どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月2日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「ラーメン スリーエスオー監修 ニボシみそラーメン」の実食レビューです。
東京・町田の人気店「RA-MEN 3SO(ラーメンスリーエスオー)」の人気No.1メニュー “ニボシ3SO” をカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
RA-MEN 3SO監修カップ麺 ニボシ3SO
RA-MEN 3SO(ラーメンスリーエスオー)とは、東京・町田にある味噌ラーメン専門店で、神奈川県厚木市「日の出製麺所」と神奈川県平塚市「味の味噌一」出身の経歴を持つ店主・杉﨑光幸さんと妻・美穂さんが2010年4月に開業。夫婦で食べ歩きを重ね、試行錯誤の末に商品化したメニューと丁寧なサービスに定評があります。
「RA-MEN 3SO(スリーエスオー)」の最寄駅は、本店・町田市木曽西4丁目から徒歩15分の距離にあるJR横浜線の古淵駅。けっして好立地とはいえない場所に店を構えながら、株式会社ラーメンデータバンクが運営する日本最大級のラーメン専門口コミ情報サイト「ラーメンデータベース」の年間ランキング2018年で見事「味噌1位」を獲得しました。
ラーメンデータベースを運営している株式会社ラーメンデータバンクは、自称 “日本一ラーメンを食べた男” ことラーメン界の重鎮・大崎 裕史(おおさき ひろし)氏が代表取締会長を務める業界きっての存在。渡辺製麺×ローソン×ラーメンデータバンクのカップ麺は過去に11回リリースされていますが、ラーメンデータベースがピックアップされたのは今回が初めてかもしれません。
まるでカフェを思わせる店構えにラーメンの楽しい盛り付け、お得なランチタイムのサービス、食べ歩きからヒントを得た季節感あふれるユニークな限定メニューなど、女性を意識した工夫を凝らしているのも「RA-MEN 3SO」の特徴で、その基準となる白味噌ベースの「3SO(みそ)らーめん」は、濃厚なのにマイルドでクリーミーな女性に人気の優しい味わいとの評判。
お店の名前「3SO(スリーエスオー)」は、前述のようにメニューでは「3SO(みそ)」と読み方が変わり、スープは豚骨・鶏ガラ・魚介(アゴ・カツオ・サバなどの節類)を弱火で約24時間じっくり炊いたものを使用。炊き上がったスープは火から下ろした後、冷ましてから上部に固まった動物性の脂分を取り除き、一晩寝かせているのがクドさを覚えさせないポイント。
カップ麺のパッケージ(最初の写真)に「濃厚まろやか仕立て!」とあるように、豚・鶏・魚介と大きく分けて “3種の素材” から取ったスープに合わせる味噌ダレは、京都産の白味噌や信州産の赤味噌など “3種の味噌” と野菜のペースト、調味料などをブレンドした自家製の味噌ダレ。こちらも寝かせることで白味噌の麹(こうじ)を引き出し、本来の酸味や甘味を活かしています。
他にも人気No.3の「辛ニボシ3SO」や人気No.2の「麻婆3SO」といったメニューもあるのですが、今回の再現元「ニボシ3SO」が「RA-MEN 3SO」で人気No.1の定番商品。ちなみに「ラーメンデータベース」で「ラーメン スリーエスオー」が味噌1位を獲得した、当時の年間ランキング(全国)を絞り込んでサイト内検索してみたところ——
2018年の味噌2位は直系二郎の「ラーメン二郎 京成大久保店」(千葉県船橋市 ※2019年12月現在みそ1位)、味噌3位はムタヒロ出身の行列店「麺処 秋もと」(神奈川県横浜市青葉区 ※2019年12月現在みそ2位)と錚々たる顔ぶれ。残念ながら2019年12月4日現在「RA-MEN 3SO」のランキングは味噌部門110位となっているのですが、それでも90.204ポイントの高評価です。
開封
さて、そんな「RA-MEN 3SO」の「ニボシ3SO」を再現するのは、サッポロ一番でおなじみサンヨー食品株式会社。別添の小袋はフタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋、中身は液体です。同社の袋めん売上No.1「サッポロ一番 みそラーメン」は赤味噌ベース、今回は違ったアプローチが期待できそうですね。
メーカー希望小売価格は税別220円と現在の平均的な値段設定で、コンビニで買った場合の税込価格は232円が相場。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では、「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」での取り扱いを確認しました。
具材はキャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎとカップみそラーメンらしい組み合わせですが、実店舗の「ニボシ3SO」には中華鍋で炒めた挽肉とモヤシ、その上に白髪葱とカラフルな生麩、メンマ、とろけるほど柔らかく仕上げた豚肩ロースのチャーシューがトッピングされているため、再現度は高くありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ラーメン スリーエスオー監修 ニボシみそラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場(W)奈良県大和郡山市額田部北町944 内容量:99g(70めんg) 商品コード:4901734038870(JANコード) 商品サイズ:112φ×118(mm) 発売日:2019年12月02日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(みそ、糖類、魚粉、食塩、香辛料、豚脂、植物油脂、乳等を主要原料とする食品、ポークエキス、酵母エキス、たん白加水分解物、香味食用油)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、加工でん粉、香料、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、酸味料、クチナシ色素、レシチン、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
