どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月4日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング 麻婆やきそば」の実食レビューです。
獄激辛麻婆やきそばのマイルド版!? 3種の醤(豆鼓醤・甜麺醤・豆板醤)を使用、コクと深みのあるマーボ味の新フレーバーを市場に投下!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング 麻婆やきそば 2023
ペヤングとは、まるか食品の代名詞となっているブランドで、1973年(昭和48年)7月16日発売の「ペヤングヌードル」が最初の商品。その約2年後、1975年(昭和50年)3月13日に「ソースやきそば」が現れ、屋台のフードパックを模した四角い容器に、まろやかな味の液体ソース、かやくの個包装など、当時としては画期的な仕様を業界に先駆けて導入し、カップ焼きそばの常識を覆しました。
今回の新商品「ペヤング 麻婆(マーボー)やきそば」は、中華料理に欠かせない豆板醤(トウバンジャン)と甜麺醤(テンメンジャン)、さらに豆鼓醤(トウチジャン)をソースに使用した「ペヤングやきそば」シリーズの変わり種で、まるか食品曰く “花椒の香りと唐辛子の旨味がアクセントとなり、クセになる味わいの一品です。” とのこと。
「豆板醤」とは、中国を発祥とする発酵調味料で、発芽させたソラマメを主原料とし、本来はシンプルにソラマメ・食塩・麹(こうじ)だけで作ったものを豆板醤、辣椒(ラージャオ、唐辛子)を加えたものは豆板辣醤(ラージャン)と呼び分けられているのですが、日本で豆板醤といえば豆板辣醤を指すのが一般的。片や「甜麺醤」は甘さを加えるための調味料で、こちらも中華料理に欠かせないアイテム。
そして、即席カップめん業界では珍しい「豆鼓醤」とは、黒豆を主原料とする豆鼓(トウチ)をペースト状にしたもの。豆板醤や甜麺醤ほどメジャーな発酵調味料ではないので、自宅に常備している方は比較的に少ないと思いますが、日本でいうところの “浜納豆” と豆鼓は親類筋にあり、塩気が強く、同時に深いコクと旨みを料理に与えてくれるバイプレイヤー。
話を戻しまして、ペヤングやきそばシリーズにおける “麻婆” といえば、現在を遡ること12年以上、2011年(平成23年)6月13日に “特殊な湯切りシステム” を搭載した「麻婆やきそば」を発売していたり、直近だと2年前の同時期に当たる2021年9月6日発売の「獄激辛(ごくげきから)麻婆やきそば」が記憶に新しかったり、これが初めての試みではありません。
なかでも泣けるほどの辛さで物議を醸した「獄激辛麻婆やきそば」(獄激辛シリーズ第5弾)は、各所でペヤングの新作が出たのに “売ってない問題” を加速させた問題作。当時、それに豆鼓醤は使用していなかったので、そもそものフレームワークは変えていると思いますけど、辛口を謳いなら “ふつうに激辛クラス” のソースを別添してくるペヤングですから、手放しに油断することはできない展開。
しかし、同時に最近のペヤング(まるか食品)といえば、群馬県伊勢崎市の「介護老人保健施設 まゆ玉」に通常サイズ対比およそ7.3倍の「ペヤング 超超超超超超大盛やきそばペタマックス」を差し入れしたり、通常サイズの「ペヤングソースやきそば」及び「ペヤング ソースやきそば超大盛」の売り上げを群馬県伊勢崎市の施設に一部寄付する「ペヤングこども支援プロジェクト」を実施したり‥‥
ブランドのイメージ回復に奔走しているのか、慈善事業的な活動にも力を入れている現在、ついに改心したか——などと感じている今日この頃。ひとまず比較的 “まとも” に見える「ペヤング 麻婆やきそば」のパッケージに警告文などは記載されていないため、常識的な辛さを守っていると期待したいところではございますが、引き続き油断せずにレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「ソース」の計2パックで、どちらの小袋にもパンパンに充填。ちなみに「麻婆やきそば」といえば、知る人ぞ知る仙台名物の「マーボー焼きそば」が存在しますけど、それは焼きそばの麺に麻婆をトッピングするスタイルなので、意識しているわけではない様子。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。調理前の麺重量は90gなので、まるか食品を支える永遠のスタンダード「ペヤング ソースやきそば」と同じボリュームです。しかし、ちょっと気になるのがメーカー希望小売価格の設定で、これまで何度も価格改定(値上げ)の波に対抗してきたペヤングですが‥‥
今回の希望小売価格は230円(税別)ということで、標準サイズの「ソースやきそば」(193円+税)よりも高めの値段。2023年9月現在、大手が販売しているレギュラーサイズのカップ焼きそば(例「日清焼そばU.F.O.」「一平ちゃん夜店の焼そば」)における価格は236円(税別)を標準値としているため、それよりも手に取りやすい価格ではあるけれど、ペヤングの基準でみた場合、すこし高級品です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング 麻婆やきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1) 内容量:129g(めん90g) 商品コード:4902885009986(JAN) |
