行列の絶えない “純すみ系” の名門【麺屋 彩未】監修のカップ麺「札幌味噌らーめん」2022年は○○が変わった

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東洋水産

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年1月31日(月)リニューアル発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 麺屋 彩未 札幌味噌らーめん」の実食レビューです。

ミシュランにも掲載された札幌みそラーメン界の絶対王者「麺屋 彩未」監修のカップラーメンが “さらにおいしく” 進化!? 2022年のリニューアルで変わったのは——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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彩未 札幌味噌らーめん 2022

麺屋 彩未(めんや・さいみ)とは、全国でも屈指のラーメン激戦区として知られる札幌は豊平区美園十条5丁目に店を置き、確固たる知名度を築いた実力店で、創業は2000年(平成12年)11月3日。店主の奥雅彦(おく まさひこ)氏は、札幌らーめん界の重鎮「すみれ」出身の経歴を持ち、そこで7年間の修行を経て「麺屋 彩未」を開業しました。

主なリニューアルポイントは麺とスープ

このページでレビューする「麺屋 彩未 札幌味噌らーめん」は、札幌の行列店「彩未」監修のもと、同店を代表する「味噌らーめん」を再現した大判どんぶり型のカップラーメンで、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と共同開発。2020年9月21日発売品以降、通年販売に格上げされ、今回のリニューアルでは麺質の均一化を図り、自社製のラーメンだしを使用するなど、麺とスープに変更がある様子。

2022年2月現在、すみれからの暖簾分けは「彩未(美園)」「大島(船堀)」「ラーメン郷(高座渋谷)」「八乃木(発寒)」「三ん寅(江戸川橋)」の計5店舗あり、そのうち「彩未」「大島」「三ん寅」は東洋水産と、2020年には「八乃木」も明星食品とコラボしたカップ麺を展開しているのですが、それはさておき「彩未」は “すみれから初めて暖簾分けを許された店” として知られる実力の持ち主。

1964年(昭和39年)8月に札幌で創業した「純連(すみれ)」にルーツを持ち、現在は「純連(じゅんれん)」と「すみれ」に分かれ、そこから派生したラーメンは業界で “純すみ系” と呼ばれており、なかでも今回のカップ麺を監修した「彩未」は本家の真下に位置する直系です。しかし、すみれのラーメンを完コピしているわけではありません。

写真は「麺屋 彩未」店舗の「味噌らーめん」

ゲンコツ(豚の大腿骨)や香味野菜、椎茸、昆布など、彩未こだわりの厳選素材を使い、朝の5時から仕込むスープは清湯(ちんたん)と呼ばれる淀みのない逸品。ラードを熱した中華鍋で具材を炒め、豚骨清湯を注ぐところは「すみれ」にルーツを持つ伝統の調理方法を守っているのですが、チャーシューの上に高知県産の黄金しょうがを添えて提供するスタイルの金字塔が “彩未流” の味噌らーめん。

もやしと角切りのチャーシューを中華鍋で炒め、丁寧に仕込んだ豚骨清湯を注ぎ、味を決める秘伝の味噌ダレには3種類の白味噌をブレンド。トッピングはチャーシュー、もやし、メンマ、ねぎとシンプルですが、北海道産の豚肩ロースを煮込んで作るチャーシューは脂身が少なく、盛り付けの直前に炙ることで芳ばしさを引き出し、その上に “おろし生姜” を添え、本家「すみれ」との差別化を図りました。

東洋水産のデータベースを漁ってみると、2008年8月25日発売の袋入りチルド麺「石ちゃん公認まいうー巡り 麺屋彩未の札幌醤油ラーメン」及び「同 札幌味噌ラーメン」まで遡り、それが東洋水産×彩未の初コラボ。即席カップ麺としての商品化は、おそらく2009年10月21日に発売された「札幌の名店 麺屋 彩未 味噌ら〜めん」が第1弾で、それについては東洋水産のホームページに掲載されていません。

