どうも、taka :aです。
本日の一杯は、サンポー食品のカップ麺、「博多辛ダレとんこつラーメン」の実食レビューです。
こだわりの「激カタ細麺」を使用! サンポー食品としては珍しい別添辛ダレ付の博多とんこつカップラーメンがリリースされました。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
博多辛ダレとんこつラーメン
以前にレビューした「かしわうどん」と同じ時期に発売された新商品で、発売日は2018年8月27日まで遡るのですが、2019年2月現在も製造・販売が続けられています。真っ白なパッケージのフタ上右側に縦帯、真ん中に商品名、左上に完成図のイメージ写真、左下に「ぐるり九州麺」という定番のデザインから、「久留米」「高菜」「長崎」と同じくレギュラー商品なのかもしれません。
サンポー食品が手掛ける「博多」系の即席麺といえば鍋調理の棒ラーメン「棒状 博多とんこつラーメン(2食入)」が定番商品として販売されているのですが、現行ラインナップのカップめんシリーズで博多とんこつ系の商品は今回の「博多辛ダレとんこつラーメン」しか存在せず、辛ダレなしのノーマルバージョンもありません。
たしか2012年頃、黒いパッケージの「博多とんこつラーメン」というサンポー食品の博多とんこつ系カップ麺を食べたことがあって、そちらは辛ダレなし。特製豚脂にニンニクとスパイスを効かせたコクのあるスープ、熱湯2分の細めんカタめ、具材にはキクラゲとハート型ではなく丸型のチャーシューが採用され、生タイプの紅生姜が別添されていました。
それ以来、とんとサンポー食品の博多とんこつラーメンは食べた記憶がないので、ずいぶんと久しぶりになるのですが、今回も調理時間は熱湯2分、「こだわりの激カタ細麺」と麺の特徴がアピールされています。豆板醤を使用した別添辛ダレ付というポイントも大きな違いですし、サンポーの辛ダレ系って珍しいですよね。
レギュラー商品の「高菜ラーメン(高菜とんこつラーメン)」にも博多風の細めん(熱湯2分)が採用されているのですが、辛ダレ博多とんこつラーメンの商品コンセプトには “博多豚骨ラーメンの細く硬いめんをイメージした専用めん” と書いてあったので、その違いも比べてみましょう。
ところで以前にはなかった「ぐるり九州麺」のキャッチコピーですが、豚骨ラーメンの本場「福岡県」の場所が分かりやすく描かれたデザインとなっており、定番の「高菜ラーメン」「久留米ラーメン」「長崎ちゃんぽん」すべてに印刷されているので、さしずめサンポー食品の定番「ご当地シリーズ」といったところでしょうか。
幸いなことに九州の友人から頂いた物も含めて全種類そろっているので、まずは「博多辛ダレとんこつラーメン」からレビューしたいと思います。それでは、開封して中身を確認してみましょう。
開封
別添の小袋は「粉末スープ」「かやく」「調味ダレ」の3袋構成で、粉末スープの小袋は「焼豚ラーメン」と同じくらいのサイズ。かやくは大量のすりごまが印象的で、おそらく調味ダレが “豆板醤を使用した別添辛ダレ” なのでしょう。粉末スープ・かやくの2袋は先入れ、調味ダレは後入れになるのですが、特に何も指示がないので調味ダレはフタの上で温めないほうがよさそうです。
あいかわらずサンポー食品らしいラードの芳ばしい香りが印象的な油揚げ麺が出迎えてくれるのですが、微妙に「焼豚ラーメン」よりも細めですね。原材料名は一言一句まったく同じなんですけど、以前に別の商品でサンポー食品の方と話をさせていただいた時、同じ原材料でも微妙に配合を変えていると開発部の方から教わりました。
さて、気になっていた同じく熱湯2分の油揚げ麺を採用している「高菜ラーメン」との違いですが、写真の向かって左が今回のレビュー対象商品「博多辛ダレとんこつラーメン」、右が「高菜ラーメン」の油揚げ麺になります。ちょっと写真では分かりづらいかもしれませんが、微妙に “博多辛ダレとんこつラーメンのほうが太い” ですね。
使用している原材料の構成は並びから一緒で、見た感じ色合いも大差ないのですが、わずかに(ほんとわずかに)太くすることで同じ熱湯2分の油揚げ麺でも硬めの食感になるように微調整しているようです。違うといっても実際に並べて比べないと分からないような僅差だったので、いい発見になりました。
製品情報・購入価格
製品名:博多辛ダレとんこつラーメン 販売者:サンポー食品 内容量:89g(めん65g) 発売日:2018年08月07日(月)新発売 実食日:2019年02月01日(金) JANコード:4901773012190 希望小売価格:180円(税抜) 発売地域:全国 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:どんぶり型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:3袋(粉末スープ・かやく・調味ダレ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、豆板醤、食塩、乳製品、香辛料、チキンエキス、植物油脂、ねぎ、糖類、しょうゆ、魚介エキス)、かやく(味付肉そぼろ、すりごま、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、甘味料(ソルビトール)、炭酸カルシウム、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、カラメル色素、かんすい、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、pH調整剤、乳化剤、クチナシ色素、香辛料抽出物、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
【アレルギー表示】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごま |
実食開始