発売日:2023年09月04日(月) 実食日:2023年09月08日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:230円(税別) 購入価格:208円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(植物油脂、糖類、豆鼓醤、たん白加水分解物、ねりごま、ポークエキス、甜麺醤、豆板醤、みそ、香辛料、オイスターソース、食塩)、かやく(鶏・豚味付ひき肉、ねぎ、豆腐)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、増粘多糖類、粉末セルロース、香料、酸味料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、パプリカ色素、トレハロース、豆腐用凝固剤、ビタミンB2、香料、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、味付ひき肉、豆腐、ネギの組み合わせは「獄激辛麻婆やきそば」と共通するラインナップになりますが、ひき肉の量ちょっとヤバくないですかコレw 先にメーカー希望小売価格が通常の「ソースやきそば」よりも高いと触れましたけど、かやくのボリュームが原因の一つになっていることは間違いありません。
添付調味料は後入れなので、かやくを麺の上にあけてから熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったら湯切りして「ソース」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。花椒(ホワジャオ)入りのスパイスなどは別添されていませんが、漂ってくる香りからソースに含まれていることは明確で、けっこう本格的。
ちなみに、まるか食品の公式ウェブサイトにも辛味に対する警告文などは記載されておらず、本能的にヤバさを察してしまうような薬品臭も漂ってこない調理直後。しかしながら実際に食べてみるまでは安心できないので、引き続き辛味の強さにも注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(129g)あたり |
カロリー:598kcal たん白質:12.5g 脂 質:32.8g 炭水化物:63.2g 食塩相当量:4.3g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつものやつ
ペヤングやきそばシリーズに使われている油揚げ麺は、基本的に「ソースやきそば」と共通で、レギュラーサイズ対比×2倍=めん180gだと超大盛、約4倍=めん330gだと超超超大盛GIGAMAX(ギガマックス)、約7倍=660gだと超超超超超超大盛ペタマックス、逆に11%減=めん80gだと廉価版のペヨングになる、という認識で問題ありません。
たとえば緑豆春雨の「ピーヤング」だったり、そば粉不使用の「蕎麦風めん」だったり、なかには基本のパターンを外れる商品もありますが、今回の「麻婆やきそば」に搭載されているのは「ソースやきそば」と同じもの。それだけに新鮮味は皆無ですし、ノンフライ麺のような本格さも楽しめないけれど、後述するソースとの相性に問題はなく、ブランドのアイデンディティを表現する上でも効果的。
ちなみに外装フィルムの賞味期限横に「+H」と記載してあったら群馬県伊勢崎市戸谷塚町の本社工場で、同じ箇所に「+A」と記載してあったら同県同市下触町の赤堀工場で製造したことを意味しているのですが、どちらもレシピは変わりません。ただし、ロット差は生じるため、その違いを楽しむスタンスで注目してみてください。
ソース
豆鼓の個性に刮目
まずソースの量が多くてビックリしたんですけど、つまりはコストを費やしていることが分かるポイントで、実際の味わいも然り。日本の味噌を使用していますが、あくまでも隠し味に過ぎない使い方で、コク深い豆板醤(豆板辣醤)の辛さと甘い甜麺醤の掛け合いも然る事乍ら、驚いたのが豆鼓の個性。
やや塩分を強めに感じる味付けですが、食塩頼りの一直線な塩気ではなく、深みのある塩味(えんみ)は豆鼓に由来。さらに若干の渋みを伴うなど、想像していた以上に豆鼓の存在感は明確で、唐辛子の辛さレベルも “中辛〜お手柔らかな辛口” 程度。花椒の清涼感も分かりやすく効かせてありますが、特有の爽やかさを強調しているイメージで、痺れは特筆するほど強いわけではありません。
さらに、本格的な四川風の麻婆からは遠退きますけど、練り胡麻のコクも味わい深く、いやはや超大真面目に作り込んできたなと。あくまでも日本人の嗜好に寄り添った味付けですが、四川の本格さも適度に兼ね備えており、ふわっと感じるオイスターソースの隠し味も印象に残りました。
かやく
あっぱれ、まるか食品あっぱれ
前述の「獄激辛麻婆やきそば」では “豚・鶏味付ひき肉” となっていたのに、こちらの原材料名では “鶏・豚味付ひき肉” となっているため、肉の比率などが異なる味付ひき肉を使用している様子。ただ、ジャンクな味わいは今回の麻婆ソースと相性がよく、ワイルドさの底上げに効果的。万が一にも例のペットフードみたいな筒状の肉を放り込まれていたら、こうはいきません。
ネギは白ネギではなく青ネギですが、多過ぎず少な過ぎずの適切なアクセント。豆腐は‥‥ぶっちゃけ小さ過ぎて目立っていなかったのでw もうちょい気張ってほしかった思いもありますけど、たっぷりの味付ひき肉を筆頭に、物足りなさを感じることはありませんでした。
総評
なんやねんバチボコに辛いやんけw みたいなサプライズはなく、むしろヤンチャな要素は皆無に等しかったので、このように真面目な姿勢を見せられると、それはそれで寂しかったりもするのですが‥‥w それはさておき豆鼓の個性が伝わってくるソースは味わい深く、たっぷりの挽肉も高評価に繋がったポイント。
ピリ辛を少しでも超えると無理! 花椒が少しでも入ってるとダメ! だとオススメできない一杯になりますが、230円(税別)というメーカー希望小売価格を加味しても、素直に高く評価できる良品です。タイトルにある “普通に美味しかった” という表現は、けっして “面白みがない” というネガティブな意味合いではありません【author・taka :a(大石敬之)】