どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年11月1日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん」の実食レビューです。
昭和二十九年創業「幸楽苑」のイチオシメニュー「味噌野菜たんめん」を “ペヤング史上最大級の即席カップうどん” で再現!? 異例の超特大モンスターうどん爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング×幸楽苑 ペタマックス味噌野菜うどん
幸楽苑(こうらくえん)とは、株式会社幸楽苑ホールディングスが運営するラーメンチェーンで、創業は1954年(昭和29年)と半世紀以上前の話。当時の東北配管(現「東北電力」)に勤め “電力の生き字引” と呼ばれた新井田司(にいだ つかさ)氏が定年退職後、会津若松に開業した6坪(間口3間・奥行き2間)の「味よし食堂」にルーツを持ち、そこから「幸楽苑」の歴史が始まります。
今回の新商品「ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん」は、半世紀以上の長い歴史を誇る「幸楽苑」のイチオシメニュー「味噌野菜たんめん」の味わいを即席カップうどんにアレンジした新作で、まるか食品と共同開発。内容量は730g(めん450g)の超特大商品で、UFOキャッチャーの景品よろしく紙製の外箱に身を包み、コンビニの棚を圧迫していました。
ペタマックスとは、2020年11月2日に発売された「ペヤング 超超超超超超大盛やきそばペタマックス」に端を発するシリーズで、通常の「ペヤング ソースやきそば」対比約7.3倍という規格外の超特大商品。当初は焼きそばのみ展開していましたが、2021年6月7日に超超超超超超大盛サイズの「ペタマックス醤油ラーメン」と「ペタマックス味噌ラーメン」を発売し、ネット上でも物議を醸したところ。
その続編となる「幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん」の発売と同時に「幸楽苑味噌野菜たんめん味やきそば」というレギュラーサイズのカップ焼きそばも展開しているのですが、百歩譲って「味噌野菜たんめん味やきそば」の発売は分かる。むしろ “違和感なく美味しそうなイメージしか湧かない” のに、もう片方はペタマックスの味噌野菜うどん‥‥そもそも、なぜこのコラボでうどんになったw
前述のように内容量は730g(めん450g)ということで、たとえばスーパーやコンビニの棚に常備されている96g(めん74g)の和風カップうどん「日清のどん兵衛 きつねうどん」や「マルちゃん 赤いきつねうどん」と比較した場合、単純計算で “内容量は7.6倍以上” とペタマックスらしい規格外のサイズ。さらに “めん重量も6倍以上” なので、すくなくとも一般の方に向けた商品ではありません。
続けて栄養成分表示を確認してみると、カロリーは2746kcalとなっているため、こちらも「日清のどん兵衛 きつねうどん(西:413kcal〜東:421kcal)」や「赤いきつねうどん(西:436kcal〜東:432kcal)」と比較して約6.29〜6.64倍。食塩相当量の数値も “43.2g” と脅威的で、厚生労働省が定める1日あたりの塩分摂取量の基準(男性7.5g未満、女性6.5g未満)を遥かに上回ります。
ときに幸楽苑の店舗では、2021年10月21日(木)から「パニックde餃子 with 雪見だいふく&コアラのマーチ」という “幸楽苑の「極餃子」にロッテの「雪見だいふく」と「コアラのマーチ」をトッピングした” メニューを数量限定(無くなり次第終了)で発売し、その奇抜なコラボでネット上でも話題になったところ。しかし、その舌の根も乾かぬ11月5日(金)に「ペヤング」とのコラボを記念して‥‥
フードコートを除く幸楽苑の店舗にて、まるか食品と共同開発した「ペヤング監修 キャベツたっぷり幸楽苑やきそば(580円)」の提供をスタート。カップ麺の「ペヤング ソースやきそば」に使われているソースをメインに、幸楽苑で提供している「中華そば」のスープと茹でた多加水熟成麺を合わせた、やきそば風の焼いてない「生やきそば」に仕上がっているそうです。
なんだよ、ふつうに美味しそうじゃねぇかw などと思いつつ、近くに幸楽苑の店舗がないので、そろそろ「ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん」の内容物をチェックしていきます。
開封
とりあえず外箱から本体を取り出すと、一般的な家庭用の洗面器よりも巨大な容器(φ25×13cm)が出現。心を折る気満々かよw とりあえず部屋で睨みを利かせていた「獄激辛やきそば」を隣に並べてみたところ、その禍々しいオーラが霞んでしまうくらい、圧倒的な存在感を放つペタマックスサイズの味噌野菜うどん。そもそもさ、うどんって優しいジャンルの食べ物なんじゃないの?