「札幌の名店 麺屋 彩未 味噌ら〜めん」は、サークルK・サンクス限定の独占商品だったので、東洋水産の公式ウェブサイトには掲載されておらず、その後もサークルK・サンクス限定のPB(プライベートブランド)から彩未単独監修のカップ麺をリリースしていましたが、2011年10月31日に発売された「夢のWコラボ 海老味味噌ラーメン(二代目 海老そば けいすけ×麺屋 彩未)」を皮切りに、彩未のカップ麺は東洋水産のNB(ナショナルブランド)商品に位置付けられています。

(左)旧パッケージ /(右)新パッケージ

かくして現在は東洋水産の通年商品に格上げされた大判どんぶり型の「麺屋 彩未 札幌味噌らーめん」ですが、今回のリニューアルを機にパッケージのデザインを一新し、麺とスープも変更ということで、ポジティブに “改良” されているのか、それとも‥‥

開封

小袋の構成は前回と同じ

今回のカップ麺に別添されている小袋は、それぞれ中身が異なる先入れの「かやく」が2袋に、後入れの「粉末スープ」と「液体スープ」で計4袋。メーカー希望小売価格は260円(税別)と高めの部類に入りますが、2020年9月21日発売品からの据え置き価格なので、値上げも値下げも実施されていません。

リニューアル後も生麺ゆでてうまいまま製法

麺は油で揚げずに乾燥させているため、分類上はノンフライ麺に該当するのですが、通常は麺を蒸してから乾燥させるのに対し、麺を茹でてから乾燥させる “生麺ゆでててうまいまま製法” を採用しています。もともとは「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」専用の独自技術(特許 第5719064号)として開発され、現在は正麺カップ以外の商品にも積極的に使ってくれるようになりました。

彩未が単独で監修した東洋水産のNBカップ麺は、2014年9月29日発売の「麺屋 彩未 味噌らーめん」に始まり、移転前のブログでは2015年10月19日発売品も取り上げているのですが、現「本日の一杯」で真剣に向き合うのは初めて。正麺カップにおける “生麺ゆでててうまいまま製法” の麺は、2021年9月6日のリニューアルを境に質感が大きく変わったので、それが彩未のカップ麺にも波及したのでしょう。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん 麺屋 彩未 札幌味噌らーめん
製造者:東洋水産株式会社
製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1)
内容量:126g(めん75g)
商品コード:4901990370516(JAN)
発売日:2022年01月31日(月)
実食日:2022年02月02日(水)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
商品購入価格:235円(税込)
希望小売価格:260円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:430ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:4袋(かやく2袋・粉末スープ・液体スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、ポークエキス、香味油脂、ラード、砂糖、香辛料、しょうゆ、野菜エキス、食塩、こんぶエキス、酵母エキス、植物油)、かやく(味付鶏挽肉、焼豚、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、レシチン、カラメル色素、増粘多糖類、香料、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、pH調整剤、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

かやく2袋は先入れ

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、片方にはチャーシュー、メンマ、ネギを、もう片方には味付鶏挽肉のみ入っていて、リニューアル前から変わった様子はありません。残念ながら生姜は別添されていないのと、もやしも入っていませんが、これについても前回発売品から変更なし。

調理後は生姜の香りが印象的

添付調味料は2袋とも後入れなので、お湯を注いでから5分間、フタの上で液体スープの小袋を温めながら待ち、5分経ったら “まずはノンフライ麺をほぐす” のがポイント。添付調味料を入れる順番も “粉末スープを溶かしてから液体スープを馴染ませる” とスムーズなので、調理の際は参考にしてください。

リニューアル前と比較して調理後のビジュアルは大きく変わっておらず、総カロリーも453kcalのままになっていたのですが、スープ単体でのカロリーは130kcalから134kcalに増えるなど、興味深い変動が見られました。というわけで、引き続きリニューアル前後の違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(126g)あたり
カロリー:453kcal
たん白質:12.9g
脂  質:14.9g
炭水化物:66.9g
食塩相当量:6.3g
(めん・かやく:1.6g)
   (スープ:4.7g)
ビタミンB1:0.30mg
ビタミンB2:0.39mg
カルシウム:164mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:453kcal(めん・かやく:319kcal)(スープ:134kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

