どうも、taka :aです。
本日の一杯は、サンポー食品のカップ麺、「焼豚ラーメン×丸星ラーメン」の実食レビューです。
互いの長所を活かしあった “いいとこ取り” の豚骨ラーメンコラボ企画第4弾!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
焼豚ラーメン×丸星ラーメン
「豚骨ラーメン コラボ企画」とは、サンポー食品の看板ブランド「焼豚ラーメン」と九州の名店が手を組んで、 “九州のラーメンを盛り上げる” というのが基本のコンセプト。しかも単なる有名店監修商品ではなく、有名店監修の個性とカップ麺の「焼豚ラーメン」、互いの長所を活かしあった “いいとこ取り” のコラボレーション企画です。
豚骨ラーメンコラボ企画第1弾は「長浜ナンバーワン」から始まり、第2弾「丸幸ラーメン」、第3弾「魁龍どトンコツ」に続くシリーズ第4弾の監修店は、久留米の超有名店「丸星ラーメン(丸星中華そばセンター)」。
「丸星ラーメン(丸星中華そばセンター)」(まるぼしらーめん・まるぼしちゅうかそばセンター)とは、とんこつラーメン発祥の地・福岡県久留米市の国道3号線沿い(高野)に店舗を構える昭和33年(1958年)創業の老舗ラーメン店で、当時まだ久留米ラーメンにはなかった「替玉」をいち早く採用しました。「丸」は太陽、「星」は夜、という意味が込められているのだそうです。
いわゆる「国道系ラーメン」の元祖とされ、広い駐車場を完備したロードサイドのラーメン店は希少とされていた創業当時、トラックの運転手をはじめ路行くドライバーの口コミを中心にお店の評判は全国に拡散。「日本初の24時間営業店」としても有名で、時間帯や客の量によってスープの濃さが変わるらしく、なにやらや朝4時~6時頃のスープが最も旨味が凝縮されていて美味しいのだとか‥‥
創業以来、一度も火を止めずに継ぎ足し継ぎ足し受け継がれている久留米ラーメン特有の技法 “呼び戻し”(「呼び戻し」の名付け親は「大砲ラーメン」二代目・香月均史氏)が特徴とされる濃厚なスープは、骨粉感まで感じさせてくれる豚骨の風味満載な昔ながらのスタイルで、いわゆる久留米とんこつラーメンのお手本ともいえるオールドスタイルだそうです(たまらんですな‥)。
さらにラーメン1杯1,000円もザラになった近年、24時間営業にもかかわらずラーメン1杯400円・替え玉100円(2019年1月現在)という超良心的な値段設定も驚きのポイント。お店のラーメン鉢には「毎度ありがとうございます」、そしてロードサイド店らしく「祈る 安全運転」の文字が見え、お店のアットホームな雰囲気が伝わってきました。あと、おでんも有名みたいですね。
実はマルタイの「屋台ラーメン」(棒ラーメンのマルタイラーメン系譜ではなく1969年に発売された袋めんのヒット作)が開発された際、この丸星ラーメンがモデルになったといわれています。そんな生ける伝説ともいえる丸星ラーメンと我らがサンポー食品の発売から40年間愛され続けているロングセラーブランド「焼豚ラーメン」とのコラボ企画ということで、期待せざるを得ません。
つい先日、豚骨ラーメンコラボ企画シリーズ第2弾「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン」に超高評価を叩き出されてしまったところですが、今回は焼豚ラーメンをベースとしながらも丸星ラーメンの特長である旨味とコクの強い豚骨味に仕上げ、長時間炊きこまれた昔ながらの懐かしい味わいを再現しているのだとか‥‥とりわけ実食前の期待値が高いだけに、落ち着いてレビューしたいと思います(鼻息)。
開封
小袋の構成は大きめの「粉末スープ」、焼豚ラーメンよりも多めの「調味油」、おなじみハート型の「焼豚」、そして「焼のり」と合計4種類の小袋が別添されているのですが、焼き海苔には “有明のり” と書いてあります。九州西北部にある有明海で生産される海苔で、主な用途は贈答品として重宝されている、あの有明海苔ですよね。
さすがは佐賀県に本社・工場を構えるサンポー食品といったところですが、まさか大盛バケツ型のカップ麺から「有明のり」ご登場とは思わなかったので、ちょっとビックリしましたw
麺の小麦にはラーメン用に開発された福岡県産の小麦「ラー麦」という品種を100%使用し、22番切刃で切り出した中細のフライ麺(油揚げ麺)が採用されているのですが、これについては「豚骨ラーメンコラボ企画」シリーズの共通点です。本格的な小麦を使っていますが、この時点からラード臭ばっちりなインスタント感あふれる頼もしいサンポー仕様なので、ご安心ください。
