さを感じさせる液体スープのW味噌スープです” との解説があるため、そこが見どころ。
これまで「らーめん信玄」が監修した「ひとり〆ラー鍋」や「サラダが超絶うまい 冷やしまぜそば」「野菜が超絶うまい 鍋ラーメン」にはノンフライ麺を使用していましたが、同店監修の即席カップめんカテゴリーでは初となるノンフライ麺ということで、ここも注目すべきポイント。黄色みが強いビジュアルから、北海道の味噌ラーメンらしい雰囲気を漂わせております。
ただ、ひとつ見逃せないのが298円(税別)に設定されているメーカー希望小売価格で、これは「らーめん信玄」監修シリーズ史上もっとも高い値段。スーパーやドラッグストアなど、販売店を限定しないNB(ナショナルブランド)のカップラーメンですが、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は321円が相場になるため、それも踏まえた上で評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 札幌らーめん信玄 コク味噌味 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:121g(めん70g) 商品コード:4902881454575(JAN) |
発売日:2022年10月10日(月) 実食日:2022年10月23日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:321円(税込) 希望小売価格:298円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、卵粉)、スープ(みそ、ポークエキス、豚脂、糖類、香味油、ローストオニオンペースト、食塩、香味調味料、粉末油脂、香辛料、酵母エキス、たん白加水分解物、植物油脂)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、リン酸塩(Na)、カラメル色素、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、卵殻カルシウム、カロチノイド色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、丸いチャーシューにメンマとシンプルなラインナップ。ここだけ見ると値段相応の内容には思えませんが、基礎クオリティが高い明星食品のノンフライ麺に、あとのせかやくとスープ2袋の別添を踏まえると悪くありません。
後入れの液体スープは量が多いため、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で液体スープの小袋を温めながら待つこと5分。粉末スープの小袋も後入れなので、お湯を注いでから5分後に投入し、それを完全に溶かした後、液体スープを加えて再度よく混ぜ合わせ、あとのせかやくをトッピングしたら出来上がり。
調理後の雰囲気はシンプルながらも高級感のある佇まいで、野菜を炒めたような調理感を覚える香りが印象的。はたして値段相応の味わいなのか、引き続きコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(121g)あたり |
カロリー:456kcal たん白質:12.5g 脂 質:15.1g 炭水化物:67.6g 食塩相当量:8.7g (めん・かやく:3.0g) (スープ:5.7g) ビタミンB1:0.48mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:191mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:456kcal(めん・かやく:304kcal)(スープ:152kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度はともかくクオリティは高い
店舗の「信州(コク味噌)」に使われている麺は、札幌らーめんの王道を地で行く熟成たまご麺で、製麺所は北海道札幌市手稲区に本社を構える小林製麺。見た目は黄色みを帯び、縮れは強く、ぷりっと弾けるような独特の歯切れを備え、濃厚な白みそスープとの絶妙なマリアージュに定評があります。
対して今回のノンフライ麺は、中心部までギュッと詰まっている密度の高い質感で、粘りの強さよりも歯応えに重点を置いたタイプ。札幌の味噌ラーメンといえばのプリッとした歯切れは意識されていないため、再現度については高く評価できないところもありますが、けっしてクオリティが低いわけではありません。
後述するスープとの兼ね合いから、もうちょっと主張が弱くても‥‥と、そう感じた節もありましたが、油揚げ麺のように独特のニオイとコクがスープに滲み出ることはなく、小麦の風味もスープを侵食しない適切な加減。油揚げ麺とは大きくベクトルが異なるため、これまでのイメージとは一線を画していました。
スープ
正統進化
粉末スープを開封した途端、真っ先に主張してきたのは野菜を炒めたような香りで、これを調味油で演出するパターンは珍しくないのですが、粉末スープだけで打ち出しているのは稀。それを溶かしてから味を確認してみたところ、酒粕のようなコクがあり、白みその主張も感じます。もちろん粉末スープだけで味は成立するわけではないけれど、炒め野菜の風味と酒粕っぽいコクは重要なバイプレイヤー。
片や液体スープの主成分は、白みそベースのタレと豚脂の二本柱に、ローストオニオンを加えているのもポイント。使用しているのは白みそ100%ではないので、それなりの尖りもあり、甘さは糖類による演出もありますが、それも踏まえて美味しいと思える絶妙なバランス感。
炒め野菜の風味で本格さを底上げしつつ、しっかりと白みそが主役のテイストで、いったん部屋を出て戻ると「ラーメン屋さん?」みたいな残り香も記憶に残るポイント。
後味に旨み調味料の刺激と塩気、さらに糖類のジャンクな甘さも残りますが、最終的に勝つのは白みその余韻。それと最初に感じた酒粕っぽい風味も相俟って、なるほど “なまらまろか” という表現も素直に納得できる、奥床しいテイストに仕上がっていました。
かやく
あとのせかやくナイス
チャーシューはペラペラなので、噛み応えは今ひとつではあるものの、適度に入った脂身の部分は甘くて好印象。メンマは小さめですが、特有の風味は強く、それが白みそベースのスープと好印象で、意識して食べると箸休めに効果的。
あとのせかやくは千切りネギと輪切りネギの2種類で、これが麺に絡んで口の中に飛び込んできたときの変化が味わい深く、スープが濃厚でも最後まで飽きずに食べることができました。熱風乾燥(AD)ではなく凍結乾燥(FD)なので、スープの邪魔をせず、しっかりと自己主張を放ちながらも引き立て役に徹していたのがよかったです。
総評
コンビニで買うと321円(税込)のカップラーメンなので、お高い部類に入りますが、なんのこれしきスープの完成度が高く、これならコンビニで買っても損ではありません。ノンフライ麺は明星食品のオリジナリティを感じる項目になりますが、従来の油揚げ麺よりも圧倒的に本格的で、あとのせかやくのFDネギも印象に残りました。
おそらく今後も「信州(コク味噌)」をイメージした商品がコンスタントにリリースされると思いますが、コストと簡便性の問題で縦型カップに戻る確率も高いので、気になっている方は早めの確保をオススメします【author・taka :a(大石敬之)】