どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月1日(火)新発売、サンヨー食品のカップ麺「奥芝商店(おくしばぁちゃん)監修 海老だしスープカレー味ラーメン」の実食レビューです。
スパイスがココロもカラダも熱くする「ニッポンの熱い夏!カレーの祭典」に、知る人ぞ知る札幌の癒し空間 “おくしばぁちゃん” 参戦!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
奥芝商店監修 海老だしスープカレー味ラーメン
奥芝商店(おくしばしょうてん)とは、インド・ネパール料理をルーツに持ち、北海道は札幌市で独自の進化を遂げたスープカレーを専門的に提供している人気店で、この業界に “海老出汁(えびだし)ブーム” を持ち込んだ「元祖えびだしスープカリー」の震源地。2006年(平成18年)12月14日の創業以来、現在は無人直売所も含め、北海道を拠点に14店舗を展開しています。
今回の新商品「奥芝商店監修 海老だしスープカレー味ラーメン」は、セブン-イレブン・ジャパンが全国の店舗を対象に開催している「カレーの祭典(CURRY FESTIVAL)」にあわせて発売されたカップラーメンで、販売者は “サッポロ一番” のブランドで知られるサンヨー食品。この祭典で唯一の即席カップめん枠なのですが、事前情報が少なかったこともあり、すっかり見落としていました。
先に「奥芝商店」の概要について触れましたが、ひとつ押さえておきたいのが「おくしばぁちゃん」という店舗の存在。ばあちゃんの前にある “おくし” は北海道の方言? 佐賀の “がばいばあちゃん” みたいな意味? などと32秒くらい考えたんですけど、おくしばぁちゃん‥‥おくしば‥‥奥芝‥‥あっ(理解)。
あらためまして「おくしばぁちゃん」とは、奥芝商店の中でも “60歳以上の女性しか働けない” おばあちゃんが主役の店舗で、住所は札幌市中央区宮の森1条10丁目、アクセスは札幌地下鉄東西線・西28丁目駅より徒歩約20分。2014年(平成26年)12月4日のオープン以来、ゆったりとした時間が流れる癒しの空間と、専門店にも見劣りしない “おばぁ自慢の天ぷら” も提供しています。
もちろんメインはスープカレーで、ぼたん海老・大海老・生桜海老を使用した「おばぁのよそいきカリー」に「サインはVカリー」「じっちゃんカリー(特選角煮カリー)」「ばっちゃんカリー(彩り野菜カリー)」「肉のげんこつ山」「お孫さんカリー(おこちゃまカリー)」「黒豆なっとカリー」など、個性的なメニューを取り揃えているのですが、基本的なシステムは「奥芝商店」と同じ。
まずは「おくおく(海老スープ)」「しばしば(鶏スープ)」「のりのり(牡蠣と海苔のスープ)」の中から好きなスープを選び、12段階ある「辛さ」を選択。さらに、ごはんの種類(白米 or 玄米)と量(小盛り・普通盛り・特選卵かけご飯)を選択したら、最後に無料トッピング(ちよちゃんのねぎ味噌・自家製お漬物・今日のおやさい)を1品選んでオーダー完了。
そのため注文のバリエーションは多岐にわたるのですが、奥芝商店の代名詞は元祖えびだしスープ。実は、2020年(令和2年)2月24日、サンヨー食品がNB(ナショナルブランド)のカップラーメン「札幌スープカリー専門店 奥芝商店監修 海老だしスープカレー味ラーメン」を販売しているため、通算すると2度目のコラボレーション。
どちらもテーマは「海老だしスープカレー味」のカップラーメンで、縦型ビッグという製品スタイルも共通しているのですが、発売元をセブン-イレブン店舗限定に切り替えた第2弾。さらに前回発売品のパッケージでは奥芝商店の「実家」を紹介していたのに対し、今回は「おくしばぁちゃん」を紹介ということで、中身にも大きな変化が生じているかもしれません。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため‥‥と、思いきや “容器の中に「液体スープ」の小袋が入っている” ので、それを忘れずに取り出します。この毎度もれなく小袋が粉まみれになってしまう別添方式は、サンヨー食品の子会社でもあるエースコックの常套手段なんですけど、たまにサンヨー食品も取り入れてきます。
というわけで、小袋に付着している粉末スープを拭き取りながら、俺‥‥なにやってんだろう‥‥などと、すこし哀愁を感じつつ、それはさておき具材の構成が「フライドポテト」「かぼちゃ加工品」「揚げなす」「赤ピーマン」と実に個性的。札幌のスープカレーといえば、とにかくゴロゴロと具沢山かつ彩り豊かなイメージが強いので、かなりの高ポイント。
セブン-イレブン店舗での販売価格は258円(税込278.64円)なので、セブンプレミアムの格安カップ麺には敵わないけれど、2023年8月現在、NBの縦型ビッグ製品におけるメーカー希望小売価格の基準は271円(税別)。それをコンビニで購入した場合の税込価格は292.68円なので、留型ならではの強みを発揮しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:奥芝商店監修 海老だしスープカレー味ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 発売元:株式会社セブン-イレブン・ジャパン 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4901734051046(JAN) |