粉末スープの量は多く、かやくとは別に乾燥のネギが入っています。で、けっこう強めにチーズ系の香りがするなぁ‥と思ったら原材料に「乳製品」が使用されているのですが、豚骨系のカップ麺で隠し味に使用されることも珍しくない “乳等を主要原料とする食品” ではありません(※乳製品のほうが強力)。
ちなみに「乳等を主要原料とする食品」とは、牛乳やバター、チーズ、クリームなど、いわゆる「乳製品」の定義に該当しない乳等を主要原料とする食品のことなんですけど、現段階でチーズ系の香りが強めなので、その主張が気になるところ。さらに今回は味の主張が強そうな辛ダレが別添されているため、面白い展開になりそうです。
さて、完成しました。「焼豚ラーメン」と違って大きなチャーシューなどは入っていないので、順番を間違えても致命的な結果を招くことはないと思いますが、サンポー食品のカップ麺は「かやく」「粉末スープ」の順に開封し、粉末スープの上から熱湯を注ぐのがセオリーとなっているので、カップ麺を作る時は小袋を開封する順番も意識してみてください。
それでは、実際に食べてみましょう。調理方法には調味ダレ(辛ダレ)を入れてからよくかき混ぜるようにと書かれているのですが、辛ダレを溶かす前の味と溶かした後に生じる味の変化や全体のバランス、そして専用めん「激カタ細麺」にも注目しながらレビューします。
1食(89g)当たり
カロリー:425kcal |
めん
博多豚骨ラーメンの細く硬いめんをイメージした専用めん「激カタ細麺」を使用しており、硬めの食感がやみつきになります。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
開封直後は表面(粉末スープと隣接していた部分)が戻っていないというか、けっこう頑固に寄り添い合っていたので、30秒くらい混ぜながらほぐし、撮影の前に味見してみたところ、たしかに「高菜ラーメン」よりも硬めの食感です。「高菜ラーメン」は食べ始めから歯切れが良くてスナック的というか、それと比較して適度に芯が残っているような歯ごたえでした。
サンポー食品らしい油揚げ麺なので、生めんタイプやノンフライ麺など、本物志向のバリカタ食感とは異なりますし、「激カタ麺」というほど硬くもなかったのですが、思っていた以上にコシが強く、また耐久性にも優れています。博多とんこつ系のパツンッと切れる低加水麺ではありませんが、たしかに噛み応えがありますね。
風味はラードの芳ばしさが目立っているサンポー食品らしい油揚げ麺で、サイズは中細ちぢれ麺。きちんと2分待ってから適切にほぐせば中途半端にサクサクした部分も残らなかったですし、中盤からはプリッとした歯切れのよさが目立ってきて、カップ麺ならではの魅力を楽しませてくれました。
スープ
コクのある白濁豚骨スープに、別添の豆板醤を使用した辛ダレがアクセントとなり、食欲をそそります。
(出典:サンポー食品「新着情報」)
お湯を入れる前は気になったチーズ系の香りですが、実際に食べ始めると意外なほど気になりません。明らかにポークの旨味とは違う乳製品系のコクを味覚に感じるのですが、胡椒(コショウ)を中心とした香辛料のアクセントがピシッと並行して感じられたので、あくまでも乳製品はサブの立ち位置です。
しかし、スープの原材料中で最も含有量が多いのはポークエキスになるのですが、けっこう豚骨は穏やかですね。源泉を辿ると「焼豚ラーメン」にルーツを感じるポーク感ではあるものの、調味油(動物性のオイル)は別添されていませんし、適度にペッパーのアクセントが効いたインスタントらしくて普通に美味しいライト系とんこつ、というのが辛ダレ投入前の感想。
そして辛ダレ投入後、それを直接舐めてみたら文字通りピリッときたのですが、あくまでも刺激レベルはピリ辛で、一見して明白に分かるのは豆板醤の風味。辛ダレを混ぜる前は正直ちょっと無難で物足りないスープだったんですけど、マイルドな豚骨に豆板醤のピリッとしたアクセントが強すぎず、それでいて明白に主張してきます。
純粋な豆板醤ではなくペースト状に加工されていたのですが、きちんと豆板醤の風味を感じたし、実に効果的なアクセントでした。そして、かなり面白かったのが辛ダレを混ぜてから急にチーズ系の風味が強くなったこと。それも “粉チーズ入ってる‥? ” くらい強めの存在感で、豆板醤と粉チーズでアレンジしたようなテイストは面白かった反面、その瞬間に博多が吹っ飛んでしまいましたw
かやく
味付き肉そぼろ、ねぎ、すりごま
(出典:サンポー食品「新着情報」)
フタ上のイメージ写真では肉具材がチープ(すみません)だったので、もしかすると大豆たん白加工品(フェイクミート)か‥? などと思っていたのですが、意外にも大きな肉そぼろでビックリ。ジャンクで濃いめの味付けが相俟って食べ応えがあったんですけど、博多とんこつラーメンらしいかと言われたらイメージは違います。
でも今回のスープは良くも悪くも博多らしくなかったので、結果的にスープと違和感なくマッチしていたし、シャキシャキ食感のネギは歯触りが効果的で好印象。すりごまは多めに入っていて、具材というよりもスープの一部となっていたのですが、適度なパンチとコクを付与してくれていました。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
豆板醤を使用した辛ダレを攪拌した瞬間からチーズ系の乳製品を思わせる風味が強くなり、その変化が面白かったことと、たしかに同じ熱湯2分でも「高菜ラーメン」とは違う専用麺にはこだわりを感じたんですけど、博多らしいかどうかと聞かれたら、豚骨のアクが強くないところ? くらいでしょうか。
辛ダレは面白かったんですけど、もうすこし胡麻の粒を大きくしたり、具材にキクラゲや別添の紅生姜を導入する、思い切って生おろしニンニクを別添してインパクトをつけるなど、そちらのほうが博多らしいかな、と思いました。
とはいえ定番品の中では唯一の辛ダレ系なので、そういった意味では希少価値の高い製品ですし、「ぐるり九州麺」の博多担当として高いポテンシャルを秘めているのも事実。ちょっと現段階では乳製品が強すぎたと思うので、次回のリニューアルでは博多らしく硬派で洗練された豚骨感へのブラッシュアップに期待しています。