どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年6月1日(火)新発売、東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「ラーメンセアブラノ神 背脂煮干そば」の実食レビューです。
京都における “燕三条系ラーメン” のパイオニア「セアブラノ神」がコンビニ限定のカップラーメンを監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
セアブラノ神 背脂煮干そば
セアブラノ神(せあぶらのかみ)とは、京都府京都市中京区壬生(みぶ)に本店を構えるラーメン店で、2013年(平成25年)7月8日にオープンするや否や、翌2014年に「京都ベストラーメン2014(食べログ)」と「ラーメンWalker グランプリ2014(KADOKAWA)」の新人賞にも選出された実力の持ち主。
その凶暴なインパクトを放つ屋号のイメージが強過ぎるため、初見の方から二郎インスパイア系の店と勘違いされることもあるようですが、新潟県燕市発祥の “燕三条系ラーメン” を独自にアレンジした「背脂煮干そば」を看板商品とし、関西屈指のラーメン激戦区・京都にて、人気を博す名店としての地位を確立しています。
2013年7月に創業した1号店「セアブラノ神 壬生本店」を皮切りに、2015年(平成27年)9月11日・伏見(伏見区深草柴田屋敷町)に2号店「セアブラノ神 伏見剛力」を、2020年6月1日・烏丸(中京区天神山町)に3号店「錦 セアブラノ神」を立ち上げ、同年11月19日・烏丸御池(京都府京都市中京区)に女性目線のセカンドブランド「slurp(すらーぷ)」をオープンして話題になるなど、いま業界で注目を集めている人気店。
そんな「セアブラノ神」と “マルちゃん” のブランドで知られる東洋水産の共同開発商品が今回のカップ麺「ラーメンセアブラノ神 背脂煮干そば」で、京都屈指の人気店が送る看板メニューを簡便性に優れた縦型ビッグで再現。コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定・数量限定のPB(プライベートブランド)商品として開発されました。
カップ麺のモデルになった「背脂煮干そば」は、新潟県燕市を発祥とする燕三条系ラーメン(燕三条背脂ラーメン)に感銘を受けた「セアブラノ神」代表・中野貴匡(なかの たかまさ)店主渾身の一杯で、燕三条系ラーメンを京都の味覚に合うようにアレンジ。その凶暴な店名とは裏腹に、洗練されたビジュアルと “あっさりした味わい” が特徴で、女性ファンも多い一杯です。
「セアブラノ神」がインスパイアされた “燕三条系ラーメン” とは、世界レベルの鍛治技術を誇る金属加工の町「燕三条」で生まれた “ご当地ラーメン” で、新潟5大ラーメン(新潟あっさり醤油・燕三条背脂・長岡生姜醤油・新潟濃厚味噌・三条カレー)の一角。うどんに近い食感の極太ちぢれ麺に、煮干しの旨味と塩気を効かせた濃口しょうゆベースのスープを合わせ、そこに湯気が立たないほど大量に背脂を浮かべているのもポイント。
その歴史を遡ると、工場で働く人の出前用にチューンナップされたラーメンで、麺が極太なのは出前中に伸びにくいようにと工夫された名残。たっぷりと背脂を浮かべているのは、スープが冷めにくいようにと配慮されたことで生まれ、しょっぱめの味付けは汗をかきながら工場で働く人の要望に合わせて進化した結果。
しかし、今回のカップ麺を監修している「セアブラノ神」では、前述のように “京都の味覚に合わせた燕三条系のラーメンを提供している” のが特徴的なポイント。それを再現したカップ麺のパッケージには「コクのある背脂と煮干の旨味が利いた背脂煮干ラーメン!」とあるので、そこに注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「液体スープ」が1袋。東洋水産の縦型ビッグに別添されている小袋は、基本的に「特製油」か「特製スープ」の2種類で、後者の場合 “タレも含まれている” のが特製油との違い。なぜか今回の小袋は “異様に粘着力が強かった” ので、取り外す際は気をつけてください‥‥w
さて、かやくは「背脂加工品、味付豚肉、メンマ、ねぎ」とシンプルなラインナップ。セアブラノ神で提供されている「背脂煮干そば」には刻んだ玉ねぎが入っているのと、刻み玉ねぎは本場の燕三条系でも定番のトッピングなので、それが入っていないのは寂しいポイントになりますが、多めの背脂加工品が目を引きます。
ちなみに縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)商品をコンビニで購入した場合、税込価格は232円が標準となっているのですが、今回のファミリーマート標準価格は212円(税込228円)ということで、比較的に低めの値段。先月の「中華そば嘉一監修 極鶏だし中華そば」や「日清ラ王 白タンタン」も税込228円だったので、このラインを標準としているようです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ラーメンセアブラノ神 背脂煮干そば 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901990369060(JAN) |
