どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年4月18日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 三ん寅 味噌ラーメン」の実食レビューです。
講談社発行『第22回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2021-2022』における “名店部門みそ1位” に選出されたマニアも唸る実力店「三ん寅」ついにカップラーメンを単独監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
三ん寅 味噌ラーメン
三ん寅(さんとら)とは、東京都新宿区山吹町・江戸川橋で人気を博す札幌味噌ラーメンの名店で、2019年(令和元年)10月29日にオープンするや否や、その約1年後、2020年(令和2年)10月22日に発売された『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』にて “新人部門みそ1位” を勝ち取った実力派。その後も行列の絶えない名店として、マニアや評論家からも高く評価されています。
今回の新商品「三ん寅 味噌ラーメン」は、江戸川橋の行列店「三ん寅」店主監修のもと、同店の看板メニューである「味噌らーめん」の味わいを目指したカップラーメンで、販売者はマルちゃんのブランドで知られる東洋水産。前述の “TRY新人部門みそ1位” に続き、講談社が発行する『第22回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2021-2022』の「名店部門みそ1位」に輝いたことを記念して開発されました。
『TRYラーメン大賞』とは、ラーメン業界で確固たる地位を築いた6名の審査員、並びに2名のゲスト審査員(新人部門のみ審査)によって決定される “ラーメン業界最高権威” のアワード本(MOOK)で、2021年(令和3年)10月20日発売の『第22回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2021-2022』で審査員を務めたのは、青木誠、レイラ、しらす、田中一明、尾瀬、まろ(敬称略・順不同)。
TRY(トライ)という名称は、東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(Tokyo Ramen of the Year)の略称で、1997年(平成9年)11月18日〜2010年(平成22年)6月8日に講談社が首都圏で発行していた同社初の都市情報雑誌『TOKYO☆1週間』の企画にルーツを持ち、その当初から “東京で一番うまいラーメンを決めよう” をコンセプトに掲げ、都内の様々なラーメン店を格付けしています。
そんな “業界最高権威” の舌を唸らせた店主の菅原章之(すがわら のりゆき)氏は、札幌ラーメン界の重鎮「純連(すみれ)」の店主・村中伸宜(むらおか のぶよし)その人から暖簾分けを許された実力の持ち主で、独立前は「すみれ 本店」の店長を任されていたほど。また各地の店舗展開にも携わり、27歳の見習い時代から「三ん寅」を開業するまでの18年間、ずっと「すみれ」を支え続けてきた人物。
純連(すみれ)から暖簾分けを許された店といえば、北海道・美園の「麺屋 彩未(さいみ)」をはじめ、関東初となる正式な暖簾分けを許された東京・船堀の「大島(おおしま)」は『TRYラーメン大賞』の “名店部門みそ1位 5連覇” で殿堂入り。それに続く北海道・発寒の「八乃木(ハチノキ)」や神奈川・高座渋谷の「ラーメン郷」もファンが多く、江戸川橋の「三ん寅」で暖簾分けは5店舗目。
あの “すみれ” から暖簾分けを許された店-・その凄まじいネームバリューも手伝い、開業当初から行列をつくっていた「三ん寅」ですが、同時に重圧も凄まじかったハズ。しかし、長年の厳しい修行で培ってきた技術の高さと繊細でブレのない味わいから、某口コミサイトでは「純すみ系の中でも最強の店」と一目置かれるほど、味噌ラーメンが定着しづらい都内で揺るぎないポジションを確立しました。
過去に「大島」とコラボした汁なしカップ麺「大島×三ん寅 汁なし味噌ラーメン」(2021年10月25日発売品)を監修している「三ん寅」ですが、単独のカップラーメンが出るのは初めて。ちなみに純連あらため「すみれ」のカップ麺は日清食品、兄弟分に当たる「純連(じゅんれん)」のカップ麺はサンヨー食品、暖簾分けの「彩未」「大島」「三ん寅」のカップ麺は東洋水産が担当しています。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製油」が1袋。容器はコンビニ向けの縦型ビッグなので、定期的にリリースされる「大島」のカップラーメンと同じ製品スタイル。2022年1月31日にリニューアルした「彩未」のカップラーメン(麺屋 彩未 札幌味噌らーめん)は大判どんぶり型を基本としているため、それとの差別化は明白ですが、大島との違いが気になるところ。
かやくは多めの味付挽肉を筆頭に、細切りの玉葱とメンマ、ねぎの計4種。過去に何度もリリースされている「大島」の縦型ビッグと完全に同じ構成なので、食べ慣れている方にとっては新鮮味のない構成になりますが、東洋水産の縦型ビッグを代表する「本気盛(マジモリ)」よろしく具沢山なのは嬉しいポイント。てか、ほんとに多いですね。
メーカー希望小売価格は220円(税別)なので、2022年4月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段。コンビニでは「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」での取り扱いを確認済みで、各コンビニ店舗での税込価格は232円が相場。しかし、量販店や一般小売店も販売店に含まれるNB(ナショナルブランド)商品なので、コンビニ以外の店舗であれば、もうすこし安い値段で購入できます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 三ん寅 味噌ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4901990371292(JAN) |
