どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年11月30日(火)コンビニエンスストア先行発売、農心(ノンシン)のカップ麺「辛ラーメン 焼きそば カップ」の実食レビューです。
あの「辛ラーメン」を激辛カップ焼きそばにアレンジ!? 辛ラーメン誕生から35年、ついに焼きそばタイプが初登場!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛ラーメン 焼きそば カップ
辛ラーメン(Shin Ramyun)とは、即席めん類及びスナック菓子などの製造・販売を生業とする株式会社農心(NONGSHIM)の主力商品で、現在を遡ること35年以上、1986年10月から販売を続けているロングセラー。日本語表記の「辛ラーメン」は、本場よりも辛味を抑えているため、実は韓国の「辛ラーメン」ほど辛くないのですが、それでも辛いインスタントラーメンの代名詞として定着しています。
今回の新商品「辛ラーメン 焼きそば カップ」は、35年以上の歴史を誇る「辛ラーメン」史上初となるカップ焼きそばタイプの新作で、全国のコンビニエンスストアを対象に先行発売。すでにTwitterなどのSNSでも話題になっているのですが、調べてみると「辛ラーメンの五万倍辛い」「辛すぎてリタイア」「胃が痛い」「辛くて草」などの投稿が多く、味の感想よりも被害報告のほうが目立っていました。
日本語表記の「辛ラーメン」は、韓国の「辛ラーメン」よりも辛くないと前述したように、現在の日本で市販されている袋めんタイプの「辛ラーメン」は辛味が弱く、農心ジャパンの公式ウェブサイトに表示されている辛さレベル(農心自社商品基準による独自辛さ指数)も5段階基準で “2.5” と中間の辛さ。
即席カップめんタイプの「辛ラーメン カップ」や「辛ラーメン ミニカップ」の辛さレベルも袋麺と同じ “2.5” となっており、日本人向けに辛味と酸味を抑えた「辛ラーメン キムチ」については “1.5” とマイルドな辛さを売りにしているのですが、満を持すカップ焼きそばタイプ「辛ラーメン 焼きそば カップ」の辛さレベルは “4.0” の激辛仕様。
激辛仕様の「辛ラーメン」といえば、2019年6月24日に発売された大盛りサイズ(めん74)のカップラーメン「辛ラーメン 激辛 ビッグカップ」及び同年9月2日に発売された標準サイズ(めん55g)のカップラーメン「辛ラーメン 激辛 カップ」があり、日本の「辛ラーメン」と比較して200%(2倍)の突き抜けた辛さを実現。
2021年12月現在、すでに「辛ラーメン 激辛 ビッグカップ」の製造・販売は終了しているようですが、標準サイズの「辛ラーメン 激辛 カップ」は絶賛販売中。その辛さレベルを公式は “5.0” と表現しているため、今回の「辛ラーメン 焼きそば カップ」は現行モデルの中で2番目に位置する辛さではあるものの、先に触れたようにTwitterでは被害報告の嵐。
ただ、なかには「ブルダック炒め麺(三養ジャパンが販売する激辛商品)よりも辛くない」や「ペヤングの獄激辛を経験した後なら余裕」「想像の範囲内だった」など、そういった投稿もチラホラとあったので、やはり個人差が生じている様子。すでに日本の激辛カップ焼きそば市場はペヤング(まるか食品)の独擅場となっている現在、はたして「辛ラーメン」の入る余地はあるのかどうか——。
ちなみに「売ってない」「どこに売ってる?」などの投稿も目に入ったのですが、農心ジャパンの公式ウェブサイトには “コンビニエンスストア先行発売中” との記載があり、12月20日から一般販売開始とのこと。ひとまず「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」での取り扱いを確認しましたが、入荷状況については店舗によって異なるので、最寄りの販売店に問い合わせてみてください。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「粉末スープ」と「調味油」の合計2袋。かやくは最初から中に入っている状態で、キャラクターナルトよろしく辛ラーメンのロゴ(辛)を入れた赤い蒲鉾(魚肉練り製品)も目を引きます。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。辛ラーメンの麺といえば、特別に配合した高級麺用の小麦粉を使い、特殊な方法で作られた楕円形の油揚げ麺が定番ですが、今回の麺は “焼きそばに合う、細いながらも、もちもちとした麺を使用” ということで、袋麺やカップラーメンとは仕様が異なる様子。それと、ちょっと気になるのが販売価格。
農心ジャパンの公式ウェブサイトには「希望小売価格:オープン価格」との表示があり、即席カップめん類におけるオープン価格といえば廉価版、つまりは安売り用の商品を意味する指標になっているのですが、筆者の購入したファミリーマートでの販売価格は239円(税込258円)と高めの値段。それでいて麺が大盛りというわけでもなく、ややコストパフォーマンスに難を感じるところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:辛ラーメン 焼きそば カップ 製造元:株式会社農心(韓国) 輸入者:株式会社農心ジャパン 内容量:103g(めん81g) 商品コード:8801043062367(JAN) |
発売日:2021年11月30日(火) 実食日:2021年12月05日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:258円(税込) 希望小売価格:オープン価格 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:バケツ型 容器材質:紙 湯量目安:記載なし 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(粉末スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、でん粉、食塩)、スープ(糖類、唐辛子風味油(菜種油、米糠油、その他)、唐辛子調味パウダー、香味調味料、粉末しょうゆ、食塩、調味胡椒パウダー、野菜パウダー)、かやく(チンゲンサイ、魚肉練り製品、味付大豆蛋白、しいたけ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、増粘多糖類、かんすい、香辛料抽出物、カラメル色素、乳化剤、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、緑茶抽出物)、ビタミンB1、ナイアシン、鉄、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸、香料、(一部に小麦ᆞ大豆を含む)※本品製造工場では、そば、落花生、えび、かに、豚肉、鶏肉、牛肉、乳成分、ごま、いか、さば、卵を含む製品を製造。 |
