どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年6月24日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ラ王 ふぐだし塩」(298円+税)の実食レビューです。
昨今のラーメン業界は河豚(フグ)がアツい!? 日清ラ王の「プチ贅沢」シリーズ第7弾は “柚子香る炙り風味„ と “赤穂産焼き塩„ で特徴を付けた淡麗系のカップラーメン!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清ラ王 ふぐだし塩
日清ラ王(にっしんらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、ラーメン業界において “その時代の王道とされる味„ に進化し続けてきたブランドで、名前の由来はラーメンの王様。当初はカップ入り生タイプめんのフラッグシップモデルとして産声を上げ、2010年(平成22年)の某騒動を経てノンフライめんに切り替わり、現在は “まるで、生めん。„ を標榜するなど、常に進化を続けています。
今回の新商品「日清ラ王 ふぐだし塩」は、2023年(令和5年)1月2日発売の「濃香(のうこう)トリュフ醤油」を皮切りに「鯛パイタン」「HOTATE鶏白湯」「牛骨味噌」「蟹と味噌」「うにクリ」と続いた「日清ラ王」の “プチ贅沢„ シリーズ第7弾に該当する一杯で、手軽さが売りの即席カップめん界隈とは対極に位置している高級魚「河豚(ふぐ)」に着目。
河豚(ふぐ)とは、3亜目9科101属から成り、357種が確認されているフグ目(Tetraodontiformes)の中でもフグ科(Tetraodontidae)に属する魚の総称で、フグの本場とされる山口県下関市では幸福を招く魚で「福(ふく)」と呼ばれていますが、大阪では “めったに当たることはないけれど、当たると命を落とす„ ことから「鉄砲(てっぽう)」とも呼ばれているデンジャラスなアイツ。
なかでも「鉄砲(てっぽう)」の別称は、ふぐ専門店で定番の「テッサ(※1)」や「テッチリ(※2)」の語源になっているんですけど、また本題を逸れて雑談が膨らみそうですねスミマセンw[※1 テッサ=テッポウ(フグ)のサシミ(刺身)。※2 テッチリ=テッポウ(フグ)のチリ鍋(白身の魚を使った鍋の総称、熱い鍋に入れると魚の切り身が “ちりちり„ と縮む様子から)]。
私は把握していなかったのですが、日清食品曰く “昨今のラーメン業界では、豊かなうまみを持つ高級食材「ふぐ」を使ったメニューが注目を集めており、「ふぐラーメン」の専門店も誕生するなど、多くのラーメンファンを魅了しています。そこで今回、話題の「ふぐラーメン」を「日清ラ王」流にアレンジした「日清ラ王 ふぐだし塩」を発売します„ とのこと。いまキてるんですって、ふぐラーメン。
たとえば今年4月15日にエースコックが「こだわる大人の王様スープ 焼ふぐだしの淡麗塩そば」を発売していたり、日清食品も2018年(平成30年)12月10日に “笑うカモ(門)にはフグ(福)来たる„ の語呂合わせで「日清麺職人 ふぐだし」をリリースしていたり。さらに遡ると、2015年(平成27年)10月19日に東洋水産が「旨みふぐだしうどん」を発売しているのですが、日清ラ王としては初の試み。
具材にフグは使用していないようですが、後入れの「特製ふぐ調味油」を別添し、フグを炙ったような風味を演出しているらしく、赤穂産の焼き塩(原材料に使用した食塩に占める割合58%)使用というのも見どころ。モダンな印象のパッケージも高級感あふれるデザインで、掴みはバッチリなんですけど、ふと小さな注意事項(?)を見てビックリ。
火はつきませんwww つけねぇよwww などと、けっこうな衝撃を受けた筆者。なにやら “ヒレ酒の風味を香料で表現している„ ようなので、ここも注目すべきポイント。こんなことを書かれたら着火してみたくなりますが、ひとまず本体やオイルには着火しない方向でレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製ふぐ調味油」のみで、ここにヒレ酒の風味が仕込まれている様子。エースコックの「こだわる大人の王様スープ 焼ふぐだしの淡麗塩そば」もヒレを炙ったような風味で特徴を付けていましたが、どこの誰が不安に思ったんでしょうね、調味油に火をつける人が出たらどうしよう——なんて。 いや待てよ、つまり “火をつけたくなるほどリアル„ なのか‥‥?