質感の変更でスープとの親和性がアップ

5.0

2018年2月19日発売の「麺屋彩未 札幌味噌らーめん」までは “ナチュラルウェーブ製法” の流れを汲むノンフライ麺を使用していましたが、2020年9月21日発売品より “生麺ゆでてうまいまま製法” に切り替わり、質感の再現度は下がってしまった反面、箸で持ち上げたときの重量感は圧倒的で、印象としては悪くありませんでした。

ちょっとほぐれにくいので注意

しかし、今回のノンフライ麺は以前よりも箸で持ち上げたときの重量感が衰え、若干ながら加水率も低く、その引き換えにコシと反発性を強化したようなイメージ。これは前述の正麺カップが2021年9月6日にリニューアルして以降の “生麺ゆでてうまいまま製法” に生じた変化と共通で、新たに “乳糖” を使用しているのも決定的な証拠です。

お店の「味噌らーめん」に使われている森住製麺の中太ちぢれ麺は、多加水でコシが強く、それとも質感が異なるため、再現度は高くありません。しかし、スープとの親和性は従来の “生麺ゆでてうまいまま製法” よりも高く、この商品では素直に改良と思える変化でした。

スープ

自家製だしで透明感のある味わいに

7.0

おそらく使用している生姜は高知県産ではないと思いますが、粉末スープの中に含まれている生姜の存在感は明確で、すりごまのパンチとスパイス感を複雑にする山椒のアクセントも効果的。砂糖で甘みを加えていますが、人工甘味料に由来する野暮ったい甘さではありません。

ここに自社工場で抽出したラーメンだしを使用

液体スープの小袋に入っている味噌ダレは、北海道産の味噌がベースになっており、きちんと白味噌が中心のブレンド。その比率も然る事乍ら、ローストガーリックの風味を効かせたラードが調理感を演出し、今回から自社製のラーメンだしを使用することで、以前の豚骨清湯よりも透明感のある味に変わっています。

けっこう色合いの再現度も高い

実際のスープよりも飲みやすくデフォルメされていますが、フローチャートとしては濃厚なスープに分類される、攻撃性を抑えながらも重心の低いテイストで、札幌みそラーメンならではの魅力が損なわれているわけではありません。以前よりも豚の出汁(だし)が丁寧になり、より本物志向の味になったと感じました。

具材

麺とスープの出来栄えを思えば

4.0

メインのチャーシューは本物よりも圧倒的に薄く、角切りのチャーシューも入っていませんが、2種類の肉具材が楽しめるのは嬉しいポイント。そこそこチャーシューのサイズも大きいですし、小さな味付鶏挽肉はスープを援護射撃してくれる存在で、実際に食べてみると印象は悪くありません。

純すみ系を象徴するもやしは入っていないのと、東洋水産はレトルトタイプの “バリシャキもやし” を保有しているため、それが入ると最強クラスの味噌ラーメンになりますが、メーカー希望小売価格も300円くらいに跳ね上がりそうですね。いや、それでバリシャキもやし追加できるなら検討してほしいですけど。

総評

6.0

正麺カップのリニューアルに伴う波及により、現行の “生麺ゆでてうまいまま製法” と同じ質感の麺に変わりましたが、それがプラスに働いていたのと、自家製だしの導入でスープにも透明感が生まれ、本格さに磨きがかかったように感じました。

数年前の商品と比較した場合、だいぶスープの油脂分は減っていますが、リニューアル前の商品から目立って改悪された部分はなかったので、前回発売品が好きだった方の期待を裏切るような変更ではありません。なかでもスープは絶品なので、それを確かめるためだけに買っても損はない一杯です【author・taka :a(大石敬之)】

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