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サッポロ一番×杉田家のカップ麺「名店の味」に見た “家系総本山直系一号店„ のプライドと今後の期待

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2024年9月30日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 名店の味 杉田家 横浜濃厚豚骨醤油 大口径」(298円+税)の実食レビューです。

カネボウフーズ以来の快挙!? 家系総本山・吉村家(よしむらや)が認めた直系1号店、約20年ぶりにカップラーメンを監修!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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杉田家 横浜濃厚豚骨醤油

杉田家(すぎたや)とは、家系総本山「吉村家(よしむらや)」の創業者・吉村実(みのる)その人が最初に認めた直系店舗で、1999年(平成11年)9月27日にオープン。吉村家が創業当初に店舗を構えていた、神奈川県横浜市磯子区新杉田の地を受け継ぎ、直系1号店としてのプライドと伝統の味を頑なに守り続けている名店中の名店です。

杉田家のカップ麺、降臨。

このページでレビューする「サッポロ一番 名店の味 杉田家 横浜濃厚豚骨醤油 大口径」は、杉田家が誇る王道のラーメン(店舗でオーダーできる麺のかたさ・味つけ具合・油すべてふつう)を再現したカップラーメンで、新商品とは思えない貫禄。これまでに名店監修の家系ラーメンは何度もレビューしているのですが、杉田家との対峙は経験がありません。

ちなみに「商品のこだわり情報公開中!」などと、杉田家の公式HPにアクセスできるQRコードがパッケージに印刷されていたので、実食の前にチェックしてみた結果‥‥えっと、これ書いていいのか分かりませんが、厳選された原料を練る → 製造担当者も推薦 → カップ麺の完成! ざっけんなよwww みたいな内容で、麺が新開発であることは理解できたんですけど、なるほど分からん() というわけでカップめんマニア的な小噺をば。

1976年(昭和51年)に日本初となるノンフライ麺を確立し、1985年(昭和60年)には業界初の激辛カップ麺「カラメンテ」を世に送り出したベルフーズ・カネボウ食品の後身で、後にクラシエ(Kracie)となるカネボウフーズ(Kanebo)が即席カップめん事業に力を入れていた頃、当時の四天王(杉田家・はじめ家・環2家・王道家)が名を連ねた「四天王監修 家系ラーメン」という恐ろしい商品を出していたんですけど、かれこれ20年前の話。

直近にレビューした商品を例に挙げると、同じく家系四天王に数えられた「環2家」監修のカップ麺「マルちゃん 推しの一杯 ラーメン環2家 横浜家系醤油豚骨」が記憶に新しく、もうすこし遡るとファミリーマート限定「日清 寿々㐂家(すずきや)横浜家系 豚骨醤油ラーメン」や、ローソン限定「明星 家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン」など、各社が鎬(しのぎ)を削り合っている現在。

サンヨー食品もオリジナルの「サッポロ一番 旅麺 横浜家系 豚骨醤油ラーメン」を常時販売しているのですが、ここまで知名度の高い専門店とのコラボは珍しく、そもそも家系を謳うラーメン店とのコラボは「違う家(ちがうか)」以来‥‥? それも「元祖 横浜家系油そば」の再現だったので、ここまで硬派な家系のカップラーメンをサンヨー食品がリリースしてくるのは近年稀に見る展開です。

ご当地スーパーマーケット専用など、検索に引っ掛からないほどローカルな留型(とめがた)を監修していた場合、さすがに追い切れない領域になりますが、調べてみたところカネボウフーズの “四天王監修„ 以降「杉田家」が直々にNB(ナショナルブランド)のカップラーメンを監修した記録は残っていなかったので、20年ぶりの即席カップめん業界復帰とみて問題ないでしょう。

QRコードの先は検索からでも辿り着けます

ちなみに余談なんですけど、2023年4月24日発売の「SUSURUも唸る家系の名店 王道家 豚骨醤油ラーメン」をレビューした際に “元家系四天王の「六角家」は破産し、明星食品×セブン&アイグループとの契約も切れたので、次は直系1号店の「杉田家」が動きを見せるのか、それとも「はじめ家」に話が舞い込んでいるのか、あるいはすでに水面下で‥‥„ などと触れていたので、これ当たったってことでいいですよね? ←

