どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年5月16日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん Ramen FeeL 塩ラーメン」の実食レビューです。
業界最高権威『TRYラーメン大賞 2021-22』(1週間MOOK)新人大賞部門 “総合1位” 獲得「Ramen FeeL」を代表する「塩らぁ麺」をカップラーメンとして商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
Ramen FeeL 塩ラーメン
Ramen FeeL(らーめんふぃーる)とは、東京都青梅市梅郷4丁目(日向和田)で人気を博す “らぁ麺屋” で、2021年(令和3年)2月28日にオープンするや否や、同年10月20日発行の『第22回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2021-2022』(講談社)において「新人大賞部門」の総合1位を獲得。さらに「食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2021」にも選出されるなど、新人離れした実力の持ち主。
朝7時から1時間ごとにFeeLFastpass(フィールファストパス)という整理券を配布するシステムを導入し、店頭での待ち時間削減を図っている「Ramen FeeL」ですが、都心から離れた郊外の地にもかかわらず、深夜から並ぶほどのファンを抱える人気ぶり。そんな訪問のハードルが高いことでも知られる “今現在、最も輝いている人気行列店” 監修のもと、満を持すカップラーメンがリリースされました。
今回の新商品「Ramen FeeL 塩ラーメン」は、前述の講談社発行『第22回 業界最高権威 TRY(トライ)ラーメン大賞 2021-2022』の「新人大賞部門 総合1位」をはじめ「新人賞 しょう油部門 第2位」「新人賞 塩部門 第1位」「新人賞 つけめん部門 第4位」など、同誌の新人賞を総なめにした「Ramen FeeL」の味わいを再現した一杯で、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と共同開発。
なかでも新人大賞部門の総合1位に輝き、カップ麺のモデルにもなった「塩らぁ麺」のスープは、比内地鶏や黒さつま鶏(黒王)などの地鶏を軸に、香り豚のゲンコツ(大腿骨)や背ガラ、合鴨、和牛すじ、白菜などを絶妙に組み合わせた清湯(ちんたん)で、塩だれには4種の海塩と貝柱、干し海老、羅臼昆布、アサリなどの海産物をブレンドした、動物系×魚介系の淡麗かつ濃密な味わいを特徴としています。
これまでに数々のラーメンと接してきたマニアやフリーク、評論家からも絶賛の声が絶えない「塩らぁ麺」を作り上げ、今回のカップ麺を監修することになった「Ramen FeeL」の店主・渡邊大介氏は、全国的な知名度を誇る神奈川県は湯河原の名門「らぁ麺 飯田商店(いいだしょうてん)」出身の経歴を持ち、飯田商店の代表・飯田将太氏が初めて独立を許した一番弟子。
「飯田商店」で研鑽を積むこと4年4ヶ月、その修行時代に培ってきたアイデアとノウハウを具現化した集大成が現在の「Ramen FeeL」で、提供している麺も「飯田商店」から譲り受けた製麺機で打つ自家製麺とマニアには堪らないシチュエーション。その話題性も然る事乍ら、確かな実力が認められ、開業から間も無く超人気店としての地位を築き上げました。
熱湯を注ぐだけで食べられる即席カップ麺というジャンルにおいて、なおかつコンビニ向けの縦型ビッグという制約が多い製品スタイルを採用している「Ramen FeeL」初の監修商品。どこまで “今現在、最も輝いている人気行列店” の「塩らぁ麺」に近付けられているのかどうか、奇しくも以前より「飯田商店」監修のカップ麺とチルド麺を担当している東洋水産の手腕が問われるところ。
パッケージでは「鶏をベースに魚介の旨味を利かせた、ほんのりゆずが香る深みのある塩スープ」をアピールしているため、お店の雰囲気が感じられるかどうかについてはもちろん、それが即席カップ麺ならではの魅力と上手く噛み合っているのかどうか、そういった部分にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製スープ」が1袋。東洋水産の縦型ビッグにおける小袋は、大きく分けて「特製油」あるいは「特製スープ」の2種類あり、前者だと基本的にアブラしか入っていないのですが、後者だとアブラとタレに該当する成分が入っています。
かやくは味付豚肉、鶏肉ダイス、ネギの計3種で、同社の「本気盛(マジモリ)」ほど具沢山ではないものの、精鋭を集めたようなラインナップ。調理前の香りは粉末スープに鶏を感じるのですが、同時に油揚げ麺と味付豚肉の香りも強めに並行するため、スープの繊細さな部分と衝突しないかどうか‥‥というのが一つの関門。
メーカー希望小売価格は220円(税別)なので、2022年5月現在の即席カップめん業界における縦型ビッグ製品での標準的な値段。販売店は全国の量販店、一般小売店のほかに、全国のファミリーマートとミニストップも対象となっているのですが、セブンイレブンでは “首都圏” のみで取り扱いがあるようなので、ご注意ください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん Ramen FeeL 塩ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901990371568(JAN) |