ちなみに○○店限定・地域限定商品というわけではないのですが、コンビニではローソンで意欲的に取り扱われていました(※兵庫県北部及び京都府北部の店舗状況)。それについてサンポー食品に問い合わせてみたところ、特にローソン先行というわけではなく、「全国」のファミリーマート、ミニストップ、セブンイレブンなどでも取り扱いがあるようです。
コンビニでしか売ってないコンビニ限定商品ではないようですが、サンポー食品からは「コンビニエンスストア先行商品として開発した」とうかがったので、ご参考ください。
製品情報・購入価格
製品名:焼豚ラーメン×丸星ラーメン 販売者:サンポー食品 内容量:127g(めん93g) 発売日:2019年01月21日(月) 実食日:2019年01月22日(火) JANコード:4901773100057 希望小売価格:205円(税抜) 発売地域:全国 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:4袋(焼豚・粉末スープ・調味油・焼のり) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦(福岡県産))、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、チキンエキス、豚脂、チキンオイル、しょうゆ、香辛料、糖類、食塩、ねぎ、植物油脂)、かやく(焼豚、焼のり)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘剤(キサンタン)、かんすい、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、クチナシ色素、香料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
【アレルギー表示】小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごま(※コンタミネーション:えびを使用した設備で製造) |
実食開始
調味油と焼き海苔は食べる直前に、「粉末スープ」と「焼豚」は熱湯を注ぐ前に入れるのですが、スープをよく溶かすために “焼豚を麺の上に敷いてから粉末スープを開封する” のがポイントです。この調理方法は、サンポー食品のカップラーメンにおいて共通となっているセオリーのような作り方なので、これもメーカーの特色ですよね。
粉末スープの色は少しベージュがかっていて、クリーミーかつ濃厚な、それでいて本家・焼豚ラーメンよりも野趣に富んでいる‥いやもうなんか卑怯ですよねこんなのw(もろ好み)。とりあえず粉末スープの量が多いので、可能な限り粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぐように狙ってください。
さて、完成です。3分待っている間、調味油はフタの上で温めます。とろみ成分が粉末スープに仕込んであったので、溶け残りがないよう念入りにかき混ぜてから調味油を投入、最後に焼き海苔をトッピングしましょう。ねぎは粉末スープと同梱型なので、あまりインパクトはありませんが、焼豚ラーメンのアイデンティティであるハート形チャーシューに丸星ラーメンをイメージした海苔が2枚は雰囲気ありますね。
なんか中途半端に集めてしまったネギで逆にチープな感じになっちゃって申し訳ないのですがw 多めの調味油から放たれる野趣に富んだ香りが力強くて魅力的。にしてもネギの存在感いろんな意味でスゴいな‥w それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、最後の「総評」でカップ麺の総合力を判定します。
1食(127g)当たり
カロリー:593kcal |
めん
22番切刃で切り出した中細めん。小麦粉にはラー麦を100%使用しており、しっかりとしたコシが味わえます。湯戻り3分。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
麺のサイズには切刃番手(きりはばんて)という基準があり、それは “幅30mmあたりの麺帯から何本の麺を切り出すか” を日本工業規格(JIS)が定めた数字で、数字が大きほど細麺に、数字が小さいほど太麺になります。今回の22番切刃は溝巾1.4mmなので、一般的には中太麺に分類されるのですが(参考までに博多ラーメンは28番が平均)、体感的には24番くらいの――って、ややこしいですねw
とりあえずカップめん的には中細サイズで、レギュラーの焼豚ラーメンよりも経時劣化耐性が高く、大盛バケツ型でも最後まで適度なコシが楽しめるのも嬉しいポイント。「ラー麦」使用ということでオリジナルの焼豚ラーメンとは異なるのですが、その延長線上にある雰囲気で、大盛バケツ型に合わせて耐久力を強化しているような印象です。
