どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月1日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、エースコック「サバ6製麺所監修 サバ醤油そば」の実食レビューです。
大阪・福島を中心に店舗拡大中の人気店「サバ6製麺所」の再現カップラーメンがファミマ限定商品として初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
サバ6製麺所 サバ醤油そば
「サバ6製麺所(さばろくせいめんじょ)」とは、鯖の旨みをラーメンで味わう「サバ」がコンセプトのラーメン店で、創業は2016年7月7日。天六(てんろく)こと大阪・天神橋筋六丁目の路地裏に店を構えるや否や、サバを主体とした独特のラーメンは瞬く間に大阪のラオタ(ラーメンオタク)を虜にし、2019年10月現在の店舗数は全国16店舗と快進撃を続けている人気店です。
数字の「6」に漢字の「鯖」を合わせた “SABAROKU” のロゴが印象的な「サバ6」の創業者は、大阪・福島に「自家製麺 みつ星製麺所」を立ち上げたラーメン界の風雲児・吉満浩之(よしみつ ひろゆき)さん。現在、株式会社マリブ事業開発室の室長に就任している彼は、「麺や輝(めんやてる)」出身の経歴を持ち、2011年5月10日に「みつ星製麺所 福島本店」を開業しました。
その後、「西中島店」「阿波座店」と順調に店舗展開していたのですが、2016年に「みつ星製麺所」全店舗の経営権を「株式会社富揚」(福岡県福岡市に本社を構えるアトム株式会社の関連企業)に譲渡。それまでは「麺や輝」の流れを汲む魚介豚骨醤油ラーメン及び濃厚つけ麺を提供していたスタイルから一変、ラーメン界でも珍しい「鯖(さば)」に着目します。
1年の構想期間を終え、ひっそりと天六の路地裏でスタートした「サバ6製麺所」は、地元の方に愛される小規模な店でした。しかし、腕利きのラーメン職人が手掛けるサバを使った珍しいラーメンはマニアを中心に注目され、メディアに取り上げられるようになってからは近隣の住民に迷惑をかけるほどの行列ができるように——
そこで “店舗を増やせば行列が減る” と考えた吉満さんは、「まいどおおきに食堂」や「串屋物語」などを運営している「株式会社フジオフードシステム」と契約を交わし、事実上 “買収” という形で運営自体はフジオフードシステムに任せ、自身は事業開発室の室長として常に開発の最前線に立ち、各店の行列を分散化させながら創業当時の味を守ることに成功しました。
そんな実店舗の看板メニューであり、カップラーメンの再現元でもある「サバ醤油そば」の特徴は、鶏の胴ガラと手羽ガラから取った鶏がらスープをベースとし、スープの骨格とも言える鶏油(チーユ)に厳選した2種類の鯖節(粗削・薄削)を時間差で入れ、香りを付けた特製の “鶏サバ油” が決め手の一つ。ちょっと癖はあるけれど、同時に個性的な中毒性を醸します。
こだわりの醤油ダレに使用する醤油は、鹿児島県いちき串木野市・吉村醸造株式会社の甘い鹿児島産甘露醤油「サクラカネヨ」と愛知県半田市・株式会社ヤマミ醸造の無添加たまり醤油「底引たまり」を独自の配合でブレンド。麺は切刃14番(2.14mm)の太いストレート麺で、小麦粉には “うどん用” の国産中力粉「麺ノ鄙歌(めんのひなうた)」を使用し、開業当時から自家製麺。
現在は本店を福島に移しているのですが、ほとんど麺やスープの配合は創業当時から変わっていません。そんな「サバ6製麺所」の味をカップラーメンで再現するのは、同じく大阪に本社を構えるエースコック。容器側面にも “コンセプトはサバ!” と力強く書いてあるので、甘みのある甘露醤油とサバ節の旨味に注目しながらレビューします。
開封
別添の小袋は「液体スープ」が1袋、フタの上ではなく最初から容器の中に入っているエースコック式の別添方法で、容器のサイズは同社の「一度は食べたい名店の味」や「全国ラーメン店マップ」と同じ大盛りサイズのタテ型ビッグ(タテロング)なのですが、税込価格は同じ製品スタイルのカップ麺と比較して “16円も安い” のが嬉しいポイント。
2019年10月現在、タテ型ビッグのカップ麺(標準価格220円)をコンビニで購入した場合の価格は、基本的に税込232円が相場になります。しかし、今回はコンビニ限定(一部店舗を除く全国のファミリーマート店舗限定)商品で、数に限りはあるのですが、ファミリーマート標準価格は200円(税込216円)と販路限定商品ならではの強みを発揮。
消費税率が8%から10%にアップして慌ただしい増税初日にもかかわらず、この手頃な値段設定は嬉しい反面、今回のカップ麺に入っている具材は使い回しの丸型焼豚に汎用的なメンマとネギ。お店のトッピングには低温調理のレアチャーシューにメンマ、輪切り葱、そして貝割れ大根が入っているので、まったく的外れな構成ではありませんが、具材は妥協すべき項目になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サバ6製麺所監修 サバ醤油そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:91g(めん70g) 商品コード:4901071287962(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年10月01日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、砂糖)、スープ(しょうゆ、食塩、魚介パウダー、香味油、植物油脂、砂糖、発酵調味料、チキンエキス、魚介エキス、たん白加水分解物、ポークエキス、チキン調味料、おからパウダー、酵母エキス、オニオンパウダー、動物油脂、香味調味料、香辛料、ポーク調味料)、かやく(焼豚、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、香料、カラメル色素、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、調理前の現段階まだ切刃番手14番(麺幅2.14mm・標準麺帯厚1.61mm)ほどの太麺には及びませんが、比較的に縮れは緩く、湯戻し前の状態で約1.8mm幅といったところ。粉末スープの香りは魚介が中心で、鰹節の香りと同時に鰹節よりも乾いた香りが混ざり、煮干しのシャープな印象も軽く重なります。