そこに入っている別添の小袋は、先入れの「かやく」と後入れの「スープ」で合計2袋。スープの重さはメガ盛り系のレトルトカレーやパスタソースと同じくらいの重量感だったので、かやくのボリューム感は “ふつう” に感じてしまうのですが、よく見ると中に入っているキャベツがフリーズドライ(氷結乾燥)だったのはサプライズ。それを楽しむ余裕などないかもしれませんが‥‥
ちなみにメーカー希望小売価格は既存の「超超超超超超大盛やきそばペタマックス」や「超超超超超超大盛ペタマックス醤油ラーメン」などと同じ980円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は1,058円と即席カップ麺らしからぬ値段。たとえば4人でシェアしてたとしても、一人頭の税込価格は250円以上なので、コストパフォーマンスについてはイマイチなんともいえないところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん 製造者:まるか食品株式会社 内容量:730g(めん450g) 商品コード:4902885007463(JAN) 本体サイズ:φ250×130mm |
発売日:2021年11月01日(月) 実食日:2021年11月07日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:1058円(税込) 希望小売価格:980円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:ペタマックス 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:2800ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、香辛料)、添付調味料(味噌、糖類、たん白加水分解物、食塩、動物油脂、ポークエキス、香辛料、酵母エキス、ホタテエキス、酵母パウダー、ごま、植物油脂)、かやく(キャベツ、もやし、キクラゲ、ニンジン、ニラ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、トレハロース、増粘剤(グァーガム)、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、今回もパッケージでは見境なく「ペヤングやきそば」のロゴを使い回しているのですが、かんすいを使用した中華麺ではありません。ただ、いつもの「ソースやきそば」に使われている油揚げ麺の金属枠と同じ、レギュラーサイズの油揚げ麺が5つ(90g×5=450g)入っている状態で、湯戻し時間も標準的な熱湯3分に設定されています。ただ、必要な “お湯の目安量” に注意。
国内メーカーの電気ケトルを例に挙げると、内容量は0.6~1L前後が一般的なのに対し、今回のカップ麺に必要な “お湯の目安量は2800ml” なので、通常の電気ケトルでは間に合いません。とりあえず家にあったパスタ用の底が深い両手鍋で熱湯を沸かし、それを使って調理したのですが、調理後の総重量は本体730g+熱湯2800ml=3.5kg以上‥‥調理中も調理後も火傷(やけど)には気を付けてください。
なお “どこに売ってる問題” については地域によりますが、コンビニだと「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」で取り扱われているようなので、販売店の参考にしてください。それでは、引き続き「めん」「スープ」「かやく」の項目に分け、順番に特徴を解説していきます。
栄養成分表示:1食(730g)あたり |
カロリー:2746kcal たん白質:56.9g 脂 質:121.2g 炭水化物:356.9g 食塩相当量:43.2g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
最初の数口までは問題なく美味しい
