本日の一杯は、2020年10月27日(火)新発売の二郎系コンビニラーメン、ファミリーマート「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」の実食レビューです。
東京・駒場東大前で長蛇の列を成す二郎インスパイア系の最高峰「千里眼」が数年ぶりにコンビニのレンジ麺を監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
千里眼監修 濃厚マシマシラーメン
千里眼(せんりがん)とは、東京都目黒区にある行列必至の二郎インスパイア店で、創業は2009年11月1日。
東京・神保町の人気インスパイア店「用心棒(ようじんぼう)」出身の新田祐三氏(現「ラーメン祐三」店主)が開業し、2020年11月現在は同じく「用心棒」出身の安川隆司氏が店長を務め、二郎インスパイア系の中でも最高峰と称されている名店の一つ。
今回の新商品「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」は、ファミリーマート限定商品として開発された二郎系レンジ麺で、ファミマ史上最大級のボリューム感を誇る “400kcal超” の肉まん「千里眼監修 ニンニクマシマシどデカ2倍肉まん」も同時に展開。
東京・駒場東大前の名門「千里眼」監修のコンビニラーメンということで、TwitterやInstagramなどのSNSを中心に、ネット上でも大きな話題になっています。
「千里眼」の特徴は、非乳化系にカテゴライズされている豚骨しょうゆ味のスープを軸に、加水率の低いゴワゴワとした食べ応えのある食感の極太低加水麺を合わせ、麺の小麦粉には麩質が強い日清製粉の強力粉・オーション(蛋白13.0±0.5% 灰分0.52±0.04%)を使用。
数年前から社会現象を巻き起こしているといっても過言ではない、ラーメン業界のドル箱 “二郎系・二郎インスパイア系” のラーメンを提供しているため、もれなく大量に盛り付けられたインパクト抜群のヤサイ(もやし、キャベツ)を筆頭に、豚(ぶた)と呼ばれる厚み2cmほどの極厚チャーシューが鎮座するスタイル。
無料トッピングはヤサイの量を増やす野菜マシに、ニンニク、ショウガ、アブラ(豚の背脂)といった、二郎インスパイア店に必要欠くべからざるマストアイテムを揃え、揚げ玉に数種類の唐辛子をまぶした通称 “辛揚げ(カラアゲ)” と呼ばれる辛い揚げ玉が「千里眼」のアイデンティティを表現。
初見殺しのインパクトを与えるボリューム感満点の「ラーメン」をはじめ、夏の風物詩として有名な夏季限定メニュー「冷やし中華」は同店の真骨頂といっても過言ではなく、にんにく(2月29日)の語呂合わせで閏年のみ提供されていた “ニンニクザンマイコレデモカ” という超限定商品を2019年にレギュラー化。
2018年2月19日発売の「千里眼監修 ガーリックまぜそば 大盛」を皮切りに、激辛カップ麺「千里眼監修 辛辛辛(カラカラカラ)にんにく豚骨醤油ラーメン」や上記の湯切りタイプ「千里眼監修 まぜそば 大盛 超絶ニンニクザンマイ」など、明星食品とタイアップしたカップ麺を定期的に発売しているため、実店舗に行ったことがなくても店名には見覚えがある、という方も多いのではないでしょうか。
話を戻しまして、ファミリーマート×千里眼といえば、2013年8月6日(関西・中国・四国は1週間遅れの8月13日)に発売された「千里眼監修 ネオ冷し中華(醤油豚骨)」がコラボ商品の第1弾。当時は千里眼の創業者・新田氏の監修で、それ以降に同店の名を冠したコンビニラーメンの発売は記憶にないのですが、コンビニ大手3社による “二郎系レンジ麺” が熾烈な戦いを繰り広げている現在——
その口火を切ったのは、千葉県松戸市の怪物店「中華蕎麦とみ田」監修のセブンイレブン限定商品「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(現:ワシワシ食べる豚ラーメン)」で、2019年1月22日に新発売。そのオーバースペックな強敵に対抗すべく、ファミリーマートもオリジナル商品「大盛にんにく醤油ラーメン」を定期的に販売していたのですが、満を持す有名インスパイア店「千里眼」監修のもと、怒涛の巻き返しを狙います。
製品概要
ファミリーマート通常価格は554円(税込598円)ということで、前身といっても過言ではない「大盛にんにく醤油ラーメン」(税込550円)よりも値上がりしているのですが、前述の「中華蕎麦とみ田監修ワシワシ食べる豚ラーメン」(税込594円)と同列のライン。
