どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年02月12日(火)新発売のローソン先行カップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 カルビー ピザポテト味ヌードル」の実食レビューです。
カルビーの「ピザポテト」がカップラーメンに!? ポテチと食べ比べて味の再現度を確かめてみました。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力と再現度を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
サッポロ一番×カルビー ピザポテト味ヌードル
今回のカップ麺はローソン先行商品(ローソングループ限定商品)で、製造はサッポロ一番ことサンヨー食品。もはや疑う余地のないパッケージのデザインと「カルビー(Calbee)ピザポテト味ヌードル」という製品名が表しているように、カルビー社のポテトチップス「ピザポテト」の味わいをイメージしたカップラーメンです。
同じくサンヨー食品とカルビーがコラボした「サッポロ一番 サッポロポテト バーベQあじ焼そば」というカップ焼そばもローソン先行商品としてリリースされているのですが、どちらもローソンの店頭で目立つ位置に置いてありました。2012年7月23日(月)にエースコックがピザポテトの発売20周年を記念して、「カルビー ピザポテト味焼そば」というカップ焼そばを発売していたのですが、スープありのヌードルタイプは今回が初めてかもしれません。
「ピザポテト」とは、1992年9月からカルビーが製造・販売しているスナック菓子で、厚切りVカットのポテトチップスの表面にフレーク状のチーズを溶かしつける「メルト・フレーク製法」を独自に開発して実装。その当時に人気を博していた「宅配ピザに対抗できるポテトチップス」として誕生したのですが、発売当初は売れ行きから生産が追い付かず、企画開発者が自ら手作業でチーズをトッピングしていた‥という逸話が残っているほど。
前身は1990年10月に発売された「イタリアンピザ」で(1991年3月「ピザチップス」に名称を変えて全国発売)、4代目(1997年)からサラミ風チップを追加。5代目(1999年)からゴーダ&チェダーのWチーズを打ち立て、6代目(2000年)にはトマトフレークを追加し、Wチーズ・サラミ・トマト・パセリが7代目(2001年)のリニューアルに揃って現在の原型が完成しました。
その後、8代目(2003年)からチェダーチーズは据え置きでゴーダチーズをカマンベールチーズに変更し、9代目(2005年)からカマンベールチーズをパルメザンチーズに変更。またもや10代目(2007年)でパルメザンチーズがエメンタールチーズに変更されるのですが、2017年にリニューアルした13代目が2019年2月現在に発売されているエメンタール&チェダー濃厚Wチーズ版ピザポテトです。
2017年4月12日より、前年8月に発生した台風10号などの自然災害による影響から原料(ジャガイモ)が不足して生産が追いつかず、ピザポテトの全商品が販売休止となって世間を騒がせたこともありましたが、それはさておき今回の新商品はピザポテトの味わいをイメージしたカップ麺なので、実際にピザポテトを使用した製品ではありません。
しかし、パッケージは見紛うことなくピザポテト。いかにしてピザポテトをスープありのカップラーメンに落とし込んでいるのか‥‥冷静に想像すると怖かったりもするのですが、サンヨー食品のタテ型ビッグ製品はスナック的なフレーバーに強いので、開封時の香りから再現度をチェックしていきましょう。
開封
まずはカップ麺のフタ上に貼り付けられている別添、「仕上げの小袋」を取ります。たとえばこれが粉チーズ的な粉末(ふりかけ)だと不安も感じないのですが、小袋を取り外した時の感触は十中八九どう考えても確実に液体ですなコレは。チーズ風オイル? それともトマトやサラミの香りが添加されているのでしょうか‥‥怪しいですね。
とりあえずカップ麺を開封する前に、本家のポテトチップスを‥‥お、おおぅ、あいかわらず強烈です。実はピザポテトを食べるのは数ヶ月ぶりの話になるのですが、開封した瞬間からジャンクなニオイが脳天めがけて突き抜け、特にチーズの香りが強く、リアルなピザとは違うけど一見して明白にピザポテト。数年前よりもチーズの全体量が減ったように感じていたのですが、写真手前に写っているように、今でもチーズ大当たりの個体は健在です。
ちなみにカルビーのポテトチップスシリーズは、「じゃがいも丸ごと! プロフィール」といって、パッケージにプリントされている二次元コードをスマホで読み取り、製造年月日と製造所固有記号を入力すると簡単に生産者や生産地区、生産工場などの情報を取得できるのですが、今回のピザポテトは2019年1月6日、滋賀県湖南工場(b)にて製造。じゃがいもの産地は北海道十勝地方、品種はトヨシロとスノーデン、生産者14名のうち4名の氏名が分かりました。
