どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月9日(月)新発売のカップ麺、まるか食品「ペヤング ソースラーメン」の実食レビューです。
「ペヤング ソースやきそば」のソースをイメージしたカップラーメンついに登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング ソースラーメン
2019年9月現在、まるか食品は「ペヤング ソースやきそば」を軸に商品を展開していますが、実は “カップラーメン” の「ペヤングヌードル」から始まったシリーズ。そのペヤングからソース味のカップラーメンが出る‥‥と、発売前から一部では話題になっていた「ペヤング ソースラーメン」が実際に発売されました。ええ、パッケージはペヤング感MAXです。
いつもの “やきそば暖簾” はデザインを踏襲しつつ「ソースラーメン」にジャックされ、その横にはBig! の文字。麺の量は65gなので、「ペヤング ソースやきそば」(めん90g)や「ペヤング ヌードル」(めん76g)と比較しても少なめなんですけど、容器はペヤングヌードルよりも大きめです。さて、実はソース味の “ご当地ラーメン” がリアルに存在するのをご存知でしょうか。
もっとも有名なのは千葉県船橋市を中心に提供されている「船橋ソースラーメン」で、一般的な醤油や味噌、塩、豚骨といった王道のスープではなく、ウスターソースが味付けの基本。現存する店では昭和42年(1967年)創業の「中華料理 大輦(だいれん)」がソースラーメン発祥の店として有名ですが、戦後の船橋駅付近にあった食堂「花蝶」が元祖といわれています。
さらに読者の方から “新潟県糸魚川市にソース焼きそばラーメンを提供してるお店がある” という情報提供があり、調べてみたところ「麺家なりた」という食堂がヒット。該当のメニュー名は「ソース焼そばラーメン」で、もとよりラーメンとして作られたのではなく、鶏がら醤油ベースの素朴なラーメンスープにソース焼そばをドボンと浸けたような状態だそうです。なんとも興味深い——
かつてペヤングからソース味のラーメンが発売されたことがなかったか、まるか食品の沿革を辿ってみたところ、まず1973年7月に同社初のカップ麺「ペヤングヌードル」を発売。そして1975年3月に業界初の四角い容器「ペヤングソースやきそば」が登場し、1982年10月には “エースコックよりも早く「わかめラーメン」を発売している” 意外な一面も(エースコックは1983年6月に発売)。
続いて1985年5月「ペヤングラーメンライス」、同年7月「ペヤングラーメンチャーハン」、1987年2月「ペヤング餃子ラーメン」と、なかなか当時から攻めの姿勢にあったペヤングですが、まだソースラーメンの気配は見せません。1990年代も関連する動きは特に見られず、2000年代に突入してからもソース味のカップラーメンは出ていなかったので、おそらく今回が初の試み。
メーカー希望小売価格は通常サイズの「ペヤング ソースやきそば」と同じ税別198円なので、もしコンビニで購入すると税込198円が相場になるかと思うのですが、行動圏内にあるコンビニ大手4社19店舗*(セブンイレブン4店舗、ファミリーマート6店舗、ローソン5店舗、ミニストップ4店舗)すべて、実際に足を運んでみたところ “まったく売ってない” 状況でした(*北近畿)。
地元のローカルスーパーには滞りなく入荷していたし、ドンキホーテやドラッグストアでも取り扱われていたので、主な販売店はコンビニ以外の企業がメインなのかもしれません。それから2019年9月10日現在、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)でも絶賛販売中だったので、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなどのセブン&アイ系列も狙い目だと思います(※2019年9月12日追記:コンビニの「ローソン」でも販売を確認しました)。
開封
さて、別添の小袋は「スープ」と「かやく」の合計2袋。先ほどの店内写真にある新商品の値札やカップ麺のフタに表示されている販売者は「まるか商事株式会社」となっているのですが、まるか食品商事は “まるか食品の営業部署(販売部署)” を意味しています。実は添付調味料及び具材も外部の専用工場に委託しているため、販売者は販売部署の社名を、小袋には「発売元」まるか食品と記載。
今回のソースラーメンは油揚げ麺(ペヤングヌードル系統)ではなくノンフライ麺、まるか食品の製造ラインにはノンフライ麺を作る設備が整っていないため、テーブルマークのグループ会社「加ト吉水産株式会社(カトキチ)」のフーズ部群馬工場(群馬県高崎市新町2330-26)に麺の製造を委託しています。これについても、今回に限った話ではありません。
今年だと2019年2月25日発売「ペヤング パクチーレモンラーメン」や2019年8月5日発売「ペヤング 魚介MAXラー油ラーメン」の麺を製造していますし、寿がきや食品のノンフライ麺を担当しているメーカーでもあります。他、もちろんテーブルマークの「ホームラン軒」やイオンのプライベートブランド「トップバリュ」でも実績を積んでいるメーカーですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング ソースラーメン 販売者:まるか商事株式会社 製造者:加ト吉水産株式会社 フーズ部 群馬工場 内容量:100g(めん65g) 商品コード:4902885005889(JANコード) 商品サイズ:縦167mm×横167mm×高さ75mm 発売日:2019年09月09日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:角型容器・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物油脂、小麦たん白)、添付調味料(ウスターソース、糖類、食塩、たん白加水分解物、植物油脂、動物油脂、ビーフエキス、香辛料)、かやく(キャベツ、ニンジン、もやし)/ 加工でん粉、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、炭酸カルシウム、酸味料、ソルビトール、増粘剤(グァーガム)、クチナシ色素、香辛料抽出物、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC、ヒマワリ抽出物)、(一部に小麦・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