発売日:2021年06月01日(月) 実食日:2021年06月03日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:228円(税込) ファミリーマート通常価格:212円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(魚介エキス、しょうゆ、香味油脂、食塩、チキンエキス、植物油、砂糖、ポークエキス、たん白加水分解物、酵母エキス、香辛料)、かやく(背脂加工品、味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘多糖類、かんすい、乳化剤、酒精、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。この時点で煮干しの香りが強めに漂ってくるので、それが苦手な方にとっては厳しい商品になりますが、いい意味でインパクトを放っている実食前。東洋水産という社名が表しているように、同社は煮干しの使い方が上手いので、それについては絶対的な安心感を備えています。
あとは熱湯を注いで4分間、別添の小袋は後入れなので、待っている間にフタの上で温めた後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。味付豚肉・メンマ・ネギは特筆すべき量ではないけれど、背脂加工品については想像以上に量が多く、引き続き芳醇な煮干しの香りが食欲をそそってくる調理直後。ただ、あいかわらず容器の外側が “めちゃくちゃ熱い” のでw お湯を入れてからの取り扱いには注意してください。
なお販売者は東洋水産、製造所は酒悦(しゅえつ)の房総工場となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の商品を多数製造している連結子会社なので、カップ麺に関してはマルちゃんの工場という認識で問題ありません。それでは、引き続き京都屈指の人気店が監修した個性と特別感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:445kcal たん白質:11.8g 脂 質:22.3g 炭水化物:49.2g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:235mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:445kcal(めん・かやく:345kcal)(スープ:100kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
東洋水産が誇る新世代系の平打ちフライ麺
「セアブラノ神 壬生本店」の「背脂煮干そば」に使われている麺は、京都きっての人気製麺所「麺屋棣鄂(ていがく)」こだわりの特注麺で、太さは京都仕様にデフォルメ済みの「中太麺」と存在感の強い「太麺」から選べるシステム。どちらも加水率は高めの設定で、ぷりっとした食感と弾力が楽しめます。
それをイメージしている今回の油揚げ麺も縦型ビッグの中では太めに切り出されているのですが、そこまで厚みのあるサイズではなく、形状は平打ち。けれどもコシの強い食感で、なめらかな口当たりを打ち出しながら、きちんと今回のスープとの一体感も意識されている、結果的に悪い取り合わせではありません。
ただ、熱湯4分ジャストで食べ始めた場合、ややスナック感が目立つのと、すこし休ませたほうがコシの強い弾力が楽しめるので、まずは熱湯4分きちんと守り、液体スープを馴染ませた後、2分ほど休ませるのがオススメの食べ方。そうすることで自然な食感に仕上がるだけでなく、上品な質感に傾くので、お店の洗練された雰囲気に近づくように思います。
スープ
煮干しが苦手な方は要注意
粉末スープだけの状態で味を確認してみたところ、この時点で煮干しの風味が強く、それを軸にした魚粉が容器の底に溜まるほど入っていたのですが、出汁(だし)の繊細さも感じられるのがポイント。一般的にネガティブとされる煮干し特有の苦味・えぐみは抑えつつ、ある程度の癖(クセ)は残し、きちんと煮干しを軸に据えていることが直感的に伝わってきます。
意識すると余韻に(いい意味で)生臭い風味が残るので、この時点で煮干しがダメな方にとっては厳しいスープになりますが、その煮干し感は別添の「特製スープ」を入れることでブースト。
半分以上は濃口しょうゆベースのタレに該当する成分で、ほんのりと酸味を帯びているリアルな醤油感が心地よく、粉末スープだけでは打ち出せない臨場感を演出。さらに “煮干しなどから抽出したと思われる香味油脂” をブレンドしているため、全体の煮干し感に奥行きが生まれるだけでなく、横にも広がっていくような煮干しの多様性が楽しめました。
具材
たっぷりの背脂加工品が雰囲気を再現
味付豚肉、メンマ、ねぎについては、他の商品にも使用されている汎用の具材だと思うので、新規に開発した様子はなく、ねぎについては気持ち程度の量しか入っていませんが、甘辛い味付け豚肉はリアルで高品質。またコリコリとした歯応えの強いメンマも箸休めに嬉しい存在で、なんといっても大量に入っていた背脂加工品のインパクトが印象的。
あくまでも背脂を乾燥させた加工品なので、エースコックが誇る液体スープ(という名の背脂パック)ほどリアルな質感ではないのですが、大判どんぶり型よりも口径の狭い容器が功を奏し、背脂チャッチャ系の雰囲気を再現。それでもスッキリとした印象を崩さない、絶妙かつ洗練された駆け引きが「セアブラノ神」監修の個性といえるかもしれません。
総評
本場・燕三条の背脂醤油スープほど攻撃的な仕上がりではないのですが、それこそ「セアブラノ神」が幅広い層に支持されている所以であり、簡便性の高さにも配慮しなければいけない縦型ビッグという製品スタイルも加味すれば、上出来も上出来。刻み玉ねぎが入っていないのは寂しいポイントになりますが、京都仕様にデフォルメされている、洗練された燕三条系のイメージは具現化できていると感じました。
もし続編開発の話が出れば、次は製品スタイルを大判どんぶり型×ノンフライ麺に切り替え、なおかつ東洋水産のNB商品「マルちゃん正麺 カップ 濃ニボ」との差別化も明確にした「セアブラノ神」監修シリーズ第2弾の登場にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】