さて、いよいよカップ麺を開封しますと、その香りは‥‥まさにピザポテトそのもの!! ではありません。ぜんぜん。じゃがいもの香りもしなければトマトやサラミも皆無、さらに期待していたチーズ臭もヘッタクレもない、むしろ最も目立っていたのは油揚げ麺による輪郭のボヤけた香りだったので、似ても似つかぬファーストインプレッション。
いやでもカップ麺には「仕上げの小袋」(後入れ)が別添されていますし、お湯を注いでからが勝負ですよね。ただ、中央の肉そぼろを境に写真の向かって左側にチーズ風油脂加工品、右側にフライドポテトを寄せてから撮影してみたんですけど、チーズ加工品ではなくチーズ “風” の「油脂加工品」なので、ピンポイントに箸で持ち上げて匂いを嗅いでみてもチーズの香りはしませんでした。
製品情報・購入価格
製品名:サッポロ一番 カルビー ピザポテト味ヌードル 販売者:サンヨー食品 製造所:太平食品工業 本社工場 内容量:101g(めん70g) 発売日:2019年02月12日(火) 実食日:2019年02月12日(火) JANコード:4901734036418 ローソン標準価格:216円(税込) 発売地域:ナチュラルローソンを除く全国のローソン |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:タテビッグ(縦型ビッグ) 容器材質:プラ(PS)+胴巻き紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩)、スープ(糖類、食塩、植物油脂、チーズパウダー、トマトパウダー、クリーミングパウダー、香辛料、チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス、香味食用油、たん白加水分解物、デキストリン、発酵調味料)、かやく(チーズ風油脂加工品、フライドポテト、鶏・豚味付肉そぼろ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、香料、乳化剤、パプリカ色素、カラメル色素、増粘剤(キサンタン)、かんすい、微粒二酸化ケイ素、酸味料、甘味料(カンゾウ)、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
さて、お湯を注いで開封直後の状態です。最初に強烈な本家のピザポテトをダイレクトに嗅いでしまったので、私の鼻がバカになっているのが原因だったら申し訳ないのですが、お湯を注いで3分待っただけの状態だと香りのピザポテト感は薄いまま。それに可能な限りチーズ油脂加工品に熱湯が当たらないように注湯したんですけど、ほとんど溶けました。あ、でも溶けた後の見た目はポテトチップスにトッピングされているチーズっぽいですね。
そして怪しい小袋もとい「仕上げの小袋」の中身はラー油っぽい色のオイル成分になるのですが、辛さは皆無に等しく、最初に感じたのはトマトの香り。ただ、これすごいですよ‥意外や意外、ここに「ピザポテト」が仕込んであります。本家よりトマト感は強めになるのですが、燻製感というかサラミ(ドライソーセージ)っぽい香りなどが相俟って、特に仕上げの小袋に残っていたオイルを嗅いでみると、まさにピザポテトそのもので驚きました。
そんな香りに胸を膨らませながら、調理方法に従ってよく掻き混ぜたところ、とうぜんのようにピザポテトっぽい香りは弱くなってしまったのですが、けっこう遠慮なくジャンクなトマトクリームっぽい香りが個性的。ただ、かろうじてチーズ風油脂加工品が1個だけ(ギリギリ)原型をとどめてはいるものの、混ぜたら溶けてスープの一部になると思います。それから粉末スープにはトロミ成分が含まれていたので、溶け残りがないように底から掻き混ぜてください。
ちなみにカップ麺のカロリーは101gあたり482kcal(1gあたり約4.7kcal)、ピザポテト(レギュラーサイズ)のカロリーは63gあたり348kcal(1gあたり約5.5kcal)なので、きもちカップ麺のほうがライト(?)かもしれません。それでは、実際に食べてみましょう。ポテトチップスのピザポテトと同時に食べ比べながら味の再現度に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(101g)当たり
熱 量:482kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:482kcal(めん・かやく:348kcal)(スープ:134kcal) |
めん
なるほどラーメン(中華そば)ではなく「ヌードル」だな、って感じのスナック的な油揚げ麺で、熱湯3分ジャスト守ってから通常のペースで食べ始めると、やや部分的にサクサクしているのですが、題材が題材なので早めに食べるのもアリかもしれません。もうすこし(30秒くらい)追加でケアすると、食べ始めは適度な弾力が楽しめます。