開封

4種の小袋を取り出す

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「焼のり」の組み合わせで、他社が販売している家系カップ麺にも通じる典型的な構図。サンヨー食品の公式ウェブサイトには “コクのあるチキンやポークのうまみをベースに醤油のうまみを合わせ、香辛料で味を調えました。甘みのある鶏脂の風味をきかせた奥深い味わい„ との記載があったので、字面から伝わってくる印象は硬派。

縮れのあるノンフライの平打ち麺を搭載

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、サンヨー食品曰く “表面につるみがあり、もっちりとした弾力のある太めんに仕上げました。見た目、食感において、お店のめんの雰囲気を再現しています„ との訴求から、やはり杉田家のカップラーメン専用に開発した模様。ただ、お値段も本格的な設定で、メーカー希望小売価格は298円(税別)のミドルレンジクラス。

「名店の味」には「純連(じゅんれん)」「桂花(けいか)」「天下一品」も在籍していますが、同じブランド内でも値段はバラバラで、純連と経過は268円+税、天下一品は330円+税に設定されている現在。ニューフェイスの「杉田家」に付けられた値段は、ちょうど中間地点に位置しているため、ここまで柔軟な価格設定は珍しいです。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:サッポロ一番 名店の味 杉田家 横浜濃厚豚骨醤油 大口径
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 本社工場
内容量:121g(めん70g)
商品コード:4901734055303(JAN)
発売日:2024年09月30日(月)
実食日:2024年10月08日(火)
発売地域:全国
取得店舗:スーパーマーケット
小売価格:298円(税別)
購入価格:265円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:440ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・焼のり)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、粉末卵、大豆食物繊維)、スープ(チキンエキス、しょうゆ、植物油脂、ポーク調味料、ポークエキス、豚脂、鶏脂、食塩、たん白加水分解物、糖類、みりん、チキン調味料、ガーリックペースト、酵母エキス、デキストリン、ゼラチン、香辛料、たまねぎ調味料、こんぶエキス、粉末卵)、かやく(チャーシュー、味付ほうれん草、のり)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、レシチン、香料、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、増粘多糖類)、クチナシ色素、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、マリーゴールド色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本製品で使用している海苔は、えび・かにの生息する海域で採取しています。

実食開始

先入れの小袋は「かやく」のみ

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、チャーシュー、ほうれん草の組み合わせは、家系ラーメンを意識したカップ麺で定番のラインナップ。ただ、チャーシューのクオリティは見るからに低いのと、ほうれん草の量についても特別に多いわけではないので、値段を思うと寂しさは否めません。

香りのファーストインプレッションは良き

添付調味料と海苔は後入れなので、かやくを空けてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。後入れの「粉末スープ」と「液体スープ」は “必ずめんをほぐした後に„ との注意書きが容器側面に印刷されていたので、時間になったらノンフライ麺をほぐし、それから「粉末スープ」と「液体スープ」を混ぜ合わせ、仕上げに「焼のり」をトッピングしたら出来上がり。

ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純にサッポロ一番の工場という認識で問題ありません。それでは、引き続き「杉田家」監修ならではの特徴に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(121g)あたり
カロリー:465kcal
たん白質:14.8g
脂  質:19.0g
炭水化物:58.6g
食塩相当量:7.6g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:5.8g)
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:465kcal(めん・かやく:302kcal)(スープ:163kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

(関係者曰く)かなり再現度は高いらしい

4.5

実店舗の「ラーメン」に使われている麺は、吉村家との縁が深い酒井製麺の特注麺(マニアの間で杉印と呼ばれている伝統的な麺)で、緩やかな縮れが確認できる形状。それをイメージしているノンフライ麺にも緩やかな縮れが施され、角刃でも丸断面でもない形状から、なるほど “見た目„ は近しい雰囲気。

