どうも、taka :aです。
本日の一杯は、サンポー食品のカップ麺、「かしわうどん」の実食レビューです。
九州北部の人気ご当地うどんをサンポー食品が手軽なカップうどんにアレンジして再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
サンポー かしわうどん
発売日は2018年8月27日まで遡り、同時発売品として「博多辛ダレとんこつラーメン」と一緒にリリースされたのですが、2019年1月現在、まだ製造・販売が続けられています。ただ、どこにも売ってない‥‥(兵庫県在住)。ひとまず販売エリアは全国発売という設定ではあるものの、サンポー食品のカップ麺は九州を出た途端、恐ろしくエンカウント率が下がるのです。
というわけで九州在住の友人が送ってくれたのですが、「かしわうどん」とは甘辛い醤油で味付けをした鶏肉(かしわ)を盛り付けた九州北部の(主に福岡を中心とした)人気ご当地うどんのことで、「かしわ」は主に西日本で使われている鶏肉の総称です。漢字で書くと「黄鶏」になるのですが、もともと茶褐色の羽色をした鶏の品種(日本在来種の鶏)を指す言葉でした。
それが江戸時代後期から西日本(東日本では秋田県のみ)を中心に鶏の肉を総称した呼び名として定着するようになり、語源は柏手を打つ姿が鶏の羽ばたく姿に似ていたから、宮中の食膳を司る料理人を「膳・膳夫(かしわで)」と呼んでいたからなど、由来は諸説あるようですが、茶褐色の産毛が柏(かしわ)の葉に似ている色ことから「かしわ」と呼ぶようになった、というのが最も有力な説だそうです。
他にも猪肉は牡丹(ぼたん)、馬肉は桜(さくら)、鹿肉は紅葉(もみじ)など、西暦675年の食肉禁止令が定められた天武天皇の時代、一般庶民が食肉を続けるために肉を植物に例えた隠語が生まれたのですが、鶏肉を柏(かしわ)とするのも現代に残る名残ですね。とはいえ福岡などの完全に根付いている地域を除き、相手がヤングな若者だと通じないかもしれませんが‥(苦笑)
さて、グルメ漫画の『クッキングパパ』にも描かれた「かしわうどん」ですが、福岡のうどんといえば柔らかめの食感も特徴。博多・福岡のうどんは “コシ抜けうどん” という愛称で親しまれているように、まったくコシがないことで知られ、柔らかい上に伸びるスピードも早く、箸でつまみ上げるだけで千切れないか心配になる店もあります(それが独特で美味しい)。
カップ麺のフタ上にも「博多生まれのふんわりめん」と博多うどんを彷彿とさせる製品の特徴が記載されているのですが、そういえばサンポー食品のカップうどんを記事にしたことはないので、なんだか新鮮な気分。いりこ・北海道産昆布・焼きあごだし使用という特徴もアピールされていますし、かなり仕上がりが楽しみです。それでは、開封して中を確認してみましょう。
開封
別添の小袋は「粉末スープ」と「かやく」の合計2袋構成で、かやくの小袋には鶏肉と乾燥わかめしか入っていません。フタ上のパッケージには青ネギ、かまぼこも描かれているのですが、事前に個包装なしで容器の中に入っているわけでもなかったので、おそらく粉末スープの中に同梱されているものと思われます。じゃないと困りますけどw
うどんは油揚げ麺で、麺の幅は広くありませんが、思っていたよりも厚みがありますね。ただ、見るからに気泡が大きいというか、だいぶボコボコしているので、「博多生まれのふんわりめん」と書いてあるように、ふっくら仕上がるのかもしれません。ちなみに油揚げ麺特有のニオイは調理前の段階から強く、なかなか頼もしい香りでございます。
取得価格及び取得店舗はわからなかったんですけど、メーカー希望小売価格は税別180円なので、おそらく「焼豚ラーメン」などと同じ価格帯で取り扱われているものと思われます。いや、もうちょっと安いかな? 九州・西日本・東日本・北海道・沖縄など、地域によって値段に差はあるかもしれませんが、だいたい平均的な販売価格は税込120〜130円前後ですかね。
製品情報・購入価格
製品名:かしわうどん 販売者:サンポー食品 内容量:80g(めん65g) 発売日:2018年08月27日(月) 実食日:2019年01月05日(土) JANコード:4901773015122 希望小売価格:180円(税抜) 発売地域:全国 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:どんぶり型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:360ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(食塩、糖類、しょうゆ、かまぼこ、魚介エキス、かつお節粉末、デキストリン、酵母エキス、ねぎ、煮干しイワシ粉末、香辛料、昆布粉末、チキンエキス、焼きあご粉末、植物油脂、あじ煮干粉末)、かやく(鶏肉、わかめ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酸味料、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、紅麹色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・ごまを含む) |
【アレルギー表示】小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・ごま |
実食開始
別添の小袋は2袋とも熱湯を注ぐ前に開封する先入れになるのですが、スープをよく溶かすために「かやく」、「粉末スープ」の順にあけるよう調理方法に書かれています。これはサンポー食品が製造するカップ麺のセオリーともいえる作り方なので、ぜひ覚えておきましょう。大丈夫、テストには出ません。