ただ、ピザポテト味ヌードルのために開発した油揚げ麺というよりも、サンヨー食品のタテビッグ製品では有名店監修だろうと容赦なく使ってくる芸のない汎用タイプだったので、結果あまり印象に残らないかもしれません。それに中庸的とはいえ今回のスープと相性がいいかと聞かれたら可も無く不可も無しというか、悪くはないけど文句無しのベストマッチでもなく‥みたいな。
それこそ今回のスープには日清食品の「カップヌードル」とか抜群に合いそうだったので、もっと思い切って頼りないヌードル系の細麺にしたほうがスープの個性をダイレクトに楽しめたような気がします。ただ、もし「和ラー」のように飛び抜けて本格的な麺だったら完全に孤立していたと思うので、サンヨー食品としては当たり障りのない安全なチョイスだったとも言えますね。
スープ
ピザポテトの特長であるピザソースのようなトマトの味わいと、濃厚なチーズのうまみを再現しました。
(出典:ローソン「商品・おトク情報」)
まず味覚としてフロントから主張してくるのはスナック的なトマトの風味と軽い酸味、そのすぐ後ろにクリーミングパウダーのジャンクなまろやかさ。なんだか最初は不透明で、とりあえずトマト風味ではあるものの、ピザポテト味かと聞かれたら3口目以降なんとなく‥といったところでしょうか。もちろんピザポテトは食べた瞬間から当たり前に即ピザポテトなんですけど、カップ麺は後口にフッ‥と残る余韻がピザポテト風。ただ、ちょっとサラミっぽい燻製感もあったりして、なるほどピザっぽい雰囲気は表現できています。
ピザポテトの原材料名には「チーズパウダー(エメンタールチーズパウダー、チェダーチーズパウダー)」と使用してるチーズパウダーの記載があり、カップ麺の原材料名にも「チーズパウダー」と記載されているのですが、エメンタールチーズパウダー及びチェダーチーズパウダー使用など、使用しているチーズの品種までは記述がありません。チーズパウダーの含有量が多いように体感的なチーズの風味も明白ではあるものの(おそらく青カビ系のチーズは未使用)、ややクリーミングパウダーの乳糖感がマスキングしているような印象が否めませんでした。
と、最初はネガティブな印象が先行していたのですが、スナック菓子に負けず劣らずの背徳感が楽しめるジャンクなトマト感にジャンクなクリーム感は潔く、これはこれでと割り切ってみたら悪くありません。ただし、体感的にはクリーミーでマイルドな印象が先行しますけど実際かなり濃い味で、スープを飲んでからピザポテトを食べたらピザポテトでさえも一瞬ちょっと味が薄いと感じるほどでした。さすが食塩相当量6.2g(スープ4.5g)のカップ麺、なめちゃいかんですな。
かやく
とろ~りチーズ風味ダイスを使用し、ピザらしさを表現しました。
(出典:ローソン「商品・おトク情報」)
とろ~りチーズ風味ダイス(チーズ風油脂加工品)は大きめサイズで数は6個、フライドポテトは約4.5個、鶏・豚味付肉そぼろは約6.5個といったところで、大きく混ぜる前にチーズ風油脂加工品だけ箸先に取って味見してみたのですが、何味と例えたらいいのだろうかコレは‥なんかこう、とりあえずジャンクなテイストではあるんですけど、まずチーズ風味ではありません。
漠然とマイルドではあるものの、まさに油脂加工品という曖昧な表現がピッタリな物体で、とりあえずチーズ味でもなければチーズ風味でもないです。ひとつ前の項目でチーズパウダーの風味を「ややクリーミングパウダーの乳糖感がマスキングしているような印象が――」と書きましたが、その人工的にマスキングしてくる要因の一つにチーズ風油脂加工品も大きく加担しているのではないかと感じました。それも捉えようによっては極端で面白かったんですけどね。
味付肉そぼろはスナック感あふれるジャンクな味付けで、同じくジャンクなスープとの相性も単純に悪くなかったんですけど、サラミは無理でもベーコン風味ビッツとか、もうちょっとピザのイメージに近いアイテムがあると盛り上がったかもしれません。反面、ポテトは手放しに美味しく、中盤以降に食べるとホクホクで、かるくザラついた舌触りもナチュラル。もちろん厚切りVカットのポテトチップスと食感は大きく異なりますが、ポテトについては理屈抜きで単純に美味しかったです。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
本家よりもトマトの主張やクリーム感が強かったので、再現度としてはピザポテトの姉妹品として開発されたトマトクリーム系の変わり種っぽいイメージというか、実直にピザポテト味だったかといわれたらアレンジ色の強い味でした。しかし、「仕上げの小袋」単体で評価した場合かなり再現度は高く、これについては実に(ちょっと怖いくらい)ピザポテト味です。
またリピートして食べたいか聞かれたら1回でいいかな‥というのが正直な感想になるのですが、けっきょく食べていて楽しい仕上がりだったので、及第点に★ひとつプラスしました。厳密にいえば遠からず近からずではあるものの部分的な再現度は高く、極端にスナック的なカップ麺としての思い切りは清々しくてよかったです。ただ、このジャンクさは確実に人を選ぶので、気になった方は心して挑みましょう。