どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年1月17日(月)新発売、明星食品のカップ麺「湯切ってお湯足し!とろっとあんかけ 蝋燭屋監修シビレまぜそば」の実食レビューです。
明けの明星が “お湯を捨ててから熱湯を足す” 斬新な調理法を提案「SHIBIRE-NOODLES 蝋燭屋」監修のカップまぜそばが革命的!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
湯切ってお湯足し!蝋燭屋監修シビレまぜそば
SHIBIRE-NOODLES(シビレヌードルズ)蝋燭屋(ろうそくや)とは、東京都中央区銀座三丁目・銀座ガス灯通りに創業した人気店で、2017年10月11日にオープン。その当初から花椒(ホワジャオ)の痺れを効かせた “麻婆麺” と “担々麺” を看板商品とし、トップレベルの実力と話題性の高さから多くのメディアにも取り上げられ、2022年1月現在は東京に3店舗、埼玉と大阪に各1店舗を展開しています。
今回のカップ麺「明星 湯切ってお湯足し!とろっとあんかけ 蝋燭屋監修シビレまぜそば」は、東京都渋谷区に本社を置く明星食品と「SHIBIRE-NOODLES 蝋燭屋(Ginza-Rousokuya)」の共同開発商品で、明星食品と蝋燭屋のコラボは通算3回目になるのですが、まさかの “湯切ってからお湯を足す” 斬新な作り方を採用したアイディア商品。
群雄割拠の即席カップめん市場には、創意工夫を凝らした商品が多く、かつて佐賀県三養基郡基山町のサンポー食品が「日清焼そばU.F.O.湯切りなし」(日清食品)よりも早く「湯切りなし!」というシリーズを確立し、それは “熱湯を注いでから3分後、ちょうどいい量の水分が残るように設計されていた” のですが、いったん湯切りしてから熱湯を足す調理方法は前例のない提案。
お湯の目安量には “湯戻し用 480ml” と “あんかけ用 170ml” の表示があり、熱湯を注いでから5分後に湯切り口からお湯を捨て‥‥という部分まではカップ焼きそばの作り方と共通ですが、お湯を捨ててから “カップ内側下線まで再度お湯を注ぎ、別添の「液体スープ」と「とろみの素」を入れ” 1分間よく混ぜた後、仕上げに「ふりかけ」をトッピングしたら出来上がり。ええ、ちょっと手間ですよねw
しかし、明星食品の公式ウェブサイトに掲載されている商品の紹介を見ると、同社は「湯切ってお湯足し!とろっとあんかけ 蝋燭屋監修シビレまぜそば」を “調理過程も楽しめる商品” と位置付けているため、本格的な料理ほど難しくない、でも自分で作った感が楽しめる、その新たな付加価値を即席カップ麺に吹き込んでいるようなイメージ。
これはウィズコロナによる巣ごもり需要の拡大を受けて開発された袋麺「チャルメラ もやしが超絶うまい まぜそば ニンニクしょうゆ味 5食パック」(2021年4月19日発売)をはじめ、ポストコロナを見据えた施策と思われる、女性をターゲットにした「サラダが超絶うまい 冷やしまぜそば 信玄監修ごま味噌味」及び「同 麺屋こころ監修台湾風旨辛味」(2022年3月14日発売予定)にも通じる姿勢。
もちろんカップ麺に限った話ではありませんが、ウィズコロナで見直された需要と販売チャネルごとにおける購買層の変化は激しく、爆発的な伸長を見せた即席めん市場だからこそ新たな付加価値が求められている時代。たとえば「麺とスープだけ」など、近年の明星食品は独創的なアイディアとチャレンジ精神に富んだ商品に注力しているため、湯切ってお湯足し!というユニークな発想が生まれたのかもしれません。
さて、そろそろ商品のレビューに戻りましょう。パッケージの辛さレベルは5段階基準で真ん中の「3」となっていますが、その下には “小さなお子様や辛みが苦手な方は注意してお召し上がりください” との注意事項を記載。蝋燭屋の特徴として挙げられるのは「花椒の痺れ」と卓上に置かれた「ぶどう山椒オイルの香り」なので、その個性が感じられるかどうか、また特殊な作り方にも注意しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」「とろみの素」「ふりかけ」の計3種類で、とろみの素には “ラー油入り” の文字。スープには麻辣醤(マーラージャン)や甜麺醤(テンメンジャン)を使用しているらしく、さらに醪(もろみ)を重ねているところが明星食品らしい隠し味。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。ダイス状にカットされた具材の味付豚肉は最初から容器の中に入っているのですが、それ以外の固形具材は見当たりません。ただ、ふりかけに香辛料(花椒、赤唐辛子)とネギを入れている様子。
斬新なアイディアを実現するためにコストを費やしたのか、メーカー希望小売価格は250円(税別)と地味に高めの設定で、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は270円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、販売店を限定しないNB(ナショナルブランド)商品です。コンビニ以外の店舗であれば、だいたい税込230円前後が相場かもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 湯切ってお湯足し!とろっとあんかけ 蝋燭屋監修シビレまぜそば 販売者:明星食品株式会社 製造所:R・東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:129g(めん90g) 商品コード:4902881453080(JAN) |