けっして安い商品とはいえないけれど、総重量は700g以上のボリューム感(めん300g)かつ千里眼の公式アカウント(on Twitter)が “麺の食感もついにここまでレベル上がったか” と称賛していたので、インスパイア商品らしい中毒性の高さや麺の進化が見どころ。
ちなみに電子レンジで温めるタイプのカップ入りチルド麺なので、同系統の商品が置いてある要冷蔵コーナーで販売されているはずなのですが、売り切れ続出。やはり注目度の高い話題の新商品、筆者の住む田舎でも入荷待ちで売ってないファミリーマートが多かったので、購入の際は事前に電話で取り置きを頼んでおくのが確実。
そういえば2020年5年12日、千里眼監修などの表記は見当たらなかったのですが、ファミリーマートが「1/3日分の野菜が摂れる 冷しにんにく醤油ラーメン」と題し、千里眼の “冷やし中華” を彷彿とさせる “辛い揚げ玉入りのインスパイア商品” を発売していたので、それを機に今回の「濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」が企画されていたのかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油) 製造者:株式会社ジョイアス・フーズ 製造所:京都工場(京都府久世郡久御山町市田大領2-8) 内容量:700g以上(めん300g) |
発売日:2020年10月27日(火) 実食日:2020年11月01日(日) 発売地域:全国(ファミリーマート限定) 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:598円(税込) 希望小売価格:554円(税別) |
麺の種類:茹で中華麺 スタイル:レンジ麺 容器材質:プラ(PS) 加熱目安:電子レンジ500W 7分00秒 / 1600W 2分20秒 保存方法:要冷蔵(10℃以下) 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】ゆで中華麺、スープゼラチン、ゆで野菜(もやし、キャベツ、食塩)、油脂加工品、チャーシュー、にんにく、ねぎ、辛口揚げ玉 / 増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、酒精、かんすい、乳酸Ca、着色料(カラメル色素、パプリカ粉末)、酢酸Ca、加工デンプン、酸化防止剤(V.C、V.E、カテキン)、グリシン、リゾチーム、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※当工場では、そば・卵を含む製品を生産しています。 |
実食開始
加熱方法は電子レンジ専用で、ファミリーマートの業務用電子レンジ(1600W)なら2分20秒で食べられますが、家庭用の電子レンジ(500W)だと7分00秒ということで、けっこう長めに加熱しなければいけません。
ちなみに先ほど総重量700g以上(めん300g)と記載したように、本体を持ち上げるとズッシリ重く、総カロリーも “1134kcal” と凄まじい値。さらに食塩相当量は11.5g(麺・具材:2.3g / スープ:9.2g)となっているため、生半可な気持ちで挑んではいけない代物。
もちろん実店舗で提供されている本物のラーメンほどではないけれど、調理後に充満する刻みニンニクのニオイが頼もしく、辛そうな見た目の辛揚げ(カラアゲ)が「千里眼」のアイデンティティを再現。ちなみに辛揚げは最初から中のプラ容器に入っているので、商品を加熱したあとに取り出してください。
なお有名店監修を謳う商品には “あくまで有名店が監修したオリジナル商品” と “お店の味を忠実に再現した商品” の2種類があり、今回の「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」は後者となっているようなので、本物さながらの臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、二郎系レンジ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1包装当り(推定値) |
カロリー:1134kcal たん白質:41.4g 脂 質:58.2g 炭水化物:114.8g (糖 質:107.5g) (食物繊維:7.3g) 食塩相当量:11.5g (麺・具材:2.3g) (スープ:9.2g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺の質感は驚くほど改善
