どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年10月5日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん正麺 カップ がっつり系ニンニク豚塩味」の実食レビューです。
マルちゃん正麺カップの二郎インスパイア系アレンジ “第2弾” は背脂マシマシの塩ラーメンがテーマ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
正麺カップ がっつり系ニンニク豚塩味
マルちゃん正麺(せいめん)とは、いま抜群においしく、そして10年後20年後も古びることなく愛され続けるラーメンをコンセプトに生まれた東洋水産のブランドで、2011年11月7日に初代袋麺「マルちゃん正麺 醤油味」「同 味噌味」「同 豚骨味」を3品まとめて市場に投下。麺に蒟蒻(こんにゃく)を練り込んだ新技術 “生麺うまいまま製法” を開発し、乾燥麺でありながら生麺本来の臨場感を実現します。
マルちゃん正麺というネーミングは、永年にわたってインスタントラーメンを作り、味を磨き続けてきた東洋水産=マルちゃんが考える「これこそ正しい麺、理想のラーメンの完成形なのだ」という強い自負に因んだもの。そんな東洋水産の夢を実現させた「マルちゃん正麺」は、簡便性に優れる即席カップ麺の登場以降、ダウントレンドが続いていた即席袋めん市場に大きな話題を提供し、市場全体の活性化に寄与しました。
専任チームが5年の歳月を費やして生み出した “生麺うまいまま製法” のノンフライ麺(特許 第5153964号)は、従来の乾燥麺とは一線を画す品質と付加価値を打ち出し、即席めん業界に衝撃を与えたのですが、袋麺の発売から約4年後となる2015年10月5日。以前より寄せられていた「マルちゃん正麺でカップ麺ができないか?」というファンの声に応え、満を持すカップめんタイプ「マルちゃん正麺 カップ」を販売開始。
「即席麺で済まそう」ではなく「即席麺を楽しもう」をコンセプトに、マルちゃん正麺の発売から4年にわたる研究開発に取り組んだ結果、袋麺の特許製法とは違う新技術 “生麺ゆでてうまいまま製法” の開発に成功した東洋水産。お湯を注いで待っただけとは思えない、その革新的なノンフライ麺(特許 第5719064号)は再び多くの人に衝撃を与え、またもや市場に新しい風を吹き込みます。
以降、加水率の高い “生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺を軸に、変わり種のフレーバーを定期的に販売している正麺カップ。今回の新商品「マルちゃん正麺 カップ がっつり系ニンニク豚塩味」は、背脂でコクマシマシ!とパッケージにも書いてあるように、ラーメン業界のドル箱「二郎系・二郎インスパイア系」と呼ばれるラーメンをイメージして開発されたトレンド狙いの新作。
二郎系・二郎インスパイア系とは、東京都港区三田に本店を構える「ラーメン二郎 三田本店」の流れを汲んだ暖簾分けのラーメン店(ラーメン二郎 ○○店)並びに「ラーメン二郎」から強く影響を受けたインスパイア店が提供している商品及びラーメンジャンルの通称で、その呼び分けについては諸説あるものの、とにかく凄まじい背徳感が楽しめる中毒性の高い “がっつり系ラーメン” というのが共通するポイント。
マルちゃん正麺カップにおける “がっつり系” といえば、2019年12月23日に発売された「マルちゃん正麺 カップ がっつり系豚骨醤油」が記憶に新しいところ。あいかわらず麺は定評のある多加水麺だったので、硬派な二郎系ラーメンに用いられる極太ちぢれ低加水麺とはイメージが異なり、二郎系を象徴するアイテムの一つであるモヤシも入っていなかった反面、ニンニクが強めに効いたスープの味は思いのほか二郎っぽくて驚きました。
その続編となる今回の「マルちゃん正麺 カップ がっつり系ニンニク豚塩味」は、タイトルの通りスープのフレーバーを豚骨醤油からニンニク豚塩味に刷新した新作で、ラーメン二郎にインスパイアされた知る人ぞ知る “塩二郎” をリスペクトしているような雰囲気。ある種の社会現象を巻き起こしている二郎系・インスパイア系ですが、塩味の商品は珍しいので、背脂マシマシのコクとニンニクの効き目に注目です。
※前回の詳細が気になる方は、関連ページ「マルちゃん正麺 カップ がっつり系豚骨醤油」のレビューをご覧ください。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく2袋」に後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」で合計4種類。東洋水産の公式ウェブサイト内にあるニュースリリースには “ポークの旨味をベースに、ニンニク等の香辛料を利かせた” と簡潔にスープの特徴が記載され、背脂マシマシの鍵は具材の背脂加工品(かやく)が握っている様子。