発売日:2022年01月17日(月) 実食日:2022年01月19日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:224円(税込) 希望小売価格:250円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:湯戻し用 480ml / あんかけ用 170ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・とろみの素・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、酵母エキス、香辛料)、スープ(しょうゆ、糖類、豚脂、食塩、香味調味料、香味油、甜麺醤、香辛料、しょうゆもろみ、鶏肉エキス、ビーフエキス、たん白加水分解物、麻辣醤)、かやく(味付豚肉)、ふりかけ(香辛料、ねぎ)/ 加工デンプン、増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、乳化剤、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
容器の内側には2本の線が引いてあり、上の線が麺と具材を戻すために必要な熱湯(480m)の目安。下の線が「液体スープ」と「とろみの素」を加える際に必要な熱湯(170ml)となっているため、調理の際は注意してください。ちなみに容器は「しおケアカップ」を応用しているのだと思いますけど、こんな使い方があったとは‥‥
調理方法は前述の通り、ちょっと面倒ではあるものの、湯切りしてから熱湯を注ぎ直し、とろみがつくまで念入りに混ぜ続けて‥‥と、個人的には楽しかったですw ひとまず調理後の見た目はシンプルですが、花椒を筆頭に香りは賑やかで、グイッと食欲を刺激。
ちなみに1分ちょっと混ぜ続けたのですが、ダマにならないように液体スープを馴染ませてた後、とろみの素を入れ、手早く念入りに混ぜるのがベストかもしれません。それでは、引き続き実際の辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(129g)あたり |
カロリー:517kcal たん白質:9.8g 脂 質:19.2g 炭水化物:76.3g 食塩相当量:6.5g ビタミンB1:0.80gmg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:168mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
口当たりは滑らかで反発性は強い
2020年4月27日発売のコラボ第2弾「明星 蝋燭屋監修 シビレ麻婆まぜそば」には、みかさ監修のカップ麺よろしく “むっちむち” の極太多加水麺を使用していたのに対し、今回は比較的に粘りが弱く、しかしながら後述するスープに埋没しない反発性の持ち主。たとえば「麺神(めがみ)」の “麺密もっちり製法” ほどではないにしろ、それに通じるところが無きにしも非ず。
形状は丸刃で切り出された平打ち麺で、縮れは弱く、滑らかな口当たり。しかしながら餡掛け系のスープが容赦なく絡み付いてくるため、麺が独り歩きすることはありません。ふりかけに含まれる花椒の痺れに負けないくらい、自己主張の強い太麺だったので、いい取り合わせだと感じました。
可能であれば明星食品が得意とするノンフライ麺を合わせてほしかった思いもありますが、それだと税込300円ちかい商品になりそうなのと、油揚げ麺ならではの風味がジャンクさに寄与していたので、結果的にネガティブな要素はなかったです。
スープ
明星食品の麻婆麺らしいフレームワーク
液体スープは日本に古来伝わる伝統調味料の醤油を軸に、甜麺醤(中国の甘い味噌)で深みのある甘さと異国情緒を加え、醪とビーフエキスで複雑な旨味を表現しているのもポイント。後者については明星食品のカップ麺で頻繁に見られる手法で、より本格的な味わいに仕上がります。この時点で唐辛子の辛さは目立っていませんが、とろみの素を入れると‥‥
スープの粘度が餡掛けレベルに到達するだけでなく、唐辛子の辛さと花椒の痺れも追加され、いっきに刺激的な味わいに。唐辛子の辛さは一般的に見て中辛くらいだと思うのですが、花椒の痺れは明確で、保温性の高いスープ(餡)が追い風になり、なかなか硬派に痺辛です。ただ、きちんと深みのある辛さなので、味が行方不明になることはありませんでした。
かやく・ふりかけ
何気にダイスミンチが多かった
味付豚肉は日清食品の「カップヌードル」に使われている謎肉(なぞにく)よろしく四角いジャンクな肉具材なので、かなりカップ麺らしい要素になりますが、前述のスープと相性がよく、特有のジャンクさがマイナスに作用することはありません。
ふりかけの赤唐辛子は特別に辛い品種とかではなく、どちらかというと芳ばしい風味が印象に残ったのですが、花椒の痺れは明確で、これを全投入すると花椒の痺れが苦手な方には厳しいであろう強さ。けれども土台を固める重心の低いスープの旨味が功を奏し、最後まで味が行方不明になることはなかったです。
ちなみに味付豚肉は20個ほど入っていたので、麺を食べ終わった後、底に残った高粘度スープと一緒に掻っ込むと幸せでしたw
総評
たとえば「中華三昧(ちゅうかざんまい)」の「重慶飯店監修 麻婆麺」など、以前にも食べたことがあるような、個人的に既視感が否めない味だったので、そこに新鮮味はなかったものの、お湯を捨ててから餡を作らせる手法は面白く、結果的に良品だと感じました。
この調理方法を “めんどくさい” とするか “楽しい” とするかで評価は割れそうですが、アッツアツの餡と反発性の強い麺が同時に楽しめる、という部分は大きなメリット。まだポストコロナ時代の到来まで長い時間を要するのが現状ですが、だからこそ今回のような面白いカップ麺が生まれたのも事実なので、おうち時間の充実などに活用してください【author・taka :a(大石敬之)】