やはり粉末スープの中にネギ・かまぼこ(どちらもミニサイズ)が入っていたのですが、調理前の粉末スープを嗅いでみたところ、軽く鼻にツンとくる香りが気になりました。そんなに強烈ではないんですけど、昔の和風カップ麺っぽいというか、ある意味ちょっと懐かしいかもしれない(笑)。
さて、完成です。かまぼこが思いの外に多かったw にしても鶏肉けっこう多めですし、わかめも見るからに厚みがあって、なかなか頼り甲斐のあるビジュアルです。うどんを家で作る時は鶏もも肉を入れたり、あんかけの時は生姜を効かせた鶏の挽肉を入れたりするんですけど、そういえば南蛮蕎麦は定番でも鶏肉の入ったカップうどんって少し珍しいですね。それでは、実際に食べてみましょう。
1食(80g)当たり
カロリー:354kcal |
めん
10番切刃で切り出した厚めのめんを使用。ふんわりとしためんにスープがからみます。湯戻り5分。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
まず味をレビューする前に、さすがサンポー食品と拍手したくなるポイントがあってですね‥(※ファンによる独断と偏見と愛を含みます)。ふと目に飛び込んできた、原材料名に表記されている「ラード」の文字。まず一般的なカップうどんの油揚げ麺には使用されることのない原材料になるのですが、サンポー食品の油揚げ麺(主に中華麺)には積極的に採用されています。サンポーぶれないw
いやいや、まさか「うどん」にも遠慮なくラードを仕込んでくるとは思わなかったんですけど、実際たしかに芳ばしく、ラード練り込み麺特有の風味を感じます。しかしながらカップうどんらしい風味も兼ね備え、意外にも食べ始めはモチモチとした弾力のある食感でした。しかし、それも束の間‥‥
あっという間に柔らかく、ふっくら・ふんわりとした頼りない食感に変わります。一般的なカップうどんだと耐久力のなさがマイナスに作用し、ネガティブに思えてしまうポイントになるのですが、九州北部の人気ご当地うどんが題材となれば話は別。今回わざと伸びやすいように内部の気泡を広げているような印象で、実際かなり伸びやすくw しかしながら再現度の高さに大きく貢献していると感じました。もちろん、スープ(つゆ)との相性も素晴らしいマッチングです。
スープ
かつおを中心に、北海道産昆布や焼きあご、いりこのだしのきいた九州ならではの甘辛いスープ。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
先に断っておきますが、私taka :aは甘辛うどんつゆに目がありません。‥‥どストライクw いや、でも実際に九州の醤油は甘口が定番になりますし(私ご自宅用に数種類お取り寄せしております)、これ出汁(だし)が秀逸なんですよ。かつお節粉末を中心に煮干いわし粉末、煮干あじ粉末、さらに焼あご粉末を重ね、北海道産昆布で味に膨よかな深みを持たせています。
ややツンとしたカップ麺特有の雑味も感じるのですが、粉末を多用しているのに魚粉系の旨味ではなく、体感的には丁寧に溶け込んだ出汁として映る穏やかな旨味。醤油のキレも塩気のカドも控えめな甘口仕立ての優しい和風つゆなんですけど、徹底的に優しいのに奥行きのある出汁の旨味で物足りなさは感じさせない旨味重視の‥‥これはヤバい。
かしわうどんらしく粉末スープの中にはチキンエキスも含まれているのですが、それは強く主張してきません。しかし、後述する具材の鶏肉(かしわ)が大きいものから細切れサイズまで入っていたので、特に細切れの鶏肉はスープと一体になり、わざわざ意識しなくても口の中に入ってくるため、常に鶏の旨味も同時に感じられました。
かやく
鶏肉(かしわ)、かまぼこ、わかめ、ねぎ。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
大きな油揚げや天ぷらは入っていませんが、具材も充実していて隙がありません。メインの鶏肉(かしわ)は甘辛い味付けで、スープの項目でも触れたように細かい鶏肉は無意識に旨味をブーストする作用があり、そこそこ大きな鶏肉は拾って食べると具材として楽しめます。食感は硬めなんですけど、噛めば噛むほど味が出る親鳥みたいでいいですね。
パッケージ写真では多かったネギは意外にも少なく、もっと意外性があったのは8枚かまぼこw 特別感のある魚肉練り製品ではありませんが、ちょいちょい拾って食べると気分転換の箸休めに嬉しい具材でした。乾燥わかめも見事に膨張してくれますし、けっこう茎の分厚い部分が多く、コリコリとした食感から食べ応えがあります。
しかしながら不思議と磯の香りが甘辛いスープに強く影響することはなく、あくまでも主役は鶏肉で、その甘辛い味付けがスープと絶妙にマッチしている、これといって具材についても文句の付け所が見当たりませんでした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6+)
【素晴らしい逸品です(超高評価)】
実際の「かしわうどん」といえばJR小倉駅にある各店が有名ですが(『クッキングパパ』の表紙を飾ったのはJR小倉駅の在来線ホーム7番・8番乗り場の階段を下りた所にある「ぷらっとぴっと」というお店)、大分ではブロック状に切った鶏肉、福岡・小倉では鶏肉の細切れを使うことが多いので、やはり九州北部=福岡の味をイメージしているのでしょう。
甘辛い味付けの鶏肉に出汁の効いた甘くて穏やかな和風つゆ、そして柔らかめに仕上がる麺の特徴など、かなりインスタント感の強い仕上がりですが、ご当地うどんの個性とサンポー食品らしさが見事に融合している名作でした。私はサンポー食品が大好きなので、ちょっと贔屓目に見ているかもしれませんが、これでも冷静に評価したつもりです。