発売日:2023年08月01日(火) 実食日:2023年08月04日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:258円(税別) 購入価格:278.64円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、えび調味料、食塩、香辛料、クリーミングパウダー、香味油、トマトパウダー、たん白加水分解物、チキン調味料、豚脂、えびエキス、植物油脂、チキンエキス、たまねぎ調味料、ガーリックペースト、酵母エキス、発酵調味料、バジル)、かやく(フライドポテト、かぼちゃ加工品、揚げなす、赤ピーマン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、かんすい、酒精、レシチン、香料、クチナシ色素、増粘剤(キサンタン)、微粒二酸化ケイ素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は3分と標準的。サンヨー食品が販売する縦型のカップラーメンのフライ麺といえば、チープに感じることも珍しい話ではなく、直近だと同じ週に現れたローソン限定商品「ハナムデジジップ監修 サムギョプサル風ラーメン」で残念な評価を叩き出しているのですが、まさかの “全粒粉入り麺” を搭載と気合は充分。
別添の小袋は後入れなので、それを取り出してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。ぜんぜん海老が主張してこない‥‥などと、すこし不安に思いながら、フタを開けて大量の具材にビックリ。さらに「液体スープ」を入れた途端、躍動感あふれる主張を見せた海老に、またもやビックリした調理直後。
ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、同社は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、約3年半前との違いにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:455kcal たん白質:8.0g 脂 質:19.3g 炭水化物:62.2g 食塩相当量:6.8g (めん・かやく:2.4g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.33mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:455kcal(めん・かやく:350kcal)(スープ:105kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
サンヨー食品(太平食品工業)の本気
ちょっと画像では分かりにくいかもしれませんが、細かい斑点が小麦の表皮(小麦ふすま、小麦ブラン)で、原材料の小麦粉に占める割合のうち全粒粉を5%使用。熱風乾燥のノンフライ麺ではないため、揚げ油に由来する特有の風味は伴いますが、スープのニュアンスを壊すほど不躾ではありません。むしろ、後述する海老だしカレー味のスープとは相性がいいと感じたくらい。
加水率は低めの設定で、粘りは弱く、プツンと心地好い歯切れの良さが印象的。他社の製品を例に挙げると、日清食品が誇る「AFURI(あふり)」監修シリーズに匹敵するくらい高品質で、ほんとに「ハナムデジジップ監修 サムギョプサル風ラーメン」と同じ工場で作ったの‥‥? などと、疑ってしまうくらいにハイレベルなベクトル。
ちなみにNB商品の「札幌スープカリー専門店 奥芝商店監修 海老だしスープカレー味ラーメン」には、角ばった形状のスナック的な縮れ麺を使っていたので、それと比較しても雲泥の差。めちゃくちゃ全粒粉をフロントに感じるわけではないけれど、前述した揚げ油に由来する風味も時間の経過と共に弱まってくるため、最後まで本格的でした。
スープ
粉末スープから目立って海老を感じることはないけれど‥‥
まずは「液体スープ」を入れる前に味を確認してみたところ、サラッとしたテクスチャーで、スパイスはクミンの存在感が強く、その脇をシナモンが支えているような骨組み。動物系はチキンをメインに使っているため、ポークよりもアッサリと、またビーフのようなクセもなく、味わいもサラッとしているのですが、香辛料の配合は複雑で本格的。
総じて家庭的なカレー味ではないけれど、エスニックなスパイス感にトマトの酸味とバジルの風味が相性抜群で、なるほどスープカレー専門店監修の恩恵を感じるテイストです。ただ、海老どこいった‥‥?
というわけで、粉末スープ単体だと海老の存在感は皆無に等しかったのですが、別添の「液体スープ」を加えた途端にグワッ! と海老の大群が押し寄せてくる、とてつもない存在感。それも甲殻類特有の芳ばしさではなく、甘エビの頭をグツグツと煮込んだタイプのコクと身の甘みを中心に据えていたので、いやはや驚きました。
かやく
す、すばらしい
もっとも多い具材はフライドポテトで、ホクホクとシャリシャリの歯触りを両立させた食感も然る事乍ら、スープカレーの皮付きポテトよろしく素材そのまま感が楽しめるのもポイント。揚げナスとカボチャも皮付きで、前者はジュワッとジューシーなアプローチ、後者は特有の優しい風味が個性的で、他の商品にはない特別感を演出。
小さな赤ピーマンも特有の甘みが強いので、わざわざ意識しなくても埋没することはありません。肉や海鮮などの具材は入ってないけれど、なんのこれしき物足りなさは皆無です。ちなみにNB商品での具材は「キャベツ」と「えび風味大豆たん白加工品」だけだったので、とんでもなく進化してますよ。
総評
いやー、ちょっとコレは‥‥参りました。まず、サンヨー食品の鬼門といっても過言ではない油揚げ麺は全粒粉入りでハイクオリティ。スープは海老の存在感が凄まじく、それでいて香辛料の配合もスープカレーらしさが楽しめるベクトルで、トマトとバジルのアクセントも本格さを高めることに寄与。そして、具材もゴロゴロと入っている、文句の付け所が見当たらない一杯でした。
クミンや海老が苦手な方にはオススメしにくい商品になりますが、セブン-イレブン店舗での販売価格が相場以下であることも加味すると、コストパフォーマンスの高さも評価できる秀作です。ちなみに “数量限定” のカップラーメンなので、気になっている方は早めに確保してください【author・taka :a(大石敬之)】