実食開始
作り方は日本のカップ焼きそばと同じ手順で、中に入っている小袋を取り出したら、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。ちょっと面白いのが開け口の形状で、まさかのトリプルタブを採用しています。2021年6月より、日清食品の「カップヌードル」が新形状のWタブを採用しましたが、それよりもホールド感が高く、しっかりと折り込めば途中でフタが開くことはありませんでした。
時間になったら開け口の反対にある湯切り口を剥がし、お湯を捨ててから「調味油」を馴染ませて、真っ赤な「粉末スープ」を混ぜ合わせたら出来上がり。たとえばペヤングの激辛ソースに含まれる薬品臭のようなニオイが気になることはなく、しかしながら人工的にスパイシーな感じが韓国らしいというか、異国情緒のある香り。
このブログでは、獄激辛シリーズではない「ペヤング 激辛やきそば」は “激辛ではない” と判定し、セブンプレミアムの「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」や「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」クラスを “激辛” としているので、それを基準にしながら「めん」「調味油・スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(103g)あたり |
カロリー:464kcal たん白質:10.1g 脂 質:18.0g 炭水化物:65.4g 食塩相当量:3.5g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もちもち感が魅力的
カップラーメンや袋麺の「辛ラーメン」では “特殊な方法で作られた楕円形の油揚げ麺が定番” と前述しましたが、今回の油揚げ麺は丸断面の形状で、けっこう細身。日本の袋入りラーメンやカップ麺でも標準的な太さに位置する中細麺でありながら、噛むと粘りが強く、もちもちとした弾力の持ち主。
「辛ラーメン カップ」に使われている油揚げ麺と比較して、ほとんど同じ原材料を使用しているようですが、微妙に配合を変えている様子。添付調味料を絡める前に麺だけ食べてみたところ、けっこう油揚げ麺特有のニオイが気になったのですが、後述する粉末スープの辛味と甘味が強かったので、ふつうに食べる分には気になりません。
日本のカップ焼きそばに使われている油揚げ麺と比較すると、たとえば「ペヤング ソースやきそば」や「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」よりも粘りが強く、しかしながら「日清焼そばU.F.O.」よりもジャンクな面持ちで、どちらかといえば旧世代チックな仕上がり。ただ、いい意味でのチープさで、もちもちとした弾力が食べていて楽しかったです。
調味油・スープ
辛そうな見た目の調味油は辛くない
真っ赤な見た目の辛そうな「調味油」を先に少し舐めてみたところ、なんのこれしき “ぜんぜん辛くない” 見掛け倒しのオイルだったので、辛味については拍子抜け。しかし、けっこう味は複雑で、原材料名に書いてある “その他” が気になるところではあるものの、鉄板で炒めたような調理感だったり、ジャンクな旨みだったり、ただの潤滑油ではありません。
次に「粉末スープ」を馴染ませてみたところ、かなり糖類の甘さが強いテイストで、味覚のファーストインプレッションは “甘い” だったのですが、徐々に頭角を現してくるのが唐辛子の辛味。最初は “甘い” が強く、次に胡椒を中心とする “スパイス感” や “ジャンクな旨み成分” が舌を包み、なんだ辛味は大したことないじゃないか‥‥などと思っていたのも束の間で、けっこう辛いw
後にも先にも人工的な糖類の甘さが舌に纏わり付いてくるので、そっちも気になったのですが、辛味のタイプは後半にかけて舌を突き刺してくる遅効性かつ停滞型の嫌らしいヤツ。三養の「ブルダック炒め麺(ポックンミョン)」ほどではないけれど、まるか食品の「ペヤング 激辛やきそば」よりも辛さは上で、激辛に片足を突っ込む辛さには充分に到達していました。
かやく
肉は本物じゃなかったけど、ロゴ入り蒲鉾は個性的
「辛」のロゴが入った魚肉練り製品は、これ単体で辛いわけではなく、むしろ甘みを感じるくらい。それとチンゲン菜の甘みも強く、それらが辛い粉末スープと対比を描き、分厚くカットされた椎茸のアクセントも韓国のカップ麺らしいなー、って。それと肉のような具材も入っていたのですが、本物の肉ではありません。
その正体は、日本の大手メーカーも頻繁に使うようになってきた大豆たん白加工品(味付大豆蛋白)で、いわゆるフェイクミート。日本では旧世代の食感と化しているグニッとした弾力で、ちょっと焦げたような風味が気になる具材。コンビニで購入すると税込258円の商品なので、もうすこし頑張ってほしかったです。
総評
近年の日本では、ペヤング(まるか食品)の獄激辛シリーズを筆頭に、非常識な激辛カップ麺が多くなってきたので、その水準で判断すると激辛の入門編的な辛さになりますが、よくよく見るとパッケージに “小さなお子様や辛みが苦手な方の喫食には-・” などの注意事項はありません。にもかかわらず、けっこう思い切った辛さだったので、及第点に星ひとつプラスしました。
不自然な甘さと販売価格の高さが玉に瑕ではあるものの、インパクトはバッチリです。ちなみに韓国では、2021年7月20日に「신라면(辛ラーメン)볶음면(ポックンミョン – 炒め麺)」というカップ焼きそばと袋麺を発売していたようなので、その日本版が今回の「辛ラーメン 焼きそば カップ」になるようですが、もしかすると韓国表記の商品は “もっと辛い” のかも‥‥?【author・taka :a(大石敬之)】