お店の麺は中細ストレートなので、どう考えてもカップ麺サイドのインスタント感満載な油揚げ麺になるのですが、それもカップ麺でしか味わえない即席麺ならではの魅力として楽しんでみてください。ただ、今回ちょっと麺の芳ばしさや独特の風味が後半にかけてスープの旨味をボンヤリさせる嫌いを感じたので、油揚げ麺臭がスープに滲む前に食べ終えたほうがいいかもしれません。
スープ
焼豚ラーメンをベースとしながらも、丸星ラーメンの特長である旨味とコクの強いとんこつ味に仕上げました。長時間炊きこまれた昔ながらの懐かしい味わいを再現しています。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
とんこつ臭とは違うものの、別添の調味オイルからはオリジナルの焼豚ラーメンよりも動物系に寄った獣臭が漂い、その量も相俟って確実にアッサリではありません。一見するとインパクトのある豚脂が主体のスープに思えるのですが、実はポークエキスのほうが含有量は多く、こってり推しでありながら調味油に感けたようなスープではありません。
スープの原材料名ではポークエキスの含有量が最も多く、それに次いでチキンエキス、豚脂、チキンオイルと豚骨に並ぶ勢いで鶏成分も組み込まれているため、純粋な豚骨スープではないのですが、あくまでも鶏は下支えに過ぎず、体感的には豚骨が優勢です。しかも、それは実に濃度が高い。
博多とんこつラーメンのような乳白色のスープではなく、やや褐色に濁っているのですが、これも久留米ラーメンのイメージに通じるポイントですよね。「焼豚ラーメン」を筆頭にサンポー食品が製造する豚骨スープの原料には「乳製品」が使用されていることも多いのですが、今回のスープに乳製品及び乳等を主要原料とする食品などは使用されていません。
それだけに焼豚ラーメンのクリーミーなスープとは大幅に印象が異なってくるのですが、焼豚ラーメンの色を残しながらも差別化は明白で、ザラついた舌触りこそ感じられないものの、スープの奥から豚骨の骨っぽさがクンッ‥と上がってくる、なかなか硬派なスープです。ただ、ギミック的な要素が少ないことで油揚げ麺特有の風味が目立ってくるというか、ちょっと(珍しく)野暮ったくも思えたので、ほんと緻密な計算が必要なんだなぁ‥って。たかがカップ麺、されどカップ麺ですね。
かやく
焼豚ラーメンに使用しているおなじみのハート型チャーシューに、丸星ラーメンらしくねぎと海苔を合わせました。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
あいかわらず職人ワザの光る極薄カットのハート型チャーシューですが、たまたま私の引きが悪いのか大盛バケツ型の時は調理前からハートブレイク(穴あき)状態で、レギュラーの焼豚ラーメンよりも薄いように思います。とはいえ下味濃いめで地味に食べ応えがありますし、サンポー食品の “心をこめて作りました” という気持ちの表れが心温まりますよね。
焼き海苔は「有明のり」のブランドイメージかもしれませんが、他社の焼き海苔(ノーブランド)よりも風味が洗練されているように感じました。ほんとイメージにのせられているだけかもしれませんけどw 有明海苔は伊達じゃない。
家系ラーメンの鶏油コーティングよろしく海苔をスープに浸してから表面の調味油を纏わせ、麺を包み込むようにして食べると美味しいです。こってりスープに海苔のアクセントがピッタリですし、味の大幅な気分転換にもなるので、貴重な二枚を計画的に使いましょう。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
スープにインスタント感の強いギミック的な素材が控えめだったことで、スナッキーな油揚げ麺を完全に飼い慣らせていないというか、もちろんアンバランスでもなければ味としては実に美味しかったんですけど、珍しく油揚げ麺の芳ばしさを100%活かし切れていない面がありました。しかし、それは些細なネック。
お店のイメージよりも完全にカップ麺(焼豚ラーメン)サイドの仕上がりになるので、いわゆる再現カップ麺的な本格感に期待していると確実にズッコケます。でも、これは丸星ラーメンにインスパイアされた “焼豚ラーメンの変わり種” だと思うので、お店の再現カップ麺として評価するのではなく、あくまでも焼豚ラーメンとして評価すべきだと思い高評価を付けました。
お店のファンの方、またオリジナルの焼豚ラーメンだけを心から愛している方にとってはネガティブに思える節もあるかもしれませんが、長く九州で愛されている両家のタイアップだからこそ打ち出せた重厚感あふれる仕上がりに魅力を感じた、ひとつの変わり種カップ麺として記憶に残る一杯です。油揚げ麺の風味が滲む前のスープが本格的だったので、お召し上がりの際は食べ始めのスープに注目してみてください。