いつもの「ソースやきそば」などに使われているペヤングの油揚げ麺と比較して、梘水(かんすい)を含まない「うどん」である、というのが最大の違いになるのですが、カップやきそば用の麺には使用している “しょうゆは練り込んでいない” など、きちんと「うどん」に合わせて配合を変えています。ただ、ラードの芳ばしい風味が漂ってくるのは共通の魅力。
タイプとしては先進的な「日清のどん兵衛」よりも伝統的な「赤いきつねうどん」寄りですが、上記画像のように熱湯を注いでも麺が完全には浸からないので、東洋水産(マルちゃん)の油揚げうどんよりも強付きがあり、食べ始めは “吉田のうどん” よろしく無骨な食感が楽しめます。ただ、その頼もしい弾力も食べ始めから数分の話——。
戦闘開始から10分も経たないうちに、コシもヘッタクレもない “うどんの形をした柔らかい糖質の塊” に変わるので、あとはそれを無心で胃に流し込むだけの作業にシフト。その戦いを続けている間にも麺は吸水を続けるため、テンポよく箸が進まなかった場合、まったく麺が減らない錯覚に陥るかもしれません。
以前に加ト吉水産のフーズ部が所有していた工場(現「寿がきや食品株式会社 関東工場」)に製造を委託し、ノンフライ麺を使用した「ふる里うどん」という即席カップうどんを販売していたこともあるペヤングなので、それだと印象も大きく変わっていたと思うのですが、コスト的に厳しかったんですかね。
スープ
タイプとしては完全に味噌ラーメンのスープ
スープの原材料は、やや赤味噌寄りの合わせ味噌を軸に、クセのないポークエキスを重ね、ラードの芳ばしい風味とコクが「味噌野菜たんめん」らしさを演出。さらにホタテエキスで味に奥行きを持たせ、生姜の香味と擂り胡麻(すりごま)のパンチで飽きないように工夫するなど、なかなかに凝ったフレームワーク。味噌は日本の伝統的な調味料ですが、うどんに寄せた優しい味ではありません。
最初は “ちょっと薄味かな‥‥” と思ったのですが、前述の油揚げ麺がスープを吸水し続けるので、徐々に体感的な塩分濃度も高くなり、最終的にはガテン系の力強いスープに仕上がります。食塩相当量がヤバいので、とりあえず飲み過ぎないように注意しなければいけませんが、このままレギュラーサイズで再販してほしいくらい、想像していたよりも硬派に「味噌野菜たんめん」をイメージしていました。
かやく
高品質
いつもの「ソースやきそば」にはエアドライ(熱風乾燥)のキャベツを使っているのに対し、今回のキャベツはフリーズドライだったので、エアドライのキャベツよりも食感と風味がナチュラル。肉具材は入っていませんが、コリコリとした歯応えのキクラゲとニンジンに、味噌野菜たんめんライクなスープと相性抜群のニラ、もやしと無駄がなく、なかなか考えられた取り合わせ。
わりと早い段階から油揚げ麺がヘタりやがった分、ただひたすらに伸びた小麦の塊を飲み込まなければいけないような、ある種の強迫観念に近い義務感と焦燥感を覚える状態に陥ったので‥‥w 食感のある具材のアクセントには救われました。
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(★2)
スープは硬派に濃厚な味噌ラーメンをイメージした味わいで、具材にもフリーズドライのキャベツやニラ、もやしを使い、ペヤングの商品としては珍しい無骨な食感の油揚げうどんにも今後の伸び代を感じたのですが、それだけに “なぜレギュラーサイズで出さなかったのか” という部分だけが残念なポイント。まるか食品の開発課はもちろん、監修に携わった幸楽苑の社員さんも完成品を食べたんですかね?
おそらくYouTuberに紹介してもらうことを主な目的に商品化したのだと思いますけど、そうではない一般の方でも気軽に購入できる環境にある現在。規格外のサイズにこだわるのであれば、せめて時間が経っても伸びにくいノンフライ麺を使うなど、そういった工夫を凝らすことはできないものでしょうか。話のネタにはなりますけど、それ以上の価値はないと思います【author・taka :a(大石敬之)】