かやくは大きめの鶏団子を中心に、かきたまとネギの組み合わせで、前述のように具材としてのフグは入っていませんが、この時点で力強い香りが漂ってくるファーストインプレッション。そもそもフグの味や香りは淡白なので、そのイメージからは逸脱しますけど、淡白さが持ち味の魚をギュッと凝縮させているようなイメージ。
ちなみにメーカー希望小売価格は298円(税別)なので、2024年6月現在の縦型ビッグにおける事実上の標準(271円+税)よりも高めの設定。しかし、ひとつ前の作品に当たる「日清ラ王 うにクリ」(2024年2月26日発売品)のメーカー希望小売価格は307円(税別)だったので、あくまでも比較的にですが、ちょっと安くなってます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清ラ王 ふぐだし塩 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:88g(めん70g) 商品コード:4902105285978(JAN) |
発売日:2024年06月24日(月) 実食日:2024年06月29日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:298円(税別) 購入価格:321円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製ふぐ調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(食塩、植物油脂、糖類、豚脂、ふぐエキス、でん粉、魚介調味料、香味調味料、ポーク調味料、しょうゆ、発酵調味料、たん白加水分解物、ゆず皮、香辛料、チキン調味料、こんぶ粉末、こんぶ調味料、オニオンエキス)、かやく(味付鶏つくね、卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、炭酸Ca、増粘多糖類、乳化剤、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は “まるで、生めん。„ を標榜しているノンフライ麺で、けっこう細めに切り出されていますが、湯戻し時間は5分と長めの設定。日清食品の縦型ビッグに使われるノンフライ麺は、ほぼ例外なく高加水率で、なおかつコシが強いパターンが定番となっていることから、基本的に時間厳守、フライング厳禁。
別添の「特製ふぐ調味油」は後入れなので、それを引っ剥がしてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。その間、めっちゃフグやん! みたいな香りが漂ってくるわけではないけれど、別添の「特製ふぐ調味油」を入れた途端、なるほどヒレを炙ったような香りが個性を表現。
ガスバーナーでゴォォォオオオおおお!!!! みたいなインパクトではないですけど、おかげでヒレ酒の上品な芳ばしさを思わせる調理直後。その香りが虚仮威しではないかどうか、味覚に訴えかけてくる個性にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(88g)あたり |
カロリー:332kcal たん白質:8.6g 脂 質:6.7g 炭水化物:59.2g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:2.4g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.24mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:155mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:332kcal(めん・かやく:291kcal)(スープ:41kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
新開発?
ちょっと撮影に手間取ったので、このページに貼り付けてある画像を見る限り、とってもイイ感じのストレート麺に仕上がっているのですが、もうちょっとだけ縮れてます。ただ、いわゆる縮れ麺ほど強めにウェーブが施されているわけではないため、形状のタイプ的にはストレート。でもって新開発?
原材料に大豆食物繊維を使用していたり、チキンエキスでスープとの一体感を高めていたり、いかにも日清食品らしいノンフライ麺なのですが、珍しく加水率は低めの設定で、強靭すぎるコシと、びみょーんと伸び縮みするアシは控えめな質感。おかげでスープを弾くような素振りを見せることもなく、これまでにありそうでなかったライン。
いくらか部分的に硬いところが残っていたので、そこは今後の改善点になりますが、それが気になるのも最初だけ。スープに対して主張し過ぎることはなく、さりとて弱過ぎることもない、上品な小麦感も印象に残ったポイント。可能であれば7、8分ほど待ちたいところではございますが、きちんと塩ラーメン用の調整が感じられる、クオリティの高いノンフライ麺でした。
スープ
ヒレの芳ばしさは明確だし、柚子も香ってるけど‥‥
まずは「特製ふぐ調味油」を入れずに味を確認してみたところ、魚介や昆布が旨味の軸を担っている、あえて動物系の主張を抑えているような配合で、そこにスッと柚子の清涼感。まだフグを思わせる個性は弱いけれど、かなり方向性としては上品で、まったりと丸みを帯びた旨味が印象的。
そこに「特製ふぐ調味油」を入れた途端、魚介の旨みを凝縮したようなエキスと、ヒレを炙ったような芳ばしさが加わるのですが、後者については表面に浮かんでガンガン鼻腔を突いてくるようなタイプではありません。きちんと芳ばしく、しかしながらスープに溶け込むように、じんわりと調和した上で口いっぱいに広がります。いやー、いいですね。それだけに柚子ちょっと邪魔かもしれないw
個性としては炙り風味のほうが強いので、最終的に柚子はサポートに回りますけど、芳ばしさを中途半端に和らげてくるというか、途中で入ってきてほしい感じ。おかげで最後まで飽きずに食べられた、みたいな効果を担っていたのかもしれませんけど、別に柚子はなくてもよかったかなって。ちなみに塩気は適度に強めですが、赤穂産焼き塩の効果か鋭さは控えめで、むしろ後口に残る甘みが印象に残りました。
かやく
ちょっと鶏団子が主張し過ぎ
かきたまは混ぜると散り散りになってしまいますが、ときどき入ってくる優しい口当たりと風味が可愛らしく、フリーズドライのネギも上品で好印象。鶏団子は‥‥ちょっと臭いですねw スープが濃いめの鶏白湯であれば、むしろプラスに作用してくれる要素なんですけど、今回は隣の教室で浮かれているヤンキー感が否めませんでした。
総評
日清食品の縦型ビッグに使われるノンフライ麺にしては加水率が低く、またヒレ酒を彷彿とさせる芳ばしさも記憶に残る水準に達していたのですが、それだけに柚子の中途半端なアクセントとヤンキーチキンボールが残念で、星ひとつマイナスした次第。いや、単純に「おいしい」「まずい」の二択だと前者ですよ、迷わずに。
特に普段、あまりカップラーメンを食べない理由が “ジャンクだから„ であれば、むしろオススメしたい商品。ちょっと値段は高めですけど、それも含めてプチ贅沢な気分が味わえる一杯です。それにしてもエースコックの「焼ふぐだしの淡麗塩そば」しかり、そこまで来てるんですかね、ふぐブーム。【author・taka :a(大石敬之)】