麺は極太サイズの茹で中華麺で、ファミリーマートの公式ウェブサイトでは食べ応えと噛み応えをアピール。さらに千里眼監修の特設ページも立ち上げられ、そこにある「商品へのこだわり」には “麺の存在感と食感は必見” などと自信満々に書いてあったのですが、なるほど誇張ではありません。
ファミリーマートの二郎系レンジ麺「大盛にんにく醤油ラーメン」に使われていた茹で中華麺は、以前から300gの特盛で、なおかつ小麦ブラン(ふすま)を練り込んでいたのですが、コンビニラーメンの極太麺における宿命か “うどんっぽい食感” だったのが玉に瑕。しかし、今回そういった印象は受けず、きちんと加水率も低めの設定で、名門「千里眼」監修の恩恵が伝わってくる仕上がり。
各工場で茹でた中華麺を冷却し、そのまま最寄りのファミリーマートに直送。その後、我々消費者が電子レンジで温め直す流れとなっているため、強付きのあるワシワシとした食感を完全に再現することは至難の業。けれども歴代商品のなかで “もっとも素晴らしい出来栄え” なのは言うまでもなく、思っていた以上に雰囲気があって驚きました。
スープ
スープの本格感も圧倒的に向上
歴代・大盛にんにくシリーズのスープは乳化系だったのに対し、今回の「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン」のスープは微乳化系で、たっぷりと表面に浮かぶ動物油脂と大粒の背脂が背徳感をブースト。タレには醤油を使用しているのですが、体感的には食塩に由来するエッジが強く、しょっぱめでストレートな味わい。
豚骨のコクも明確に打ち出しているのですが、これまでの人工的に乳化したスープよりも乳化感を落とし、醤油と塩気のキレを強めることで本格感を向上。おろしニンニクのパンチも遠慮なく効かせ、化学調味料による雑味と独特の刺激が二郎インスパイア特有の中毒性を高めている、いやはや見違えるほどの出来栄えじゃないですか。
スープ自体のニンニクも強かったのですが、具材として大さじ1杯以上の刻みニンニクをトッピングしているため、さらに背徳感はマシマシ。けっこう塩気の強い味わいなので、野菜の水分をスープに馴染ませるだけでなく、麺の伸びも遅らせるために、加熱後すぐ “天地返し” するのがオススメです。
具材
ヤサイたっぷりで食べ応えマシマシ
「千里眼」のラーメンにトッピングされている極厚の豚は、多くのマニアから業界最高峰と評価されているのに対し、濃厚マシマシラーメンのチャーシューにも豚のバラ肉を使っているのですが、本物の足元にも及びません。たまたま個体差か脂身も少なかったので、ややパサついた食感。しかし、それよりも注目すべきはヤサイと辛揚げ。
写真では少なく見えますが、麺の中央に凹みがあり、もやしとキャベツが詰め込んであるため、見た目以上のボリューム感。先ほどスープの味が濃いと書いたように、ヤサイが程よく塩気を中和してくれます(それでも味は濃いめですが)
辛揚げの量は少ないうえに辛味も強くなかったので、もうすこし唐辛子の含有量か揚げ玉の量を増やしてほしかった思いもありますが、前述のように「千里眼」を象徴するうえで重要なアイテム。最初はカリカリとした食感で、時間が経つと揚げ玉のジャンクな風味がスープに染み渡る、量は少なめでも効果的でした。
ちなみに加熱前の揚げ玉は、ゼリーのカップみたいな容器に入っているので、火傷に注意しながら好きなタイミングでトッピングしてください。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6+)
これまでにファミリーマートが単独で二郎系・二郎インスパイア系をモチーフに開発したレンジ麺を発売していましたが、東京・駒場の名門「千里眼」監修は伊達じゃないと思える仕上がりで、麺・スープ・具材すべてが大幅にバージョンアップ。これまで絶対的王者の座に君臨していたセブンイレブンの「豚ラーメン」に勝るとも劣らない、素晴らしい一杯に仕上がっていました。
さて、2020年10月から「RAMEN YOKOCHO(ラーメン横丁)」と題し、各地の人気ラーメン店が監修したレンジ麺シリーズを展開しているローソンですが、セブンイレブン限定の「中華蕎麦とみ田監修ワシワシ食べる豚ラーメン」や今回のファミリーマート限定「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」に対抗すべく、著名なインスパイア店とコラボしてくるのか——
などと思いつつ、念のためローソンの新商品情報をチェックしてみたところ、2020年11月3日発売予定のリストに「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」というインスパイア系のレンジ麺が掲載されていたので、いよいよ面白いことになってきましたよ(author・taka :a)