実食開始
麺の湯戻し時間は3分で、お湯を入れる前に「かやく」の袋を開封します。中身はキャベツを筆頭にニンジン、もやしとソース焼そば寄りの野菜を中心とした構成で、実にオーソドックスな内容ではあるものの、豚肉やキクラゲなどは入っていません。ただ、ブロック状ではないけれど、質感は熱風乾燥ではなく凍結乾燥(フリーズドライ)っぽいですね。
ちなみに2014年3月10日、サンヨー食品がソース味のカップラーメン「サッポロ一番 ふなっしーの船橋ソースラーメン タテビッグなっしー!」をリリース。2017年6月5日にはエースコックから、今は亡き「スーパーカップ 大盛りいか焼そば」をソースラーメンに落とし込んだ「スーパーカップ1.5倍 いか焼そば味ラーメン」というカップ麺が登場、このブログで後者は超高評価を叩き出しました(★6)。
その印象から実はソースラーメンに微塵の抵抗もなければ好き好んで食べたいくらいのラーメンジャンルなんですけど、前述した先発2組は油揚げ麺だったのに対し、今回はノンフライ麺なので、だいぶ印象が変わってくるかもしれません。それでは、ペヤングやきそばソースとの違いや共通点にも注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)当たり
カロリー:302kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
液体スープを入れる前、ちらほらと麺の中に小さな黒い粒が見えたので、もしや小麦全粒粉配合か!? などと思ったんですけど、たぶん単なる焦げですね。ノンフライとはいえ効率よく乾燥させるために植物油脂を練り込み、油で揚げるのではなく80度前後の熱風で30分ほど乾燥させる “熱風乾燥” が主流なので、その工程で小麦粉・でん粉・小麦たん白いずれかが焦げたのでしょう。
これは3年ほど前の寿がきや食品が汎用していた麺と同じ雰囲気で、現在の寿がきや食品は一部商品を除くノンフライめん製品に「小麦粉、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物」で構成される汎用ノンフライ麺を使用していますが、2017年上旬までの仕様と今回の原材料名は同じですし、麺自体のクオリティを評価するなら上出来の★5即決です。
前半はコシが強く、後半しっとりとした口当たりに芳醇な小麦の香りと甘味が魅力的な丸刃の麺で、まったく当時と同じ麺ではないと思いますが、いずれにせよ現在の同価格帯にある他社の高コスパ製品「日清麺職人」や「マルちゃん麺づくり」にも引けを取りません。けれども今回のスープには洗練され過ぎた存在で、どちらかというと油揚げ麺のほうが合うのではないかと感じました。
スープ
見た目は富山県の “富山ブラック” や大阪府の “高井田系” を思わせるドスの効いた黒いスープですけど、なんのこれしき香りはウスターソースど真ん中で、かなり甘さが目立ちます。実食前に触れた「麺屋なりた」の “ソース焼そばラーメン” も焼そば自体は甘口のソースで味付けされているようですが、今回のスープには鶏ガラも醤油も含まれません。
どちらかというと地域的には船橋寄りの組み方で、ペヤングやきそばのソースと同じくウスターソースをベースにしていることや隠し味のビーフエキスなど、確かにルーツを感じる味付けから、なるほどパッケージのデザインにも納得です。ただ、本家と比較して甘さが強く味は穏やかで、それはいいけど結果的に盛り上がりに欠けるような——で、ふと欲しくなったのが「スパイス」「あおさ」「紅生姜」のアクセント。
今回、まるか食品の公式ウェブサイトに掲載されている製品情報には、スープの特徴について “ソースの旨味が効いたまろやかな味わい” という説明しかありません。つまり、「ソースやきそば」を再現しているとは一言も書いていないのですが、パッケージ的にイメージせざるを得ませんし、味的にもペヤングの「ふりかけ・スパイス」が別添されていたら、ずいぶん違ったと思います。
かやく
実食前に乾燥の質感がフリーズドライっぽいと書きましたが、キャベツはフリーズドライ具材にありがちな柔らかめのクタクタ食感ではなく、けっこうシャキシャキ。「ペヤングソースやきそば」のキャベツとはタイプが違いますけど、ソース味のスープとキャベツの相性は申し分なく、ちゃんと主役を張れる具材です。
人参は大きめでもコリコリ感は思いのほか控えめで、そこそこ軽めの歯応えを感じますが、どちらかというと風味を重視。甘さは控えめで、ちょっと特有の癖(いい意味で)を感じます。もやしも何気に太く、こちらはシャキッとフレッシュな食感が楽しめたのですが、そんなに量は多くありません。
とはいえ全体量でいえばキャベツを筆頭に具材の量は多く、ペヤングやきそばの定番になってしまった筒型のザラ付いた肉なら無くても問題ないですし、ノンフライ麺を使用した製品かつ200円以下の具材としては悪くないどころか好印象でした。でも、たとえばキャベツの量を減らして “ふりかけ” か “スパイス” を別添できるなら、そちらを優先してほしかったです。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
ノンフライ麺自体のクオリティは値段を思えば上等ですし、ソース味のスープも意外とゲテモノ感は控えめなので、ラーメンに保守的でなければ慣れると思います。具材も野菜を中心に充実していましたが、結果的に今回のソース味には「ペヤングヌードル(シーフード)」の油揚げ麺、もしくは「ペヤングやきそば」の麺を捻らずに使ったほうがよかったのでは‥‥という疑問が残りました。
それに小麦の甘味とスープの甘味が同化しているような嫌いもあったので、味の濃いスープと相性のいいカトキチの麺を生かすためにもソースを強めてスパイスを別添、アオサの香りや紅生姜の酸味で本格感を演出するなど、そういった配慮も意識してほしかったです。けっしてマズイわけではないけれど、アオサや胡椒、紅生姜をトッピングすればもっと美味しく食べていただけるはずなので、ぜひアレンジも検討してみてください。