麺はマルちゃん正麺カップが誇る “生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺で、前述のように蒟蒻(こんにゃく)が練り込まれているのが最大の特徴。麺量は乾燥状態で75gとなっているため、既存の汁あり正麺カップ「芳醇こく醤油」や「香味まろ味噌」「うま辛担々麺」と同じ麺量なのですが、定番フレーバーの希望小売価格は税別225円なのに対し、今回の「がっつり系ニンニク豚塩味」は税別270円と高めに設定されています。
マルちゃん正麺カップにおける前回の二郎インスパイア系「がっつり系豚骨醤油」も税別270円だったので、それと同じ値段ではあるものの、コンビニで購入した場合の税込価格は288円(2020年10月現在)と安くありません。なお実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」での取り扱いが意欲的だったので、販売店の参考にしてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ がっつり系ニンニク豚塩味 製造者:東洋水産株式会社 関東工場 製造所:群馬県館林市赤生田本町3831-1 内容量:126g(めん75g) 商品コード:4901990367004(JAN) 商品サイズ:180mm×180mm×77mm |
発売日:2020年10月05日(月) 実食日:2020年10月09日(金) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:イオンリテール 商品購入価格:278円(税込) 希望小売価格:270円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(しょうゆ、ポークエキス、植物油、豚脂、香辛料(にんにく、こしょう)、デキストリン、砂糖、食塩、たん白加水分解物、発酵調味料)、かやく(背脂加工品、キャベツ、味付豚肉、味付挽肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、レシチン、炭酸カルシウム、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カラメル色素、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の「かやく」は2袋とも先入れで、片方の小袋には定評のある味付豚肉に、キャベツと大きめにカットされたネギを包装。もう片方の小袋には味付挽肉と背脂加工品を包装しているため、二郎インスパイア系で定番の豚(ぶた)よろしく巨大なチャーシューやモヤシも入っていませんが、2種類の肉具材と大量の背脂加工品が頼もしい構成。
かやくを入れたら熱湯5分、お湯を注いでから待っている間に液体スープをフタの上で温めて、時間になったら最初に麺をほぐし、粉末スープを溶かしてから液体スープを馴染ませるとスムーズです。添付調味料を熱湯よりも先に入れてしまった場合、麺が適切に戻らなくなってしまうので、かならず熱湯を注いでから食べる直前に加えてください。
なお2020年7月、初代・マルちゃん正麺カップの一角だった「濃厚とろ豚骨」の製造を終了しているため、2020年10月現在の定番ラインナップは「芳醇コク醤油」「香味まろ味噌」「うま辛担々麺」「辛ニボ」「焼そば」「汁なし担々麺」の6種類。対する今回の「がっつり系ニンニク豚塩味」は期間限定のスポット商品なので、記憶に残るインパクトに注目しつつ、製品の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(126g)あたり |
カロリー:466kcal たん白質:14.5g 脂 質:16.8g 炭水化物:64.3g 食塩相当量:5.5g (めん・かやく:2.0g) (スープ:3.5g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:176mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:466kcal(めん・かやく:333kcal)(スープ:133kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安心と信頼の実績を誇る平打ち多加水麺
