どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年8月10日(火)ファミリーマート限定発売、エースコックのカップ麺「来来亭 旨辛麺」の実食レビューです。
お店の「3辛」をカップラーメンで再現!? 生まれ変わった来来亭の「旨辛麺」を食べてみた結果——。
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
来来亭 旨辛麺 2021
来来亭(らいらいてい)とは、あっさりとした鶏ガラしょうゆ味のスープに、コクのある背脂を浮かべた “京都風醤油味” を標榜するラーメンチェーンで、滋賀県野洲市大篠原に本社を構える株式会社来来亭(Rairaitei Co.,Ltd.)が運営母体。1997年(平成9年)3月にオープンした1号店「野洲店」を皮切りに、2021年現在の店舗数は230店舗以上となる、ラーメン業界でも屈指の大所帯に成長しました。
今回のカップ麺「来来亭 旨辛麺(うまからめん)」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定のPB(プライベートブランド)商品で、大阪府吹田市江坂町に本社を置くエースコック株式会社と来来亭が共同開発。以前は通年販売されており、いつの間にか製造・販売を終了していましたが、夏に食べたくなる “辛みが効いた数量限定のスポット商品” として復活を果たします。
エースコック×来来亭のカップ麺が初めて発売されたのは、現在を遡ること15年以上、2006年(平成18年)5月の話。コラボ第1弾として開発されたのは「来来亭 特製しょうゆラーメン」という大判どんぶり型のカップラーメンで、サークルK・サンクス及びユニーグループ・ホールディングス系列(アピタ・ピアゴ)専用のPB商品として市場に投下。
その後、2016年(平成28年)9月1日にファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合を果たし、ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足。その約2年3ヶ月後となる2018年(平成30年)11月30日、国内すべてのサークルK・サンクス店舗が営業を終了(全店「ファミリーマート」にブランド転換)しましたが、エースコックと来来亭のコラボは打ち切りになりません。
当初は大判どんぶり型のカップラーメンからスタートしましたが、2021年8月現在は場所を取らない縦型ビッグの容器を主流とし、お店の看板メニューを再現した「来来亭 背脂しょうゆラーメン」(2020年11月3日発売)及び「同 背脂こってりラーメン」(2020年11月3日発売)を全国のファミリーマートで通年販売。
加えて2020年は6月30日に湯切りタイプの「まぜそば」を、その後継商品に位置する「旨辛まぜそば」を2021年6月29日に発売するなど、すっかりファミリーマートで定番となった「来来亭」シリーズ。しかし、お店の「旨辛麺」を再現したカップラーメンが初めて発売されたのは、現在から6年以上前となる2015年(平成27年)4月7日まで遡り、当初はファミリーマートの商品ではありませんでした。
カップ麺としての初代「来来亭 旨辛麺」は、サークルK・サンクスのPB「Prime ONE(プライムワン)」から発売され、同じ条件で2016年3月22日にも再販。しかし、同年9月1日に例の経営統合が実施されたので、2017年(平成29年)10月31日にファミリーマート版の「来来亭 旨辛麺」が登場し、その約1年後となる2018年10月2日のリニューアル以降、しばらく定番商品の座に位置していました。
その関連商品として、2018年7月24日に辛さを強めた「来来亭 旨辛麺 辛マシ(からまし)」を、2019年7月23日には “蒙古タンメン中本の北極ラーメンを超える” 激辛カップ麺「来来亭 旨辛麺 辛さMAX(旨辛麺MAX)」なども展開していたのですが、2019年の夏——。旨辛麺MAXの登場により、ふつうの「旨辛麺」はシレッと姿を消したので、およそ2年ぶりの復活になります。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ(深うまいの素)」と「調味油」で合計2袋。エースコックが製造する縦型カップ麺の例に漏れず、2袋とも最初から容器の中に入っている状態なので、粉末スープまみれなのが玉に瑕。とはいえ天面(フタ上)のデザインが映えるのと、お湯を注いでから小袋をフタの上で温める際、接着剤が邪魔にならないのはメリットでしょうか。
かやくは細切れの具材が多く、構成は「鶏・豚味付肉そぼろ」「唐辛子」「メンマ」「もやし」「ニラ」ということで、従来の旨辛麺(辛マシ、辛さMAXを除く)と共通のラインナップ。例の鶏・豚味付肉そぼろ(程よく味付けした肉そぼろ)については “見た感じハズレ系” なので、スポンジみたいな食感のアイツかもしれません。
なお販売店はファミリーマート限定かつ数量限定ですが、販売価格は「来来亭」監修の「背脂しょうゆラーメン」及び「背脂こってりラーメン」と同じ200円(税込216円)に設定されており、2021年8月現在のNB(ナショナルブランド)商品における縦型ビッグの値段(コンビニで購入すると税込232円が標準)よりも手に取りやすい値段となっています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:来来亭 旨辛麺 製造者:エースコック株式会社 製造所:K・東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901071256326(JAN) |
発売日:2021年08月10日(火) 実食日:2021年08月14日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:216円(税込) ファミリーマート通常価格:200円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(背脂加工品、食塩、豚脂、糖類、植物油脂、香辛料、ポークエキス、ポーク調味料、粉末しょうゆ、たん白加水分解物、粉末みそ、でん粉、豆板醤、酵母エキス、しょうゆ、全卵粉)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子、メンマ、もやし、ニラ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、香料、カロチノイド色素、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、酸味料、微粒二酸化ケイ素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は2種類とも後入れなので、お湯を内側の線まで注いだ後、フタの上に小袋をのせ、温めながら待つこと5分。ふと容器側面の文面に目をやると “※本製品は店舗の「旨辛麺」の味を再現しておりますので、辛めに仕上がっております。辛いものが苦手な方はご注意ください” という、まるで激辛カップ麺に記載されているような警告文(注意事項)を発見。