発売日:2022年05月16日(月) 実食日:2022年05月18日(水) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:スーパー 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(チキンエキス、鶏脂、砂糖、植物油、食塩、豚脂、魚介エキス、酵母エキス、ポークエキス、たん白加水分解物、野菜エキス、こんぶエキス)、かやく(味付豚肉、味付チキンダイス、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、酒精、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、香料、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さけ・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、けっこう細身の形状に切り出されています。前述のように特有のニオイが並行するものの、たとえばエースコックほど顕著な主張ではありません。ちなみに「Ramen FeeL」の評判を調べると、こだわりの自家製麺は “ちょっと柔らかめに茹で上げられている” との口コミが多いため、そこも注目すべきポイント。
別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら「特製スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。香りのベクトルはカップラーメンから逸脱することはないけれど、スープの色合いは本物の「塩らぁ麺」に近く、お湯を入れる前よりも繊細かつ大胆な雰囲気。
ちなみに製造所は株式会社酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は東洋水産が1983年(昭和58年)7月から資本参加している連結子会社なので、カップ麺を担当している房総工場については “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き「めん」「スープ」「具材」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:424kcal たん白質:9.9g 脂 質:21.2g 炭水化物:48.5g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.35mg ビタミンB2:0.33mg カルシウム:147mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:424kcal(めん・かやく:332kcal)(スープ:92kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
油揚げ麺だけどネガティブじゃない
「Ramen FeeL」店舗の麺は、前述のように「飯田商店」譲りの製麺機で打った自家製麺で、基本となる「醤油らぁ麺」「塩らぁ麺」「FeeL つけ麺」それぞれのスープに合わせて小麦のブレンド比率から水分の含有量、切刃番手、熟成の有無に至るまで緻密に計算。なかでもスープの味わいが繊細な「塩らぁ麺」には、一晩置いて熟成させた自家製麺を使用しています。
それをイメージしている今回の油揚げ麺は、細さのわりに弾力のある反発性を備えている、緩やかに縮れた角刃の平打ち麺で、食べ始めはコリッとした硬めの歯応えが印象的。ただ、その歯応えが食べ終える頃まで続く油揚げ麺も保有している東洋水産なのに、わざと “適度に耐久性を落としているような” 仕上がりで、徐々に柔らかめの質感にシフト。
それでいて弱さを感じる柔らかさではなく、狙って麺の存在感をスープに寄り添わせているような、しなやかにスープを引き立てる自家製麺のイメージを表現しています。これ、ちょっと想像していた以上に絶妙ですよ。お湯を入れる前に懸念を覚えた油揚げ麺ならではの風味もネガティブではなく、最後まで全体の繊細さを壊しませんでした。
スープ
塩気は控えめに旨味で食わせるタイプ
まずは「特製スープ」を入れる前に味を確認してみたところ、甘みを帯びた丸鶏の旨味を軸に、ほんのり豚を重ねた淀みのない清湯で、いわゆる淡麗系でありながらも深みのあるテイスト。塩の攻撃性は皆無に等しく、むしろ全体的に甘みのほうが強いと感じるくらい。そのためキレのあるスープではないけれど、粉末スープだけの状態でも最後まで食べられそうなほど深みのある作り。
そこに「特製スープ」を加えると、鶏油(ちーゆ)の芳ばしい香りが広がって、同時に貝柱を彷彿とさせる海産物の膨よかな旨味が浸透するフレームワーク。アサリの滋味は特筆するほど目立っていなかったのと、干し海老の芳ばしさも意識されていませんが、具材の味付チキンダイスから滲み出る胡麻油の風味が鶏油とは違うベクトルから芳ばしさを与え、ちゃんと昆布の旨みを仕込んでいるのもポイント。
ゆずについては香料なので、舌に訴えかけてくる酸味や皮の苦味は意識されていませんが、ふわっと白菜の甘みを感じるところなど、なかなかに侮れません。制約の多い縦型ビッグという製品スタイルを加味すると、かなり頑張ったスープだと思います。
具材
実はスープの引き立て役としても重要なポジションを占めている肉具材
店舗で提供されている「塩らぁ麺」には、豚の肩ロースを使ったチャーシューに、燻香を載せた極上の地鶏、ラーメンの具としては珍しい赤蕪、千切りの揚げネギ、三つ葉、柚子皮などをトッピングしているため、それを完全に再現できているわけではないのですが、リアルな質感に定評のある味付豚肉と噛み応えのある味付チキンダイスを併用しているのは評価すべきポイント。
醤油と砂糖で甘辛く味付けした豚肉は、スープの味に及ぼす影響も強いので、それが邪魔にならないかと懸念していたのですが、主張し過ぎない量が功を奏し、程よく豚の旨味をアシストしてくれる適切な存在感。味付チキンダイスは少し硬めの食感で、胡麻油の芳ばしい風味がスープの鶏油と共鳴し、スープの邪魔をしない青ネギ(フリーズドライ)の立ち位置も好印象でした。
総評
サッと食べられる手軽さにも配慮しなければいけない縦型ビッグの仕様上、それなりにデフォルメされている部分も多かったので、大判どんぶり型(ノンフライめん)に匹敵する本格さに期待してはいけないけれど、カップラーメンとしての美味しさと「Ramen FeeL」の歯車が上手く噛み合っている、なんとも隙を感じさせない仕上がり。
しなやかな細めの麺だったり、雑味なく多重層なスープだったり、異なる個性を備えた2種の肉具材だったり、どれを取っても弱点らしい弱点は見当たりませんでした。店舗の「塩らぁ麺」と同様に、ちょっと麺が柔らかくなってきたかな‥‥くらいが食べごろだと感じたので、時間に余裕のある方は調理後に1、2分ほど休ませてから食べるのもオススメです。【author・taka :a(大石敬之)】