二郎系・二郎インスパイア系と呼ばれているラーメンの麺は、麩質が強い日清製粉の強力粉・オーション(蛋白13.0±0.5% 灰分0.52±0.04%)が使用される傾向にあり、加水率は基本的に平均35〜33%と低く、ごわごわ・わしわしとした食感の噛み応えが特徴的なポイント。さらにオーションは等級の低い2等粉なので、むわっと野趣に富んだ独特の香りも魅力となっています。
一方、東洋水産の特許技術 “生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺は、生麺のように滑らかな口当たりと箸で持ち上げたときの重量感、加えて強靭なコシと伸びにくさも特徴となっているのですが、前述のように加水率の高い多加水麺が基本。そのため粘りのある弾力と上品な小麦の風味が嬉しい反面、とんこつ用の極細ストレート麺や二郎インスパイア系御用達の極太ちぢれ麺など、低加水麺の再現に弱いのが玉に瑕。
しかし、後述するニンニク豚塩味のスープと “生麺ゆでてうまいまま製法” の多加水ノンフライ麺は相性がよく、ひとつのノンフライ麺としてクオリティの高さも折り紙付きということで、まったくイメージは悪くありません。今回は税別270円の商品ですし、そろそろ加水率の低い新バージョンの開発にも期待したいところではあるものの、マルちゃん正麺カップのアイデンティティを打ち出す意味では効果的で、唯一無二の存在です。
スープ
割り切れば好印象
粉末スープにはポークエキスと人工的な旨み成分をはじめ、粒子の細かいガーリックパウダーとコショウ(ブラックペッパー、ホワイトペッパー)が含まれており、その兼ね合いから若干のポタージュっぽさも並行。さらに粘度を高めるためのトロミ成分が含まれているため、人工的な粘度の高さが気になるところではあるものの、おかげで表面の滑らかな多加水麺を孤立させません。
粉末スープのポークエキスで骨っぽさを打ち出しつつ、液体スープのポークエキスで乳化感を強め、後味に残る豚と脂の旨味が印象的。また商品名は「がっつり系ニンニク豚塩味」となっていますが、液体スープの中には淡口(うすくち)醤油仕立てのタレも含まれており、けっこう醤油の風味もフロントで主張してくるため、要約すると白湯(ぱいたん)系のニンニクとんこつ醤油風味といったところ。
きわめて油気の少ないノンフライ麺を使用していますが、全体の脂質は16.8gと高めの数値が表しているように、液体スープの中には植物油と豚脂が多めに含まれ、こってりとしたテイスト。ニンニクは最後まで生おろし系ではなくガーリックパウダーがメイン、とろみ成分も人工的なベクトルを歩み続けているのですが、反して豚の旨味はストレート。こういったテイストと割り切れば、ジャンクでクセになる背徳的な味わいです。
具材
背脂加工品も立派な具材
前回の「マルちゃん正麺 カップ がっつり系豚骨醤油」には、定評のあるフリーズドライの野菜ブロック(キャベツ、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん)が入っていたので、具材のボリューム感については劣ってしまうものの、醤油と砂糖がベースの甘辛い味付豚肉はリアルで高品質。もう一方の味付挽肉もサイズは大きめで、こちらはインスタント感の強いジャンクな肉具材になりますが、サポート的に機能するタイプではありません。
スープの表面に浮かぶ背脂加工品も具材の一つとしてカウントできるほど大量に入っており、熱湯5分後も形状を保ってくれるため、ぷにっとした独特の口当たりが楽しめるだけでなく、液体スープに入っていた豚脂と合わさることで背脂っぽい雰囲気が感じられる意外と侮れない素材。さすがに本物さながらの臨場感ではないものの、ある意味これはこれで分かりやすく、背徳的な魅力を演出してくれていました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
黄色の背景に黒い文字、さらに赤の差し色を加えたパッケージの色使いや “がっつり系・ニンニク・豚・マシマシ” のフレーズなど、明らかに二郎インスパイア系を意識して開発された雰囲気ですが、実際の仕上がりは前回の「がっつり系豚骨醤油」のほうが近く、今回は大幅に「正麺カップ」寄り。けれども明確なニンニクの主張と豚の旨みに背脂加工品の存在から、きちんと商品名の「がっつり系ニンニク豚塩味」を体現しています。
リアルで本格的なノンフライ麺に対し、スープはジャンクな方向性にあったので、ある意味ちょっと相反し合う組み合わせに思えなくはないものの、結果的な印象は悪くありません。人工的な粘度の高さと思いのほか醤油の存在感も強かったので、あらかじめイメージを調節しておいてください。