発売日:2022年04月18日(月) 実食日:2022年04月24日(土) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(みそ、香味油脂、香辛料、食塩、植物油、ポークエキス、砂糖、発酵調味料、たん白加水分解物)、かやく(味付挽肉、たまねぎ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、レシチン、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、やや黄色みが強く、縮れも強め。直近だと2022年2月7日発売の「マルちゃん 大島 味噌ラーメン」と同じ仕様かと思いきや、大島では熱湯4分の中太ちぢれ麺(めん80g)を使用していたのに対し、今回の湯戻し時間は熱湯3分かつ調理前の麺重量は70gなので、同じ「すみれ」出身店監修の縦型ビッグでも仕様が異なります(ただ、原材料名は完全に一致)。
別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「特製油」を温めながら待つこと3分。時間になったら特製油を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。麺が見えないほど大量に入っている具材の量も然る事乍ら、特製油から漂ってくる “中華鍋で味噌を焼いたような” 芳ばしい香りも「三ん寅」の “こだわり” を感じさせるポイント。
ちなみに製造所は株式会社酒悦の房総工場となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の商品を多数製造している連結子会社で、カップ麺を担当している房総工場については “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き “三ん寅” 監修ならではの魅力に期待しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:461kcal たん白質:11.4g 脂 質:21.2g 炭水化物:56.1g 食塩相当量:6.7g (めん・かやく:2.8g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:194mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:461kcal(めん・かやく:357kcal)(スープ:104kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと斜め上だけどスープにマッチ
「三ん寅」の店主が修行を積んだ「すみれ」の店舗では、もともと兄弟分の「純連(じゅんれん)」と同じ森住製麺と提携していたので、2022年4月現在も暖簾分けを許された「彩未」「大島」「八乃木」「ラーメン郷」では森住製麺の麺を使っていますが、数年前に「すみれ」は西山製麺に鞍替え。それを受けた「三ん寅」も西山製麺と提携し、他の暖簾分け店とは異なる質感の縮れ麺を使用しています。
なるほど「大島」監修のカップラーメンと「三ん寅」監修のカップラーメンに使われている油揚げ麺のサイズが微妙に違うのは、それぞれの店舗が提携している製麺所の違いを反映したもので、きちんと差別化を図ってきた東洋水産。西山製麺のプリッと弾むような口当たりとはベクトルが異なるものの、結果的な印象としては悪くありません。
熱湯3分ジャストでフタを開けても戻りムラなどは気にならず、やや油揚げ麺特有のフカフカとした弾力を伴いますが、あえて粘りを抑えているのがポイントで、例のプリプリとした質感に近付けようと試行錯誤した背景が伝わってきます。このブログで東洋水産のカップ麺をレビューする際 “2、3分ほど長めに待ったほうが‥‥” などとアドバイスすることもありますけど、今回その必要はありませんでした。
スープ
ジャンルは同じ “純すみ系” でも先発の「大島」とは違う
なるほど “純すみ系” をイメージした味であることは間違いのですが、何度も引き合いに出している「大島」監修のカップラーメン(2022年2月7日発売品)よりも甘さは控えめで、比較的に山椒のアクセントが強く、シャープな面持ち。粉末野菜も使用してないため、口当たりもサラッとしています。
タレは赤味噌よりも白味噌を意識的に使っているので、源流の「すみれ」よりも穏やかな印象を受けますが、先に独立した「大島」よりもスッキリと、攻撃性を抑えながらもキレのある味に寄せており、東洋水産の “純すみ系” という同じカテゴリーにありながら、カニバリゼーションにおける不安は感じません。
原材料名に豚脂の文字はないけれど、特製油に動物油脂が含まれていたので、スープのコクがグッと深まるだけでなく、香味油脂で “焼き味噌” を彷彿とさせる芳ばしさがプラスされるのも印象的。粉末スープのポークエキスは比較的に清湯(ちんたん)寄りですが、香味油脂+動物油脂の特製油が加わることで、こってりとした札幌みそラーメン特有の魅力が楽しめます。
「三ん寅」のスープには中華鍋で味噌を焼く工程が入るため、そこで火を入れ過ぎると味噌の風味が飛んでしまったり、えぐみが出てしまったり、反対に焼きが甘いとビターな風味や特有の香りが出ないなど、職人にしか実現できない繊細な技術が必須。それを思わせる要素が備わっていたので、実食の際は特有の香りを意識しながら食べてみてください。
具材
素晴らしいの一言に尽きる
見慣れた人にとっては新鮮味のないラインナップになりますが、ゴロゴロと大量に入っている味付挽肉の食べ応えは凄まじく、もう一つの主役といっても過言ではないのが刻み玉葱。これも同社の「QTTA サワークリームオニオン味」などに入っているので、既存の具材ではあるものの、シャキシャキとした食感とフレッシュな香味が食欲を刺激してくれるアイテム。
メンマとネギは特筆すべき量ではなかったものの、全体的に「本気盛」レベルのボリューム感だったので、文句の付け所が見当たりませんでした。
総評
2022年4月現在、店舗で提供されている「味噌らーめん」の値段は850円(税込)なので、メーカー希望小売価格が220円(税別)のカップラーメンで「三ん寅」の臨場感を完全に再現することは不可能に近い試みになりますが、きちんと “純すみ系” の雰囲気を演出しつつ、すでに東洋水産が商品化している「大島」との差別化も明確な仕上がり。
可能であれば通年販売されている「麺屋 彩未」のように、大判どんぶり型の容器かつノンフライ麺で再現してもらいたかった気持ちもありますけど、香辛料の効かせ方や焼き味噌を彷彿とさせる香り、そして具材のボリューム感が印象に残る一杯でした。コンビニでの取り扱いも多いと思うので、最寄りの販売店をチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】