時間になったらフタを剥がし、温めておいた液体スープと調味油を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。ええ、かつての「辛マシ」や「辛さMAX」を彷彿とさせる、なかなかに攻撃的な見た目の調理直後。ちなみにファミリーマートの公式ウェブサイトには “青唐辛子の辛みと背脂の旨みをきかせたスープが特徴” との記載があったので、お店の辛さでいうところの「3辛」をイメージしている様子。
というのも店舗の「旨辛麺」には、5段階の選べる辛さがあり、1辛と2辛に青唐辛子(プッコチ)は使用されておらず、それが入るのは3辛以上。カップ麺に辛さレベルの表記はないのですが、其れ相応の辛さに期待できそうな予感。というわけで、青唐辛子の存在感や辛味の強さ・タイプにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:455kcal たん白質:8.6g 脂 質:22.3g 炭水化物:55.0g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:1.8g) (スープ:5.1g) ビタミンB1:0.27mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:230mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:455kcal(めん・かやく:335kcal)(スープ:120kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく「旨辛麺MAX」と同じ仕様
来来亭の店舗で使用している麺は、定番の「ラーメン」に合わせられる細麺を基本とし、その細麺は茹で加減を “柔らかめ・普通・堅め” から選択できるのですが、今回のモデルになっている「旨辛麺」は太麺で、かたさは変更できません。それを再現している今回の油揚げ麺も太く、後述の辛いスープにも負けない噛み応えを実現。
「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖」という原材料名の構成は、店舗の選べる辛さ “マックス” を再現した2019年7月発売の激辛カップ麺「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」と同じ並びで、なめらかな口当たりでありながら、もっちりと粘りの強い弾力が楽しめるのも共通のポイント。さらに噛めば噛むほど奥のほうから滲み出る甘みが印象的で、それも中毒性を高めている要因の一つ。
きちんと熱湯5分でも戻りますが、粉末スープを完全に溶かした後、別添の液体スープや調味油を加えたら “そのまま1〜2分ほど休ませて吸水させる” のがオススメの食べ方。そうすることでスープとの一体感が高まるだけでなく、噛んだ時の弾力や粘りもアップするので、時間に余裕があれば試してみてください。
スープ
ただ辛いだけのスープではない
最初から入っている粉末スープだけの状態でも唐辛子の辛味があり、辛さレベルを他の商品に例えると、農心ジャパン(NONGSHIM)の「辛ラーメン」ないし “それ以上” の辛さ。まだ飛び上がるほど辛いわけではないけれど、一般的に見てピリ辛以上の刺激を備え、その中にプッコチを彷彿とさせる青唐辛子の風味も混ざっているのがポイント。
店舗で使用しているプッコチは、プッコチュやプルコッチとも呼ばれている韓国産の青唐辛子で、日本のシシトウ(獅子唐辛子)にも通じる清涼感が魅力。ただ、日本のシシトウよりも明らかに辛味が強く、赤唐辛子だけでは出せない青さがあり、それをカップ麺のスープでも再現。味付けは日本の調味料である味噌や醤油のほか、中国の豆板醤も使用することで、より深みのある味を表現しています。
そこに “深うまいの素” と書かれた「液体スープ」を加えると‥‥ええ、この名称と小袋のデザインに覚えがある方もいらっしゃるでしょう。中身は粒感を残すリアルな背脂と豚脂を軸に、食塩で味を整えた動物油脂なので、液体スープとは名ばかりの素材。これを加えた途端 “二郎インスパイア系のアブラにも通じる背徳感と芳ばしい風味” がプラスされ、スープのコクと臨場感が大幅にアップ。
けっこう背脂の量が多いため、脂溶性のカプサイシン(唐辛子の辛味成分)は攻撃速度を緩めますが、なんのこれしき「調味油」で辛さを補強。レベルとしては、セブンイレブンの「蒙古タンメン中本 辛旨味噌(五代目)」やローソンの「東京タンメン トナリ監修 辛激タンメン(三代目)」よりも明らかに高く、その激辛版である「北極ラーメン(2021)」や「巨辛」よりも低い程度。
そのため激辛かどうかは個人の耐性値に左右されますが、すくなくとも苦手な方は手を出さないほうがいいレベル。けれども調味油の中には炒め野菜の風味も仕込まれており、それが青唐辛子の風味と重なることで、お互いの魅力を引き立てる相乗効果を発揮していたのが印象的でした。
具材
麺とスープの出来を思えば充分
多めに入っている鶏・豚味付肉そぼろは、やはりスポンジ食感のハズレ系だったので、これを入れるくらいなら大豆加工品(フェイクフェイクミート)のほうがマシだと思いつつ、それはさておき他の具材は悪くありません。
いずれも大量ではないのですが、コリコリとした歯触りのメンマは箸休めに嬉しく、もやしのシャキシャキとした食感もアクセントに寄与。ニラの風味も調味油の炒め野菜感に上手くハマッており、麺とスープの出来を思えば納得の構成でした。
総評
辛味を効かせたカップ麺は数あれど、ほかでは味わうことのできない唯一無二の仕上がりで、2019年7月に発売された「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」の辛さを落とし、その分だけ旨みに注力したような、ただ辛いだけの商品ではありません。
もちろん辛い食べ物が苦手な方にはオススメしづらい商品ではあるものの、辛さについては “液体スープ(深うまいの素)を入れた後、調味油は入れずに作れば食べやすくなる” ので、ある程度は調節可能ですし、なるほど「辛さの中にコクのある背脂」というパッケージの表現にも納得の名作です。残念ながら数量限定のカップ麺なので、早めにチェックしておいてください【author・taka :a(大石敬之)】