スープとの一体感もよい

かたさは「ふつう」を再現とパッケージにも記載されているのですが、熱湯5分きちんと守った場合、食べ始めは「かため」の食感で、わりと早い段階から「やわらかめ」にシフト。そんなに耐久性ないんだな‥‥とは思ったけれど、中心部にはモチモチとした弾力が残るので、ダラダラとネガティブに柔らかくなるわけではありません。

ちなみに杉田家の関係者曰く、試作の一発目にOKを出したほど、太さ・長さ・弾力すべてにおいて再現度が高いとの評価を叩き出しているため、それについてのコメントは控えますが、後述するスープとの相性はバッチリ。もうちょっと耐久性が欲しい気持ちもありましたけど、日清食品、明星食品、東洋水産の家系とも異なるタイプのノンフライ麺かつ新開発であることも含め、マニア的な見解から新鮮味を感じました。

スープ

カップラーメンとしてはハイレベルな着地

5.5

まずは「粉末スープ」を直接ちょびっと味見してみたところ、たぶん畜肉エキスと香辛料の兼ね合いだと思うのですが、アレですアレ‥‥ひとくちカルパスっぽい。あくまで例えですけどw 鶏ガラや豚骨の骨っぽさを演出するエキスとは違う、肉の旨みがメインに打ち出された配合で、これも新しいアプローチ。さらに「液体スープ」を投入した途端、どばっと出てきた鶏油(ちーゆ)にビックリ。

バランス感すごい

途中で引き合いに出した「吉村家」のスープほど醤油が立っているわけではなく、また「環2家」のように燻製感が強調されているわけでもないけれど、前述のスパイス感と鶏油の多さは特筆すべき点。それなのにギトギトした重さが気になることはなく、香料で無理やり底上げしたような芳ばしさでもない、なんともナチュラルな鶏油の効かせ方が印象的。

最終的に白ご飯が欲しくなるレベルの塩分濃度に仕上がりますが、ちゃんと塩気の向こうに動物系のコクが構えているため、闇雲にショッパいわけではありません。まさに家系ラーメンの王道を地で行くような骨組みを踏襲しつつ、多くの方が軽率に楽しめる濃度にデフォルメされてはいるけれど、その加減が絶妙で、数ある家系商品の中でもトップクラスの出来栄えに思えました。

かやく

ふつうです

3.0

チャーシューはペラッペラで、食感や風味も成型肉のソレど真ん中。ここにジャンクな肉そぼろが入ってくると、それはそれで違う感じになりますが、実店舗の「ラーメン」には直系の証といっても過言ではない燻製チャーシューをトッピングしているため、もうすこし力を入れてほしかったなと。ほうれん草はフリーズドライにつき、風味は悪くなかったけれど、そこまで多くありません。

サツイチどんぶりと同じ?

また店舗の海苔は “吉村家直系店御用達„ ということで、こだわりが強いトッピングになるのですが、カップラーメンの海苔は「サッポロ一番 しょうゆ味どんぶり」からの使い回し。小さいサイズの海苔が2枚だったので、ここぞとばかりの効果的なタイミングを狙って使いましょう。

総評

4.0

かやくの内容が少し残念に思えたのですが、他社の家系商品とは異なるベクトルを歩んでいるノンフライ麺に、家系の王道を地で行くテイストを意識しつつ、デフォルメの落とし所が絶妙なスープも印象に残ったポイント。ちゃんと家系らしいポイントを押さえながら、人を選ぶほど尖った要素は少なかったので、家系に触れたい方の入門編としては実に誂え向きな一杯。

逆にコアな家系でしか満足できない身体になってしまった、生粋のフリークにとっては物足りない一杯になるかもしれないけれど、ひとつのカップラーメンとしては完成度の高い仕上がり。数量・期間限定のスポット商品ではないのであれば‥‥というか、定番入りしそうな作りだったので、かやくのテコ入れ次第で大きく化けると思いますし、これからの発展にも期待しています。【author・taka :a(大石敬之)】

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