熱湯を注いでから5分間、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、食べる直前に投入します。事前に小袋が粉末スープまみれになっているのは地味にストレスを感じる項目になるのですが、小袋とフタの上に接着剤を使用していないので、小袋を温めるときに再粘着しない、というのがエースコック式の別添方法で唯一のメリットですね。
5分経ったらフタを剥がし、温めておいた液体スープを入れて、よくかき混ぜたら出来上がり。調理後の写真だけ見るとサバ6感は可も無く不可も無しですが、けっこう香りは頼もしく魚系ですよ。それでは、お店の特徴であるサバ節の出汁(だし)と個性的な “鶏サバ油” の再現度に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(91g)当たり
カロリー:374kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:374kcal(めん・かやく:297kcal)(スープ:77kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実店舗で提供されている「サバ醤油そば」の自家製麺は、中加水〜多加水寄りのモチモチとした弾力が特徴となっているのに対し、カップ麺の油揚げ麺は比較的に加水率が低く、どちらかというと歯切れの良さが目立ちます。中心部には適度な反発力が備わっているのですが、モチモチ感は控えめで、思いのほか軽い食感(※30〜40秒ほど早めにフタを開けても大丈夫)。
形状は縮れのある平打ち麺で、比較的に縮れが弱く見えた調理前の雰囲気的に、熱湯5分でストレート麺になるパターンかと思いきや、時間が経っても一定の縮れを残します。おかげでスープの掴みはよかったですし、今回のサバだしスープと比較的に軽めだった麺の食感もバランスは悪くなかったのですが、ひとつ見逃せなかったのが油揚げ麺特有の雑味。
もちろんカップラーメンでしか味わえない魅力的な要素の一つですし、油揚げ麺に理解のある方であれば許容範囲内かと思いますが、特に前半は油揚げ麺特有の風味が手前に主張してくるので、どうしてもスープをマスキングしてくる嫌いを感じました。もうちょっと本店に近いイメージの麺をエースコックは持っているので、致し方ないわけではなかっただけに惜しかったです。
スープ
やや粉っぽさを感じる舌触りは、おからパウダーによるギミック的な効果ありきではあるものの、それに気が付かなければ——いや、気が付いたところでザラついた舌触りも不自然ではないと思えるくらい魚介(魚粉)が濃厚なので、この手法については好印象。それに肝心の「サバ」も主張が強く、あえて鰹や煮干しとは違う独特のクセを残しているのもいいですね。
液体スープの中身は醤油ダレと動物油脂×香味油が主成分で、お店と同じように甘みのある醤油ダレは若干の酸味を帯びており、それも再現度の高さに寄与しているポイント。スープの下地にある動物系は癖のない清湯系の豚ガラと鶏ガラをバランスよくブレンドし、オニオンを中心とした香味野菜を適度に効かせているのですが、味の主役は完全に節系の魚粉が担っています。
しかし、実店舗のスープと比較して明らかに油脂の量が少ないのと、味の骨格を形成する上で欠かせないはずの “鶏サバ油” は目立っていません。液体スープに含まれている香味油にサバの旨味が添加してあって、オイル単体で舐めると若干ながら生臭さを覚える個性的な風味は印象深く、もうちょっと鶏油の芳ばしさか鯖の癖を主張させても——などと思ったのですが、けっこう魚粉は強烈なので、苦手な方は気をつけてください。
具材
縦型カップに丸いチャーシューが入っているのはエースコックらしい特徴ですし、面積が稼げるため見た目の雰囲気を演出する上でも効果的な役割を担っているのですが、いずれも希望小売価格193円(税込)で販売されている「飲み干す一杯」(レギュラーサイズ)に入っているような具材と大差ありません。
それと比較して焼豚のサイズは大きめなのと、エースコックが得意とするスポンジ食感の薄味肉そぼろよりは月とスッポンの差で価値のある具材ですが、お店のレアチャーには程遠く‥‥って、さすがに低温調理のチャーシューと比べてはいけませんけどw 特別に美味しいわけでもなければ不味いわけでもない、まぁまぁそこそこの肉具材です。
メンマも大きくて1.2cmほどの細切れなので、頼りなさは否めませんが、熱湯5分ちゃんと待ってもコリコリとした歯触りを最後までキープ。サバ節の効いた今回のスープとメンマの風味がベストマッチだったので、もうちょいサイズが大きいと嬉しかったんですけど、レアチャーシューやカイワレの別添は製品スタイル上どうしても困難ですし、ある意味これが最善策だと思います。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
さすがに手軽さが売りの油揚げ麺を採用した縦型カップラーメンと実店舗の自家製麺を真横に並べるのは酷な話ですが、もっとレベルの高い油揚げ麺をエースコックは持っているのに——というのが残念なポイントでした。しかし、実売価格は現在の相場から16円も安い税込216円なので、コンビニでも手に取りやすいことやコストパフォーマンスの高さも加味しなければいけません。
残念ながら “鶏サバ油” の鶏油は目立っていませんでしたが、食後は部屋の残り香にサバの色が見えるほど個性的な鯖節の存在感は面白く、かなり魚粉の強い魚系ラーメンに仕上がっていたので、魚推しのスタイルが好きなら試す価値あり。再現度を重視して評価すると総評は★4が妥当かもしれませんが、鯖節の個性は記憶に残るレベルだったので、総評は上出来の★5としました。