実店舗の麺は店内にある製麺機で作った自家製中太ちぢれ麺で、生地には準強力粉を使用。それを丁寧に手揉みして脱気しているらしく、こちらの自家製麺も軒並み評判のいい項目。カップラーメンの麺は、角刃でカットされた熱湯5分の油揚げ麺で、けっこう輪郭のある角断面が印象的な縮れ麺を採用しています。
もともと「ニボシ3SO」は限定メニューだったようですが、現在は人気No.1のグランドメニューに昇格。見た目こそ基本の「3SOらーめん」と変わらないものの、ガツンと強い煮干の風味が特徴的で、本来のマイルドでクリーミーな3SOスープとは裏腹にワイルドなのだとか——そのわりに実食前の現在、まだ香りの煮干は穏やかなもの。
別添の小袋は後入れで、お湯を注いでから待っている間にフタの上で “温めてください・温めないでください” などの指示はありません。調理後の見た目は本物の「ニボシ3SO」から程遠いものの、意外に厚みのある大切りキャベツがたくさん入っていました。それでは、味噌と煮干の効かせ方に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(99g)当たり
カロリー:434kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:434kcal(めん・かやく:320kcal)(スープ:114kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
サンヨー食品(太平食品工業)のタテビッグ製品は、同社の高コスパ商品「和ラー」のハイクオリティな麺とは似ても似つかない、こだわりのないスナック的な軽い食感の油揚げ麺が多い昨今だったので、今回あまり期待していなかったのですが、ナイス裏切り。まさに脱気した麺を彷彿とさせる高密度な弾力で、もっちもちの食感です。
そこまで小麦の風味は強くないけれど、強めの縮れとエッジの効いた形状からスープをよく拾うため一体感は高く、孤立した印象を与えません。ただ、熱湯5分待機+かき混ぜ1分以上でも部分的にサクッとしていたので、熱湯5分待機+混ぜ混ぜしながら2分後くらいに食べるのがベストかも。それから油揚げ麺臭が強く、どちらかというと風味の面が気になりました。
とはいえスナック的な軽い食感の汎用麺よりも高品質なのは言うまでもなく、麺量は70gと完全な大盛り(80g)ではないけれど、きちんと食べ応えがありました。もうちょっと油揚げ麺特有の風味が控えめになると嬉しいものの、ストロングなスープを相手にした時のポテンシャルが見込めます。それこそ今回とは裏腹な、がっつり赤味噌系のスープに合いそうですね。
スープ
思いのほかスープが煮干し色で、なるほど魚粉の割合は圧倒的に煮干しが強く、鰹節などの節系はサポート要員。ただ、えぐみや苦味を感じるほど強烈な主張ではなくて、たしかに含有量は多いものの、味噌が控えめだから煮干しが目立っているような状態。それはそれで面白く、煮干しが主役としてのスープとしては成立しているのですが、肝心の3SO(みそ)は弱いです。
実際に実店舗の「ニボシ3SO」も強烈な煮干しと引き換えに、マイルドでクリーミーな味噌が犠牲になっているようなので、あながちパワーバランスの再現は的を射ているのかもしれません。ただ、かなり人工的なトロミが強く、最初の一杯は容器の底で増粘剤がダマになっていたことに途中で気付き、けっきょく作り直しました(※それでも最初に調理した個体も1分間は混ぜ続けた)。
それから粉末味噌だけではマイルドでもコクは弱かったので、仕上げの小袋に白味噌ベースの味噌ダレが仕込んであるのかと思いきや、まさかの中身はオイル成分100%の調味油。なので液みそ系のコクは楽しめなかったのと、強烈なトロミのわりに動物系のコクが弱かったので、なおさらトロミがワザとらしく思えてしまったのが残念なポイント。
結果的に味は悪くなかったものの、珍しくサンヨー食品にしては中華鍋でモヤシを炒めたような調理感も特筆して目立っておらず、パッケージでも大々的に「ラーメンデータベース2018 味噌1位」とアピールするのであれば、油よりも白味噌系の味噌ダレを別添する、もしくは中華鍋で野菜を煽ったような臨場感を打ち出すのが正解だったのではないでしょうか。
具材
ネギは汎用の青葱なので、これといって特に書くこともないのですが、スープの表面を覆い隠しかねないほどキャベツの量が多く、しかも面積が広い上に肉厚なのが好印象。食感は茹でキャベツなんですけど、ここまで存在感に歯応えのあるキャベツには久々に当たりました。このキャベツいいですね。
それに味付肉そぼろも肉そぼろ系の中ではサイズが大きめで、少量ながらに存在感は明白(ただ、ちょっと食べ始め中がサクッとしていたので、最初しばらくはスープの中に沈めておいたほうが安全)。とはいいつつも内容としては可も無く不可も無し、せめてモヤシは欲しかったです。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
このブログでは星2つをイマイチ、星3つを及第点、星5つを上出来としているので、けっして今回の総評はイマイチというわけではないのですが、可も無く不可も無しといったところ。ただ、これは店の味がまずいとかそういうことではなく、サンヨー食品の作り込みに問題があるように感じました(同社の白味噌系だと「蟻月 白のもつ鍋風ラーメン」なんかは最強クラスなんですけどね‥‥)。
パッケージで「味噌1位」を大々的にアピールしているのに粉末味噌で済ませていたり、具材の再現は無視していたり、これでは「RA-MEN 3SO」を知らない人に魅力が伝わらないのではないのかなと。また、ポリプロピレン樹脂(PP)のツルツル容器+大量の増粘剤で粉末スープがダマになりやすかったので、特に容器の底に生じる溶け残りには要注意。もしまたラーメンデータベースとのコラボが続くのであれば、第2弾でのリベンジに期待しています。